舟橋初恵の発言 (厚生労働委員会)
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○舟橋参考人 お世話になります。全国労働組合総連合女性部長の舟橋でございます。
本日は、育児・介護休業法改正に関わって、労働者の立場、労働組合の立場からの発言の機会をいただき、ありがとうございます。
全労連女性部は、昨年のコロナ禍にある四月から七月にかけて、健康・労働実態及び雇用における男女平等調査、七千八百二十九人、妊娠・出産・育児に関する実態調査については、二〇一五年以降に妊娠、出産した人を対象に、二千五百七十一人から回答を集めました。本調査は一九九二年から五年ごとに実施しているものであり、前回は二〇一五年、今回は七回目です。
皆さんにお配りをしております資料、「本調査の目的と背景」と記された表紙の五ページからの調査概要につきましては、厚生労働省で記者発表を行い、厚生労働省、内閣府には提出済みのものでございます。
本調査は、働く女性の労働環境にどのような変化があり、どのような課題を抱えながら働き続けているか、また、何が仕事と生活の両立を困難にしているか実態をつかみ、女性はもちろんのこと全ての労働者が人間らしく働き続けることができるよう、職場、労働行政に活用するため行っているものです。
五年ぶりとなる調査では、前回調査以降、女性活躍推進法、働き方改革関連法の労働時間の上限規制、年次有給休暇の年五日取得義務化、パートタイム・有期雇用労働法の不合理な差別禁止、また、パワハラ防止法などが施行される中で調査を行ったもので、この調査への影響も把握をしたところです。
二〇二〇年は、新型コロナウイルスの発生と感染拡大に伴い、これまで以上に、女性労働者、非正規労働者に対して様々な負担が集中しています。その結果、雇用や生活面等への影響も大きく、女性労働者、非正規労働者の実態を踏まえて、改善に向けた実効ある施策を進めるなど、ジェンダーの視点から諸制度を見直すことが求められています。また、第五次男女共同参画基本計画の具体化の充実を図ること、通常国会に育児・介護休業法改正案が審議されており、安心して妊娠、出産、子育て、介護のできる法改正にしていただけることを願い、本日は私からの意見を述べさせていただきます。
それでは、配付しております舟橋初恵の参考人資料を御覧ください。
まず、資料二ページ。あなたは妊娠、出産、子育てを理由として仕事を辞めた経験はありますかの問いに、非正規は、辞めたことがある五六・四%、前回調査は六〇・二%で、正規は七・〇%、前回五・八%と大きな差があります。非正規で、妊娠、出産、子育てを理由として仕事を辞めた経験がないとする人が四三・三%でした。これは、前回三八・四%から増えており、就労を継続する方は僅かですが増えています。
三ページを御覧ください。辞めたことがあるを選んだ方に尋ねています。辞めた理由はの問いに、雇用形態別で見ると、正規は、職場に両立を支援する制度や雰囲気がなかったが二三・七%と最も多く、自分の体力がもたなそう一六・七%、勤務時間が合わなかった一四・七%、家事、育児に専念するため希望して辞めたが一二・二%でした。
非正規は、家事、育児に専念するため希望して辞めたが最も多く一八・九%、職場に両立を支援する雰囲気や制度がなかった、自分の体力がもたなそうが共に一七・七%、次いで、勤務時間が合わなかった一六・五%、つわりや体調不良のため一〇・四%でした。
退職勧奨、解雇されたが全体で六・一%に上っています。妊娠期間中や育児、短時間勤務が終わって一年以内に解雇や雇い止めなどの不利益扱いを行うことは違法とされているにもかかわらず、そのような違法行為が実際にあることが改めて浮き彫りとなっています。
保育園に預けられなかったも三・八%であり、待機児童ゼロが実現されていないことも分かります。
職場に両立を支援する制度や雰囲気がなかった二〇・三%、両立支援制度はあったが取れる雰囲気がなかったが六・七%、合わせると、四人に一人は離職せずに済んだかもしれません。
五ページです。あなたは妊娠、出産、育児に関わってハラスメントを受けたことがありますかの問いに、二〇一七年十月の育児・介護休業法改正によってマタハラ防止措置が強化されたにもかかわらず、ハラスメントを受けたことがあるは一六・六%、前回の調査より一・一%増えています。法改正が徹底されていない実態があります。
六ページです。あると答えた方に尋ねます、どんなハラスメントですかの問いに、表とグラフは前問でハラスメントがあると答えた四百十一人の内訳です。正規七三・九%、非正規七〇・七%が、言葉で嫌がらせを受けたと答えています。
七ページです。産後休暇終了後、育児休業を取りましたかの問いに、育児休業を自分が取ったは正規で八二・五%。自分と配偶者が取ったを合計すると、正規女性の育児休業取得は八七・七%です。一方、非正規は五〇・九%です。非正規では、仕事を辞めた二七・八%と三割近くに上っています。
八ページです。育児休業を取った方はお答えください、あなた自身育児休業をどのくらい取りましたか。自分が取った、自分と配偶者が取ったの合計です。育児休業の取得期間は、正規、非正規共に十二か月から一歳六か月未満が最も多く三〇・二%です。二〇一五年前回調査と比べて僅かに増加しています。
九ページです。配偶者が育児休業を取った方にお聞きします、配偶者の育休期間はどのくらいですか。配偶者が取った、自分と配偶者が取ったの合計。配偶者の育休取得期間について、雇用形態別では、正規は五九・九%が一か月未満でした。非正規では配偶者の育休取得はほとんど例がなく、回答のあった四件は全て三か月未満でした。
