麻生太郎の発言 (財務金融委員会)
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○麻生国務大臣 賃金アップを自民党が経団連等々経営者側に要求して、賃金が上がることによって、いわゆる労働組合を代表しておられる連合を始め多くの方はよかった。それで、票は民主党。自民党には来ない。これはどう考えてもおかしくはないか、俺たちそんなに人がいいように思えるかと、公式な場で三回ぐらい言ってありますので。幾ら言っても効果がないのでこのところは言っておりませんけれども、もう七、八年続けてずっとこれは言い続けたことなんですけれども。
おかげさまで、ベアなんという言葉は、組合に長くおられた方なら御存じの方もあるかもしれませんが、十年ぐらい前、八年ぐらい前、このベアという言葉が初めて新聞に載っかったときに、通じなかったそうですものね、若い新聞記者は。部長、ベアって何ですかと聞いたやつがいるのでちょっと正直驚いたというのが、ある政治部の偉い人、偉い人というか年取った人の話だったんですが。それぐらい、やはり、末松先生、デフレーションというのは長く、でかかったんですよ、これは。僕はそう思いますね。
一九九〇年代に入って、九二年になって、赤字公債再発行ということになってきたあれぐらいから、どんどんどんどんということになって、その後、金融危機で銀行が全部というようなえらい目に遭って、もう昔の名前で出ていますという銀行なんて本当に数少なくなってきましたので。そういった意味では、金融機関も、九七年、八年で倒産が相次ぐ等々の話が出たあの時代、やはり、銀行がぐじゃぐじゃいっているときに企業はなかなか上げにくいとか、そういうこともあったんだと思いますよ。
いろいろなものが重なって、結果として、日本の場合は、このいただいた資料の中にもありますように、賃金の上昇率が先進国の中で最も低いと。実質、物価もそこそこ一%台というようなことで、デフレとは違って一%上がりましたものですから、結果として、実質賃金というか可処分所得というのがその分だけ減ったということになっておりますから、なかなか消費が伸びない。当然のことなんだと思いますので。
やはり、賃金というのを上げていくのは、春闘というので、みんな各企業、同じ同業者は横並び。だから、トヨタだけ上げるというわけじゃなくて、みんな横並び。トヨタが百だとほかのところは百以下にしようとか。そのうち、下請、孫請のところは更に下げるということになって、なかなか、そういった横並びとかいうような発想で長い間動いてきたというものが、結果として賃金上昇率を抑えて、日本では、よく見たら労働分配率は七〇どころか六〇を切りそうなところまで下がってくるというような話になっていった。
これは、どこから手をつけていいかというと、やはり賃金アップというのは大企業のところからスタートしないと、なかなかちょっと下は、上が一なのに俺のところが二にするわけにはいかないとかいろいろな意識が働くような感じがしますので、そういったところを含めて、やはり、もうかっているところは、うちはできるならできるということをやってもらわないと、なかなかほかのところはそれ以上ということになりにくいというようなこともあるんだと思いますので。
意識改革をしていただかないかぬというのは、少なくとも内部留保がどんどんどんどんこれだけたまっていっている割には設備投資とか賃金とかに回っていないというのはいかがなものかというのが、元経営者としての正直な実感です。