野田佳彦の発言 (財務金融委員会)
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○野田(佳)委員 まあ、それなりの見識というか、そうせざるを得なかったといいますか、私は葛藤がありましたのは、憲法では予算は衆議院の優越が規定されているにもかかわらず、特例公債法という法律が通らなかったら予算執行できない。だから、事実上、憲法で規定されていることが骨抜きにされちゃうんですよ、参議院で抵抗に遭ったりすると。そんなことが本当にいいのかなとずっと思っていましたので、だから、菅さんよりも引っ張っていたんですよね、引っ張っていた。だから十一月まで行きました。
十一月まで行くと、これはやはり深刻な影響が出てきまして、九月に入ってから予算執行を抑制し始めたんです。そうすると、例えば一般会計から特別会計への繰入れができなくなったりとか、あるいは補助金の停止みたいなことが出てきました。そして、十一月二日に地方交付税交付金の交付が先送りせざるを得なくなった。地方自治体は困るんですよ。そうすると、短期の借入れをせざるを得なくなる、金利の負担は政府が見ざるを得なくなるという状況になりまして、これは国民生活、地方、経済、いろいろなところに影響が出始めました。
後から検証すると、二〇一二年の十一月というのは景気の底の一番のボトムなんです。それはそうです、地方とか国民にお金が流れない状況ですから。建設国債とか復興債はもう発行しているんです。赤字国債が発行できないということがこんなにきついことかと。加えて、そうなっちゃうと、多分、十二月からは国債発行停止という状況になりますから、そうなるとマーケットへの影響が出ますよね。これは国際社会も心配してきて、IMFもG20も、日本が世界経済の下方リスクであるという声明を出し始めるんです。
というような状況があって、十一月にはもうどうしても結論を出さなければいけないということで、複数年度、当面は特例公債に頼らざるを得ないだろうということで複数年度の提案をしたということでございまして、十一月ぎりぎりというのは、この修正が三党間で合意をされたのが十一月十三日なんですね。政調会長間で修正合意がなされて、そして十四日で衆議院の財金でこれは可決をしています。その十四日に党首討論で私と安倍さんで討論をして、議員定数削減を条件に解散をするということを言明しました。十一月十六日、参本でこの特例公債法が成立をします。それを見て、午後に、十一月十六日に解散をするという、本当にぎりぎりの段階だったということなんです。
これも先ほど大臣触れていただきましたけれども、三党合意に至るプロセスなんですが、元々は、三党の党首会談、二〇一二年の十月十九日にございまして、そのときに自民党の安倍総裁と公明党の山口さんと三人で党首会談があるんです。そのときに、私は、やはりこれは特例公債で何とかしなきゃ、野党から解散要求はありましたけれども、特例公債を何とかしないと解散なんかできませんから、それで提案をしたんですけれども、三つ提案しているんですよ、このときに。
一つ目の提案は、今般のいわゆる特例法の改正と枠は同じですけれども、法案の本則を修正して、そして多年度にわたる特例公債発行を可能とする案、これが第一案。第二案というのは、翌年度に多年度にわたる特例公債の発行を可能とするということを、提出している法案の附則で変えて位置づけるというのが第二案。第三案が、法案はいじらないで、予算と特例公債法案を一体的に処理することを与野党で覚書をしましょう、覚書を交わしましょうということ。この三つ提案した中で、一番目の提案がいわゆる政党間協議の俎上に上って、そしてようやく成案を得たというプロセスをたどっているんですけれども。
私は、本当は法案を触りたくはなくて、なるべく与野党合意で覚書を交わしていこうと。というのは、当然、解散した後に我々が勝てる可能性は余りない状況ですから、我々が野党になったときは特例公債法は人質にしないという、ある意味、武装解除するという意味なんですね。何党が政権を取ったって、特例公債を人質にしてしまったら予算執行できない。こんなことをやったら一番困るのは国民ですから、そんなことはやらないようなということをやっていきましょうというのが一番の本意だったんですね。しかも、前提として、当面の間は特例公債を発行せざるを得ないけれども、特例公債の抑制に努めるということが絶対条件だったんです。その辺がまさに魂の中の魂なんですよね。
先般、与党の本田委員だったでしょうか、質問をされていまして、答弁は伊藤副大臣が答弁されていますけれども、平成二十四年当時、二〇一二年当時の三党合意に基づく枠組みを本法案においても維持しているのかという質問がありました。そのときに副大臣は、三党合意は現在も重要な意味を持つ、三党で決めた枠組みを踏まえ云々と答えられています。枠組みは確かにそのとおりです、多年度にわたる。ただ、魂は忘れられてしまっているのではないかと私は思うんです。
その点についての大臣の御見解をお伺いしたいと思います。