十ページです。あなたが希望どおりの育児休業を取らなかった理由をお答えください。希望どおりの期間育児休業を取らなかった理由で多かったのは、保育園に入れるため。全体二千五百七十一人から、不明、無回答千三百四十一人を除いて、千二百三十人が希望どおりの期間育児休業を取れておらず、約半数が育児休業期間を短縮する選択をしています。千二百三十人のうち、希望どおりの期間育児休業を取らなかった理由で多かったのは、保育園に入れるためで、正規は五五・七%、非正規四四・〇%となっています。続いて多いのは、休業中の所得保障が少ないで、正規は三一・九%、非正規一六・〇%となっています。
十二ページです。夫が育児休業を取らない、又はもっと長く取りたかったが期間を短くした理由は何ですか。この質問は妻に聞いた回答となりますが、全体で、夫の職場に育休を取れる雰囲気がないが最も多く四九・九%。次いで、育児休業の制度が職場にない二一・三%、人員不足二〇・二%です。
十七ページです。育児休業法の改善に向けて最も要求したいことは何ですか。育児休業法の改正要求のトップは、育児休業中の所得保障五七・七%。代替要員の配置の義務化二九・二%、男性の取得の推進の措置二五・五%です。
十八ページです。子育てに関する両立支援制度の改善に向けて要求したいことは何ですか。両立支援制度の改善に向けての要求では、子供の看護休暇の日数増五五・八%、参観日、PTA活動など家族的責任を果たすための休暇の新設、拡充四八・五%、子供の看護休暇の対象年齢の引上げ三四・七%と、子供のための休暇制度の拡充を求める回答が上位三つを占めています。この傾向は非正規も同様です。
十九ページです。あなたが仕事と家庭、育児を両立させて働き続けるために最も切実な要求を五つお答えください。仕事と家庭、育児を両立させて働き続けるための切実な要求五つは、全体では、休暇の取りやすい職場環境四〇・五%、子の看護休暇の拡充三九・〇%、保育や授業参観、行事参加の休暇三三・五%、子育て等に対する職場の理解二八・七%、保育料など育児に関わる負担軽減二八・〇%でした。
まとめをさせていただきます。
あなたは妊娠、出産、子育てを理由として仕事を辞めた経験はありますかの問いで、辞めた方の回答で、職場に両立を支援する制度や雰囲気がなかった二〇・三%、両立支援制度はあったが取れる雰囲気がなかった六・七%を合わせると、四人に一人は離職をせずに済んだかもしれません。ハラスメントを受けたことがあるは一六・〇%で、言葉で嫌がらせを受けたと七割が答えています。
このように、職場における両立支援制度の整備と制度取得を促す体制整備が求められています。
自由記載、当事者の生の声です。妊娠中、通勤緩和を利用したら、上司から、妊娠していることを公表し、迷惑かけて済みませんと言いなさい、制度だからといっていつまで取っていいものではない等、精神的、体力的にもつらい思いをしました。こういう声が寄せられています。
育児休業法の改正要求のトップは、育児休業中の所得保障五七・七%でした。
育児休業中の所得保障の要求が強いのは、女性の賃金が低いからです。国税庁民間給与実態調査二〇二〇年で、平均給与は、男性正規五百六十一万円、女性正規は三百八十九万円、女性の非正規は百五十二万円となっています。女性では、百万円から二百万円は五百二十六万人と最も多く、百万円以下と合わせると八百六十七万人となっています。この賃金が低いことが妊娠、出産をためらう要因で、様々な両立支援制度があっても、所得保障のないために活用せず、無理をしてしまう要因の一つと考えられます。
育児休業法の改正要求の、育児休業中の所得保障五七・七%に次いで多かったのが、代替要員の配置の義務化が二九・二%です。
これも自由記載からですが、人員不足のため休憩、年休等が取れない、このことが原因で疲労が増し、ハラスメントやメンタルにつながっているのではないでしょうかと声が寄せられています。
本日、育児・介護休業法改正に係る参考人意見ということで、妊娠、出産、育児に係る調査結果よりの報告を中心に発言させていただいていますが、二十一ページを御覧ください。
もう一つの、健康・労働実態及び雇用における男女平等調査で、要求調査を行っていますが、女性の二大要求ははっきりしています。賃金引上げと人員増です。妊娠、出産、育児を行い、働き続けるためにも、この賃金引上げと人員増は切実な要求です。
世界経済フォーラムが毎年発表している男女の格差のギャップ指数では、今年公表されているもので、日本は百五十六か国中百二十位でした。経済分野における順位を上げるためにも、女性が働き続けられる制度整備、男女差別ない、八時間働いたら暮らせる賃金、労働条件の整備をお願いします。
また、女性労働者の六割が非正規労働者という現在、本日報告したアンケート結果でも、非正規労働者はより制度利用が困難となっています。そして、今後懸念されるのは、雇用によらない働き方を増やすと政府はしていますが、雇用によらない働き方は、産前産後、育休など労働者保護の制度は使えません。男女とも安心して子育てできる社会であるためにも、非正規雇用や雇用によらない働き方が広がらないようお願いをいたします。
最後に、妊娠、出産、育児を自己責任とせず、社会が後押ししていただく制度となることをお願いをし、私の意見とさせていただきます。
ありがとうございます。(拍手)