文部科学委員会

2021-01-26 衆議院 全130発言

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会議録情報#0
本国会召集日(令和三年一月十八日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。
   委員長 左藤  章君
   理事 青山 周平君 理事 池田 佳隆君
   理事 小渕 優子君 理事 白須賀貴樹君
   理事 原田 憲治君 理事 菊田真紀子君
   理事 牧  義夫君 理事 浮島 智子君
      安藤  裕君    石川 昭政君
      上杉謙太郎君    尾身 朝子君
      大串 正樹君    神山 佐市君
      櫻田 義孝君    繁本  護君
      柴山 昌彦君    谷川 弥一君
      中村 裕之君    丹羽 秀樹君
      根本 幸典君    馳   浩君
      福井  照君    船田  元君
      古田 圭一君    三谷 英弘君
      山本ともひろ君    吉良 州司君
      下条 みつ君    寺田  学君
      中川 正春君    谷田川 元君
      山内 康一君    吉川  元君
      笠  浩史君    古屋 範子君
      鰐淵 洋子君    畑野 君枝君
      藤田 文武君
令和三年一月二十六日(火曜日)
    午後四時四十五分開議
 出席委員
   委員長 左藤  章君
   理事 青山 周平君 理事 池田 佳隆君
   理事 小渕 優子君 理事 白須賀貴樹君
   理事 原田 憲治君 理事 菊田真紀子君
   理事 牧  義夫君 理事 浮島 智子君
      安藤  裕君    石川 昭政君
      上杉謙太郎君    上野 宏史君
      尾身 朝子君    大串 正樹君
      神山 佐市君    小寺 裕雄君
      櫻田 義孝君    繁本  護君
      柴山 昌彦君    谷川 弥一君
      中村 裕之君    丹羽 秀樹君
      根本 幸典君    馳   浩君
      船田  元君    古田 圭一君
      三谷 英弘君   山本ともひろ君
      吉良 州司君    下条 みつ君
      寺田  学君    中川 正春君
      谷田川 元君    山内 康一君
      吉川  元君    笠  浩史君
      古屋 範子君    鰐淵 洋子君
      畑野 君枝君    藤田 文武君
    …………………………………
   文部科学大臣       萩生田光一君
   国務大臣
   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       橋本 聖子君
   内閣府大臣政務官     吉川  赳君
   文部科学大臣政務官    鰐淵 洋子君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    三谷 英弘君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  河村 直樹君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 諏訪園健司君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   青木 孝徳君
   政府参考人
   (財務省理財局次長)   窪田  修君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          瀧本  寛君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       板倉 康洋君
   政府参考人
   (文部科学省研究振興局長)            杉野  剛君
   政府参考人
   (文化庁次長)      矢野 和彦君
   文部科学委員会専門員   但野  智君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十二日
 辞任         補欠選任
  藤田 文武君     美延 映夫君
同日
 辞任         補欠選任
  美延 映夫君     藤田 文武君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  丹羽 秀樹君     上野 宏史君
  福井  照君     小寺 裕雄君
同日
 辞任         補欠選任
  上野 宏史君     丹羽 秀樹君
  小寺 裕雄君     福井  照君
    ―――――――――――――
一月十八日
 青少年自然体験活動等の推進に関する法律案(遠藤利明君外八名提出、第百九十八回国会衆法第二〇号)
 大学等における修学の支援に関する法律の一部を改正する法律案(城井崇君外五名提出、第二百回国会衆法第一〇号)
 独立行政法人大学入試センター法の一部を改正する法律案(川内博史君外五名提出、第二百一回国会衆法第四号)
 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための学生等の支援等に関する特別措置法案(川内博史君外五名提出、第二百一回国会衆法第一四号)
同月二十五日
