水谷広の発言 (環境委員会)
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○参考人(水谷広君) どうもありがとうございます。
BIOCITYに書いた私の文を読んでいただいて、大変うれしいです。
あの中で述べていますけれども、今その世代、若い世代が怒りの声を上げていると。私のような旧世代の人間がいろいろな楽ちんな生活をしてきたと、資源、エネルギーをたくさん使って、そのツケを全員、全部若い世代に回すと、そういうことで怒りの声を上げている。それを冷笑する人がいるんだったら、それはとんでもないということだと思っています。
何も知らないじゃないかと言うかもしれませんけど、若いんです、まだこれから学ぶんです。私のような人間は、もう何十年か生きてきて、それなりにいやが応でもいろんな知恵が付いてきています。そういう知恵はないかもしれない。でも、彼らは、サイエンスにベースして物事を考えましょうと、IPCCの報告書など読んで、その結果行動しているんですよね。単なるでたらめなことを言っているわけではないんです。もちろん、そういう人たちに正しい情報を更に与えるということは大事です。まだ欠けているところもあるでしょう。だけど、それをあざ笑うようなのは、とんでもないことですよ。
私、先ほどの私のプレゼンテーションの機会のときにはお話ししませんでしたが、資料の三ページ目に、「地球とうまくつきあう話」というのを私書きました。これは一九八七年のことです。まさに、このUNFCCC、気候変動枠組条約とかリオ・サミットとか、そういう時代のときなんですね。
ちょうどそれの直前ぐらいの頃でして、このとき提案したのは、先ほど柳田委員がちょっとおっしゃっていましたけど、首長の権限は非常に重要なんだけど、温暖化を語る人はいないんだと、一体どうしたらいいだろうと。まさに私もそれにずうっと悩んでおりまして、もう今の世代はどうしようもない人たちだと、自分も含めてですが、どうしようもない人たちだ。誰も関心は持たない、全部次の世代に放り出して、今の、おなかいっぱい腹が膨れるだけのものを食って、楽ちんな生活をしているのが私たちだと。もうこんなことではどうしようもないので、私はこの「地球とうまくつきあう話」で提案しました。もう人間が変わらなきゃいけない、人種が変わらなきゃいけない、ホモサピエンスなんて言っているのはばかだから、ホモ・サピオテンプスでなきゃいけないんだと。どういう意味かと、それは時間をちゃんと知るということなんですね。
ほかの動物は、例えば馬さんをちょっと例に挙げてはいけないんですけど、目の前にニンジンがぶら下がると、もうニンジンに夢中でそれにかぶりつこうと、それしか考えないと。目の前のことしか考えない。今のホモ・サピオテンプスは、科学を知っているというのが名前を自分で勝手に付けているけれども、実は何にも知らない、時間のことを知らない。ただのほかの馬と同じだと、他の動物と同じなんだと。それじゃどうしようもないと。だから、人種が変わらなきゃいけない。新しい人間が生まれてこなきゃいけないということを書きました。
それで、その後、アメリカで熱波が起きたんです。そして、アメリカの議会が、こんな感じかもしれませんが、参考人を呼んで、ジェームズ・ハンセンというNASAの人を呼んで、何でこんな熱波が起きているんだという話をやって、それは二酸化炭素なんですって彼が答えたところからこの問題が始まったんですね。
それで、僕もそういった地球温暖化というのが世間で取り上げられるようになって、おお、いよいよこれは新しい人間が生まれてくるんだと内心期待しておりました。ところが、何ですか、もうそれから四十年ぐらいですか、たって、ずうっと失望の連続でした。
今、若者が怒りの声を上げているのは、僕にはすっごくうれしいんです。もしかしたら僕の勘違いかもしれないけど、ホモ・サピオテンプス、時間の幅を考えて、長い時間のスケールで物事を考えられる、本当に他の生き物と違った次元の人間が出てくるんじゃないかと、そう期待しているんです。
で、気候正義ですか。それは、もうそれは決まっていますよ。いろいろそれは茶々というか文句を言うところはあるに決まっているんです、何だって。でも、基本は、私たちが楽しんだ生活、それが次の世代には継承できない、むしろ、私たちが楽しんだ生活のツケ、ごみを次の世代に処理させるんだと。いつそれが噴き出してきていつ害を及ぼすかと、それをずうっとケアしながら、じいさん、ばあさんの使ったごみを管理する、そういう人生になると。それを何世代も続けると。そんなのどう考えたって不正義です。