佐藤茂樹の発言 (外務委員会)
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○佐藤(茂)委員 その上で、もう一つ統合レビューで、最近ちょっと報道が薄くなったんですが、懸念されるのが、保有する核弾頭数の上限目標を引き上げたということが懸念材料としてあります。イギリスは、保有する核弾頭の上限を現状の百八十発から二百六十発と四四%引き上げたわけでございます。他国による核兵器の増加と多様化などを理由に挙げておりますけれども、報道では、台頭する中国やロシアに対抗する狙いだ、そのように言われているわけでございます。
イギリスの核弾頭保有数というのは、冷戦期の一九七〇年代の後半が最大で、約五百二十発がピークで、それから、ソ連が崩壊して冷戦が終わると同時に、脅威の縮小ということもあって保有数の削減が進んでまいりまして、最近では、二〇一〇年には、核弾頭数の上限を二百二十五発から二〇年代半ばまでに百八十発とする、そういう軍縮計画を打ち出しておりました。
今回の核弾頭の上限の引上げというのは、そういう冷戦終結以降続いてきたこのようなイギリスの核軍縮の流れを変えるものであって、核政策の転換である、そのようにも言われているわけでございます。
また、イギリスが加盟している核不拡散条約というのは、第六条で、核保有国に核軍縮に向けて誠実に交渉を行う義務を定めているわけでございます。イギリスの新方針というのは、この第六条から見ても、そういう第六条の考え方に背を向けるものでございまして、NPT体制維持という観点から見ると、このNPT体制を弱体化させるものではないか、そのように言われているわけでございます。
特に、今年一月には、核兵器の開発であるとか保有、使用を禁じる核兵器禁止条約が発効して、批准国も徐々に増える中で、核なき世界を目指す声が徐々に高まっている中でイギリスが核弾頭の保有増ということを発表したというのは、こういう核軍縮の流れに逆行するものであると我々は捉えているわけでございます。
これがイギリスだけにとどまらず、ほかの保有国も刺激して軍拡競争にならないように何とか対応しなければいけない、そのように考えているんですが、唯一の被爆国である日本政府として、このイギリス政府の核弾頭保有増の表明についてどのように認識されているのか、また、先日の第九回の日英外相戦略対話では日本の考え方を伝えられたのか、外務大臣にお伺いをしておきたいと思います。