厚生労働委員会

2021-05-28 衆議院 全296発言

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会議録情報#0
令和三年五月二十八日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 とかしきなおみ君
   理事 大岡 敏孝君 理事 門  博文君
   理事 田畑 裕明君 理事 長尾  敬君
   理事 橋本  岳君 理事 中島 克仁君
   理事 長妻  昭君 理事 伊佐 進一君
      青山 周平君    安藤 高夫君
      上野 宏史君    大串 正樹君
      大隈 和英君    神田  裕君
      木村 次郎君    木村 哲也君
      木村 弥生君    国光あやの君
      小島 敏文君    後藤 茂之君
      後藤田正純君    高村 正大君
      佐藤 明男君    塩崎 恭久君
      繁本  護君    武井 俊輔君
      百武 公親君    藤丸  敏君
      村井 英樹君    山田 美樹君
      渡辺 孝一君    尾辻かな子君
      大島  敦君    川内 博史君
      白石 洋一君    津村 啓介君
      西村智奈美君    屋良 朝博君
      山井 和則君    早稲田夕季君
      高木美智代君    桝屋 敬悟君
      宮本  徹君    青山 雅幸君
      高井 崇志君
    …………………………………
   厚生労働大臣       田村 憲久君
   財務副大臣        伊藤  渉君
   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君
   厚生労働副大臣     三原じゅん子君
   農林水産副大臣      葉梨 康弘君
   厚生労働大臣政務官    大隈 和英君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  時澤  忠君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  植松 浩二君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  十時 憲司君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君
   政府参考人
   (内閣府規制改革推進室次長)           彦谷 直克君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 猪原 誠司君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁出入国管理部長)        丸山 秀治君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君
   政府参考人
   (スポーツ庁審議官)   豊岡 宏規君
   政府参考人
   (スポーツ庁スポーツ総括官)           牛尾 則文君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  正林 督章君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         鎌田 光明君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長)            田中 誠二君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         坂口  卓君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           橋本 泰宏君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    赤澤 公省君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           道野 英司君
   参考人
   (中央大学大学院戦略経営研究科准教授)      高村  静君
   参考人
   (独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員) 池田 心豪君
   参考人
   (日本商工会議所産業政策第二部担当部長)     杉崎 友則君
   参考人
   (全国労働組合総連合女性部長)          舟橋 初恵君
   参考人
   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君
   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十八日
 辞任         補欠選任
  百武 公親君     神田  裕君
  山田 美樹君     藤丸  敏君
  山川百合子君     屋良 朝博君
同日
 辞任         補欠選任
  神田  裕君     百武 公親君
  藤丸  敏君     山田 美樹君
  屋良 朝博君     山川百合子君
    ―――――――――――――
五月二十八日
 既存規格接続コネクタ存続と使用継続に関する請願(上野宏史君紹介)(第一〇四二号)
 同(深澤陽一君紹介)(第一〇四三号)
 同(国光あやの君紹介)(第一〇五五号)
 同(根本匠君紹介)(第一〇五六号)
 同(深澤陽一君紹介)(第一〇五七号)
 同(深澤陽一君紹介)(第一〇六七号)
 同(加藤鮎子君紹介)(第一一六六号)
 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願(宮本徹君紹介)(第一〇四四号)
 同(黒岩宇洋君紹介)(第一〇六八号)
 同(菊田真紀子君紹介)(第一一六七号)
 新型コロナ危機打開のため雇用調整助成金の特例措置の延長等に関する請願(奥野総一郎君紹介)(第一〇四五号)
 同(清水忠史君紹介)(第一一二九号)
 障害福祉についての法制度拡充に関する請願(串田誠一君紹介)(第一〇四六号)
 同(篠原豪君紹介)(第一〇四七号)
 同(末松義規君紹介)(第一一五三号)
 同(稲富修二君紹介)(第一一六一号)
 同(森田俊和君紹介)(第一一六二号)
 同(矢上雅義君紹介)(第一一六三号)
 同(山内康一君紹介)(第一一六四号)
 同(笠浩史君紹介)(第一一六五号)
 同(小沢一郎君紹介)(第一一八八号)
 同(城井崇君紹介)(第一一八九号)
 同(後藤祐一君紹介)(第一一九〇号)
 同(原田義昭君紹介)(第一一九一号)
 同(山口壯君紹介)(第一一九二号)
 子供のための予算を大幅に増やし国の責任で安全・安心な保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(手塚仁雄君紹介)(第一〇五二号)
 同(堀越啓仁君紹介)(第一一二七号)
 同(海江田万里君紹介)(第一一八五号)
 安全・安心の医療・介護の実現と国民の命と健康を守ることに関する請願(菊田真紀子君紹介)(第一〇五三号)
 同(斎藤洋明君紹介)(第一〇五四号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一一〇二号)
 同(清水忠史君紹介)(第一一三〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一一六〇号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(穀田恵二君紹介)(第一一〇〇号)
 医療・介護の負担増の中止を求めることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第一一〇一号)
 同(清水忠史君紹介)(第一一二八号)
 同(宮川伸君紹介)(第一一五〇号)
 同(今井雅人君紹介)(第一一八六号)
 七十五歳以上医療費窓口負担二割化撤回に関する請願(清水忠史君紹介)(第一一三一号)
 同(宮川伸君紹介)(第一一五一号)
 七十五歳以上医療費窓口負担二割化撤回を求めることに関する請願(山川百合子君紹介)(第一一三二号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一一五四号)
 同(小宮山泰子君紹介)(第一一九三号)
 新型コロナウイルスの感染拡大を抑止するためにPCR検査の抜本的強化と医療体制を守り抜くことに関する請願(笠井亮君紹介)(第一一四九号)
 減らない年金、頼れる年金を求めることに関する請願(宮本徹君紹介)(第一一五二号)
 七十五歳以上医療費窓口負担二割化に反対することに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一一五九号)
 福祉職員を増やし、賃金を引き上げることに関する請願(青山大人君紹介)(第一一八七号)
 全国一律最低賃金制度の実現を求めることに関する請願(関健一郎君紹介)(第一一九四号)
 同(牧義夫君紹介)(第一一九五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
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とかしきなおみ#1
○とかしき委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、中央大学大学院戦略経営研究科准教授高村静さん、独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員池田心豪君、日本商工会議所産業政策第二部担当部長杉崎友則君、全国労働組合総連合女性部長舟橋初恵さん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず高村参考人にお願いいたします。
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高村静#2
○高村参考人 ただいま御紹介いただきました、私、中央大学大学院戦略経営研究科の高村と申します。本日は、参考人としてお呼びいただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、企業の職場における働き方ですとか、それからキャリア開発というような課題に取り組んでおります。中でも、ワーク・ライフ・バランスですとか女性の活躍という点に関心を持ちまして、調査研究に取り組んでおります。また、厚生労働省のイクメンプロジェクトの推進委員という立場から、男性の育児休業取得促進に取り組んでおります。
