本多平直の発言 (本会議)

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○本多平直君 立憲民主党の本多平直です。
 私は、立憲民主党・無所属、日本共産党、国民民主党・無所属クラブを代表して、総務大臣武田良太君不信任決議案について、提案の趣旨を御説明します。(拍手)
 まず、決議案の案文を朗読します。
  本院は、総務大臣武田良太君を信任せず。
   右決議する。
    〔拍手〕
以上であります。
 三年半前、五年ぶりに国会に戻ってきた私は、安全保障委員会で野党の筆頭理事を仰せつかりました。常任委員会での理事自体初めて、ましてや筆頭を初めて務める私の交渉相手が、与党筆頭理事を務める武田良太議員でした。
 欧州視察、沖縄、岩国などへの数度にわたる米軍基地視察なども御一緒し、時には対立し、時には協力しながら、委員会を運営させていただきました。日程交渉中には、本来、法案審議を進めたいはずの武田筆頭から電話をなぜか途中で切られたりしたことを懐かしく思い出しています。
 武田筆頭の手練手管に、不慣れな私が丸め込まれ、他の野党の皆さんに大変御迷惑をおかけするなど、いろいろなことがありました。今の自民党には少なくなってきた、野党の立場も一定理解できる、古きよき自民党を体現している方だということを知り、一定の敬意を持っておつき合いをさせていただいてまいりました。
 国家公安委員長で初入閣をされた際には、率直にお祝いも伝えさせていただきました。内閣が替わって留任され、総務大臣という重職に就かれた際は、失礼ながら正直驚きましたが、その御活動を注視してまいりました。
 今回、この趣旨弁明の大役を仰せつかりました。国民の間には大きな不信が渦巻いています。当然ですが、これまでのこうした経緯を超えて、しっかりと趣旨弁明をさせていただきます。
 国民の多くがコロナ禍で深刻な打撃を受けています。先日も、ある飲食店経営者の方から、もう持ちこたえられないかもしれないという悲痛なお声を直接伺いました。菅政権のコロナ対策の問題点には今日は触れませんが、政治や行政が国民に厳しい御協力をお願いする、まさに今ほど政治や行政に信頼が必要とされているときはありません。
 ところが、政治と行政の側では不祥事の連続です。
 予算委員会で質問させていただきましたが、カジノ汚職も未解決、安倍前総理の桜を見る会問題も秘書のみに責任を押しつけた形ですが、到底納得できません。主として予算委員会でついた百十八回ものうそについて、予算委員会の場では御説明や謝罪もないままです。
 巨額選挙買収問題の河井御夫妻は、ようやくお二方とも辞任されるようですが、余りに対応が遅過ぎます。そもそも、税金も原資の一部である自民党からの一億五千万円もの資金提供は、買収目的交付罪の疑いがあり、この解明もまだ進んでいません。
 森友問題で自殺された赤木さんが残した赤木ファイルは、財務省によって存否すら明らかにされず、御遺族の思いを考えると、やりきれない思いでいっぱいです。
 そして、私が予算委員会で担当していた鶏卵汚職問題。
 世間の注目が総務省に集まる中、しつこく追及し、誰に指示されたわけでもありませんが、野上農水大臣の不信任案の原稿を勝手に準備していた関係で、少し詳しく振り返ることをお許しください。
 大臣室や……(発言する者あり)是非お許しください。
 大臣室やホテルのトイレで計五百万円を鶏卵業者から受け取ったことをお認めの吉川農水大臣が議員辞職、在宅起訴された、昭和をほうふつとさせるとんでもない事件は、皆さん当然御存じだと思います。
 一方、皆さんがお忘れだと思いますし、マスコミにも全く取り上げていただけませんので、あえて時間をかけて御説明しますが、菅総理が、安倍総理時代十人いた内閣官房参与のうち、選びに選んで五名のみ留任をさせたうちのお一方、西川公也内閣官房参与は、鶏卵業界団体の顧問を兼任し、業者から千五百万円、在任中だけでも数百万円を受領したとされています。
 そもそも、安倍内閣の農水大臣時代に政治資金問題で辞職した方を、総選挙の落選後、総理任命の内閣官房参与として、専用車、個室、農水省からも含め二名の秘書官、一時間の出勤だけで日給二万六千円、年収約四百万円を国民の税金から支払って仕事をさせていた挙げ句の今回の不祥事。さらに、疑惑発覚と同時に、一言の説明もなく雲隠れ。
 検察は職務権限の関係から起訴しないようですが、本当にそれでいいんでしょうか。官僚は委員会室で厳しい質問を受けるのに、西川公也元内閣官房参与は説明もなし。政府からの聞き取りを頼んでも、聞き取りさえしていただいていません。こんな不正義が許されるはずはありません。菅総理の任命責任が厳しく問われます。
