黒田東彦の発言 (財務金融委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○黒田参考人 三月の点検では、大規模な金融緩和が金融環境を改善させて、需給ギャップのプラス幅の拡大と、プラスの物価上昇率の定着という効果を発揮してきたということをやや定量的に分析したわけでございます。
同時に、我が国においては、予想物価上昇率に関する複雑で粘着的な適合的期待形成のメカニズムが根強いということも分かってきたわけでございまして、物価上昇率が高まるのは時間がかかるということが改めて認められたわけでございます。
もっとも、このことは、人々が実際に物価上昇を経験すれば、物価上昇が徐々に人々の考え方の前提に組み込まれていく、予想物価上昇率が高まっていくということも意味していると思います。
その上で、消費者物価の前年比を見ますと、感染症の影響に加えて、既往の原油価格下落などの一時的な下押し要因から、委員御指摘のとおりマイナスになっていまして、当面、マイナスで推移すると見られますが、経済の改善が続く下でプラスに転じて、徐々に上昇率を高めていくというふうに考えております。
日本銀行としては、今回の点検で、持続性とそれから機動性を増した長短金利操作付量的・質的金融緩和の下で粘り強く強力な金融緩和を続けることで、時間はかかるものの、二%の物価安定の目標は達成できるというふうに考えております。
なお、二%の目標そのものについては、従来から申し上げているとおり、消費者物価上昇率のデータが実態より過大に出てくる傾向があるということと、それから一定の金融政策の余地を残しておく必要があるということから、国際的に、ほとんどの主要国の中央銀行が二%の物価安定目標を掲げて、それを達成すべく金融政策を運営しているということですので、日本銀行としても、やはりその考え方に立って、これは二〇一三年の一月の金融政策決定会合で決めて、政府との共同声明にも盛り込んだものでありますけれども、その下で、為替も中長期的に比較的安定しているということでありますので、二%の物価安定の目標を変える必要があるというふうには考えておりません。