 イクメンプロジェクトということに関しましては、御存じの方も多くいらっしゃるかとは思うんですが、二〇一〇年にスタートしております。こちらのプロジェクトでは、イクメンのことを、子育てを楽しみ、自分自身も成長する男性というふうに定義をいたしまして、男性の育児、家事参加を進めるための企業ですとか職場の取組、また御本人の工夫などを広く掘り起こしまして、伝えることに取り組んでおります。
 そうした取組によりまして、男性の育児休業取得とその意義につきましての社会的認知を高め、国の男性の育児休業取得率の目標達成を目指した取組を行っております。現在、イクメンという言葉も広く認知されるようになってきたというふうに思っております。
 本日は、特にそうした、職場での働き方というような観点から、男性の育児休業取得を進める意味というようなことについて述べさせていただきたいと思っております。
 まず、男性の育児休業の取得を特に推進しようとすることの背景には、働く場における男女の非対称性という課題があるということを改めて指摘したいと思います。
 資料を御用意しておりますけれども、こちらの資料にございます、表紙をおめくりいただきまして、資料の一を御覧いただきたいと思います。こちらは、内閣府男女共同参画局が作成しまして、男女共同参画白書の方に掲出されたグラフでございますけれども、男女の生活時間、特に労働時間を抜き出した国際比較でございます。
 企業で働く時間の参考値といたしまして、有償労働を示すピンクの部分を見ていただきたいと思うのですが、日本は、男性が長いということとともに、男性と女性の比率が、イタリアと並びまして非常に差が大きいというような状況になっております。このような働き方の非対称性ということと育児休業取得の状況の男女の非対称性ということは、表裏一体であるというふうに考えております。
 つまり、育児休業制度というのは、一九九一年に、男女にひとしく請求権を認める内容として法制化されましたけれども、導入から三十年がたちまして、男女の取得率に大きな乖離が見られます。その背景には、こうした働き方の男女差がある。それが、男女で等しい制度としてスタートしたこの制度が今日異なる影響を男女にもたらす、そういった一因になっているというふうに考えております。
 私は、男性の育児休業取得の取組というのは、直接的には男性の休み方の問題になるわけですけれども、他方で、働き方を見直す取組であるというふうに考えています。
 これまで、男女の働く場での差の解消ということは、実質的には、女性の働き方を男性に合わせるという方向で取り組まれてまいりましたけれども、男性の育児休業取得促進ということを通じまして、男性を中心とする職場の働き方を見直すことで、男女共に、育児・介護休業法が目的とします、子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進、それから職業生活と家庭生活の両立を目指す取組であるというふうに位置づけることができるのではないかというふうに考えております。これが私の基本的な考え方でございます。
 このような認識を基にしまして、男性の育児休業取得促進が重要であるというふうに考える理由、及び、法案御審議に当たりまして御考慮いただきたいというふうに考える点を三点ずつ述べさせていただきます。
 まず、男性の育児休業取得が重要であると考える理由ですけれども、まず第一は、ただいま述べましたとおり、それを進めることで、従来の休みにくく長時間になりやすい職場の働き方の見直しにつながるのではないか、このように考えるからでございます。
 毎年、厚生労働省が、イクメン企業アワード、それからイクボスアワードというふうなことを表彰しておりますけれども、これらの表彰制度では、審査項目に、仕事と育児を両立できる職場環境の整備、それから取組による定量的な効果が示されること、こういった項目を加えておりますことから、こういった職場環境の整備ですとか、よい効果を上げているということについて、様々な工夫を行う企業の事例というものが集まってまいります。
 特に昨年は、予期せぬ新型コロナウイルスの感染症拡大で、仕事の見直し若しくはオンラインへの移行ということで、仕事のプロセスを見直した企業も多かったというふうに思います。
 昨年のその表彰を受けた企業さんの中では、男性の育児休業取得を促進する中で取り組んできた取組が、そういった中で仕事ですとか仕事プロセスの見直しを進めてきたために、昨年のような緊急事態にもスムーズに対応できたというふうなことを話してくださる企業さんがございました。
 資料二にお示ししておりますように、育児休業取得というのはこうした仕事ですとか手順の見直しなどにつながるというふうに考えておりますので、二でも、こちらの資料の方でも、チームで仕事を共有するですとか、手順、手続を簡略化する、不要なミーティングを減らすようにしていたなど、仕事上の工夫というものをする人の比率が高いというような報告がありますのも、そういったことに結びついているというふうに考えております。
 二点目ですけれども、育児休業の期間に男性が幅広い育児や家事に取り組むこと、長い間取り組むということが、育児休業が終了した後も家事や育児への参画の継続につながる可能性があるというふうな観点から、重要であるというふうに考えています。
 例えば、資料三でございますけれども、ちょっと専門的な内容になっているかもしれませんが、こうした可能性を指摘しているというふうに考えております。
 夫婦共に家事ですとか育児のできる範囲が広まる、守備範囲というふうに考えられると思うんですが、育児休業終了後も夫婦で連携する、あるいは調整するということがしやすくなるというふうに思います。子育てや家庭管理及び働き方の男女非対称性の緩和につながり、夫婦で子育てをするというスタイルが広まる可能性があるのではないかというふうに考えております。
 重要と考える三点目ですけれども、こうした育児休業取得をきっかけにして、会社と個人の関係性が強まるという可能性もあるというふうに考えられます。
 こちらは資料四になりますけれども、育児休業を取得した男性というのは、同時期に子供が生まれまして育児休業を取得しなかった男性に比べて、会社への好感度が高まった、会社への帰属意識が高まったなどと回答する人の比率が高いということが示されております。
 男性の育児休業取得を推進することには、以上のような効果、影響があるというふうに考えますが、そのために考慮すべき点もあるというふうに考えております。今回の法改正に関わる点として、三点申し上げたいと思います。
 一点目は、周知についてです。
 今回新設される個別周知と、従来からの周知の努力義務というのがあるわけですが、双方を組み合わせて、個別に加え幅広い層に対して充実した内容が伝わるようにお願いしたいと考えます。
 男性本人が育児休業制度を正しく認識するということは育児休業取得の大前提になりますが、様々な調査が示すとおり、上司、同僚が支持的だったとか職場に取りやすい雰囲気があったということが、育児休業取得を希望する男性が実際に取得できたかどうかに大きく影響するということが言われております。職場全体に、男女共に育児休業取得についてひとしく請求権があるということについての周知を一層お願いしたいと思います。
 また、男性が育児休業を取得しなかった理由に、妻が育児休業を取得したためということが指摘されるわけですが、これは二〇〇九年の育児・介護休業法改正以前、労働者の配偶者が専業主婦等であって子供を養育できる場合には、企業は労使協定によって当該労働者の育児休業取得を認めないとすることができたという扱いであったことが、改正後も、その制度が廃止された後も職場風土として存続している可能性があるのではないかと考えております。こうした除外規定というのが廃止されていること、それから、むしろ、パパ・ママ育休プラスなど夫婦での子育てを進めようとする象徴的な制度があることなどについて、広範囲への積極的な周知をお願いしたいと考えます。
 二点目は、男性の育児休業取得意向の確認についてです。
 育児休業の取得時期というのはある程度見通すことができますので、本人から取得の意向が示されましたらば、意向確認と併せまして、仕事の内容ですとか配分、スケジュール等を職場で話し合う機会というふうにしていただきたいと思っております。そのことで仕事や働き方の見直しにつながることになると思いますし、また、休みの間に仕事を託す相手の方を育成する機会として利用している企業さんのケースもございます。
 三点目ですけれども、育児休業中の行動についてということです。
 産後八週の間に新設が検討されている仕組みでは、労使協定を前提に、一部就業も認められることとなっております。このような柔軟性を取り入れることで、これまで、職場に迷惑がかかるからということで、取得を希望しながらも二の足を踏んでいたであろう一定数の男性の育児休業の取得が促進されるということが考えられますが、一方で、就業を強要されることのないよう、十分な仕組みの検討をいただきたいというふうに考えています。
 また、就労を可とするという新たな仕組みに目が行きがちですけれども、新制度は、育児休業とその後に続く長い夫婦での子育てのスタートの期間というふうに位置づけまして、その後の夫婦の子育ての協業や連携が進むような過ごし方、これについても幾つかの事例を基に伝えていただきたいというふうに思います。
 最後に、個別の内容というよりも、今般、労政審からの建議に、男性に対するポジティブアクションに沿ってと記載されている点について意見を申し述べたいと思います。
 冒頭申しましたとおり、男女が置かれている社会的な状況の違いによりまして、育児休業取得状況に大きな差が出ているというふうに考えられるわけでして、一定期間のポジティブアクションは必要であるというふうに考えます。ただし、そうであるならば、これは一定期間経過後に見直される必要というものがあるかと思いますので、その点を最後に申し述べたいと思います。
 私からの意見は以上でございます。どうもありがとうございます。拍手
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とかしきなおみ#3
○とかしき委員長 ありがとうございました。
 次に、池田参考人にお願いいたします。
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池田心豪#4
○池田参考人 おはようございます。労働政策研究・研修機構の池田と申します。
 平素より当機構の活動に御理解と御協力を賜りまして、ありがとうございます。この場をかりて御礼申し上げます。
