住江憲勇の発言 (予算委員会)

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○住江参考人 全国保険医団体連合会と申しまして、地域での第一線の医療機関で働く保険医の、医科、歯科合わせての全国で十万七千名を擁する団体でございます。
 本日、こういう機会をいただいたことを改めて感謝申し上げます。
 まず、感染症対策の大原則とは二つございます。一つは、早期に徹底的な検査体制の拡充、拡大実施と、それによって拾い上げた感染者を隔離、収容すること。二点目は、感染拡大によって国民に一定の私権制限の場合には、経済的補償、そして人権侵害についての救済規定を準備することではないでしょうか。少なくとも、この二点については政府の責任でございます。今の感染拡大に伴う様々の国民の困難は、この二点の政府責任の不十分さに尽きるのではなかろうかと思っております。
 目下の喫緊の課題として、指摘八点させていただきます。この各課題について、各々国会論議でどう議論され、対策が取られようとするのか、やはりここに国民の注目が集まっております。
 まず一点目は、国民生活を守るための雇用を守り、中小零細業者の継続を守る施策が求められております。持続化給付金、家賃支援給付金、雇用調整助成金、休業支援金等々の制度継続、拡充が求められております、少なくともコロナ禍収束まで。そしてまた、生活保護制度のやはり抜本的な改善、水際作戦の廃止、そして、捕捉率をもっともっと上げることです。そして、その生活保護制度の一歩手前として、生活困窮給付金、そして住居確保給付金等の制度も是非とも必要でございます。
 二点目。国民の命、健康にとっての地域医療の現場の困難打開、そして、非営利、皆保険制度堅持のためにも、地域の第一線の医療機関の減収補填が何としても必要です。
 先日、二〇二〇年の上半期の医療の概算医療費が発表されました。実にマイナス一・一兆円です。具体的に数字を挙げますと、四月、五月で七千百五十二億円、六月一千億円、七月一千六百億円、八月一千億円、九月二百四十二億円のマイナスです。
 そして、その間、いろいろ医療機関の支援策もいただいております。一つ、一次補正と二次補正を合わせて一・七八兆円、昨年の九月十五日に予備費より一・二兆円、そして三次補正で一・三兆円、合わせて約四・三兆円です。しかし、この支援が行き届いていないんです。二〇二一年一月末時点で、このうち、届いているのは、交付されているのは一兆二千億止まり。このことからしても、やはり診療報酬の概算払い方式が最も確実で迅速性があるということが分かると思っております。いずれにしましても、早急にやはり交付実施が求められております。
 しかし、コロナ非対応の医療機関、歯科医院では、本当に厳しい現状でございます。
 二次補正の感染防止のための支援、これは二千六百億円充てられております。そして九月十五日の、インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援、これに二千百七十億円充てられておりますけれども、これは実際にその診療体制をつくっていく、そういうための支援でございます。そして、三次補正による診療・検査医療機関への百万円、そして、感染防止のための支援二十五万円が二〇二一年三月三十一日までの追加、そういう状態でございますので、甚だ不十分でございます。ここは何としても、発熱外来そしてまた感染防止についてのやはり増額継続が、二〇二一年度予算でも求められているところではないでしょうか。そしてまた、再度の大規模の減収の場合には、概算払い減収補填を強く要求させていただきたいと思っております。
 三点目。医療従事者への再度の慰労金が必要だと思います。やはり、この一年、本当に頑張っていただいた。これ以上の離職者を出さないためにも、再度の慰労金の御検討をいただきたい。
 四点目。現在、クラスター発生が相次いでいる医療、介護、福祉施設での全従事者、全入所者、全通所者への継時的なPCR検査はもちろんですけれども、無症状感染者の発見、保護のためのPCR検査拡大、そして全額国庫負担が何としても求められております。
 今、市中感染拡大、そして保健所業務の逼迫により、やはり濃厚接触者の指定、それが限定また抑制されているという実態がございますが、これはもう感染症対策としての大原則を逸脱するものですので、やはりそういうところのきっちり手当てをしていただくこと。
 そして五点目。コロナ感染重症者医療の逼迫を、何としても打開への道をつくるために何が今必要とされるか、真剣に議論を尽くさねばなりません。この重症者医療現場のキャパシティーを拡大、すなわち、それを担っていただいている病院からの、コロナ重症者からの回復者の受入れ、そしてまた、軽症者、無症状者の受入れ、そして、その病院の一般病床の患者の受入れをどう推進するかが問われているのではないでしょうか。
 単に民間医療機関の受入れが少ないと医療機関の間に分断をつくることではなく、今の長年の低医療費政策による民間の中小病院の困難、すなわち、医師、看護師の配置不足、そしてまた構造的にも動線そしてゾーニングの困難、そういう実態を踏まえた、しかし、その中でも可能な策を議論することが必要でございます。そのためには、受入れに伴う財政支援、そしてまた、一たびクラスターが発生した場合の減収補填策が何としても急がれるところでございます。
 六点目。このコロナ禍で病床不足が言われているわけですけれども、その中でも、今、政府、政権の中では、地域医療構想推進、そして四百四十病院の統廃合に向けた議論が進められているんです。ちょっと許し難いことだと思うんですけれども、これは直ちに、こういうことがなきように中止していただきたい。
 そして七点目。特措法、感染症法の問題です。既に今国会で成立はしていますけれども、補償や安全対策を取らないがために懲罰的に行政罰を科すのではなく、徹底的な十分な補償と安全対策による国民の理解と協力こそが、この実効性を担保するものであると考えております。今国会でも改めて改善が求められるところだと思っております。
 最後に八点目。後期高齢者医療制度の患者負担、窓口負担二割化の問題であります。どう理屈づけされても、今のこのコロナ禍であえぐ国民、とりわけ高齢者に更に負担を強要することの正当性、合理性は全くございません。
 そもそも、このコロナ禍で、日本の社会保障、医療保障制度の脆弱性、所得再分配機能の脆弱性が大きく露呈されました。そのことを全国民が実感しました。今求められているのは、この脆弱性を二〇二一年度予算で少しでも手当てすることであって、その手当てを拒否して更に国民負担拡大によって、その脆弱性を更に拡大することではありません。
 そういうことでもって、やはりこの後期高齢者医療制度については、十分な御審議、そして二割化反対という立場をよろしく御論議いただきたいと思っております。
 以上です。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 住江憲勇

speaker_id: 2361

日付: 2021-02-16

院: 衆議院

会議名: 予算委員会