落合貴之の発言 (本会議)

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○落合貴之君 立憲民主党の落合貴之です。
 立憲民主党・無所属を代表し、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論をさせていただきます。(拍手)
 まず冒頭、国有財産の在り方を大きく揺るがした森友学園問題で、公文書の書換えを命じられた経緯を詳細につづったいわゆる赤木ファイルを隠し続けている財務省、国の根幹である国会の国政調査権を大きく傷つけている財務省に強く抗議をいたします。
 さて、今回の特例公債法案は、赤字国債の発行を認めるもので、昭和五十年度から、発行しなかった数年間を除き、毎年、年度ごとに審議がされてまいりました。
 しかし、十一年前の参議院選挙で与党が大敗し、衆参の多数派にねじれ現象が生まれたことから、状況は変わってきました。
 その翌年は、東日本大震災があったにもかかわらず、特例公債法案が夏まで通らず、そして、そのまた翌年は、当時の野党が十一月まで法案を通さず、赤字国債が発行できずに、予算の執行にも支障を及ぼす事態となりました。そういったことから、与野党の三党合意により、当初は四年で束ね、特例公債法案を通すこととなりました。
 しかし、その後、国会のねじれが解消したにもかかわらず、五年ごとにと、なぜか更に長い年にわたって束ねる法案が出され続けることになってしまっています。
 今、衆参はねじれていません。両院共に、与党が大多数を占めています。その中で、毎年国会で審議をしない意味があるのでしょうか。国会のチェック機能の弱体化を、わざわざ国会議員たちが自ら進んで決めるべきではありません。
 また、五年という期間は、衆議院の任期より長い。憲法第六十条では、予算に関する衆議院の優越が規定されています。すなわち、衆議院には予算について特別の立場が認められ、責任が課されています。特例公債法案は予算と密接に関係する法律案であるにもかかわらず、衆議院の任期四年を超える期間にわたり白紙委任をするという法を制定することも疑問です。
 国家が行う財政活動は国会で審議、決議されなければならない、国会や国民がしっかり監視をするべきであるという財政民主主義の原則は重要です。
 予算、税制、国債発行を同じタイミングでその都度議論する、そして、その過程を国民に示していく、これがあるべき姿ではないでしょうか。
 なお、この法案には、財政健全化が明記されています。持続可能な財政を実現することは、国家を運営する上でも、国民生活を安定させる上でも重要なことです。しかし、単に歳出額を減らすことと税率を上げることだけで、持続可能な財政運営が実現するのではありません。
 特に、リーマン・ショック以降、先進国においても格差の拡大が大きな問題となっています。そして、このコロナ禍がやってきました。各国が経済の回復を模索する中、K字回復が起きてしまうのではないかということも危惧されています。持てる者の経済状況だけが回復をし、持たざる大多数は更に没落してしまう。こうなってしまえば、国民の担税力は弱まり、持続可能で健全な財政は実現することはできません。
 このK字回復にはさせない、それは政治にしかできません。財政こそ、格差拡大を止め、健全な経済を実現するのに必要な手段です。
 これまで世界各国に財政規律を押しつけていたIMF、国際通貨基金も、財政支出の拡大が今は重要であるということを言い始めました。
 我が国は、昨年度は約九十兆円の赤字国債を発行しました。今年もそれなりの額の国債を発行することでしょう。その中で、財政はどのような使われ方をしているでしょうか。経済対策や災害対策と言いつつ、一部の与党政治家の利権のためというような項目ばかりが並んでいる予算。このために赤字国債を費やしていいのでしょうか。
 政治家の利権ばかりに使っていってはいけません。財政は国民のために使い、日本のよさであった分厚い中間層、これを復活させなければ、国民の担税力は上がりません。自律的な経済の好循環も生まれません。健全な財政も実現できません。国債を発行した予算は、国民の生活、国民の将来のために使われなければなりません。
 また、コロナで悪化した財政の穴埋めに、いずれは消費税の増税をという話まで出てくる気配です。格差拡大の是正が大きな問題であるにもかかわらず、逆進性ある消費税ばかりになぜ重きが置かれるのでしょうか。既に、税収に対する消費税の割合は、消費税、付加価値税の高いヨーロッパ諸国と同じレベルになりつつあります。税率が低くても、税収に対する消費税の割合が高い、つまり、ほかの税を取っていないからです。
 年収一億円を超えた辺りからどんどん負担率が下がる日本の税制。金融所得課税は国際レベルだと答弁していますが、お金持ちほど顕著に負担率が減っていく先進国など、この地球上にありません。欧米各国の年収別の負担率をよく調べてください。
 また、世界的な税率下げ競争をやってきた法人税は、国際協調の下、我が国が先導し、適正な課税を実現していかなければなりません。特に、GAFAを始めとする巨大IT企業への課税はなかなか進みません。
 コロナ禍で、百貨店の閉店が相次いでいます。小売業は、デジタルプラットフォーマーにどんどんのみ込まれています。ほかの分野でも、デジタルプラットフォーマーがどんどん役割を増しています。日本の中小企業の多くもデジタルプラットフォーマーの傘下に入りつつあります。我が国の経済の根幹を握りつつあるこれら世界的な企業に、意見も言えず、課税もできない。これでは、経済政策における主権もいずれなくなってしまいます。財政も成り立たなくなります。
 また、この数年の間違ったコーポレートガバナンス改革や間違った働き方改革などによっても、中間所得層はどんどん破壊されています。
 予算、国債発行、税制、重要法案は、国民生活のため、この国のために、その都度国会でしっかり審議をするべき。ねじれ国会でもないのに、五年間もの長い期間にわたり、重要な国債発行について白紙委任するような内容となっている本法案には、賛同できません。
 今こそ、誰のために政治があるのか、それをよく考えるべきです。国会のチェック機能を自らの手で弱体化させるべきではないということを申し上げ、反対の討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 落合貴之

speaker_id: 15768

日付: 2021-03-02

院: 衆議院

会議名: 本会議