山下貴司の発言 (法務委員会)
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○山下委員 今、御説明がありました。また、国交省におかれては、例えば公共事業などでも、所有者不明土地があるから事業が進まないといったようなことも大分早期に解消されているように聞きます。
こうした、先ほどの御説明でも、すごい勢いで、明治以来動かなかった所有者不明土地問題が大きく動き出している。これは、与野党を通じた同僚議員の皆様の御尽力でありますし、思いでありますし、また、それに応えてくれた関係省庁の皆さんの御尽力、これは本当に大きなものがあると思います。そして、これまで累次なされてきた所有者不明土地対策のいわば集大成として今回の抜本改革がある、そういった意味でのこの法改正でございます。
本日は、お時間を多くいただいておりますので、この抜本改正について、主に、例えば登記事項であるとか、あるいは相続の土地についての国庫帰属であるとか、これについてもいろいろ大きく注目されておりますけれども、私の場合は、前半部分といいますか、民法の大改正部分にどちらかといえば焦点を絞ってお話を伺いたいと思います。登記等に関しましては後ほど大口先生がしっかりとおっしゃってくださるというふうに聞いておりますので、まず、民法の明治以来の大改正部分を含む改正について、分かりやすく、審議を聞いただけで分かる、それが私は国会議員の質疑のお手本だと思っておりますので、それを目指してやっていきたいと思います。
それでは、今回の民法改正部分の見直し、これは、大きく分けて、私の理解では、先ほど大臣がおっしゃった、まず共有物の利用の促進が第一、第二は共有関係をいかに円滑に解消するかというもの。今回の法改正の中には、所有者不明土地そして建物の管理に特化した命令等も含まれておりますが、これらも共有物の利用促進、そして共有関係の円滑な解消に資するものだと思っております。
この二本柱があって、さらに、ほかにも、所有者不明土地とは言えないんだけれども、例えば、ごみ屋敷であるとか、空き家でほったらかしになっているような管理不全土地、建物、そういったものをどう管理するか、あるいは、例えば隣地の使用権、これが明治以来余り整理されてこなかった部分をしっかりと規定する、そういった民法の改正部分、大きく分けて三つが含まれているんだろうと思います。これらについて順次伺いたいと思います。
まず、共有物の利用の促進について、原理原則を確認した上で、さらに今回どういう改正が行われているのかということについて、不明共有者がいる場合も含めて伺いたいと思います。
まず、明治以来の現行法上、共有物の利用については、共有物の全部について利用できるんだ、持分に応じて利用できるんだという規定があります。そして、資料一の二でございますが、それの左側の欄の下の方にもありますけれども、保存行為は各共有者が単独で可能なんだ、管理行為は持分の過半数で決定するんだ、変更行為は共有者全員の同意が必要なんだというふうな規定はあります。でも、実際は、何が保存で何が管理で何が変更なのかということが明確ではなかったということであります。
そして、そういったことから、この度、まず、所有者不明土地問題発生を防ぐために、あるいは管理をしっかりやってもらうためということで、持分の過半数の共有者の同意で可能な管理行為を拡充、明確化したということでございます。
その中には、条文でもありますけれども、形状、効用の著しい変更を伴わない軽微な変更は管理行為として過半数でできるんだということになった。これで、例えば、土の歩道がある、土ぼこりが舞い上がるのでアスファルト舗装をしたい、でも、これは形状を変更するから、変更だから全員の同意が要るんじゃないか、でも、一人が反対する、あるいは一人が不明共有者だということになると、上げも下げもならない、そういったことがあったわけですが、今回それができるようになった。
あるいは、短期賃貸借、建物であれば、五年以内の賃貸借であればできるようになった。これは特に、最高裁判例で既に認められていたんですけれども、ずっと条文自体は明治以来の条文のままであったということであります。
そうしたことに加えて、例えばこの管理行為について、共有者の同意というのを取るときに、期限内に異議があるかどうか教えてくださいというふうに言っても異議を述べないような方もおられるということであります。そうしたときに、期限内に異議を述べないその人を除いて過半数を超えれば管理行為ができるのだということ、これも入れられたということであります。そうしたことで、管理行為の拡充、明確化をしたというわけであります。
加えて、共有物の管理促進については、共有物の管理者制度が整備されたということで、この管理について過半数の同意があれば管理者として管理行為ができるということが含まれたということであります。
こうした、何が管理に当たるのだということをきちっと整理されたということは、今までは、いや、もしかしたら全員の同意が要るんじゃないか、でも全員の同意が取れないやということでずっと塩漬けになっていた土地の利用が一気に動き出すという意味において、一歩進んだ、非常に大きな前進だというふうに思います。
ただ、ここでもう一つ、今回の大改正がありましたのは、不明共有者がいる場合の共有物の利用促進ということでございます。
不明共有者がある場合、全員の同意が得られないため変更はできない、これは今まで当然ですが、例えば、持分の過半数の共有者が所在が分からない、そういう場合には管理行為すらできないということであります。こうしたことに対応するために、今回の法改正、不明共有者等がいる場合の共有物の利用促進のためにどういう改正がなされたのか、当局に伺います。