 国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
     ――――◇―――――
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左藤章#1
○左藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。萩生田文部科学大臣。
    ―――――――――――――
 国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
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萩生田光一#2
○萩生田国務大臣 この度、政府から提出いたしました国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の影響により経済が低迷する中にあっても、世界各国は科学技術イノベーションへの投資の強化を計画しております。我が国としても、公的投資による科学技術イノベーション活動への力強い下支えを行っていくことが不可欠であり、その活動の中核となる大学への支援が重要であります。
 この法律案は、このような観点から、我が国の大学の研究環境の整備を進めるため、国立研究開発法人科学技術振興機構において、政府出資や長期借入れ等により調達した資金を運用するとともに、大学に対し、国際的に卓越した科学技術に関する研究環境の整備充実並びに優秀な若年の研究者の育成及び活躍の推進に資する活動に関する助成を行う業務等を行うために必要な措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、国立研究開発法人科学技術振興機構が、政府出資、財政融資資金借入れ、債券発行等により資金を調達するために必要な措置を講ずることとしております。
 第二に、調達した資金の運用方法として、金融商品取引業者との投資一任契約を活用した信託等により、安全かつ効率的に行うこととしております。
 第三に、国立研究開発法人科学技術振興機構は、大学に対する助成のために資金運用を行うに当たり、文部科学大臣が定めた運用資産の構成の目標や資金の調達等に関する基本指針に基づいて、資金運用の基本方針を作成し、文部科学大臣の許可を受けなければならないこととしております。
 第四に、国立研究開発法人科学技術振興機構に、資金運用を担当する理事を置き、金融や資産運用等の専門家を充てるとともに、金融や資産運用等の学識経験者や実務経験者により構成される運用・監視委員会を置くこととしております。
 第五に、国立研究開発法人科学技術振興機構の業務として、国立大学から寄託された業務上の余裕金の運用業務及び大学に対する研究環境の整備充実等に関する助成業務を追加することとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決いただきますようによろしくお願いいたします。
 失礼しました。二ページの最後の行なんですけれども、文部科学大臣の認可を許可と読み間違えたということでございますので、訂正させてください。
 以上です。
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左藤章#3
○左藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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左藤章#4
○左藤委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官河村直樹君、財務省大臣官房審議官諏訪園健司君、主計局次長青木孝徳君、理財局次長窪田修君、文部科学省初等中等教育局長瀧本寛君、高等教育局長伯井美徳君、科学技術・学術政策局長板倉康洋君、研究振興局長杉野剛君及び文化庁次長矢野和彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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左藤章#5
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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左藤章#6
○左藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。根本幸典君。
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根本幸典#7
○根本(幸)委員 自民党の根本幸典であります。
 今日は、理事、委員の先生方のお計らいで質問の機会をいただいたことに、まず心から感謝を申し上げたいと思います。
 我が党においても、昨年の六月に取りまとめたポストコロナの経済社会に向けた成長戦略において、我が国の研究基盤を抜本的に強化するため、世界に見劣りしない規模のファンドを創設し、その運用益を世界に比肩するレベルの研究開発を行う大学等の共用施設やデータ連携基盤の整備、若手人材育成などに充てるべきである、こういう提言をしたところであります。
 政府においても、この提言を踏まえ、速やかに検討を進められ、今国会に補正予算関連法案として提出されたことは大いに評価に値するというふうに思います。