 私は当機構の研究員になって十五年になるんですが、終始一貫して仕事と家庭の両立支援に関する調査研究を担当してまいりました。今日は、その経験を踏まえまして、改正育児・介護休業法の法案の中でも、先ほど高村参考人も言及しました男性の育児休業について私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 このような貴重な機会をいただきましたことに、まず深く感謝申し上げます。
 お手元の黄色と青の表紙がついております資料に沿ってお話ししていきたいと思います。
 一枚めくっていただきますと、本日の報告内容ということで概要を記載しておりますが、まず一点目、育児休業に係る政策というのは実は二つの側面を持っているということをまず再確認しておく必要があるというふうに思います。
 育児・介護休業法というのは、元々、男女雇用機会均等法から独立する形で制定されました労働法の一つです。その趣旨は、男女雇用機会均等、そういう理念の下に、男性にも育児休業を適用する、そういう考え方を取っております。仕事と家庭というふうに、ワーク・ライフ・バランスのワークとライフというふうに二つ並べてみたときに、労働政策ですから、やはり女性の労働参加ということに関心がある。
 こちらに育児・介護休業法の第一条の目的規定を載せておりますが、ここで赤字で書いてあるところを読んでいただければ分かりますように、やはり、子育てをする労働者の雇用の継続及び再就職を図る、つまり労働参加を支援するということをはっきりとうたっております。
 さらに、第三条の二項に、ここも赤字になっておりますが、休業後における就業を円滑に行うよう必要な努力を労働者はしなければならない。つまり、家にいてしっかり子育てをしましょうね、それはもちろんあるんですが、やはり、その後に復職をしてキャリア形成をする、就業を継続する、そういう労働参加への関心の強い法律になっているということをまず再確認しておきたいと思います。
 一方、同じように育児休業取得促進政策として推進されております次世代育成支援対策推進法、この法は、やはり、目的は、少子化対策、数量的な子供の数を増やすということだけでなく、質的な面でストレスや負担感の小さい、より幸福の感じられる子育て生活を実現しよう、そういう子育て支援という側面があります。
 これは次世代法の第三条にもそれが明記されておりまして、次世代育成支援対策を通じて、子育ての意義について理解が深められ、かつ子育てに伴う喜びが実感されるようにしよう。つまり、ベクトルが実は仕事と家庭をめぐってちょうど正反対の方を向いていて、それが相補的に関わり合うことで育休政策というのを推進している、そういう性質があるということです。
 今回は育児・介護休業法の改正ですので、次世代法の発想に引っ張られるとちょっと制度設計がいびつになるという側面がございます。なので、あくまでも労働政策、特に男女雇用機会均等という理念の下に制度設計を考えていただきたいというのが私の第一の主張です。
 次に、一枚めくっていただいて、じゃ、男女雇用機会均等というふうにいったときに、何で男性が育児休業を取らなきゃいけないんですかということになります。
 女性の育休の場合は、産後の復職支援という側面があります。現実的に産休だけでは復職がかなわないときに、復職時期を少し先に延ばして復職を円滑にしていく、そういう側面があります。しかし、男性については、育休を取れないと離職をするという話では、なかなかそういうふうな想定では話が進んでいないというふうに思います。
 だけれども、実は、育休には、一定期間子育てに専念して、かつ雇用が保障されるというメリットだけでなく、その後の更なるキャリアということを考えたときには一定のデメリットがあるということが知られています。それが所得ロスとキャリアロスというふうに言われています。
 所得ロスというのは、御承知のとおり、育児休業というのはノーワーク・ノーペイの原則ですから、一定期間の休業に伴う就業中断で収入が減る、そういう問題がございます。もう一方で、やはり、休業期間が長くなると、その間就業経験を積めないとか、将来のキャリアアップにつなぐ大事な、例えば契約案件ですとか大口の仕事ですとか、いろんなチャンスをその期間に逸してしまう、そういうリスクがありますので、女性だけでなく男性も育児休業を取りましょうねというのは、この育休取得に伴うデメリットを女性だけが甘受するというのはやはり男女不平等ですね、そういう考え方にのっとっています。
 なので、できることならば、男女の雇用機会均等という意味では、現状は、雇用保険で夫婦が六か月ずつ育児休業を取るとちょうど所得ロスが一番小さくなるような設計がされていますが、やはり、男女が共に子育てに関わるという家庭生活の面だけではなくて、就業機会を男女で均等にしていく、そういう側面があるんですよということをもう一つ確認しておきたいと思います。
 その観点から見たときに、先ほど高村参考人も指摘されておりましたとおり、スライドの五番目ですが、男性の育休取得率というのは極めて低調になっています。この圧倒的な男女差、かつ、諸外国と比べても、正直、国際会議に出ますと本当に失笑を買うぐらいの低い取得率ということを何とかしなきゃいけないということで、ここ数年間、男性育休についての関心が盛り上がってきたわけなんですが、実は、その中で余り語られていない事実というのがあります。それがスライドの六ページ目です。
 実は、育休制度以外の制度を使って、子供が生まれたときに仕事を休むという男性は割と多いんですね。日本の場合は、未消化の年休がかなりあるという状態ですので、やはり年休は所得保障一〇〇%ですし、先ほど言った、半休、時間休、連続休暇、いろんな取り方ができます。非常に柔軟な形で仕事と家庭の事情に合わせて子育てに時間を割くことができる、そういう便利な制度として使われているという面がございます。あるいは、企業の中には配偶者出産休暇とかいろんな特別休暇制度を用意していて、そういったいわゆる育児休業という方式ではない方式で休んでいる人が結構実はいるんですよということがあります。
 なので、そもそも休めないという人と、休めるんだけれども育児休業は取っていないという人と、育児休業を取っているという、この三層構造になっているということをちょっと頭に置いていただきたい。どうしても、育児休業を取れないイコール休めない、何か、人手が足りない、仕事が忙しい、そういう話になってしまうんですが、休めないという話と育児休業を取らないという話はちょっと段階の違う話として専門家の間では共有されている問題ですので、この点、御注意ください。
 そうすると、六ページ目のスライドで、いずれも非取得、つまり、どんな手段を使っても休んでいないですよという人は、実は二三・八%なんですね、これは一番新しい調査ですが。そうすると、この人たちが正規の育休を取るとどうなりますかということが問題になります。
 実は、育児休業といっても、男性の場合は、何か月もの単位で取っている人というのはそれほど多くなくて、やはり短期間、場合によっては五日未満とか一週間とか一か月未満、そういった人たちが圧倒的に多いので、それと例えば二十日間丸々繰り越している年休を全部消化するのと何がどう違うんですか、そういう問いが専門家の間では出ています。
 なので、女性が育休を取れないという場合は、やはり最初から何か月単位で取るので、それが取れないとなると非常に仕事と家庭の両立が危うくなるという側面があるんですが、男性はこの短期の取得という問題が間に挟まっているので、非常に問題を複雑にしています。
 実際に、では、ほかの休業制度を使った場合はどうなのかというと、やはり取得日数というのは短めになります。やはり育児休業を取っている人は長めです。
 スライドの七ページを見ていただくと分かるんですが、制度の種別を問わない合算の平均、この左側の図の一番下にありますが、これが大体十三・一日、二週間弱ぐらいですね。それに対して、育児休業の場合ですと二十六・二というふうになっていますから、やはり一か月近くというふうになっていますので、単純に考えて倍ぐらいの日数は取っているということになります。
 そうすると、やはり短くいろいろ小刻みに取っていくというのが今の現状の男性の、要するに両立支援のある種の戦略というか、そういうスタイルなんですよね。それを、育児休業をやはり取りましょうよ、それで、できれば長く取りましょうよというふうに持っていくということが大事じゃないですかねという話になります。
 そういう観点で、一枚めくっていただいてスライドの八ページ目ですが、改正法を見ましたときに、どういったことが効果として期待できるかといいますと、先ほど申しましたように、育休以外の制度を使って休んで子育てに時間を使っている、そういう男性が育休を取るようになるということです。ですので、年休で十日間とかほかの特別休暇を使って二週間ぐらいとかと言っている人たちが、二週間だったら育休を取りましょうよというふうに、先ほど言った個別周知と意向確認というのがそこにくっついてきますので、育児休業を取りましょうよというふうになります。それによって当事者が育休を取るということを意識するようになって、制度についての十分な理解がないままに他の特別休暇で対応しようとしていたところが育休を取るようになる、それによって育休取得率が上がるということが期待されています。
 その制度設計の中で、二回に分割できるとか、先ほども言及のありました育休中の就労を一部認めるというのは、これは、現状の、柔軟に、分かりやすく言うと、年休と比べたときに育休の方がいいと思えないと、やはり年休を取った方が当事者にとっては取りやすいんですよね。そうすると、育休中の就労というふうに言うと、何か子育ての片手間に仕事もするというふうに見えますが、現実的には、年休を使う場合は、時間休とか半休という形で、一日の時間を子育ての時間と仕事の時間というふうに割って、それで両方に当たるということが現実的にできるようになっていますので、そういったやり方で取りあえず男性が育休を取るということの道筋をつけよう、そういう考え方というふうに理解できます。
 実際に、厚生労働省の資料でも、九ページに引用しておりますが、やはり長期一回を最初から念頭に置いて取っていただくのではなくて、断続的に細切れに取っていただく、そういうやり方で取得の取りやすさということを考えていきましょう、そういう制度として理解できます。
 しかしながら、この九ページのスライドを見ていただいても分かりますように、母と父とで矢印の引っ張り方がやはり違いますよね。ここで問題になってくるのが今後の検討課題ということになりますが、やはり男性と女性の育児休業の取り方の非対称性という問題を今後どう考えていくかということは非常に重要な課題になります。
 特に、今回新設されました出生後育休につきましては、女性は、産後六週間、これは強制休業です。本人が働きたいと言っても一切の就業が認められない、そういう休業になっております。他方で、出生後育休の方は、分割できるということは、間を挟んで仕事をしてもいいですよということになりますし、労使協定に基づく休業中の就労というのは、これは文字どおり断続的に就業が認められるということになります。
