梶山弘志の発言 (予算委員会第七分科会)
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○梶山国務大臣 令和三年度経済産業省関係予算案について御説明申し上げます。
初めに、新型コロナウイルス感染症の影響により、これまでにお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、健康面や生活面で影響を受けていらっしゃる方々には、心からお見舞いを申し上げます。日々、この感染症の終息に向けて力を尽くしてくださっている保健所職員や医療従事者の方々、ワクチン、検査機器や医療用物資の円滑な供給のために貢献していただいている事業者の方々に、改めて敬意を表し、感謝を申し上げる次第であります。
また、二月十三日に発生した福島県沖を震源とする地震で被災された全ての方々に、心よりお見舞いを申し上げます。東日本大震災の被災地の方々の復興に向けた希望が失われることのないよう、被害実態に合わせた復旧復興支援に取り組んでまいります。
昨年は、新型コロナウイルスの感染が拡大して以来、事業と雇用を何としても守り抜くとの決意の下、緊急時対応の政策に重点を置いてきました。現下の緊急事態宣言により甚大な影響を受けておられる事業者には、一時支援金やイベントのキャンセル料支援等、必要な支援を迅速にお届けできるよう、引き続きしっかりと対応をいたします。
また、こうした措置を講じるのと併せて、新たな日常に向けた産業構造や社会システムの転換にも力を入れていかなければなりません。
ウィズコロナ、ポストコロナの時代に向け、デジタル改革、グリーン社会の実現、中小企業の事業再構築等を強力に推進してまいります。あわせて、サプライチェーンの再構築を始めとするレジリエンスの強化、健康・医療分野の新たなニーズへの対応、イノベーションを実現する人材育成やエコシステムの創出にも取り組んでまいります。我が国を取り巻く対外経済環境が不確実性を増している中、これまで以上に国内政策と一体となった対外経済政策を展開してまいります。経済産業省の最重要課題である原子力災害からの福島の復興についても、着実に歩みを進めてまいります。
このため、令和三年度経済産業省関係予算案として、一般会計三千五百十七億円、エネルギー対策特別会計七千四百五十四億円、特許特別会計一千五百六十二億円、合計一兆二千五百三十三億円を計上しました。また、復興庁計上の東日本大震災特別会計のうち四百五十三億円が、経済産業省関連予算案として計上されております。
具体的な内容については、次に申し述べます。
昨年十月、我が国は、二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言し、年末には、私からグリーン成長戦略を報告しましたが、グリーン成長を支えるのは、強靱なデジタルインフラや、それを前提とした産業活動のデジタル化です。グリーンとデジタルは、車の両輪となるのです。このような考えの下で、デジタル改革に取り組みます。
令和三年度予算案では、異なる事業や分野のシステムやデータをつなぐための技術標準の策定、モビリティーやバイオといった分野における企業を超えたデータの共有、AI、ロボット、ドローンなどデジタル社会を支える技術の研究開発を進めることとしています。接触回避を円滑化するためのキャッシュレス決済の普及や、展示会等のデジタル化も促進してまいります。
次に、グリーン社会の実現に取り組みます。
二〇五〇年カーボンニュートラルの実現のためには、あらゆる分野で、高い目標を掲げ、産学官が本気で取り組まなければなりません。このため、令和三年度予算案では、産業、民生、運輸といったエネルギーを使う側における、サプライチェーン全体での省エネルギー化を進めるとともに、鉄鋼、化学を始めとする様々な産業における製造プロセスの脱炭素転換に向けた取組を支援します。エネルギーの供給側では、再生可能エネルギーを主力電源化するため、蓄電池の低コスト化や次世代太陽電池の研究開発を進めるとともに、洋上風力の導入を拡大します。
あわせて、排出される二酸化炭素を吸収、再利用するためのカーボンリサイクル技術や、水素発電など水素社会実現のための技術の開発に取り組むとともに、原子力を含むゼロエミッション電源の活用にも取り組みます。
中小企業、小規模事業者は、全国三千万人を超える雇用を支える我が国経済の屋台骨です。コロナ禍でも事業を継続しながら、新たな日常に対応するための事業再構築や事業再編等に向けた取組を支援してまいります。
具体的には、IT導入や新サービスの開発による生産性の向上や、円滑な事業承継やMアンドAに踏み出す取組を支援するとともに、よろず支援拠点や商工会、商工会議所における経営相談体制も充実させます。
今回の危機をきっかけに、国民の命を守る物資をいかなる状況においても確保できるようにしておくことの重要性が強く認識されました。医療物資のみならず、自然災害や技術流出等も含め、様々なリスクに対して強靱な経済社会を構築するため、経済と安全保障を一体として捉えた政策等を進めます。
まず、自然災害に備え、分散型エネルギーの導入や燃料供給体制の強化を進めるとともに、メタンハイドレート等の国産海洋資源開発を進めます。また、国内外の重要技術の動向調査や、多様化、複雑化する流出経路に応じた技術管理体制の強化も進めます。さらに、人工呼吸器、検査機器、バイオ医薬品等の開発体制や製造基盤の確立にも取り組みます。
イノベーションを生み出すための人材育成やエコシステムの創出にも取り組んでまいります。
学校への一人一台の端末配備が進められているところですが、この取組と連携し、子供の頃から課題解決能力を育む新しい教育コンテンツの開発、導入を進めます。また、次世代コンピューティングやマテリアルといった革新的な技術分野での産学官の研究開発の強化や、研究開発型スタートアップに対する段階的な支援を充実させます。
米中関係の緊張の高まり、英国のEU離脱等が起こる中で、我が国は、自由貿易の旗手として、自由で公正なルールに基づく国際経済体制を主導してまいります。その際、デジタル改革、グリーン社会の実現、レジリエンスといった国内政策との一体性をより一層強化します。
具体的には、データ移転等の国際ルールづくり、海外における脱炭素インフラ導入の支援等を進めます。
そして、最重要課題であります福島の復興です。
三月十一日で、あの痛ましい東日本大震災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故から十年です。改めて、犠牲となられた多くの方々の御冥福をお祈りし、被災された全ての方々に心からお見舞い申し上げます。
これまで、様々な方の御理解と御協力をいただきながら、廃炉は着実に進展をし、ようやく本格的な復興も緒についてきました。引き続き、中長期ロードマップに基づき、ALPS処理水の取扱いも含め、安全確保最優先、リスク低減重視の姿勢を堅持しつつ、地域、社会とのコミュニケーションを一層強化しながら、廃炉の取組を進めてまいります。
同時に、事業、なりわいの再建、福島イノベーション・コースト構想の推進も、車の両輪として進めてまいります。福島の地から世の中を変える新たな技術や製品が生まれ、雇用の創出や地元企業の取引拡大など、具体的な成果が地元に届くよう、全力で取り組みます。
以上が、令和三年度経済産業省関係予算案の概要であります。
委員各位におかれましては、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
ありがとうございました。