道下大樹の発言 (憲法審査会)
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○道下委員 立憲民主党の道下大樹です。
発言の機会をいただき、感謝を申し上げます。
私は、コロナ禍における投票権について、意見を申し上げたいと思います。
国民投票法改正案、いわゆる七項目について、細田博之議員は、二〇一八年七月五日のこの憲法審査会において、次のように提出理由を述べられています。
平成二十八年に、公職選挙法の数度にわたる改正により、投票環境向上のための法整備がなされています。本法案は、このような既に実施されている投票環境向上のための公職選挙法改正と同様の規定の整備を、国民投票についても行うものであります。
しかし、残念ながら、投票環境向上のための法整備とは言えない点があることは、先ほど本多議員が質疑で述べられたとおりでございますし、それに対する明確な答弁はございませんでした。審議が尽くされていない、結論を出すには至っていないということは、皆様御承知だというふうに思っております。
そして、今、このコロナ禍において、公職選挙法の不備により投票できない人が発生している状況になっています。新型コロナウイルス検査で陽性となり、保健所からの指示により宿泊療養若しくは自宅療養を余儀なくされ、外出できず、投票できない。憲法で保障された選挙権が行使できないという重大な事態であります。
コロナが感染拡大してきたこの間の、例えば昨年七月の東京都知事選挙、今年三月に行われた千葉県知事選挙など、既に行われた地方選挙の多くで、宿泊施設や自宅で療養中だったコロナ陽性者には、コロナ特措法や厚生労働省の基準により外出自粛要請に応じる努力義務が課せられており、投票を断念した方が数多くいらっしゃいます。
そして、今、三つの国政選挙が行われています。公職選挙法違反で有罪が確定した河井案里元参議院議員の当選無効に伴う参議院広島選挙区再選挙、羽田雄一郎参議院議員が新型コロナウイルスに感染して死去したことに伴う参議院長野選挙区補欠選挙、そして、農林水産大臣在任中に五百万円の賄賂を受け取ったとして収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元衆議院議員の議員辞職に伴う衆議院北海道二区補欠選挙であります。
総務省は、三月十日に、宿泊施設に期日前投票所や不在者投票記載場所を設けることは可能とする通知を各選管に通知しました。また、政府は、公職選挙法上、投票のための外出を禁止していない、自宅療養者は、宿泊施設や病院等への移行、あるいは個別に投票所に来てもらうよう工夫すれば、投票は可能という見解であります。
しかしながら、地方の選管からは、現実的ではないという意見が出されております。期日前投票は、原則、宿泊施設がある市区町村居住者しか投票できず、また、投票所の運営に関わる選管職員がコロナに感染し、もしそれがクラスターとなれば、選挙事務どころではなくなるという感染リスクにも懸念を示しています。
そこで、地方の選管が国に求めているのが、宿泊、自宅療養者の郵便投票です。衆議院北海道二区補欠選挙を行う北海道選挙管理委員会並びに札幌市選挙管理委員会は、新型コロナウイルス感染症により宿泊療養をしている方、自宅療養をしている方の投票権行使の機会を確保するため、早急に郵便投票の対象者とするよう、法制度改正などを国に要望しました。
この点について、私も、去る四月六日の衆議院総務委員会におきまして、質問と要望をいたしました。しかしながら、総務省からの答弁は、郵便投票については、法律で要件が規定をされており、運用上、そのままの形で行うということは難しいというものでした。つまり、公職選挙法を改正しない限り投票できないというものでございます。
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身会長は、昨日の衆議院内閣委員会並びに厚生労働委員会で、今の状況はいわゆる第四波と言って差し支えないと思うと答弁されました。コロナウイルスも、感染力の強い変異株が主流になりつつあり、コロナ収束の見通しは全く立っていません。さらに、コロナワクチン確保と接種の具体的スケジュールも定まっていません。
今年秋までには必ず行われる衆議院総選挙、また、七月には東京都議会議員選挙が予定されています。総選挙に至っては、全国が対象となり、現在行われている三つの国政選挙をはるかに上回る候補者と陣営が選挙活動をし、全ての有権者が対象になるわけで、このまま自宅療養者が投票できなくなるというものをそのままにしておくこと、また、限られた選管職員で、現状の宿泊療養施設における期日前投票所、不在者投票記載場所の運営は大変厳しくなるという意見が出ております。
憲法学が専門の大学教授は、投票権が侵害された憲法違反の状態と言えるとした上で、秋までには衆議院選挙が行われるため、公職選挙法の改正も含めた制度の見直しが必要と指摘しています。
自宅療養者が投票できない状況は、国民投票法においても同様です。公職選挙法に合わせるだけでは、この状況は解消できません。公選法の改正による速やかな対応が求められているのはもちろんではありますが、憲法改正国民投票法が憲法違反の状態であるというのは放置されるべきではないという意見を申し上げ、終わりといたします。