山尾志桜里の発言 (本会議)
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○山尾志桜里君 国民民主党の山尾志桜里です。
会派を代表して、ただいま議題となりました在日米軍駐留経費負担に係る特別協定について質問します。(拍手)
今回、事実上一年間、バイデン新政権と向き合いつつ、国内でもこのホスト・ネーション・サポート、HNSを国民的議論に付す時間ができました。これを契機に、情報公開を進め、金銭の負担から責任の分担へと、日米同盟の深化に向けたアプローチの手法を多角化すべきです。
そこで、まず、情報公開について伺います。
今回の令和三年度の米軍駐留経費の日本側負担は二千十七億です。米国側の負担金額は幾らでしょうか。そして、日本側の負担割合は何%でしょうか。万が一明らかにできない場合は、理由を説明してください。
そもそも、地位協定上は日本に義務のない負担を引き受けるのに、その負担割合を政府に問い合わせても、出てくるのが二〇〇四年公表の米国政府資料というのは、余りに無責任です。しかも、それによると、ドイツで三二%、韓国で四〇%、日本は七四%と突出しています。
もとより、二十年前の米国発表の資料ではなく、私たちは、日本政府が算出、公表した最新のデータにより日本の国益に基づいた議論をすべきなのです。情報公開を強く求めます。
あわせて、書簡方式を見直して、国会による民主的統制を実質化していただきたいと思います。国会承認の対象である議定書には協定の一年延長しか記載されておらず、日本の負担金額や内訳は、外務大臣と米国大使の書簡でなされています。現時点での審議の核心は、延長の是非よりもその内容です。負担金額や内訳を含めて議定書に記載し、国会審議にかけるべきではないでしょうか。見解を伺います。
HNSの交渉は、ここからが正念場です。一五年度の負担割合でいうと八六・四という試算もある中、これ以上捻出できる予算があるなら、むしろ、主体的、自律的な防衛予算に充てるべきです。そこで、今後交渉の中心に据えるべきは、安全保障上そして外交上、いかに国益にかなう相応の役割を日本が引き受けるのかという具体策です。
バイデン大統領は、中国を、開かれた世界システムに挑戦する能力を秘めた唯一の競争相手と呼び、対中戦略の策定、遂行に当たっては、同盟国との連携が不可欠という考えを示しています。前政権による過度の要求を抑制し、同盟国とのとげを取り除き、共通の脅威に焦点を当てようとする姿勢がうかがえます。
そこで、安全保障分野において、宇宙やサイバーといった新分野を含めた抑止力強化に向けて実務的な協力を提起すべきだと考えますが、いかなる具体策を持っているのか、見解を伺います。
また、今年二月一日から、中国が海警法を施行しました。この海警法は国際法違反である上、施行後、武器を搭載した海警局の船舶が尖閣沖領海に侵入した事案も発生しています。国家の総力を挙げて、自らの領土、領海は、まず自らが守り抜くという意思と能力を示すことが求められています。
まず第一義的に対処すべき海上保安庁の強化が必須だと思いますが、この点の政府の方針と具体策をお聞かせください。あわせて、海上保安庁で対応できない場合には、切れ目なく、警察活動の一環として自衛隊が対応することを可能にする、いわゆる領域警備法を作ることも必要と考えますが、政府の見解を伺います。
あわせて、日本が今果たすべき役割は、人権外交における連携強化です。昨日閉幕した中国全人代では、香港民主派の立候補を事実上排除する選挙制度の改革の方針が決定されました。ウイグルにおける苛烈な人権弾圧は、米国政府からジェノサイドと認定され、各国の制裁対象となっています。ミャンマーでは、クーデターによる政権奪取と国軍による実弾発砲が人々を殺傷しています。対話と協力の人権外交から、対話と協力と行動の人権外交へと進展させるべきです。
人権侵害制裁法を日本も整備するべきではありませんか。昨年末にEUがこの制裁法の導入を決め、G7加盟国中、日本だけが未整備となった今、政府の見解を求めます。
このように日米同盟を深化していくことと並行して、日米地位協定改定に向けた動きがあってしかるべきです。集団的自衛権の一部容認を含め、安全保障関連法を通じて自衛隊の任務や役割は広がっているのに、どうして日米地位協定自体の交渉は一歩も前に進まないのか。国内に米軍基地を持つ他国との比較においても、極めて不自然、不健全です。真摯な説明と協定改定に向けた今後の考え方を伺います。
以上、台頭する権威主義を軌道修正できるかどうかの正念場の今、今後の交渉は、価値を同じくする日米が東アジアの平和と安定にかなう道筋を可視化するために極めて重要です。
私たち国民民主党も、今後の審議を通じ、時代に即した現実的で主体的な外交・安全保障政策を提起して、国益に貢献することをお約束し、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣岸信夫君登壇〕