 そこで、まず、経済財政運営と改革の基本方針二〇二〇や国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策を踏まえ、この度、科学技術振興機構法を改正し、科学技術振興機構に大学ファンドを創設するための規定を整備するということでありますが、この大学ファンドの創設の趣旨についてお伺いをしたいというふうに思います。
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萩生田光一#8
○萩生田国務大臣 新型コロナウイルス感染症の影響により経済が低迷する中にあっても、世界各国はイノベーションへの投資強化を計画しています。我が国としても、リーマン・ショック後の反省を踏まえつつ、公的投資も含めた科学技術イノベーション活動への力強い下支えを行うことが不可欠と認識しております。
 イノベーションの中核を担うのは研究大学ですが、我が国の大学の研究基盤は諸外国のトップ大学と比べて大きな格差が生じており、現時点での各大学の独力ではこの格差を速やかに解消することは困難な状況であります。
 このため、国の資金を活用しつつ大学ファンドを創設し、その運用益を活用することで世界トップレベルの研究大学を目指した研究基盤の強化を図るものであります。
 あわせて、我が国の研究大学が経営体として自律し世界に伍する大学に成長することで、絶えずイノベーションが創出される仕組みを構築することを狙いとしております。
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根本幸典#9
○根本(幸)委員 ありがとうございます。
 今大臣から御答弁がありましたように、各国と比べると、その基金の規模とかが大分見劣り、格差があるということでありますので、これをつくることによって、外国の大学としっかり競争ができるように進めていただきたいというふうに思っています。
 そこで、研究基盤の強化に当たっては長期安定的な支援が不可欠だと考えておりますが、しかし、不安定な経済情勢の中で運用益で安定的に研究大学を支援するためどのような方針でファンドを運用するのか、また、どの程度の収益の見通しを持っているのか、お伺いをしたいというふうに思います。
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杉野剛#10
○杉野政府参考人 失礼いたします。
 大学ファンドの運用方針と収益見通しについてお尋ねでございました。
 まず、大学ファンドの運用方針につきましては、改正法案二十八条一項におきまして、長期的な観点から安全かつ効率的に運用を行うということが明らかになっており、これを基本的な考え方としております。
 具体的には、マーケットの短期的な動向よりも長期的な観点から、リスクをできるだけ抑えながら確実な収益を目指すこと、また、そのためにも、特定の資産に偏ることなく国内外の様々な種類の資産に分散して投資を行うこと、こういったことを今後文部科学大臣が策定することになります運用の基本指針に盛り込むことを想定しております。
 また、マーケットの短期的な動向によります一時的な損失の発生に耐え得るよう、運用開始直後から運用益の相当割合を元本に積み増すなど、リスクバッファーを十分確保することにも留意していく必要があると考えております。
 一方、ファンドの運用益の見通しにつきましては、ファンドの立ち上げ時点での国内外の投資環境、これを十分考慮した上で、今後慎重に見極める必要があると考えておりまして、現時点で何%と具体的に申し上げることは控えさせていただければと存じますけれども、公的なファンドとして既に運用実績を持っております年金積立金管理運用独立行政法人、通称GPIFにおけます過去の運用実績を見ますと、市場運用を開始いたしました平成十三年度以降、過去二十年間で年平均約三%のリターンを上げているということは、今後の検討におきまして一つの参考として考慮していきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
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根本幸典#11
○根本(幸)委員 ありがとうございました。
 やはりこのリスクをどういうふうにヘッジしながら、かつ運用益をしっかり上げていくということでありますので、その辺りもこれからしっかりと対応していただければというふうに思います。そしてまた、この運用益を使ってしっかりと、世界に伍する研究環境の創出を目指して、努力をしていただければというふうに思います。
 令和二年度の第三次補正予算案及び令和三年度財政融資において、大学ファンドの元本として総計四・五兆円が計上されております。総合経済対策においては、十兆円規模の大学ファンドを創設することとされており、大学に対して将来十分な支援を行うためにも、早期に十兆円を目指すべきであるというふうに考えております。
 是非、最後になりますが、大臣に、今後の道筋と大臣の御決意をお伺いをしたいと思います。
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萩生田光一#12
○萩生田国務大臣 博士後期課程進学者の減少や、世界トップ研究大学との資金力の差の拡大、研究論文の質、量双方の観点での国際的な地位の低下など、我が国の大学の置かれた状況に鑑みれば、大学の研究基盤の抜本強化は待ったなしの状況にございます。
