浮島智子の発言 (文部科学委員会)

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○浮島委員 公明党の浮島智子です。
 本日議題となりました内閣提出、国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案について、その基本的な趣旨や背景についてお伺いをさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 去る二十日、バイデン氏がアメリカ合衆国の大統領に就任されました。そのバイデン氏は、大統領就任前の十五日、大統領府の科学技術政策局の局長に指名されたエリック・ランダー博士に対してレターを送り、今後七十五年間を見据えた五つにわたる諮問をされました。
 その中で、バイデン大統領は、アメリカの科学研究や技術開発の長期的な健全性をいかに担保するか、どのように学術的研究を推進し、理数教育を改善すべきか、引き続き世界中の優れた人材が集まるアメリカであるために何が必要かという、切実で真摯な問いをランダー局長に投げかけたところでございます。
 この問いが端的に表しているように、今、先進国が、生き生きと新しい価値を創出しつつ、公正や個人の尊厳といった、人として生きるに当たって必要な価値が大事にされる社会として発展するに当たり、最も大事な役割を担っているのが、学術研究でありそれを担う大学や研究機関であると思います。
 アメリカの大学は、毎年どんどん成長しております。例えば、アメリカにおいては比較的新しい大学で、スタンフォード大学も、総合科学技術・イノベーション会議の上山隆大議員が指摘されているように、一九七〇年代までは大学基金の運用に消極的でした。しかし、八〇年代を境に、九〇年代、今世紀に入ってからと、大学基金を効果的に運用するようになって、現在、大学基金の総額は日本円で三・一兆円であり、その運用益のうち一千五百億円を大学の教育、研究に投じており、スタンフォード大学の総収入は、その一千五百億円を含め、七千四百億円となっております。
 それに対して、日本は、東京大学が法人化した際に、東大の財政規模は千七百七十一億でした。二〇一七年度にはそれが二千三百四十七億円と、約六百億円近く増加をしていますし、その間、東大の大変な営業の努力により、百五十億円の東大基金もできているところでございます。
 しかし、スタンフォード大学に比べて、東京大学の基金は二百分の一、年間の財政規模は三分の一の規模です。国内では圧倒的な存在感を示している東大であっても、海外との比較においてはこの現状でございます。
 スタンフォード大学は、東大の三倍の規模の資金力を生かして、大学院博士学生や若手研究者を集めて切磋琢磨する環境をつくって、そして、稼げない、日の当たらない分野だけれども、大学の公共的な使命から不可欠な分野への支援なども行っているところでございます。
 私は、東京大学においては、この条件の中で、個々の研究者のベースではむしろ頑張っていると思います。ただ、個人の、個々の研究者に過度な頑張りを求めるシステムは長続きはいたしません。現に、修士課程からストレートに博士課程に進学するストレートドクターがこの二十年間で半減近く減少しているということは、優秀な若者が我が国の大学を見捨てていることの証左にほかならないと思います。
 初めに申し上げさせていただいたバイデン大統領の問いに重ねて申し上げれば、我が国の大学は、引き続き日本国内の優れた人材が集まる日本であるために何が必要かという危機的な状況にあると思います。私ども立法府は、このことを真剣に考えなければならないと思います。
 その状況を打開するためには、運営費交付金などの基盤的経費、科研費などの競争的資金の充実が必要であることはもちろんであり、公明党といたしましても引き続きしっかりと取り組んでまいりますけれども、他方、大学の中にも希望も見えてきております。
 この状況の中にあって必死に頑張っている研究者の研究成果は大きな社会的な価値に結びついており、大学をめぐる新しいお金の流れが生まれてきております。
 例えば東京大学では、理学部化学科の菅裕明教授の研究成果を生かした大学発ベンチャー、ペプチドリームというのは、昨年の七月時点で六千億円に近い時価総額となっているなど、大学発ベンチャーの時価総額合計は一兆円に達しております。昨年秋には二百億円の東京大学債を発行いたしましたし、ダイキン工業との産学連携は百億円単位の規模で今行われております。
 これらの大学をめぐる新しいお金の流れが、大学における自由な発想に基づく研究上の挑戦や若手研究者の支援に結びつこうとしているところでございます。これらの動きを更に前進させることが今回の十兆円規模の大学ファンドの創設の目的であると私は思っております。
 そこで、大臣に、今申し上げたように、今回の大学ファンドの趣旨や目的についてのお考えと、その実現のための決意をお聞かせいただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 浮島智子

speaker_id: 34370

日付: 2021-01-26

院: 衆議院

会議名: 文部科学委員会