 これを、やはり男は仕事なんだよねというふうになっちゃうと、性別役割分業を支持し強化する制度になってしまいます。なので、やはりこの非対称性の問題というのは、先ほどポジティブアクションというお話がありましたが、短期的にはポジティブアクションとして考えてもいいですが、やはり男女雇用機会均等の根本的な問題に関わる部分を持っているということを最後にお話ししていきたいと思います。
 二つの方向性として、まず、やはり、男性も働けるんだったら女性も育休の合間に働けるということがあってもいいよね、そういう考え方もあると思います。つまり、今回男性に適用した考え方を女性にも適用していきましょうよ、体の体調がよかったら働いてもいいんじゃないんですか、そういう考え方を取っていくという考え方はあると思います。
 いや、そうではなくて、やはり産休というのは母体保護ですから、これはもう何物にも代え難い保護の対象なので、これはもう鉄板で動かさない。だったら、男性も一定期間は仕事をしないでしっかり休んでください、そういう考え方もできます。
 だけれども、女性の母体保護の問題というのは、やはり他者が代替できない自分自身に対するケアであるのに対して、男性の育児というのは、現実的には、夫婦以外の人が子育てに関わるという場面が日本では結構あります。実家の親だったり、あるいはシッターさんだったり、産褥シッターを雇ったりとかということもありますので、妻か夫かでいったら、妻が要するに動けないんだから夫がやらなきゃいけない、だけれども夫婦だけじゃないですよという問題がありますので、この点を留意して今後検討を進めていくことが大事じゃないかなというふうに思っています。
 最後に、締めになりますが、労働政策としての育休政策と子育て支援政策としての育休政策というのはやはりちょっと性質が違うというのは、労働政策というのは労働市場に介入する政策だということを最後に申し添えておきたいと思います。
 市場である以上は、交換関係、ギブ・アンド・テイクで成り立つ。その当事者の取引関係の中に政府が介入して、市場取引のルールを整備していくというのが労働政策が持っている一つの重要な機能としてあります。
 そのときに、育休とか何にしても、使用者の人が気軽に、休んだ分は働いてねと言いますけれども、それは別に意地悪で言っているんじゃなくて、やはりギブ・アンド・テイクの関係で職場は成り立っているということを端的に表している側面がありまして、政策介入によって労働者にある種の便益を与える、今回の場合だと、育休を取りづらいから取れるようにしましょう、なるべく長く取れた方がいいですねということを便益として与えた代わりに、企業側というのは、そのコストに見合った見返りというのをやはり労働者に求めてきます。例えば、休んだ分は働いてねという気軽な言い方は、例えば、女性が育休を取って復職した後には、やはり管理職昇進という形で見返りを求めます。
 これは、職域拡大とか男女雇用機会均等の理念に合っているので、どちらかといえば望ましいことというふうに捉えられがちですが、やはり、そこまで仕事にフルコミットメントしたくないんだけれどもという女性にとっては厳しい選択を迫られているという側面も当然ございます。
 そういう意味で、お互いに信頼関係の上で成り立っている職場ではありますが、やはり、営利活動の中で従業員の人材を活用しよう、その基本前提の中でいろいろなベネフィット、便益をやり取りしているというのが労使関係ですので、困っているから助けてあげないといけないという形で、安直な慈悲深さで、労働者に便益を上から介入して無理やり提供するようなことをすると、それは労働者にとってある種の債務を負うことになりかねない。
 育休を取った見返りにあなたは何をしてくれるんですか、そんなに育休を取りたいんだったら。よく言われるのが、そういうことになると逆に子供を産みづらくなるとか、逆に、それに見合った男性しか要するに企業が期待をかけなくなるとか、そういったことが現実的に懸念される。これは女性についても言われますし、労働政策全般について、やはり、利益を得ると思った方の首を絞める結果という、そういう副作用が常について回るということを考慮して政策を決めなきゃいけない。だから、労使の対話ということが大事になります。
 対話が大事というと、何か話合いでマイルドに問題を解決しようとするハト派の主張のように見えますが、これは違います。何か思い切ったことをやるのが格好よくて、マイルドな人は弱腰という話じゃなくて、基本的に、取引関係、交換関係について労使が納得していないルールを適用しようとすると、必ずゆがみということが生じます。
 それは、もう一回強調しますが、利益を与えようと思って、困っているから助けてあげようと思った方の人を苦しめるという結果になるのが労働政策の怖いところです。非正規の人がかわいそうだから、女性の人がかわいそうだから、ああいう人がかわいそうだから何とかしてあげようといっても、急進的なことをやると、その副作用でその人たちが困るということになるということを重々留意して、労働政策としての育児・介護休業法の在り方ということを引き続き御検討いただきたいというふうに思います。
 どうもありがとうございました。拍手
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とかしきなおみ#5
○とかしき委員長 ありがとうございました。
 次に、杉崎参考人にお願いいたします。
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杉崎友則#6
○杉崎参考人 日本商工会議所で労働政策の担当部長をしております杉崎と申します。
 本日は、このような場を設けていただきまして、誠にありがとうございます。感謝申し上げます。
 育児・介護休業法の改正案につきまして、労働政策審議会の使用者側委員として議論に参加した立場から、また、商工会議所は全国に百二十二万の会員を擁しておりまして、その大宗が中小企業であるということから、本日は中小企業の実態を踏まえて意見を申し上げたいと思います。
 まず、改正法案に対する基本認識を申し上げます。
 今回の改正法案の基本的な考え方となっております男性の育児休業取得の促進につきまして、その趣旨に賛同いたしております。
 女性の育児休業取得率が八〇%を超えて推移している一方で、男性の取得率は七・四八%にとどまっております。家庭内の家事、育児の負担が女性に偏っている現状を踏まえますと、男性も育児休業を取得し、その後も育児を担っていくということは、仕事と育児を両立できる社会の実現はもとより、女性の雇用継続、ひいては女性の更なる活躍に向け非常に重要であると認識しているところでございます。
 一方で、育児休業は、労働者が申し出た場合、事業主は必ず取らせなくてはならない強い権利となっております。企業の立場では、労働者が育児休業を取得した場合、いかに業務を円滑に回していくかということが課題になります。人手不足の傾向が続いている中で、特に、企業規模が小さくなるほど、育児休業を取得した労働者の代替要員の確保など、業務の円滑な継続に困難が生じることが考えられます。
 また、コロナ禍の非常に厳しい経済情勢の中で、多くの中小企業は、雇用調整助成金等の各種支援策を活用しながら事業の存続と雇用の維持にぎりぎりの努力を続けていることから、企業の余力は乏しく、余裕を持って人員を確保しておくということも困難でございます。
 今回、改正法案の取りまとめに当たりましては、労働政策審議会において議論が行われましたが、現下の企業の厳しい実態も踏まえつつ、男性の育児休業取得促進策を真摯かつ建設的に議論した結果、妥当かつ実効性のある結論に至ったものであると認識してございます。
 次に、改正法案の具体的な内容について意見を申し上げます。
 今回の改正法案の大きな柱の一つが、男性について、産後八週の間に四週間分の休業を取得することができる出生時育児休業制度の創設であります。
 男性が育児休業を取得しない理由として、業務の都合ですとか職場の雰囲気を挙げる割合が多いということを踏まえますと、育児休業の取得が進んでいない男性について、柔軟に取得できる新たな仕組みを設けることは有意義であると考えております。
 一方で、現実的には、マンパワーが乏しい中小企業においても、年末などの繁忙期に複数の社員が同時に育児休業を取得する可能性もあり得ること、また、休業する男性労働者の仕事を引き継ぐほかの労働者の負担軽減、例えば、引継ぎに係る準備ですとか体制整備を十分な時間的余裕を持って行うことで、特定の個人に過度な負担がかからないようにするということが重要でございます。
 したがいまして、企業における業務の円滑な継続には、柔軟性を確保することに加えて、現場の実態に配慮した仕組みにしていく必要がございます。
 特に、今回は、出生時育児休業制度について、通常の育児休業よりも申出期限を短縮し、原則二週間にすることとなっております。これに関しましては、義務を上回るような取組を実施することを労使協定で定めた場合には、申出期限を一か月前とすることが可能となっております。
 このように、企業の現場に配慮しつつも、男性の育児休業取得促進を図るような仕組みを設けるということが、今回の改正法案の実効可能性を高めることにつながっており、まさに労働政策審議会で労使が議論して結論を得た成果であると考えております。
 また、今回の出生時育児休業制度については、事前に調整した上で、休業中に就労することが認められる案になっております。一方で、本来休業したい労働者が意に反して就業させられることがないように、労使協定の締結や、個別の同意、労働者側からの条件の申出など、様々な手続や要件を求めております。この点については、労働者の意に反して働かされることを防ぐとともに、男性の育児休業取得のハードルを下げ、育児休業を取得しやすくなる効果が見込めるという点、さらに、中小企業における事業の継続性を担保する点からも評価をしたいと思っております。
 今回の出生時育児休業制度が新設されることにより、これまでよりも男性が育児休業を取得するようになるということが考えられますが、中小企業はマンパワーに限りがあることから、育児休業を取得しやすい環境整備に向けた支援が重要であると考えます。
 このため、労働政策審議会の建議では、特に中小企業においては育児休業等取得に伴う代替要員の確保等の負担が大きいことから、派遣等による代替要員確保や業務体制の整備等に関する事業主の取組への支援、ハローワークにおける代替要員確保のための求人に対する積極的な支援を行うことが適当、事業主の取組への支援については、ノウハウが十分ではない中小企業からの相談対応や好事例の周知も含めて行うことが適当とされたところでございます。
 雇用の七割は中小企業が担っているということから、中小企業において実効性を確保することが重要でございます。こうした形で、国からの支援も受けながら、中小企業においても男性が育児休業を取得できるよう、日本商工会議所といたしましても取り組んでまいりたいと考えております。