 今後の道筋については、世界に伍する規模の大学ファンドとして十分な支援を大学に対して行うためにも、大学改革の制度設計等を進めながら、十兆円規模のファンドの早期の実現を目指してまいりたいと思います。
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根本幸典#13
○根本(幸)委員 大臣から今御決意をいただきました。今回の新型コロナウイルスの対策の中で、やはり日本の科学技術、これは非常に、研究基盤をしっかりとすることは大事だということはよくよく我々も感じているところでありますし、また、ポストコロナの経済社会に向けて、これからしっかりと大学が研究できる体制をつくっていただきたいというふうに思います。
 どうか引き続きの御努力をお願い申し上げ、質疑とさせていただきます。ありがとうございました。
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左藤章#14
○左藤委員長 次に、浮島智子君。
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浮島智子#15
○浮島委員 公明党の浮島智子です。
 本日議題となりました内閣提出、国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案について、その基本的な趣旨や背景についてお伺いをさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 去る二十日、バイデン氏がアメリカ合衆国の大統領に就任されました。そのバイデン氏は、大統領就任前の十五日、大統領府の科学技術政策局の局長に指名されたエリック・ランダー博士に対してレターを送り、今後七十五年間を見据えた五つにわたる諮問をされました。
 その中で、バイデン大統領は、アメリカの科学研究や技術開発の長期的な健全性をいかに担保するか、どのように学術的研究を推進し、理数教育を改善すべきか、引き続き世界中の優れた人材が集まるアメリカであるために何が必要かという、切実で真摯な問いをランダー局長に投げかけたところでございます。
 この問いが端的に表しているように、今、先進国が、生き生きと新しい価値を創出しつつ、公正や個人の尊厳といった、人として生きるに当たって必要な価値が大事にされる社会として発展するに当たり、最も大事な役割を担っているのが、学術研究でありそれを担う大学や研究機関であると思います。
 アメリカの大学は、毎年どんどん成長しております。例えば、アメリカにおいては比較的新しい大学で、スタンフォード大学も、総合科学技術・イノベーション会議の上山隆大議員が指摘されているように、一九七〇年代までは大学基金の運用に消極的でした。しかし、八〇年代を境に、九〇年代、今世紀に入ってからと、大学基金を効果的に運用するようになって、現在、大学基金の総額は日本円で三・一兆円であり、その運用益のうち一千五百億円を大学の教育、研究に投じており、スタンフォード大学の総収入は、その一千五百億円を含め、七千四百億円となっております。
 それに対して、日本は、東京大学が法人化した際に、東大の財政規模は千七百七十一億でした。二〇一七年度にはそれが二千三百四十七億円と、約六百億円近く増加をしていますし、その間、東大の大変な営業の努力により、百五十億円の東大基金もできているところでございます。
 しかし、スタンフォード大学に比べて、東京大学の基金は二百分の一、年間の財政規模は三分の一の規模です。国内では圧倒的な存在感を示している東大であっても、海外との比較においてはこの現状でございます。
 スタンフォード大学は、東大の三倍の規模の資金力を生かして、大学院博士学生や若手研究者を集めて切磋琢磨する環境をつくって、そして、稼げない、日の当たらない分野だけれども、大学の公共的な使命から不可欠な分野への支援なども行っているところでございます。
 私は、東京大学においては、この条件の中で、個々の研究者のベースではむしろ頑張っていると思います。ただ、個人の、個々の研究者に過度な頑張りを求めるシステムは長続きはいたしません。現に、修士課程からストレートに博士課程に進学するストレートドクターがこの二十年間で半減近く減少しているということは、優秀な若者が我が国の大学を見捨てていることの証左にほかならないと思います。
 初めに申し上げさせていただいたバイデン大統領の問いに重ねて申し上げれば、我が国の大学は、引き続き日本国内の優れた人材が集まる日本であるために何が必要かという危機的な状況にあると思います。私ども立法府は、このことを真剣に考えなければならないと思います。
 その状況を打開するためには、運営費交付金などの基盤的経費、科研費などの競争的資金の充実が必要であることはもちろんであり、公明党といたしましても引き続きしっかりと取り組んでまいりますけれども、他方、大学の中にも希望も見えてきております。
 この状況の中にあって必死に頑張っている研究者の研究成果は大きな社会的な価値に結びついており、大学をめぐる新しいお金の流れが生まれてきております。
 例えば東京大学では、理学部化学科の菅裕明教授の研究成果を生かした大学発ベンチャー、ペプチドリームというのは、昨年の七月時点で六千億円に近い時価総額となっているなど、大学発ベンチャーの時価総額合計は一兆円に達しております。昨年秋には二百億円の東京大学債を発行いたしましたし、ダイキン工業との産学連携は百億円単位の規模で今行われております。
