黒田東彦の発言 (財務金融委員会)
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○黒田参考人 御案内のとおり、この新型コロナウイルス感染症は今なお内外経済に大きな影響を与えておりまして、そうした意味で、まずは危機からの脱出あるいは脱却のために、感染症の封じ込めと経済活動の両立を図る必要があると考えておりまして、日本銀行としても、感染症対応として行っている現在の強力な金融緩和措置をしっかりと実施していくことで、引き続き経済を支えていく考えであります。
同時に、委員御指摘のとおり、危機を乗り越えた先も見据えて日本経済全体で取り組むべき課題を考えていくということも大変大事であるというふうに思っております。とりわけ、この感染症流行前から、例えば人口減とかあるいは地球環境とか様々な問題があって、それは我が国の経済も直面していたわけでありますから、そうした意味でも、資本の蓄積あるいはイノベーションを促すことによって生産性を高めていくということが極めて重要だろうと思っております。
具体的にどんな形になるのかというのは、今いろいろな形で議論されておりまして、国際会議、対面会議はできないんですけれども、いわゆるビデオコンファレンス方式で数十回私も国際会議に参加しておりますけれども、足下でこういうことをやっているということは皆一致しているわけですね。それが、将来の経済、今の状況から脱却した後の経済、そこに向けてどういった政策を取るべきかということについてはまだ意見が十分収れんされていないと思います。それは、コロナ後の世界というものについて、おぼろげにイメージはあっても、具体的に政策とリンクして議論されるということがまだ少ないんだろうと思います。
ただ、少なくとも、この感染症の影響を契機にデジタル化が一段と進んでいくということは、これは注目すべき動きだというふうに思っております。
経済環境の変化を社会全体として前向きな動きにつなげていくということが我が国の成長力を高めていくという面でも重要だと思いますので、日本銀行としては、その使命である物価の安定と金融システムの安定に資するように様々な努力をしてまいりますけれども、そういうことを通じて、日本経済の持続的な成長に貢献するよう最大限努力してまいりたいというふうに思っております。