吉田統彦の発言 (内閣委員会)
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○吉田(統)委員 大臣、ありがとうございます。安全保障と言っていただきましたね。
アメリカのインディアン、北米大陸のインディアンが故地を奪われて非常に厳しい状況になったのもやはり天然痘ですし、インカ帝国が滅びたのも天然痘の影響がかなり大きい、為政者自体が天然痘で死んでおりますので。本当に、安全保障、感染症対策、やはり現在においてもそうお考えいただいてしっかりやっていただきたい。重ねてお願いを申し上げます。
では、大臣、以前も議論したことがあるんですが、日本の医薬品、医療機器産業は世界的なプレゼンスが低下しております。これは度々、委員会等でも私は指摘しております。こういったバックグラウンドが、国産のワクチン、感染研を含め、なかなか開発できない土壌をつくっていると思います。
日本の医薬品、医療機器は承認まで時間がかかった、これは、約十年以上前、自民党政権の末期そして民主党政権に移行する中で、既に極めて大きな問題として指摘されていました。
そんな中、民主党政権のときには、PMDAの抜本改革を行って、薬事法の大幅改正、大改正を進めていきました。
この薬事法は、医薬品と医療機器の特性に対応でき、また再生医療製品の到来にも備えた薬機法に改正しており、法案の成立は自民党政権に戻った後だったわけでありますが、章立ても別として、医療機器で独自の章を設けました。さらに、再生医療の規定を設けて、当時のデバイスラグ、ドラッグラグ自体は民主党政権下の改革でおおむね解消されたと言えるんですが、しかし、肝腎の企業やベンチャーが手を挙げてくれないと、医薬品、医療機器が承認されることは、当然、申請がなければ承認されることはないわけであります。
現実に、何度もこれは申し上げておりますが、国産ペースメーカー、厚生労働大臣にも問いましたが、ゼロですね、まだ。中国にも先を越されちゃいました。海外からの輸入に頼らざるを得ない状況です。世界的に市場を増している治療用の医療機器分野でのシェアは、日本は惨たんたる状況です。これは産業機会の喪失であり、また、大きな雇用獲得、税収増の機会を逃していると言えます。
また、別の視点からいえば、昨年五月に中医協において、希少疾患、難病治療薬であるゾルゲンスマの保険適用が承認されました。このゾルゲンスマは、国内で価格が一億円を超えた初の超高額医薬品として注目を集めました。一回の投与で高い効果が期待できるため、患者さんにとっては保険適用を待ち望んでいた新薬であります。
しかし、この新薬はノバルティスファーマがベンチャーを買収して製造している新薬で、結局、この新薬がもたらす雇用も税収も我が国には恩恵がないわけですが、新薬を我が国で使用すれば、当然、医療保険によって高額な支払いがなされるわけです。つまり、我が国の医薬品、医療機器の置かれた状況というのは、本当はプリウスに乗りたくてもベンツしか売っていない、そういった状況に等しいわけであります。官房長官、これは当然、医療費の高騰につながりますね。
特に、現下の新型コロナ感染症蔓延によるパンデミックによってマスクが極端に品薄になりましたね。十年前を思い起こすと、東日本大震災のときに福島で生産していた甲状腺のお薬、チラーヂンですね、生産が一か所のみであったために供給がストップしましたね。大臣もよく覚えていらっしゃると思います。これは命をつなぐ薬でした。これがストップした。これは大変な問題でありました。
こう考えると、革新的、イノベーティブな医薬品、医療機器を開発するだけでなくて、国内で必須な医薬品、医療機器もある程度国内で生産していかないといけない。さっき、いみじくも安全保障と言っていただきました。これは、さっき述べた雇用、税収といった経済的な側面だけでなく、安全保障、危機管理上、官房長官が言っていただいたとおりの問題です。
官房長官は、厚生労働大臣をかつてお務めでいらっしゃったので、この問題は熟知していらっしゃると思います。私とも何度か議論を闘わせたと記憶しておりますが、こういった状況を、大臣、どうお考えになるか。今回のワクチン開発も含めて、そして、こういったパンデミックが起こったときの安全保障、危機管理上の問題も含めて、どうお考えになっているか、大臣、お話しいただけますでしょうか。