 これらの大学をめぐる新しいお金の流れが、大学における自由な発想に基づく研究上の挑戦や若手研究者の支援に結びつこうとしているところでございます。これらの動きを更に前進させることが今回の十兆円規模の大学ファンドの創設の目的であると私は思っております。
 そこで、大臣に、今申し上げたように、今回の大学ファンドの趣旨や目的についてのお考えと、その実現のための決意をお聞かせいただきたいと思います。
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萩生田光一#16
○萩生田国務大臣 今、先生からスタンフォードの例を挙げていただきましたけれども、欧米の主要大学は、寄附金などを原資とした数兆円規模の大学ファンドを保有し、その運用益を人材や研究設備に投資することで充実した研究基盤を構築しており、このような取組が我が国と欧米との研究環境の差の一因となっているものと認識しております。
 一方で、海外との寄附文化の違いですとか、資産運用管理の体制の現状を見ますと、我が国の研究大学が現時点で早期に独立で海外と同様の大規模な大学ファンドを造成することは困難であると考えております。
 このため、まずは国の資金を活用しつつ大学ファンドを創設し、その運用益を活用することで若手人材育成支援や研究基盤の強化を図り、あわせて、我が国の研究大学が経営体として自律していくよう促すことにより、我が国の研究大学において絶えずイノベーションが創出されるような好循環を構築してまいりたいと思っております。
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浮島智子#17
○浮島委員 ありがとうございます。是非とも、大臣が先頭に立って、リーダーシップを発揮していただきたいと思います。
 今回のこのファンドは、これまでにない画期的なものであるがゆえに、今も申し上げさせていただいたところでもございますけれども、長期で安定、そして確実な運用が求められると思います。元本を毀損しないことと、しっかりと研究大学を支援すること、この両立を図ることが重要であると私は思っております。
 知恵と経験をフル回転しながら長期安定な運用を確実に行うためには、ファンドが置かれているJSTの体制をしっかりと整えることが極めて重要だと思います。投資や金融機関に関する知恵や経験はもちろんでございますけれども、他方で、今回のファンドの趣旨を深く認識し、その公共的な使命の実現に取り組む金融実務経験者を理事に据えるとともに、運用・監視委員会にも実力と見識のある方をそろえ、万が一、元本を毀損しかねない、リスクが高い投資が行われようとしていた場合に、それを止める力をしっかりと持たなければならないと思います。
 そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、今回のJST法改正案に盛り込まれた基本方針の策定、資金運用担当理事の任命、運用・監視委員会委員の任命など、大臣に与えられた権限を踏まえ、どのように長期安定な運用を確保するための人材を集め、JSTのガバナンスを確立していくのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
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萩生田光一#18
○萩生田国務大臣 御指摘のとおり、資金運用を安全かつ効率的に行うことは極めて重要だと認識しております。
 このため、本法案では、文部科学大臣が定める資産運用の構成の目標や資金の調達などに関する基本指針に基づいて科学技術振興機構が資金運用の基本方針を作成し文部科学大臣の認可を受けることや、JSTにおいて、文部科学大臣の承認の上で経済、金融等の専門家を運用業務担当理事に充てるとともに、文部科学大臣が任命した外部有識者による運用・監視委員会を新設することにより必要な管理運用体制を整備することとしております。
 これらの検討に際しては、文部科学省だけではなく、内閣府を始めとした関係府省と十分連携するとともに、経済、金融等の専門家の協力も得て、幅広く知見を集めながら対応することとしております。
 こうした取組を通じて、JSTの体制をしっかりと構築し、資金運用が安全かつ効率的に運用していけるよう、国として責任を持って対応してまいりたいと思います。
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浮島智子#19
○浮島委員 今大臣がおっしゃっていただいたように、他省庁との関係も極めて重要だと思いますので、しっかりと連携をしていくようにお願いをしたいと思います。
 大学において、自由な発想に基づく研究上の挑戦があふれて、大学院の博士課程の学生さんそして若手研究者がしっかりと腰を据えて研究に没頭できる環境、そして、社会的な価値の創出を軸とした大学における資金の好循環、これをつくっていくことが極めて重要だということをお訴えをし、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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左藤章#20
○左藤委員長 次に、牧義夫君。
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牧義夫#21
○牧委員 立憲民主党の牧義夫でございます。
 今回のこのJST法案の審議に入る前に、三次補正でオリパラ関連の予算も盛り込まれておりますので、前回、臨時国会でも私はオリパラ関連で質問させていただきましたが、先にちょっと、懸念される東京大会、本当にできるのかどうなのか。