 今回の改正法案のもう一つの柱が、事業主に対する、育児休業を取得しやすい職場環境の整備及び労働者への育児休業制度の個別の周知、取得意向の義務化でございます。
 男性が育児休業を取得しない理由として、職場の雰囲気が挙げられております。職場での取組の有無によって育児休業取得率が違ってくるということを踏まえますと、育児休業を取得しやすい職場環境の整備ですとか、労働者への個別の周知、意向確認が求められるということについては理解いたしているところでございます。
 一方で、今回の措置は企業規模にかかわらず事業主に義務づけられるということを踏まえますと、義務の内容については、中小企業でも対応可能なものにしていく必要がございます。
 このため、労働政策審議会の建議においては、育児休業を取得しやすい職場環境の整備の具体的な内容としては、中小企業にも配慮し、研修、相談窓口の設置、制度や取得事例の情報提供等の複数の選択肢からいずれかを選択することが適当である、また、労働者への個別の周知、意向確認の具体的な方法としては、中小企業にも配慮し、面談での制度説明、書面等による制度の情報提供等の複数の選択肢からいずれかを選択することが適当であるとされたところでございます。
 これらの取組を行うことは中小企業にとってなかなかハードルが高いものではありますが、国において、これらの環境整備や周知に関する分かりやすく活用しやすいポスター、リーフレット等を提供していただけるということになってございます。
 これらの国の支援や各種のツールも活用しながら、中小企業においてもこれらの義務を円滑に履行できるよう、日本商工会議所は改正内容の周知に協力していきたいと考えてございます。
 冒頭にも申し上げましたが、コロナ禍の影響もあり、多くの中小企業は今もなお事業の存続と雇用の維持にぎりぎりの努力を続けており、非常に厳しい経営環境に置かれております。
 厳しい経済情勢ではありますが、男性の育児休業の取得促進は、仕事と育児を両立できる社会の実現はもとより、女性の雇用継続、女性の更なる活躍のみならず、少子化対策にも資する非常に重要な課題であることから、その必要性を理解し、労働政策審議会においては、労使共に現場の実情に即した建設的な議論を行ってまいりました。
 今回の改正法案は審議会の議論を踏まえて作成されており、審議会委員の一員といたしまして、この改正法案には賛同いたしております。
 日本商工会議所といたしましても、今回の改正法案が成立した際には、周知に積極的に協力させていただくとともに、男女共に希望に応じて育児休業が取得できる社会の実現に協力してまいりたいと考えてございます。
 説明は以上でございます。御清聴ありがとうございました。拍手
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とかしきなおみ#7
○とかしき委員長 ありがとうございました。
 次に、舟橋参考人にお願いいたします。
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舟橋初恵#8
○舟橋参考人 お世話になります。全国労働組合総連合女性部長の舟橋でございます。
 本日は、育児・介護休業法改正に関わって、労働者の立場、労働組合の立場からの発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 全労連女性部は、昨年のコロナ禍にある四月から七月にかけて、健康・労働実態及び雇用における男女平等調査、七千八百二十九人、妊娠・出産・育児に関する実態調査については、二〇一五年以降に妊娠、出産した人を対象に、二千五百七十一人から回答を集めました。本調査は一九九二年から五年ごとに実施しているものであり、前回は二〇一五年、今回は七回目です。
 皆さんにお配りをしております資料、「本調査の目的と背景」と記された表紙の五ページからの調査概要につきましては、厚生労働省で記者発表を行い、厚生労働省、内閣府には提出済みのものでございます。
 本調査は、働く女性の労働環境にどのような変化があり、どのような課題を抱えながら働き続けているか、また、何が仕事と生活の両立を困難にしているか実態をつかみ、女性はもちろんのこと全ての労働者が人間らしく働き続けることができるよう、職場、労働行政に活用するため行っているものです。
 五年ぶりとなる調査では、前回調査以降、女性活躍推進法、働き方改革関連法の労働時間の上限規制、年次有給休暇の年五日取得義務化、パートタイム・有期雇用労働法の不合理な差別禁止、また、パワハラ防止法などが施行される中で調査を行ったもので、この調査への影響も把握をしたところです。
 二〇二〇年は、新型コロナウイルスの発生と感染拡大に伴い、これまで以上に、女性労働者、非正規労働者に対して様々な負担が集中しています。その結果、雇用や生活面等への影響も大きく、女性労働者、非正規労働者の実態を踏まえて、改善に向けた実効ある施策を進めるなど、ジェンダーの視点から諸制度を見直すことが求められています。また、第五次男女共同参画基本計画の具体化の充実を図ること、通常国会に育児・介護休業法改正案が審議されており、安心して妊娠、出産、子育て、介護のできる法改正にしていただけることを願い、本日は私からの意見を述べさせていただきます。
 それでは、配付しております舟橋初恵の参考人資料を御覧ください。
 まず、資料二ページ。あなたは妊娠、出産、子育てを理由として仕事を辞めた経験はありますかの問いに、非正規は、辞めたことがある五六・四%、前回調査は六〇・二%で、正規は七・〇%、前回五・八%と大きな差があります。非正規で、妊娠、出産、子育てを理由として仕事を辞めた経験がないとする人が四三・三%でした。これは、前回三八・四%から増えており、就労を継続する方は僅かですが増えています。
 三ページを御覧ください。辞めたことがあるを選んだ方に尋ねています。辞めた理由はの問いに、雇用形態別で見ると、正規は、職場に両立を支援する制度や雰囲気がなかったが二三・七%と最も多く、自分の体力がもたなそう一六・七%、勤務時間が合わなかった一四・七%、家事、育児に専念するため希望して辞めたが一二・二%でした。
 非正規は、家事、育児に専念するため希望して辞めたが最も多く一八・九%、職場に両立を支援する雰囲気や制度がなかった、自分の体力がもたなそうが共に一七・七%、次いで、勤務時間が合わなかった一六・五%、つわりや体調不良のため一〇・四%でした。
 退職勧奨、解雇されたが全体で六・一%に上っています。妊娠期間中や育児、短時間勤務が終わって一年以内に解雇や雇い止めなどの不利益扱いを行うことは違法とされているにもかかわらず、そのような違法行為が実際にあることが改めて浮き彫りとなっています。
 保育園に預けられなかったも三・八%であり、待機児童ゼロが実現されていないことも分かります。
 職場に両立を支援する制度や雰囲気がなかった二〇・三%、両立支援制度はあったが取れる雰囲気がなかったが六・七%、合わせると、四人に一人は離職せずに済んだかもしれません。
 五ページです。あなたは妊娠、出産、育児に関わってハラスメントを受けたことがありますかの問いに、二〇一七年十月の育児・介護休業法改正によってマタハラ防止措置が強化されたにもかかわらず、ハラスメントを受けたことがあるは一六・六%、前回の調査より一・一%増えています。法改正が徹底されていない実態があります。
 六ページです。あると答えた方に尋ねます、どんなハラスメントですかの問いに、表とグラフは前問でハラスメントがあると答えた四百十一人の内訳です。正規七三・九%、非正規七〇・七%が、言葉で嫌がらせを受けたと答えています。
 七ページです。産後休暇終了後、育児休業を取りましたかの問いに、育児休業を自分が取ったは正規で八二・五%。自分と配偶者が取ったを合計すると、正規女性の育児休業取得は八七・七%です。一方、非正規は五〇・九%です。非正規では、仕事を辞めた二七・八%と三割近くに上っています。
 八ページです。育児休業を取った方はお答えください、あなた自身育児休業をどのくらい取りましたか。自分が取った、自分と配偶者が取ったの合計です。育児休業の取得期間は、正規、非正規共に十二か月から一歳六か月未満が最も多く三〇・二%です。二〇一五年前回調査と比べて僅かに増加しています。
 九ページです。配偶者が育児休業を取った方にお聞きします、配偶者の育休期間はどのくらいですか。配偶者が取った、自分と配偶者が取ったの合計。配偶者の育休取得期間について、雇用形態別では、正規は五九・九%が一か月未満でした。非正規では配偶者の育休取得はほとんど例がなく、回答のあった四件は全て三か月未満でした。
 十ページです。あなたが希望どおりの育児休業を取らなかった理由をお答えください。希望どおりの期間育児休業を取らなかった理由で多かったのは、保育園に入れるため。全体二千五百七十一人から、不明、無回答千三百四十一人を除いて、千二百三十人が希望どおりの期間育児休業を取れておらず、約半数が育児休業期間を短縮する選択をしています。千二百三十人のうち、希望どおりの期間育児休業を取らなかった理由で多かったのは、保育園に入れるためで、正規は五五・七%、非正規四四・〇%となっています。続いて多いのは、休業中の所得保障が少ないで、正規は三一・九%、非正規一六・〇%となっています。
 十二ページです。夫が育児休業を取らない、又はもっと長く取りたかったが期間を短くした理由は何ですか。この質問は妻に聞いた回答となりますが、全体で、夫の職場に育休を取れる雰囲気がないが最も多く四九・九%。次いで、育児休業の制度が職場にない二一・三%、人員不足二〇・二%です。
 十七ページです。育児休業法の改善に向けて最も要求したいことは何ですか。育児休業法の改正要求のトップは、育児休業中の所得保障五七・七%。代替要員の配置の義務化二九・二%、男性の取得の推進の措置二五・五%です。
 十八ページです。子育てに関する両立支援制度の改善に向けて要求したいことは何ですか。両立支援制度の改善に向けての要求では、子供の看護休暇の日数増五五・八%、参観日、PTA活動など家族的責任を果たすための休暇の新設、拡充四八・五%、子供の看護休暇の対象年齢の引上げ三四・七%と、子供のための休暇制度の拡充を求める回答が上位三つを占めています。この傾向は非正規も同様です。
 十九ページです。あなたが仕事と家庭、育児を両立させて働き続けるために最も切実な要求を五つお答えください。仕事と家庭、育児を両立させて働き続けるための切実な要求五つは、全体では、休暇の取りやすい職場環境四〇・五%、子の看護休暇の拡充三九・〇%、保育や授業参観、行事参加の休暇三三・五%、子育て等に対する職場の理解二八・七%、保育料など育児に関わる負担軽減二八・〇%でした。
 まとめをさせていただきます。
