岸本周平の発言 (本会議)
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○岸本周平君 国民民主党・無所属クラブの岸本周平です。
会派を代表して、質問をいたします。(拍手)
あさって、三月十一日に、東日本大震災から十年目を迎えます。
改めて、お亡くなりになられた全ての方々に哀悼の誠をささげますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
さて、二〇〇〇年にIT基本法ができました。電子政府ということが言われ始めてから二十年がたちました。
この間、私自身も、通産省の情報処理システム開発課長として電子政府を担当した後、政治家として、二〇一三年のマイナンバー法や内閣法の改正による政府CIOの設置、二〇一四年のサイバーセキュリティ基本法、二〇一六年の官民データ活用推進基本法、そして二〇一九年のデジタル手続法など、議員立法も含め、いろいろな法律に関わってまいりました。
これらの仕組みの下、これまでハード面、例えばネットワークや電子申請システムの整備など、具体的なことは一定程度進んでまいりました。
一方で、昨年来の新型コロナウイルス感染症の拡大は、マイナンバーカードの普及率の低迷、オンラインによる給付金申請手続の不具合、自治体ごとのシステムの乱立や教育、医療のデジタル化の遅れなど、二十年たっても我が国のデジタル化には多くの課題が残っていることを浮き彫りにしました。
また、デジタル化を進める過程で、二千個問題と呼ばれるように、自治体ごとに個人情報保護ルールが異なることが地方のデジタル化を阻害している問題も明らかになりました。政府に設置したCIO制度についても、せっかくの強い権限にもかかわらず、その活用が十分に行われていない状況にあります。
このように、残念ながら、我が国は、世界のデジタル先進国から大きな差をつけられている状況であります。
昨年九月にデジタル改革担当大臣に平井大臣が就任されて、こうした長年の課題を一気に解決するべく、デジタル庁の設置、デジタル社会形成基本法の制定、官民の個人情報保護ルールの一元化、預貯金口座へのマイナンバーの付番の促進などを含むデジタル改革関連法案が作られました。
ここまで来たことには非常に感慨深いものがあります。いよいよこれから、すっかり遅れてしまった我が国のデジタル化を強力に進めていくことが期待できます。
それでは、まず、デジタル庁についてお尋ねします。
デジタル化はかけ声だけでできるものではなく、また、デジタル化するとしても、単に既存のものをデジタルに置き換えるというだけでは何の意味もありません。例えば、政府のデジタル化を行う際には、業務改善をまず行い、行政のスリム化を行うことが当然なのですが、これまでは必ずしもできていませんでした。愚かな政府が、愚かな電子政府になっただけであります。
さらに、デジタル化については、非常に専門的な知見が必要となります。しかし、情報システムの整備一つを見ても、これまでの霞が関では、デジタルに詳しい人材がいないということもあり、ベンダーに丸投げでした。
真にデジタル化を進めるのであれば、各府省庁の抵抗を排除するため、デジタル化を進めるための業務を明確にし、デジタル庁に権限や予算をしっかりと与えつつ、その中に民間人を始めとする優秀なデジタル人材を多く抱える必要があります。
そこで、菅内閣総理大臣にお伺いいたします。
デジタル庁が社会全体のデジタル化の司令塔となるべく、どのような業務を担当させるのか、そのためにどのような権限を与えるのか、また、デジタル庁において民間人材をどのように活用するつもりなのか、お答えください。
次に、地方のデジタル化について、平井大臣にお伺いします。
デジタル化については、汎用的なものはクラウドに載せ、多くの主体が使うことで効率性が高まります。一方で、地方公共団体については、地方分権とのバランスを取ることも必要なことです。
そこで、デジタル庁は地方公共団体のシステムにどのように関与するのか、お答えください。
また、我が国では、先ほども申し上げましたが、地方自治体ごとに個人情報保護ルールが異なります。二千個問題とも呼ばれているように、地方のデジタル化やデータの利活用を阻害するようなことが起こっています。
例えば、最近でも、地方公共団体の多くの条例にあるオンライン結合制限の規定が、政府の進めているGIGAスクール構想の推進や新型コロナウイルス感染症の感染者の共有システムであるHER―SYSの活用のハードルとなりました。
今回、個人情報保護法を改正して、地方公共団体に直接、国の法律を適用することによって、いわゆる二千個問題は解決するのかどうか、お答えください。
さて、冒頭にも申し上げましたように、あさってで東日本大震災から十年を迎えます。自然災害や感染症の流行などの不測の事態は、いつでも生じ得るものと覚悟して、準備を怠らないようにすることは、今を生きる我々の責務です。これからつくろうとするデジタル社会では、不測の事態があっても、安全、安心な暮らしが確保されるようにしていく必要があります。
その大前提として、デジタル社会を支える基盤であるマイナンバーカードの普及を進める必要がありますが、いまだに四人に一人程度の普及にとどまっております。
デジタル社会の実現に向けて、更なる普及が必要だと考えますが、今回の法改正を通じて、今後、どのようにマイナンバーカードの普及を進めていくお考えか、武田総務大臣にお伺いします。
また、今回のデジタル改革関連法案の中で、政府は、預貯金口座を国に登録することを求める法案を提案していますが、これによって災害などの緊急時の対応にどのように生かせるのでしょうか。昨年の特別定額給付金のような混乱は生じなくなるのでしょうか。平井大臣にお尋ねします。
また、国への口座の登録とは別に、金融機関においてマイナンバーを付番すること、これは長年の課題となっております。今般のコロナウイルスによって生活が激変してしまった方も多くいらっしゃる中で、真に救うべき方に手を差し伸べて、その一方で、不正を許さない、公平公正な社会保障制度や税制を実現していくことが不可欠です。こうした理想の実現に向けて、一つの基礎となるものがマイナンバーの付番です。
マイナンバーの預貯金口座へのひもづけ、これは、今回、政府の提案する仕組みによって本当に広まるのでしょうか。私は、全ての銀行口座をマイナンバーにひもづけするよう義務化すべきだと考えますが、平井大臣、いかがでしょうか。
最初に申し上げましたとおり、私も含め、我が国のIT戦略に関わってきた多くの仲間が主張してきたことが、今回の法案によって一歩前進しようとしている、そのことは大変うれしいことであります。
しかし、これは終点ではありません。私たちは、まさにスタート地点に立ったばかりであります。これから、デジタル庁が、社会全体のデジタル化の司令塔として、我が国のデジタル化をリードしていくことを期待いたしまして、私の代表質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