 さらに、緊急事態宣言下における一連の与党議員の会食問題です。
 自民党の三名、公明党の一名の深夜までのクラブでの飲食、その後も、自民党議員の高級ラウンジでの深夜の飲食も発覚しました。そもそも、菅総理自身が、政府が大人数の会食を避けるよう呼びかける中の昨年十二月十四日、政権の後ろ盾である二階幹事長から呼ばれたとはいえ、銀座のステーキ店で八名の会食をしていたことに端を発していることは、改めて強く申し上げたいと思います。
 当然、多くの公務員は真面目に国民のために仕事をしていただいていますが、残念ながら、安倍、菅と続く長期政権の下で、こうした政治の緩みが官僚にも伝播しています。今般明らかになった厚生労働省職員二十三名の会食、総理大臣や与党議員が範を示していない中、起こるべくして起こった不祥事と言えるでしょう。
 農水官僚の場合は、何と吉川大臣に誘われて鶏卵業者と二度にわたり会食。大臣に誘われたのだから情状酌量の余地があると私は最初思ったんですが、その後の調査のいいかげんさは総務省より悪質です。
 総務省問題に世間の注目が行っているのをいいことに、他の接待についての内部調査について、鶏卵行政に携わった職員を調べると広範囲に調査しているように装いながら、実は、勝手に調査対象を食肉鶏卵課というたった一つの課に絞り、それに気づいた私が委員会で指摘すると、人事院の指導でやったと虚偽の答弁をする。官僚の言いなりの野上農水大臣に真相究明は到底無理だと考えますし、こんな国会を欺くような調査で大臣を答弁に立たせた農水官僚にも猛省を促します。
 国際基準……(発言する者あり)これからやりますから、待っていてください。
 国際基準から大きく遅れつつある鶏卵現場のアニマルウェルフェアへの影響、さらに、答弁拒否を一か月以上続けた挙げ句、ようやく予算審議の最終盤で明らかにしましたが、アキタフーズへの補助金が、大規模業者優遇の制度変更により、二〇一九年度は一億三千万、これが、コロナ禍で多くの企業が苦しむ昨年度には二億一千万と倍増した経緯。行政がゆがめられた問題は、今後とも追及をしていきます。
 官僚の失態といえば、今般相次いだ法案のミスも看過できません。条文そのものが、三法案、一条約の十二か所、参考資料の誤りは、二十二法案百二十二か所、政府提出法案の四割にも及びます。一体官僚機構に何が起こっているのか。真摯な反省と再発防止を強く求めます。
 これら官僚の劣化、たるみの背景に、内閣人事局の権限を恣意的に悪用する安倍、菅長期政権の弊害による忖度の横行、官僚の無気力化などの深刻な問題があることを指摘しておきます。
 これら政治家、官僚と業界の癒着、緩みが象徴的に表れたのが、本日の本題である一連の総務省接待問題です。
 本年二月、週刊文春が、東北新社による総務省幹部接待問題を報じました。
 東北新社と総務省幹部を結びつけたのは、菅総理が総務大臣時代、大臣秘書官に抜てきし、その後東北新社に入社した御長男、菅正剛氏と思われます。そもそも、東北新社の創業者と菅総理とは、同郷のよしみで長年にわたる交流があり、多額の献金もお受け取りの関係です。
 衛星放送事業を行う東北新社は、監督官庁である総務省に取り入るため、谷脇康彦前総務審議官や吉田眞人総務審議官、秋本芳徳情報流通行政局長らに対し、組織的な接待攻勢をかけました。
 その後の調査で、かつて情報流通行政局長を務めた山田真貴子前内閣広報官が、国民の感覚から大きくかけ離れた七万六千円もの高額接待を受けていたことも判明しました。菅総理は、一度は留任させようと、コロナの重要な情報を国民にお伝えする記者会見の開催にまで影響が出ました。その後、体調を理由に辞職。我々への説明も謝罪もないままです。
 結果として、十二人もの総務省幹部が延べ三十八回にわたって東北新社関係者と会食し、うち十一名が国家公務員倫理規程に違反する行為があったとして処分を受けるに至りました。
 総理の御家族が関係していることは、森友学園問題を思い起こさせ、特定業者が有利な扱いを受けていたことは、行政の私物化疑惑、加計学園問題を思い起こさせます。
 また、接待は、個人ではなく、ここまで来ると組織ぐるみで受けていたと言える状況であり、二十年以上前のあの大蔵省接待汚職事件をほうふつとさせる、体質的な不祥事と言わざるを得ません。