 あなたは妊娠、出産、子育てを理由として仕事を辞めた経験はありますかの問いで、辞めた方の回答で、職場に両立を支援する制度や雰囲気がなかった二〇・三%、両立支援制度はあったが取れる雰囲気がなかった六・七%を合わせると、四人に一人は離職をせずに済んだかもしれません。ハラスメントを受けたことがあるは一六・〇%で、言葉で嫌がらせを受けたと七割が答えています。
 このように、職場における両立支援制度の整備と制度取得を促す体制整備が求められています。
 自由記載、当事者の生の声です。妊娠中、通勤緩和を利用したら、上司から、妊娠していることを公表し、迷惑かけて済みませんと言いなさい、制度だからといっていつまで取っていいものではない等、精神的、体力的にもつらい思いをしました。こういう声が寄せられています。
 育児休業法の改正要求のトップは、育児休業中の所得保障五七・七%でした。
 育児休業中の所得保障の要求が強いのは、女性の賃金が低いからです。国税庁民間給与実態調査二〇二〇年で、平均給与は、男性正規五百六十一万円、女性正規は三百八十九万円、女性の非正規は百五十二万円となっています。女性では、百万円から二百万円は五百二十六万人と最も多く、百万円以下と合わせると八百六十七万人となっています。この賃金が低いことが妊娠、出産をためらう要因で、様々な両立支援制度があっても、所得保障のないために活用せず、無理をしてしまう要因の一つと考えられます。
 育児休業法の改正要求の、育児休業中の所得保障五七・七%に次いで多かったのが、代替要員の配置の義務化が二九・二%です。
 これも自由記載からですが、人員不足のため休憩、年休等が取れない、このことが原因で疲労が増し、ハラスメントやメンタルにつながっているのではないでしょうかと声が寄せられています。
 本日、育児・介護休業法改正に係る参考人意見ということで、妊娠、出産、育児に係る調査結果よりの報告を中心に発言させていただいていますが、二十一ページを御覧ください。
 もう一つの、健康・労働実態及び雇用における男女平等調査で、要求調査を行っていますが、女性の二大要求ははっきりしています。賃金引上げと人員増です。妊娠、出産、育児を行い、働き続けるためにも、この賃金引上げと人員増は切実な要求です。
 世界経済フォーラムが毎年発表している男女の格差のギャップ指数では、今年公表されているもので、日本は百五十六か国中百二十位でした。経済分野における順位を上げるためにも、女性が働き続けられる制度整備、男女差別ない、八時間働いたら暮らせる賃金、労働条件の整備をお願いします。
 また、女性労働者の六割が非正規労働者という現在、本日報告したアンケート結果でも、非正規労働者はより制度利用が困難となっています。そして、今後懸念されるのは、雇用によらない働き方を増やすと政府はしていますが、雇用によらない働き方は、産前産後、育休など労働者保護の制度は使えません。男女とも安心して子育てできる社会であるためにも、非正規雇用や雇用によらない働き方が広がらないようお願いをいたします。
 最後に、妊娠、出産、育児を自己責任とせず、社会が後押ししていただく制度となることをお願いをし、私の意見とさせていただきます。
 ありがとうございます。拍手
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とかしきなおみ#9
○とかしき委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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とかしきなおみ#10
○とかしき委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。上野宏史君。
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上野宏史#11
○上野委員 自由民主党の上野宏史でございます。
 四人の参考人の先生方、大変貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。
 今回の法改正でありますけれども、全ての働く方がその希望に応じて仕事と育児を両立をできるようにしていく、また、足下、コロナウイルス感染症の影響もありますけれども、令和二年出生数が八十七万人、また令和三年は七十万人台にもなるということも言われておりますけれども、子供を産み育てやすい環境をしっかり整えていくという意味からも、大変、その目指すところ、大切な法案であるというふうに思います。参考人の先生方の御意見をしっかりと踏まえながら審議に当たっていきたいと思います。
 順次お伺いしていきたいというふうに思います。
 まず、足下の育児休業の取得率、先ほど各先生方からも言及がありました。女性の八三%に比べて男性は七%である、さらに取得期間についても男性は大変短い、五日未満が三六%ということでもありました。
 男性に対してなぜ育児休業を取らなかったのかという話を取ると、例えば、会社の中で制度が整っていない、これは周知不足という点もあると思いますけれども、あとは、収入を減らしたくないというような調査結果というのも挙げられているところであります。
 一方で、こうした点についても従来から指摘をされておりましたし、様々な制度改正において手当てをされてきた、育児休業給付等についても手当てをされてきたところであります。
 各先生方、様々な、それぞれのお立場で、こうした育児休業の施策についてはコメントをされたり発信をされたり、又は政府の施策決定に関わってこられた先生方もいらっしゃるというふうに承知をいたしております。現行の制度、今の制度についてどのように評価をするのか、また、今回の改正法案でそうした課題がどのように解決をされていくというふうに考えているのか、各先生方、四人の先生方にお伺いをしたいと思います。
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高村静#12
○高村参考人 高村でございます。
 御質問いただきました点でございます。現在の制度についての評価ということと、今回の改正による効果の見通しということで御質問いただいたかというふうに思います。
 現在の制度の、育児・介護休業法の中に定められていることと、それから、雇用保険法の中から給付される休業給付ということと、両方あるかというふうに思います。
 御質問の中に特にございました、制度が整っていないということと、それから、所得が減るのではないかという二つのことを中心にちょっと申し述べたいと思います。
 まず、制度が整っていないということについてなんですけれども、実際には、一定の要件を満たしていれば請求権というのがあるわけでございます。当然、会社の方でも、それを会社として認めるとか、あるいはそれに対して上乗せするというような制度をつくりまして、就業規則などに定めてあればよりよいとは思うのですけれども、実際には、会社に制度がなかったとしても、こちらの制度の中で請求権というのが認められているところでございます。ですので、現在の制度の問題というよりは、議員も御指摘になられましたとおり、やはり周知というところが不足しているのかなというふうに考えております。
 そういったことでいいますと、今回の改正の法案の中にもございます個別周知ということに関しては、ほかの参考人の方からも御意見がございましたけれども、私は効果が見込めるのではないかというふうに考えております。ちょっと、その程度というところについてまでは申し上げられるところではないのですけれども、効果があるかないかということについて言えば、その点については効果があるというふうに考えております。
 また、所得保障というところでございますけれども、これはこちらの法律というよりは雇用保険の方の話でございますけれども、私はこちらについても十分に周知が実は足りていないという面があるのではないかというふうに考えております。
 私は先ほどイクメンプロジェクトの中の推進委員会のメンバーであるということを申し上げたんですが、表彰を受ける企業さんの中には、従業員の方がやはり所得保障ということに関して非常に不安を持っている、それについては情報が正しく伝わっていないこともあるのではないかというふうにお考えになられて、その方の個別の置かれている状況、実際にどのぐらい所得があるとか、そういうことを踏まえてシミュレーションを見せることによって、個人の方の理解それから安心感ということが広がり、取得につながったというふうなことに取り組まれている企業さんもございますので、この点についても周知というところは大切かなというふうに思っております。
 済みません、ちょっと長くなりました。ありがとうございます。
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池田心豪#13
○池田参考人 御質問ありがとうございます。
 まず、現行法の制度の評価ですが、これは実は女性に関しては、非常に、もうこの後どう上乗せするかというぐらい、特に無期契約の女性、先ほど非正規の問題に言及されましたが、非正規の問題というのは相変わらずあるというふうに思いますが、正社員として働く女性、無期契約の女性に関しましては、これまで度重なる改正で、相当程度手厚い改正を繰り返してきました。
 実は、これはある意味皮肉なことなんですが、先ほど申しました、女性の離職防止のために、何とか離職を防ごう、出産退職を減らそう、そういう趣旨から、育児休業期間の延長ですとか短時間勤務制度の単独義務化ですとか、とにかく離職を防ぐということについて、女性に対してかなりいろいろな法改正をして手厚くしてきたんですが、結果として、女性だけが制度を利用すれば何とか離職を防止できるようになってしまっている。つまり、男性の出番というのがどこにあるのかが非常に分かりづらい法体系になってしまっているという問題があります。
 典型的なのがパパ・ママ育休プラスで、一歳二か月まで育休期間を延長できますよと言っているんですが、女性単独でも保育園に入れない等の事情があれば一歳半ないしは二歳まで延長できるんですから、この一歳二か月までの延長って何なんですか、そういう疑問がやはり出てくるんですね。
 なので、先ほど言った、男性では制度がないとか、無知だとか、周知が足りていないという問題は当然あるんですが、現状において女性が一人で制度のやりくりをすれば何とかなってしまっているというところで、そこに男性の出番を何とかつくらなきゃいけない、そういう非常に無理難題が実はこの法律にはあります。
 ですので、どういうことかというと、もう今までの考え方から一つ発想を変えないといけないというのが、多分ここの、今回の法律の大きなポイントだと思います。
 ですので、分割取得を可能にしたというのは、これまで一つの制度をなるべく長く連続して、長期間にわたって使えた方がいいんだ、そういう発想を一旦やめて、制度を分割してもいいんじゃないかというふうになるということは、断続的に仕事と家庭を調整していくということになりますので、発想の転換が含まれているんですね。
