濱村進の発言 (本会議)

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濱村進君 公明党の濱村進です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました重要土地等調査法案について質問いたします。(拍手)
 政府は、二〇一三年十二月十七日に閣議決定された国家安全保障戦略において、国家安全保障の観点から国境離島、防衛施設周辺等における土地所有の状況把握に努め、土地利用等の在り方について検討するとの方針を示されました。また、二〇一八年五月十五日に閣議決定された海洋基本計画においては、国境離島についても同様の方針が示されました。
 その上で、昨年の経済財政運営と改革の基本方針二〇二〇において、安全保障等の観点から、関係府省による情報収集など土地所有の状況把握に努め、土地利用、管理等の在り方について検討し、所要の措置を講ずることを決定いたしました。
 本法案は、こうした議論の延長線上にあるものと認識しており、公明党としても、安全保障上のリスクに適切に対応するためには、政府が重要な土地の所有、利用状況を把握することができる必要性があると考えております。
 現状では、国や地方自治体は、不動産登記簿、固定資産課税台帳等、それぞれの行政目的のために土地の所有、利用に関する情報を保持しておりますが、安全保障の観点から必要な情報が網羅されているわけではありません。また、その情報は各担当部局において分散管理されているため、必要な情報を政府が一元的に集約し、分析することはできません。さらには、調査の結果、不適切な利用実態が明らかになったとしても、個別法令で対処できることは限られております。
 本法案により、安全保障の観点から必要な情報を一元的に集約、分析が可能となり、不適切な利用について防止することができる法的根拠を整備することになると理解いたしますが、本法案の必要性と目的について、小此木担当大臣に伺います。
 世界に目を向けますと、経済活動がグローバル化し、国際的な不動産投資が進展する中、各国で投資に対する規制の取組が進んでおります。
 例えば、米国では、外国投資リスク審査現代化法により、対米外国投資委員会に事前届出が必要で、CFIUSは、審査や調査、取引内容の変更を求める交渉が可能であるだけでなく、安全保障上の懸念が解消されない場合には、大統領による取引中止命令が可能であります。二〇二〇年二月に、この審査対象に軍事施設近傍の不動産購入等が追加されました。
 また、オーストラリアでは、本年の一月一日に施行された、外資による資産取得及び企業買収法の改正により、外国人投資家が国家安全保障通知義務行為を行う場合、事前承認が必要となりました。
 さらには、英国では、先日の四月二十九日に、国家安全保障及び投資法が成立し、原子力発電や通信、防衛等、十七の分野への対内直接投資について、事前届出が義務づけられました。なお、土地建物は事前届出の対象外ではあるものの、国務大臣が取引に関し安全保障上の脅威を認めた場合、審査の対象となり得ることとなっております。
 米国やオーストラリアのように、WTOのサービス取引に関する国際ルールに留保を付しているため、専ら外国人や外国資本のみを対象とする制度を設けている国がある中で、日本は、GATSのルールに基づいて、内外無差別の原則を前提とした法整備を行うこととしております。
 技術やデータ、サプライチェーンをも含めた国際貿易の枠組みづくりにおける経済安全保障の確立と我が国経済の持続的成長の両立を図るためには、米国と欧州の間で、機能不全に陥っているWTOに対して、その役割を再確認し、改革を主導するべきと考えますが、茂木外務大臣の御所見をお伺いいたします。
 財産権の制約について伺います。
 日本国憲法第二十九条第一項において、「財産権は、これを侵してはならない。」とあり、土地を所有し、その所有権に基づき自由に利用することは保障されております。
 一方、第十二条において、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」とあり、第十三条において、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」とあり、また、第二十九条第二項では、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」としております。
 安全保障の確保は、国民の生命、身体及び財産の保護等のために必要不可欠な要素として、国民の平穏な生活の実現に資するものであり、そのためには財産権を一定の範囲で制約することは、公共の福祉による制約として、許容され得ると考えられますが、小此木担当大臣の御所見を伺います。
 土地取引の大半が善意の経済活動であり、日本人、外国人を問わず、全ての人を対象とする制約を課すため、安全保障の確保と自由な経済活動を両立させなければなりません。
 本法案の総則である第三条では、個人情報の保護に十分配慮しつつ、注視区域内にある土地等が重要施設の施設機能又は離島機能を阻害する行為の用に供されることを防止するために必要な最小限のものとなるようにしなければならないと規定されております。
 この規定によって、法律の解釈、基本方針や運用にどのような効果が生じることとなるのか、小此木大臣にお伺いいたします。
 調査、規制の対象となる注視区域、特別注視区域の指定について伺います。
 例えば、防衛関係施設であれば全ての施設が指定を受けるというわけではなく、事務所施設や宿舎施設のように、その有する機能の阻害を特に防止する必要があるとまでは言えず、要件に合致しなければ区域指定はしないと認識しております。
 では、注視区域、特別注視区域に指定する基準は、それぞれどのような要件を想定しておられますか。また、四条二項二号にある経済的社会的観点から留意することで、どのような影響が生じると想定しておられますか。区域指定の基本的な考え方について、小此木大臣に伺います。
 本法案は、法施行後五年経過時に、施行の状況について検討を加え、必要に応じて見直しを行うこととされております。そのためにも、適切な基本方針を設定し、施行後の実施状況を評価、検証することができる人員、体制の整備も必要であることを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣小此木八郎君登壇〕

発言情報

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発言者: 濱村進

speaker_id: 29405

日付: 2021-05-11

院: 衆議院

会議名: 本会議