 いろんな情報が錯綜をしております。有力な海外のメディアからも、東京大会中止じゃないかというような報道もなされて、慌てて政府が取り消すというようなこともございました。また、昨今、IOCが、オリンピック選手を優先的にワクチンを投与するというような話をしたところ、WHOは、ワクチンのオリンピック選手優先というのを否定するというような報道もなされております。
 そんな中で、今回、三次補正で感染症対策八百五十七億円が盛り込まれております。これは具体的にどういうことをするのかということもお聞かせいただきたいんですけれども、その前に、予算委員会でも大臣はお答えになっていると思いますが、この期間に約一万人の医療スタッフを依頼したい、一人当たり五日間ぐらい動員をして、一万人の医療スタッフに従事していただきたいという依頼をするというようなお話もちょっと聞いたんですけれども、そういうことになると、かなり今ただでさえ医療が逼迫している中で、これは多分に地域医療にも影響すると思うんですけれども。
 そういうことも踏まえて、この八百五十七億円、具体的にどう使うのか、まずお答えいただきたいと思います。
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橋本聖子#22
○橋本国務大臣 お答え申し上げます。
 令和二年度第三次補正予算案において、東京大会に向けた感染症対策等として八百五十七億円を計上しております。
 その内訳は、一つ目が、東京大会が新型コロナウイルス感染症の影響で一年延期されたことによる追加経費のうち、感染症対策関連経費の国負担分として五百六十億円、同じく追加経費のうち、パラリンピック経費の国負担分として百五十億円、三つ目が、ホストタウン、事前キャンプ地における検査実施経費、交通、宿泊施設の感染予防経費など約百二十七億円、四つ目が、国立競技場、代々木競技場、ハイパフォーマンススポーツセンター等における消毒、抗ウイルスコーティング、空間除菌など約二十億円となっております。
 これらの施策を着実に実行することで、安全、安心な大会を実現していきたいと考えております。
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牧義夫#23
○牧委員 安全、安心な大会に心がけていただくことは結構なんですけれども、先ほど申し上げたように、ただでさえ、現状においてさえ、今の国内の医療提供体制が大変逼迫しているという状況の中で、一般的な国民の健康、安心にしわ寄せが行かないようなことをしっかりと担保していただきたいということも併せて申し上げておきたいし、そういうことを踏まえて、本当にできるのかなということについては、もう八割以上の国民の皆さんが懸念を抱いている、疑念を抱いているという状況の中で、もうそろそろ、はっきりと見極めをつけるときが来ているんじゃないかなというふうに思います。
 中止を決めろとか延期を決めるとかいう話をしているんじゃなくて、どういう基準でこれを決めるのか、見極めるのか。あるいは無観客という話も出ております。どういう基準でそれを決めるのかという一つの指標ぐらいは、私はもうそろそろ示すべきときが来ているというふうに思いますけれども、その点についてどう思われますか。まずお答えいただきたいと思います。
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橋本聖子#24
○橋本国務大臣 東京大会の開催については様々な御意見があるということは承知をしております。政府としては、まずは感染拡大の防止に全力で取り組んでいるところであります。
 東京大会については、昨年七月のIOC総会において競技スケジュールとその会場が決定されており、新型コロナウイルス感染症対策をしっかりと講じ、東京大会を開催するべく、現在、関係者が一丸となって準備を進めているところでございます。
 先ほど、医療体制のお話がございました。午前中の予算委員会でも医療体制のことについて質問をいただいたわけでありますけれども、やはり一番大切なことは、地域の医療に対して、安心を持って受け入れていただけるような体制というものをつくっていかなければいけないというふうに思っておりますので、感染症対策の専門家、そしてIOC、あるいは組織委員会、東京都、今、現地のJOCそしてJPCにも参加をいただいているコロナ対策の調整会議におきまして、しっかりと、感染症対策の研究をされている方も一堂に会して、今後観客をどのようにしていくかということもこの春に決定をするという中間報告をしておりますので、様々な状況をしっかりと勘案しながら対策に努めていきたいというふうに思っております。
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牧義夫#25
○牧委員 関係者の皆さん、JOCや組織委員会、東京都、政府の皆さんの御努力については否定するものではございませんけれども。
 これはまた時間があるときにゆっくりお聞かせいただきたいと思うんですが、幾ら我々が頑張っても、各国から選手を送り出していただかないことには大会が成り立たないわけで、その辺の各国の状況について今日お聞きしようと思いましたけれども、ちょっと時間がないので、またゆっくり、各国の状況をどのように把握されているのか。選手が来ないんじゃ大会は成り立ちませんので、その辺のところも併せて、ちょっとまた日を改めてお聞きしたいと思います。
