前原誠司の発言 (財務金融委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○前原委員 国民民主党・無所属クラブの前原誠司です。
 私は、会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 我が国は、急速に進行する人口減少と少子高齢化、コロナ禍で更に悪化した莫大な財政赤字という深刻な構造問題を抱え、一人当たりのGDPや国際競争力も低下の一途をたどっています。この三十年間の国家予算を比較しても、歳出が増えたのは社会保障費と国債費のみで、教育や科学技術費、防衛費、公共事業費などはほとんど増えておらず、国力を発展させるために必要な投資がなされていない現状があります。
 本改正案は、全体として、このような中長期的な課題を解決する視点に欠けているものと言わざるを得ません。
 例えば、GDPの五五%を占める消費を喚起するためには賃上げが不可欠ですが、賃金が上がらないことは我が国の宿痾の一つです。
 本改正案により、賃上げ及び投資の促進に係る税制が見直され、継続雇用の要件が外されます。それにより、優遇税制の対象となる企業は増えるかもしれません。
 しかし、そもそも、これらの優遇税制は賃上げにどれほど寄与したのでしょうか。第二次安倍政権発足からコロナ禍に見舞われる前の七年間で、名目賃金は五%しか伸びず、実質賃金はむしろ四%下がっています。財務省に対して本税制の効果を明示するように求めましたが、税制の効果だけを取り出して賃上げや投資判断への影響を測ることは困難との回答でした。つまり、効果があるか分からないものを拡充しているにすぎません。
 賃金を上げる抜本的な解決策を考えるべきではないでしょうか。
 また、本改正案では、教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置について適用期間が延長されています。両制度は、創設当初から、格差を固定化すると批判されてきました。結局、制度を利用できるのは一定額以上の資産を有する富裕層であり、その子や孫に対してのみ恩恵を与えることになりかねないからです。
 現在、年収四百万円以下の家庭の子供の四年制大学進学率は三一・四%であるのに対し、一千万円以上の家庭では六二・四%です。私は、全ての子供が大学に行くべきだと申し上げるつもりはありませんが、強調したいのは、親の所得格差の固定化により、子供の教育機会に不平等が生じてはならないということです。
 例えば、所得税とは分離され、定率二割の課税にとどまっている金融所得を総合課税化し、増収分をひとしく全ての子供の教育の充実に使うなど、措置を取る必要があるのではないでしょうか。
 以上の理由から、本法案に反対することを表明し、私の反対討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 120404376X00820210302_067

発言者: 前原誠司

speaker_id: 10284

日付: 2021-03-02

院: 衆議院

会議名: 財務金融委員会