阿部知子の発言 (内閣委員会)

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○阿部委員 ただいま御答弁いただきました認識は共有をさせていただいております。
 大臣には、例えば、私たちが慣れ親しんだ憲法の十三条、「すべて国民は、個人として尊重される。」という憲法の十三条がございますが、この個人として尊重されるというときに、個人に関わる情報の一部を私以外の者が知り得たり管理したり、ある意味で手渡すということで、ここにやはり大きな不安、そごが起こり、そのことがなかなか国民に、デジタル社会ということに本当に自分も参加できているのかどうかというところが確信が持てないんだと思います。
 言葉を換えれば、私は、デジタル社会の成功の肝は、鍵は、国民参加にあると思います。先ほど大臣はそれを、国民目線で、地方自治体や国がサービスを提供しているんだ、国民のために提供しているんだというふうなことが行き渡ることが大事であるとおっしゃいましたので、是非そのようになってほしいですが、しかし、やはり、現状を見ると、今回の提出法案も含めて、その点が十分に国民に伝わっていない。
 その大きな理由の一つが、こういう国会審議の持ち方なんだと思います。これは大臣に云々ではなくて、そもそも、この審議は特別委員会として行われ、そして、あらゆる省庁の大臣を含めてここに御参加いただいて、もちろん、平井さんが担当の肝でありますから、そこを担っていただきながら、国民挙げてデジタル社会に向かうんだという絵姿を見せる必要が私はあるんだと思うんです。
 今は、一方で、参議院が、本会議を含めて予算審議が行われております。国民の意識もそちらにどうしても、テレビ報道もありますし、傾きがちで、また、そこでももちろん取り上げられないわけではないですが、私は、今本当に、コロナを経験して、国民が自らの情報を自ら管理して自らがそれを役立てるという大きな転換期にあっては、この審議の在り方というのは極めて残念であります。
 そのことを委員長にも申し上げた上で、委員長も長い時間そこで頑張っていただいているので、これは委員長に申し上げるべきことでもないことは存じておりますが、国会の在り方として、間違った法文そのままに、そして特別委員会ではなく内閣委員会で、そして参議院では予算委員会というのは、やはり余りにも軽んじられたのではないかということを、これは平井大臣も心外と思っておられるでしょうから、あえて私が代弁をいたしまして、お伝えをさせていただきます。
 一問目ですが、私は長年、小児科医をしておりまして、日本の母子手帳というものについてまず取り上げさせていただきます。
 平井大臣も御存じかもしれませんが、母子手帳と言われるものが我が国で導入されたのは、一九四八年、昭和の二十三年、戦後の混乱期でありました。実は、お母さんと赤ちゃんの情報というのは、終戦に向かう末期、一九四二年に、妊産婦側の情報、それから子供たちの情報、ばらばらに管理され、しかし、これが、当時は富国強兵や子供の数も増やそうという中で、一定の成果を上げておりました。
 戦後は、これを逆に、本格的にお母さんたちの子育てをサポートして、そして何よりも、お母さんが子供に関する情報を自ら得て、自らがそれを子育てに役立てていくということを考えたのが、そもそも母子保健の根本であり、いわゆる母子手帳の誕生の背景でございます。
 今のデジタル社会と、手法は違えども、そこにある考え方は同じだと思います。情報の主は誰で、誰がコントロールして、そのために利便性のよいスキームをどう与えていくかということで、日本の母子保健のための母子手帳は始まっております。
 このスキームが世界各国に評価をされまして、現状では、五十か国が母子保健のためのいわゆる母子手帳を使っております。
 この母子手帳の普及というのは、我が国の世界に誇るべき、乳幼児死亡率を下げ、お母さんの育児を助け、子供たちの健やかな成長を支え、本当に宝とするものですが、例えば、アジアだけを見ても、一九八〇年にタイ、九〇年にインドネシア、九八年にベトナム等々で普及し、今も使われております。また、二〇〇八年にはパレスチナで始まっております。
 そして、パレスチナや、あるいはオランダもそうです、もう既にそこに、アプリと統合して、お母さんたちが情報を得られる。あるいは、パレスチナなどでは、手帳を持っていても、空から空爆を受けて手帳を紛失したときにもなお、お母さんたちがその情報を得ることができるという意味で、命のパスポートと呼ばれております。私は、こうしたことこそ、本当に今、私たちが国民に伝えて、デジタル化ということは、あなたがあなたの情報を生かしてよりよく生きられるということを見せていかねばならないんだと思います。
 前置きが長くなって恐縮です。そして、この母子手帳については、厚生労働省が二〇一八年の一月から、データヘルス時代の母子保健情報の利活用に関する検討会を設置して、今順次、例えば、体重、身長などをデータベースにして、お母さんがマイナポータルで見られる、こういう施行をいたしております。ただ、この場合に一番大事なことは、どの情報を行政が利用してよいかというところにマイナンバー法で歯止めがかかっていて、こういう情報を取りたいから、行政はこのことに関してその子の情報を得ることができる、すなわち、何を目的に何の利用が可能かということがタグづけをされております。
 大臣にここで伺います。母子保健で、母子手帳のデータをデジタル化してお母さんたちがアプリで使えるようにするというのは今回の法案より前に始まったことでありますが、私は、極めて優れたいいモデルだと思います、考え方においても。大臣には、まず、このことについて、私がるる申し上げましたが、印象をお聞かせください。

発言情報

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発言者: 阿部知子

speaker_id: 26143

日付: 2021-03-17

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会