 今後、男性の育児休業取得を増やそうとか男性の制度利用を増やそうというときには、いかにしてこの発想の転換をしていって、それで、女性の両立の在り方も見直し、そこに男性の両立の在り方というのをはめ込んでいく、そういう発想の転換の第一歩として、今回の改正というのは非常に大きな成果じゃないかなというふうに私は見ています。
 以上です。
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杉崎友則#14
○杉崎参考人 まず、現行制度の評価についてでございますが、制度自体は一定程度は整っているものと認識してございます。
 ただし、先ほど来、他の参考人の先生方からの御指摘もございましたように、周知の面で課題があるということは考えられるかと思います。例えば現行のパパ休暇制度というものがございますが、これがどれだけ十分に知れ渡っているのか、活用されているのかという課題は挙げられるかと思います。
 そして、もう一つの観点は、現在、男性の方々が育児休業、休暇を取っていないという現状なんですけれども、年次有給休暇を使っているケースもあるということがございます。じゃ、なぜ年次有給休暇を使っているのか。そこについては、柔軟性、申出期限ですとかを始めとした柔軟性の問題があるのかなという、この周知の問題、柔軟性の問題があるというふうに考えてございます。
 一方で、今回、改正法案に盛り込まれております新制度の評価ですとか効果といった点についてでございますが、まずもって、非常に柔軟な仕組みとされている、しかも企業の実態を踏まえた上での制度となっている点が評価できると思ってございます。
 例えば、申出の期限でございますとか、分割、休業中の就労と、非常に柔軟な仕組みになっていることが挙げられます。また、周知の点におきましても、この周知、意向確認の義務化というところが入ってございます。
 したがいまして、現行の育児休業制度の課題を解決する新制度であるということが言えるのかと思います。こうした制度が実現することによりまして、男性の取得率の向上が図られるのではないかというふうに考えてございます。
 そして一方で、所得面、育児休業給付に関してでございますけれども、こちらは現在でも国際的に見て高い水準であると認識してございます。これはユニセフの報告などにもございましたと思いますが、世界的に見ても立派なものであるかと思います。
 一方で、財源の問題でございますが、育児休業給付は雇用保険料を財源としてございます。現在、雇用調整助成金を始め、この財源の確保が非常に大きな課題となっている中で、慎重な検討が必要であろうと思ってございます。
 今回の改正におきましても、労政審で議論した結果、給付率は現行のままが妥当であるというふうにされたことから、この育児休業給付については非常に現時点でも評価できるということが言えるかと思います。
 以上でございます。
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舟橋初恵#15
○舟橋参考人 舟橋から意見を言います。
 まずは、現行制度よりも、いわゆる男性の育児休業に関しては柔軟な対応、具体的に言えば二週間前に申出をすればいいという期間の短縮なども含めて、より使いやすい方向での改正にはなっているというふうに思います。
 全体、ほかの意見も出ておりますが、女性も含めて、この制度自体、非常に不十分な周知状況に置かれているということはあると思います。改めて、改正になった場合の、どういう違いがあるのか、また、使うためにはどういうふうに促進していくかということで、丁寧にいろいろ計画されているかと思いますけれども、より徹底をお願いをしたいと思います。
 さらに、女性たちも含めて、男性がより柔軟にこの制度を使うことで、女性自身も育児、妊娠、出産も含めて後押しをしてもらえるという制度になっているということでは、特に、柔軟に取れる、出生時ですね、退院時から取れるということなども含めて、いわゆる出産後の女性の非常に不安定な時期に男性が育児に関わってもらい、女性が安定して子育てもできる。そして、男性も子育てに関わることで男女共に子育てをするということの重要性をきちんと感受できるというのは重要な点だというふうに考えています。
 以上です。
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上野宏史#16
○上野委員 ありがとうございました。
 各先生方、大変丁寧に御回答をいただきまして、次が最後の質問になるというふうに思うんですけれども、杉崎参考人にお伺いをしたいと思います。先ほどの御説明の中でも若干触れていただきました、人員の確保の件についてお伺いをしたいというふうに思います。
 企業の経営者又は人事担当者が育児休業を社員の方々、職員の方々に取ってほしいというふうに思っていても、そもそも人手不足であったり、又は専門性のある業務であったり、又は経験が必要な業務ということについて、なかなか代替できる人員を確保できないという点があるんだと思います。日頃から、例えば業務を複数の者で共有をしたり、さらには代替要員を育成をしたり、又は中長期的にそうした人事異動も想定をしながら人事管理をできればいいのだと思うんですけれども、なかなか現実的には難しいということでもあるというふうに思います。
 そうした中で、こうした課題を解決していくためにはどういう取組があり得るのか、又は具体的にそうした取組事例のようなものがあれば御教授いただきたいというふうに思いますし、あわせて、政府からどのような支援策があればいいのかといった点についてもお伺いをしたいと思います。
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杉崎友則#17
○杉崎参考人 御質問ありがとうございます。
 この点については、中小企業における取得促進をするに当たって、非常に重要な御指摘だと認識してございます。
 この点については労政審でも議論を尽くしまして、まず一点目が、政府による支援が期待できるということでございます。
 取りまとめられた建議には、例えば中小企業における代替要員の確保、これについては、派遣等による代替要員の確保、業務体制の整備に関する事業主への支援、ハローワークにおける支援ということが明記されてございます。また、中小企業はなかなかノウハウが十分ではないという実態もございますので、中小企業からの相談対応の支援、好事例の周知というところが建議にも明記されているところでございます。
 こういった政府による公的な支援を期待しておりますし、実効性ある制度にしていくためには支援が必要だと思っております。
 一方で、企業側の取組といたしましては、働き方改革を始めとした労働生産性の向上といったようなことも重要だと思いますし、いわゆるチームで仕事をしていくという体制づくり、機運の醸成ということも必要だと思います。先進的な企業においては、多能工化を図って、一人の人が幾つもの仕事をできるような体制を図っていくというような中小企業もあるやに聞いておりますので、こういった好事例をしっかりと周知して横展開していくということが大事だと思っております。
 いずれにいたしましても、政府の支援に期待するところでございますが、商工会議所といたしましても、政府と緊密に連携いたしまして、中小企業支援に当たってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
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上野宏史#18
○上野委員 ありがとうございました。
 参考人の各先生方の御意見をしっかりと踏まえて、よりよい制度設計、また運用になるよう努めていきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
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とかしきなおみ#19
○とかしき委員長 次に、中島克仁君。
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中島克仁#20
○中島委員 立憲民主党の中島克仁でございます。
 本日は、大変お忙しい中、四人の参考人の皆様には、衆議院厚生労働委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場での陳述、拝聴させていただきまして、大変参考になりました。限られた時間ではございますが、私からも何点かお尋ねをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、池田参考人にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 女性に比べて圧倒的に取得が進んでいない男性の育児休業取得促進ということで、今回の法改正の出発点、男性育休の義務化であったと私自身は承知しているわけでありますが、これは基本的なことで大変恐縮なんですが、男性に限定した義務化といったものが、労働法制上、本来考えられるものなのか、あり得るものなのか、確認をさせていただきたいと思います。
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池田心豪#21
○池田参考人 御質問ありがとうございます。
 男性育休の義務化の内容ですが、私の理解が間違っていなければ、いわゆる女性の産後休業と同じような強制休業を、男性についても女性の産休期間に課すという、そういう意味での、強制義務化という、そういう御趣旨での御質問というふうに理解いたしました。
 ほかにもいろんな段階の義務があるんですが、差し当たりそういうふうに理解いたしますと、そういうことが可能だという、そういう労働法学者の意見は私は耳にしたことがございません。御承知のとおり、当機構は学際的な研究機関ですので、労働法の研究者も在籍しておりますし、日々の研究活動の中で、労働法学者と交流し意見交換をするという機会は多数ございますが、この育休の義務化ということが法理論として正当化できるということは、聞いたことがないです。
 あとは、私の半分解釈と理解ですが、先ほど申しましたように、休業ということはメリットだけじゃなくてデメリットがございます。例えば、休業ということをデメリットというふうに捉えた場合に、どういうことかというと、強制休業ということは、子供が生まれましたと会社に言うと、出勤停止を命じられて給料の支払いを止められるということになるんですよね。これはメリットですかという問いが出てきます。