 この事件では、官僚七名が有罪判決を受け、百名以上が処分、そして、ここをしっかり聞いていただきたいんですが、三塚大蔵大臣と松下日銀総裁も引責辞任をしています。この反省に立って、二〇〇〇年には国家公務員倫理法が施行。行政に対する国民の信頼回復が図られることになりました。
 しかし、今般の総務省接待問題は、こうした歴史の教訓を踏まえた国家公務員倫理法を踏みにじるものです。また、飲食の提供は、接待という概念にとどまらず、状況によっては収賄に当たる犯罪行為にもなり得る行為だということを改めて指摘したいと思います。
 以下、この組織ぐるみの不祥事への対応について、武田良太君を不信任とする具体的な理由を申し述べます。
 武田大臣が監督すべき幹部官僚は、予算委員会で、国会の質問よりも省内調査を優先するかのような、調査中なので答えられない。ふざけているんですね。さらに、お答えは差し控える、記憶にありませんなどの……(発言する者あり)当然ですという、自民党からやじをいただきました。すごいですね、こういう答弁が当然だという感覚。
 これらの答弁を繰り返しました。我々の度重なる抗議で、ようやく答える。答弁拒否をしていたやり取りの時間を一体何だと思っているんでしょうか。さらに、放送業者を利害関係者かどうか分からないなど、明らかな虚偽の答弁を繰り返しました。こうした、国会を軽視する、虚偽を含む答弁を連発する幹部職員への監督責任は極めて重大です。さらに、週刊誌の報道で音声データが明らかになって、ようやく、これまで記憶にないと言っていた答弁を翻す。貴重な予算審議の時間をふざけた虚偽答弁で奪った官僚への監督責任は極めて重大です。
 また、武田大臣自身も、問題当初、二月十六日のこの本会議を始め、今後厳正に調査すると答弁すればいいものを、総務省は適切に業務を行っており、放送行政がゆがめられたということは全くないなどと、根拠のない強気の発言を繰り返しました。極めて不誠実と言わざるを得ません。翌日の予算委員会で追及され、現時点での認識だったと勝手に表現をつけ加えましたが、この本会議場での発言、極めて軽率だと言わざるを得ません。
 森友問題での同様の安倍前総理の強気の完全否定発言が、財務省の隠蔽、改ざんを招き、挙げ句に自殺者まで出した経緯への反省が全く見られません。
 二月二十四日には、先ほど述べたように、総務省の調査で、十二人もの総務省幹部が延べ三十八回にわたって東北新社関係者と会食し、うち十一名に国家公務員倫理規程に違反する行為があったとして、処分を受けるに至りました。内閣広報官である山田真貴子氏への七万六千円接待も明らかになり、辞職へとつながりました。
 我が会派や他の野党の皆さんからは、甘過ぎるとお叱りを受けるかもしれませんが、あえて個人の見解を申し上げれば、この時点までの武田大臣は、この際、徹底的に調べろと持ち前の強気で指示し、結果、政権中枢の山田真貴子内閣広報官の問題を週刊文春さんの力をかりることなく明らかにしたことは、私個人としては、公平に、一定の評価をしたいと思っています。現に、インチキ調査で隠蔽を図る野上農水大臣に対し、私は、三月一日の予算委員会で、武田大臣に調査のやり方を聞いてみたらいいんじゃないんですかと野上大臣にアドバイスを差し上げているほどだったんです。
 しかし、これ以降の武田大臣を評価することは全くできません。
 その後、これ以上接待はないと言っていた谷脇さんがNTTからも高額の接待を受けていたとの事実が発覚しました。武田大臣自らが、前回調査の際に再三確認したにもかかわらず、新たな違反が疑われる行為が確認され、甚だ遺憾だと述べておられますが、遺憾なのは、調査に対して一定の評価をしていた私のせりふです。内部調査が、結果、お手盛りだったことは、一月もたたずに明らかになりました。大臣の責任は極めて重大です。
 接待問題が菅政権の看板政策である携帯電話料金値下げなどにも密接に関わるNTTに拡大し、さらに、御自身の接待問題も取り沙汰され始めると、大臣の発言は更に悪質になりました。
 個別事案は答えを差し控える、国民が疑念を抱くような会食、会合に応じたことはないと一体何度答弁されましたか。我々議員は、質問したい項目を準備し、事実確認をした上で、その事実を評価し、議論します。事実を答弁していただかなければ、質疑は成り立ちません。
 結果、大臣はNTTとの会合に参加されていましたし、多くの国民は疑念を感じています。
 会合に参加した他の歴代総務大臣も御自身の解釈で釈明されていますが、関係業者からの供応接待の禁止という極めて明快な大臣規範は、我々国会が決めた法律ではなくて、内閣が独自に決めた規範です。違反しているかどうか、事実関係の答弁拒否は、重大な国民への背信行為です。もしも、「国民の疑惑を招くような」の解釈を当事者が勝手にしていいような、抜け道ありきの大臣規範なら、即刻改めていただきたいと思います。
