矢上雅義の発言 (農林水産委員会)

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○矢上委員 立憲民主党の矢上雅義です。
 今回の畜舎新法につきましては、規制改革会議等の議論が発端とはなっておりますけれども、この三十年にわたる農林水産省及び農林水産委員会の委員の皆様方の御努力のたまものということで、まず、これまでの歴史を振り返りながら、質問に当たる前の共通の見解、認識を持っていただきたいと思います。
 ちょうど三十年前なんですけれども、自民党の海部政権、宮沢政権にかけて、ちょうど平成三年に牛肉・オレンジの自由化というものが決定されて、これが全国の農業者に大激震を起こしました。自民党の皆様方には大変御無礼なことかもしれませんけれども、盤石の体制であった自民党の時代に一つの大きな転換点をつくった事件であったかと思います。
 その後、今度は、政権交代しまして細川政権が発足した平成五年。平成五年は六月から七月にかけて各地で集中豪雨が多発し、それとともに夏は冷夏が襲い、ちょうど当時は約一千万トンぐらい米が必要だったんですけれども、一千万トンに対して七百四、五十万トンしか取れないような大変な凶作の時期を迎えました。
 そこで、細川政権が取った手法としては、タイからの緊急輸入米を導入するということで、これがまた一つの大きな政治問題となりました。細川政権が短期で終わった要因の一つであったかもしれませんけれども、それを契機に、平成六年ですか、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおいてWTO協定が成立いたしました。
 こういうことで、最初は、水田生産局長がおっしゃった国際競争環境の激変というものはここに端を発しておりまして、当時から、アメリカとかオーストラリアから食肉が入ってくると価格競争で負ける、では価格競争に勝つためには何が必要かということで、農林水産省が提言したのが規模拡大政策でございます。
 ところが、規模を拡大するに当たっては、せっかく規模を拡大しても低コストでなければ可処分所得が残りませんので、いかに規模拡大をする上で低コスト化を図るか。それと、当時からもう農村部の少子高齢化が進んでおりましたので、労働力の確保とともに、確保できない場合には省力化機械を導入する。この当時から、フリーストールとかミルクパーラーとか、今はやりの言葉が使われておったんですけれども。そして最後に、大事なのが、意外だったのが環境対策でございます。
 ちょっと過去の資料を調べたんですけれども、昭和五十八年の酪肉近代化方針の努力目標が、土地制約の少ないところの専業農家で昭和五十八年は酪農はモデル頭数が四十頭です。そして、国際競争にさらされるということで、平成八年に大胆に規模拡大を導入しようとしたときの、平成八年の酪肉近代化基本方針の目標頭数が八十頭でございます。四十頭から八十頭ですよ。
 また、土地制約が大きい九州とか西日本レベルでいきますと、これまで三十頭がモデルケースだったのが六十頭まで増頭になったんですよ。
 ただ、ちょうどこのときに酪農家も高齢化が進んでおりましたので、若い担い手農家に牛を引き取ってもらう代わりに、高齢の農家の方は退職金代わりにお金をもらったり、あと、それで負債を整理したりして、そのときには円満に済んだんですけれども、直ちに起きてきましたのが、特に水分の多い酪農の家畜ふん尿問題で、これまで野積みとか素掘りで処理しておったのが、数が多くなり過ぎまして、本格的な家畜ふん尿処理施設を造らなければならないということで、安くても二千万、高いところは一億以上の家畜ふん尿処理設備を造らざるを得なくなりました。
 そういうことで、この当時から畜産、酪農の規模拡大をするに当たっての、いかに低コスト化を図っていくかという問題が浮上してきておりまして、恐らくあの当時は、平成五年から七年にかけてこの衆議院の農林水産委員会でも、畜舎に係る莫大なコストをいかに低減するかということで農林水産委員会でも数度視察をしました。そして、平成七年ぐらいから畜舎の建築基準法の規制緩和の検討が始まりまして、それが実ったのが平成九年ですけれども、当時は建設省の協力がありまして、建設大臣から平成九年に畜舎設計規準の緩和の大臣認定が行われました。これがまずスタートなんですけれども、それからまた二十数年かかって、ようやく皆様方の努力が日の目を見たということなんです。
 その後、忘れられないのが、昔、自民党の松岡利勝先生、あの方が、産業政策だけではなかなか農業は立ち行かないから地方政策と安全保障の面からきちっと基本法を作るべきだということで、平成十一年に食料・農業・農村基本法の制定を目指されまして、平成十一年だったですかね、できたんですけれども。
 当時の戸別所得補償とか農業の多面的機能というのは、モデルケースとしまして、ヨーロッパの山岳地帯、特に国境地帯において、そこに人が住んでもらうことによって国土の安全保障が図れる、それと同時に食料の安全保障も図れるということで始まったといいますか、当時の農水省の職員さんとか松岡先生あたりが外国の事例を参考にして食料・農業・農村基本法というのを作られたということでございます。そういう流れの中で、今回、畜舎法が提案されましたことに大変感慨深いものがございます。
 続きまして、質問に入らせていただきますけれども、今回の畜舎新法の立法背景が国際競争力の強化ということであります。また、担当大臣も農水大臣と国交大臣の二名です。今後予定される認定畜舎及び特例畜舎の利用に関する監督責任が非常に重要となってきますが、そういったときに建築基準法と畜舎法の法体系の関係が大事だと思います。今回、畜舎新法で行われる技術基準の緩和は、何というんですか、建築の世界の憲法とも言える建築基準法の世界における基準緩和の延長線上なのか、同一のものなのか。その辺の法体系はどうなっていますかね。

発言情報

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発言者: 矢上雅義

speaker_id: 6388

日付: 2021-04-21

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会