 先ほど申しましたように、そのデメリットを上回る大きなメリット、あるいは、そのことよりも更に、休まないと大きなデメリットを被るという、女性の産休の場合には体に影響するという、やはり労働法政策としては、過労死もそうですが、健康とか身体に悪影響を及ぼす可能性があるというのは非常に強い理由になるというふうに理解しています。
 これに対しまして、先ほど申しましたように、男性がこの期間、家にいて家事、育児をすることの必要性は高いわけですが、強制するほど、そのデメリットを法律とか国家の指示によって全国民に甘受させるというか、それだけの理由があるかというと、やはりそれはちょっとないんじゃないかなというふうに思いますので、そういう意味では、私も、義務化ということが正当化できる理由というのはちょっと見当たらないというのが御回答です。
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中島克仁#22
○中島委員 今回、男性の育休取得率が圧倒的に少ない中で、男性の義務化というところが出発点というふうに承知して、労働法制上はなかなか解釈が難しいという御意見であって、女性の場合は母体保護ということで六週間、男性の場合にそのいわゆるメリットがどこにあるのか、労働法制の上ではなかなか解釈しづらいという御見解だったと思います。
 池田参考人の資料にありますように、育介法、これは労働政策の観点ということで、もう一方では子育てや少子化対策である社会保障政策の、二面性というか、こういった捉え方の中で、ちょっと混同している状況かなというふうに私は理解しているんですけれども。
 その上で、高村参考人、池田参考人にお尋ねをしたいと思うんですが、今回、出生時育児休業について、取得が進んでいない男性の育児休業取得策として選択肢になるものだということは理解できると思いますが、主に男性が対象になる制度であって、男女平等の観点に留意することが大変重要なのではないかなと思うわけでございますが、高村参考人、池田参考人の御見解をお伺いしたいと思います。
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高村静#23
○高村参考人 御質問いただきましてありがとうございます。
 私、冒頭の意見で申し上げましたとおり、今回の取組といいますのは、働くという状況におきまして男女で非対称な状況がある。ほかの参考人からも御説明があったとおりでございまして、それを踏まえると、育児・介護休業法自体は男女に平等であるにもかかわらず、結果として非対称の影響というものが男女に及ぶという状況になっている。こういうことの状況であれば、やはりポジティブアクションということを取り得る理由にはなり得るというふうに考えております。
 これは、ポジティブアクションということでございますので、やはり、一定期間経過したときに、ポジティブアクションが必要とされるような状況に改善などがあるのであれば、見直されるべきであるというふうに考えております。
 以上です。
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池田心豪#24
○池田参考人 御質問ありがとうございます。
 私のスライドの十枚目を念頭に置いた御質問というふうに理解させていただきましたが、やはり、正論というか原則論としましては、男女の非対称ということは余り望ましくないといいますか、育児・介護休業法が、結果的に、女性の支援でありながら、先ほど申しましたように、女性が家庭を優先しながら働くことを強化してしまった、そういう側面があるわけなので、やはり、育児・介護休業法には、そういう意味で、男女平等に向かうベクトルと、現状のジェンダーバイアスの中で、男性は男性なりに、女性は女性なりに仕事と家庭を両立していきましょうという、ある種、性別役割分業を是認していく方向性と両方内在していて、常にそのバランスの中で政策を展開している、そういう状況です。
 そういう意味では、今回の、御指摘の産休期間の出生後育休に関しましては、男性だけに特別な制度、しかも、女性の産休と違うたてつけの制度を、分割取得とか一部の就業を認める。
 先ほど申しましたように、それは男性だからやはり仕事があるでしょうというふうになってしまうと、やはりジェンダーバイアスの強化になりますので、今後どういうふうにしていくかということで、先ほど言いましたように、一つの発想の転換点として、分割ですとか休業中の就業ということを法律で認めるということをやってみたというところで、この後、女性に関しても、育休が分割取得できるようになりました。
 例えば、育休中に就労することとか、あるいは、女性の産休期間というものについても本当に六週間強制でないといけないのかとか、いろんなことを問い直すきっかけになっているというのが今回の法律で、その中で、繰り返しになりますが、母体保護といいますか、体に悪影響が出る働き方というのはやはり強い規制をかけなきゃいけないので、そういう意味で、やはり女性に対して適切な保護をしていくということを担保しながら、女性もより就業機会が拡大していく。
 そういう形で、次のステップでまた違った発想の法改正ができるのであれば、これはある種の、先ほどポジティブアクションという話がありましたが、一時的な措置で、この一歩から次の一歩が、性別役割分業の是認ではなく、やはり男女平等というふうに向かっていく方向に議論を展開していくということが大事じゃないかなというふうに思っています。
 以上です。
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中島克仁#25
○中島委員 ありがとうございます。
 時間もないので、まだお聞きしたいことはあるんですが、休業中の就労について、池田参考人、杉崎参考人にお尋ねをしたいと思うんですが、休業中に労働者が事業主から就労を強要されるような場合、関係性から本当に断れるのかという懸念もあったと分科会での意見にもあったというふうに承知しております。
 この仕組みが本来の趣旨から外れないように、モデルケースなどを明確に示す必要性、例えば、育児休業中の就労においては、仕組みがある上で、改めて明確に、半日は完全に休業にするとか、午後の二時間は就労に当てるとか、部分休業などの仕組みも同時に整備するモデルケースのようなものを明確に示した上でこの仕組みが運用されなければならないというふうに考えるんですが、池田参考人、杉崎参考人にそれぞれお尋ねしたいと思います。
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池田心豪#26
○池田参考人 御質問ありがとうございます。
 御指摘のとおり、ただ就業を認めますよといって個別の裁量に任せていると、やはり労使のトラブルの元になると思います。やはり、使用者にとか、同じ会社にいても、上司に対して自分の子育てに必要な時間とか要件ということを適切に伝えられる人と、上司に言われるままに、やはりどうしても仕事に引き込まれてしまう人と、両方いると思います。
 基本的に、今回の法改正というのは、労働者が自分で、元々、育児休業はもう請求権としてあるんだから、権利としてあるんだから主張してくださいよと言ったら、取れるんですから、それで終わりのところを、わざわざ使用者に、周知してください、意向確認してくださいと親切心を求めているわけです。どういうことかというと、そういう労働者を想定した改正なんですよね。
 そうすると、使用者に対して、何時から何時までは子育ての用事があるので仕事はできませんときっぱり言える人は、育休を取りたいですと従来法のまま請求したらいいじゃないですかという話になってしまうので。
 そういう意味では、やはり、個別に任せるのではなくて、きちんと制度設計として、みんなが使いやすい部分就業といいますか、そういったものの制度の在り方というのを、これから施行に向けて、当然、厚生労働省では毎回、そういうことがあるたびに、いろいろガイドラインとかモデルケースとか留意点とか、今日も示しましたが、非常に親切な図を作って現場に情報発信していますので、そういったことをしっかりと周知していくということとセットで、施行上、労使のトラブルが起きないようにしていくということが大事じゃないかなというふうに私も思います。
 以上です。
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杉崎友則#27
○杉崎参考人 御質問ありがとうございます。
 この点につきましては、労政審の中でも議論があったところでございます。今回の改正案では、労使協定を締結した上で、個別の労働者の同意が必要であるということになってございます。
 具体的には、労働者が申し出た範囲内で事業者が日時を提案するという手続になっておりまして、労働者の意に反したものとならないような工夫がなされているものと認識してございます。
 そういう観点で、労政審でも妥当とされたところでございます。労使双方が決められた手続をしっかりと理解をして、適切に運用していくことが大事だと思います。
 また、好事例。これから、この法律が成立した後に、好事例の発掘ということも重要だと思いますが、好事例を周知していくということも大事だと思います。
 今回のこの休業中の就労については、いろいろな議論がなされたところでございますが、男性の育児休業の取得に当たって、取得をしたい、しやすくなる環境整備の一助にもなるのではないかというふうに考えてございます。
 いずれにしましても、この定められた手続をしっかり周知して、労使双方が理解をする、適切に運用するということが大事だと思っております。
 以上です。
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中島克仁#28
○中島委員 ありがとうございます。
 今の、具体的な、先ほど池田参考人の話の中にも、休んだはいいんだけれども、実際何をしたらいいのかということで、他の休業制度と合わせていくと、育児休業以外の休業取得率と合わせていって、今回の法律が施行されたときに育児休業の割合が増えていくという一方で、その中身が具体的に、また、雇用の、就労の話からいえば、そのめり張りを明確に分かりやすく、取得した休業が有意義に使われなければいけないということだと思います。
 そもそも、家庭における父親の役割、社会的合意というものがまだまだできていない状況の中で、今回の休業制度、出生時の休業がどういった影響を及ぼすのかということも含めて、大事な観点だというふうに思います。
 もう時間になってしまいまして、舟橋参考人にも質問を用意していたんですけれども、質問できなかったことをおわびを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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とかしきなおみ#29
○とかしき委員長 次に、伊佐進一君。
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