 衆議院では、菅総理の長男との会食はないと、自分に有利な個別事案は答弁しています。参議院では、個別事案は答えないと繰り返し繰り返し、我が党の小西議員から、NTT澤田社長の実名を挙げ、衆議院では個別事案を答えたこととのダブルスタンダードではないかと追及されると逆切れするなど、委員会質問を冒涜するにもほどがあります。
 挙げ句の果てに、三月十七日、武田大臣は、答弁席に向かう官僚に対し、記憶にないと言えと発言。後に、なぜか無意識に口に出たと釈明していますが、言語道断です。議場外のパーティーなどで軽口、失言で、辞任に追い込まれた大臣は何人もいます。委員会質疑での真剣な質疑中のこの発言一つ取っても、不信任の理由になると考えます。
 そもそも、外資規制違反に気づいた東北新社側の総務省に報告したとの証言と記憶にないとの答弁ほど事実認識が大きく食い違ったままの現状は、極めて異常です。どちらかが国会でうそをついているという異常な状況が続いている中でのこの発言の重大性は、極めて大きいと言わざるを得ません。
 当然、問題の本質は、放送行政、通信行政がゆがめられたのではないかという深刻な問題です。どちらも貴重で有限な電波などの配分について、国会審議の中でも幾つも疑念が生じています。
 昨年末に出た衛星放送の未来像に関するワーキンググループの報告書が、接待の前後で大きく方向が変わり、東北新社や衛星放送協会の要望どおり、本来民間同士の課題である衛星放送料金の低減に向け、総務省が関与するとの内容で取りまとめられました。
 二〇一八年の衛星電波の割当てでは、画質の悪い囲碁・将棋チャンネルより高画質のチャンネルが割当てから漏れました。
 そして、極めつけは、我が党の小西参議院議員が明らかにした東北新社の外資規制違反の問題です。
 外資規制自体も、外国勢力による放送の支配を許さないための極めて重要な規制です。この違反自体も深刻な問題ですし、一定の措置も取られたようですが、更に重大な問題は、総務省がこの事実を知りながら対応を怠った、いや、それどころか、子会社などを使った隠蔽工作に加担したのではないかとの疑惑が現在未解明なまま放置されているのが、我が国の総務、放送行政の実情です。
 大臣個人が関与し得た時期ではありませんが、こうした重大な疑惑に明確に答えられず、僅か非常勤のメンバー四人の検証委員会の、いつ終わるのか分からない調査待ちというのが、お寒い現状です。
 本来、大臣が先頭に立って調査を行うべきですが、もはや、武田大臣自身、これまで述べた国会での姿勢などから、こうした調査の陣頭指揮に立てるとは到底考えられません。大蔵省問題の際の三塚大臣を見習い、総務省の心機一転のためにも、一連の問題の責任を取ってお辞めになり、新しい体制をつくり、調査を進めるべきです。
 安倍政権、菅政権の問題は、問題や不祥事の発生そのものよりも、問題や不祥事が発生しても誰も責任を取らないことだと私は思っています。
 政治家も官僚も完璧な存在ではありません。誤りもあるし、不祥事も起こります。我々の先輩の多くも、御自身にとって不本意な場合であっても、問題の責任を取って職を辞する決断をしてきましたし、かつての自民党も、大蔵省事件の際の三塚大臣のように、御自身に直接の非はなくとも、監督責任を取って、組織の再生を図る決断をされる方が多くおられました。
 武田大臣自身がそうした判断をされない以上、国会がその意思を示すべきだと考えます。
 規制と利権の魔界である総務省を離れ、私も今は平議員としてお待ちしておりますので、長年所属された専門分野である安全保障委員会にいま一度戻られ、共に安全保障の議論をできることを心よりお待ちしております。
 以上が、総務大臣武田良太君不信任決議案の趣旨であります。
 各党各会派から、特に外資規制など経済安全保障について日頃勇ましい発言をされている議員の皆様など、お一人でも多くの御賛同をいただけることを心からお願いして、趣旨弁明を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
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発言情報

speech_id: 120405254X01620210401_006

発言者: 本多平直

speaker_id: 6726

日付: 2021-04-01

院: 衆議院

会議名: 本会議