 今日はありがとうございました。橋本大臣には、これで結構でございます。
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左藤章#26
○左藤委員長 どうぞ退出してください。
 牧義夫君。
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牧義夫#27
○牧委員 引き続いて、今度は十兆円のファンドについてお聞かせをいただきたいと思います。
 そもそもの、今回の補正予算の五千億については、これをどういうふうに用立てたんだということを担当の文部科学省に事前にお聞かせをいただこうと思ったら、これは財務省がお金をつくるので、その辺は我々はあずかり知らないところだというお話でしたので、今日は財務省からもおいでいただいて、お話を聞かせていただきたいと思います。
 これは非常に分かりにくいお金の用立ての仕方で、私もさらっと聞いただけじゃ一遍に理解できなかったんですけれども、まず、外為特会のドルを日銀に引き取らせて、日銀からそれに見合った円が外為特会に入って、それで、その円で財務省の持っている金を買うということによって財務省にそのお金が入ると。
 これはさらっと聞いただけじゃ、皆さん、すぐ理解できないと思うんですけれども、まさにこれは錬金術と言ってもいいぐらいの非常に手の込んだ芸当だなというふうに、ある意味感心もしたんですけれども、なぜこんな手の込んだ手法を使うのか。
 これは立派な、日本の学術、科学、研究を推進するためのお金ですから、こんな、何かタコが自分の足を食うようなやり方をしなくても私はいいと思ったんですけれども、まず、これはどうしてこんな手の込んだやり方をしたのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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青木孝徳#28
○青木政府参考人 金の売却収入の計上につきまして御質問をいただきました。
 まず、金を持っておりますのは、一般会計の貨幣回収準備資金というところで持っております。これは、例えば造幣局が金貨を発行したりするときの原材料として持っておるというようなものでございますが、この金につきましては、天皇陛下の御即位でありますとか、それから、東京オリンピック・パラリンピックに係る金貨の発行というものが完了いたしまして、国の資産の有効活用を図る観点から、今後、記念金貨の発行に必要な量を除いて売却するということを考えておったところでございます。
 実際、それを、じゃ、どこに売却したかという話で、先ほどお話のありました外為特会におきまして、まさに、この金を売却するに当たって、市中売却をしますと、金市場に不測の影響、マーケットに不測の影響を与えかねないでありますとか、それから、政府の保有する金を売却して、要は、最終的に海外に流出させるということもまた一つよろしくない、そういう考え方に立ちまして、外為特会、特別会計におきまして、外貨準備の運用としてこの金を貨幣回収準備資金から取得するということにいたしました。
 一方で、日本銀行の話も出ておりますが、その際、実際、外為特会が金を買うに当たりまして、外為特会が持っている外貨を日銀に売却をしたのでございますが、日本銀行におきましては、まさに、コロナ禍における緊急時の外貨資金供給の円滑な遂行に備えるため、外貨を必要としておったというわけでございます。
 したがいまして、財務省の、売る側の貨幣回収準備資金と買う側の外為特会、それから日本銀行、それぞれが必要性があって、そこが合致してこういう形になったわけでございます。
 最終的に、それを第三次補正予算の中で、そういう金の売却収入を歳入として計上するということになっておったところ、まさに大学ファンドへの出資についても、また別途、歳出の方で話がありまして、これは、大学ファンドへの出資につきましては、まさに、出資の資金調達のコスト、これを一般会計が負担するというようなことがないように、利払い費が生ずる国債発行によらない財源確保が望ましいと考えまして、この金の売却収入を活用するという整理をいたしましたところでございます。
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牧義夫#29
○牧委員 大臣もお聞きになっていたと思うんですけれども、いいんですよ、お金に色がついているわけじゃないので。ただ、こういう形で捻出しなければこれからの国家百年の計を立てることができないのかというところが私の問題意識であって、その辺は大臣も多分共有していただけると思います。
 この法案の中身そのものについても、今回、取りあえずJSTが財投の資金を運用できるという仕組みをつくるだけの話で、その後の制度設計についてはまだこれからだというお話を事前のレクでもお聞かせいただいたんですけれども、結局は、まずお金ありきで、その後ゆっくり考えるというようなことで、私は順序が逆じゃないかなというふうに思いますし、研究力強化を長期的な視点で安定的に支援するというふうに、狙いも大臣述べておられますけれども、それは立派な話であって、誰も否定する話じゃないと思います。
 この国家的な命題を、なぜコロナ対策に乗じて、悪い言い方をすればこのどさくさに紛れてそれをやるのかということについて、大臣の所見をお聞かせいただきたいというふうに思います。
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