森まさこの発言 (環境委員会)
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○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。本日は質問の機会をいただき、委員長、理事及び委員の皆様に感謝をいたします。
本日は、原発事故からの福島県の復興に関し、被災者に寄り添うとはどういうことかをテーマに質問させていただきます。一問目は中間貯蔵施設の建設予定地について、二問目は処理水の海洋放出について、三問目はエネルギー基本計画についてです。
環境省は、中間貯蔵施設の建設を進めており、令和三年度中に同予定地へ除染土壌の運搬を完了する目標を立てています。福島県の復興のために、しっかりとスピード感を持って進めていただきたいと思います。ただ、私は、一点おかしいと思っている点があり、指摘をさせていただきます。
資料一と資料二を御覧ください。原発事故の帰還困難区域内で津波で行方不明になった娘さんを今でも捜し続けている父親がいます。木村汐凪ちゃん、当時七歳、父親は木村紀夫さんです。写真集の表紙が資料一、そして資料二はニュースの内容です。
大熊町のほかの行方不明者は汐凪ちゃん以外は全て発見され、汐凪ちゃんは最後の行方不明者です。この問題の本質は、他の津波被害者と違い、原発事故による捜索打切りがなされたこと、そして、その場所が中間貯蔵建設予定地にされたことです。津波被害が三月十一日午後三時三十六分、翌朝三月十二日の午前八時、つまり十六時間が経過したときに全町避難となりました。その後、立入禁止区域となり、父親も我が子を捜しに入ることは許されませんでした。町も県も自衛隊も入りませんでしたから、生存可能推定時間七十二時間以内の捜索を完了していないのです。データを見ますと、原発被災地とそのほかの津波被災地では数の違いが歴然としています。
資料三を御覧ください。すなわち、防衛省の東日本大震災における災害派遣活動によれば、救出された人は、二〇一一年十二月二十六日現在で、一万九千二百八十六人、収容遺体は九千五百五体です。一方、原発から三十キロ圏内では、自衛隊が救出した人数については記述なし、収容された御遺体は六十二体となっています。
私は、東日本大震災と原発事故後、原発被災地域に津波被災者が置き去りにされたことが悔しくて、日本人で初めてエマージェンシーマネジャーという国際資格を取りました。同時多発複合災害の対応を学びたかったからです。
世界百か国以上が参加し、訓練する資格ですが、日本人は一人もいませんでした。日本も国際的潮流であるオールハザード対応の危機管理体制を取るべきです。先日の予算委員会でも指摘しました。しかし、東日本大震災当時は複合災害の想定さえも国にはなく、そのせいで、国会事故調の報告書に記されているとおり、災害後の救出にも行方不明者の捜索にも混乱が生じ、原発被災地とその他の被災地に大きな差が出てしまったのです。
環境省に申し上げたいのはここからです。
原発事故のせいで捜索を打ち切られた木村汐凪ちゃんの御遺体が眠っているかもしれない土地の上に、原発事故の象徴と言える放射線汚染土壌を収納する中間貯蔵施設を建設するのですか。私も二人の子の母です。想像するだけで言葉になりません。
国、すなわち自衛隊としての捜索は津波の二か月以上も後に行われたのみです。しかも、国はどこを捜したかも父親にも教えず、父親はその後、立入りが許される数少ない機会に自力で土を掘り返して捜してきたのです。それでも見付からず、何と五年九か月が経過後に、環境省が中間貯蔵施設を建てると決めて、そのための公的な土地造成事業に着手する際に捜索を開始して、たった一か月後にほんの僅かな骨が見付かりました。汐凪ちゃんのアンパンマンのマフラーに骨の一部がくっついていたのです。そのほかの体の枢要部分はまだ見付かっておりませんが、その周辺からランドセルと靴も出てきており、この場所に御遺体がある可能性が高いと思います。
もっと早く大規模な捜索ができなかったのでしょうか。何でこの場所を中間貯蔵施設の敷地に加えたのでしょうか。環境省は、地元説明会のときに、中間貯蔵施設予定地に行方不明者がまだいると知らなかったと答えています。
資料四を見てください。これが中間貯蔵施設建設予定地で大変広い土地なんですが、右下の部分に私が赤い星印を付けました。この赤い星印の部分が汐凪ちゃんの御自宅と首の骨が発見された土地です。資料五の一から三は現場の最近の写真です。私は毎年伺っておりますが、今年の三月十四日にも行ってきました。
少なくとも御遺体の枢要な部分が見付かるまでは、この小さな星印がある小さな土地は緑地にして建屋を建てないと明言すべきです。また、先ほど指摘した原発事故時の捜索方法に混乱があったというその反省の上に立って、その教訓としてこの土地を残すべきです。中間貯蔵施設はこの星印の部分を避けても建てることが十分に可能です。
このことを十年間、環境省に問い合わせてきましたが、環境省は答えず、担当者は毎年替わってしまいます。官僚は前例のないことを答えられないのでしょうか。中間貯蔵施設の建設反対の理由にされたらどうしよう、原発反対の理由にされたらどうしようと恐れているのかもしれません。行方不明者がいることを知らずに決定してしまったので、一度した決定を撤回することができずにずるずる来てしまったのかもしれません。
しかし、まずは実際に起きた事故にしっかり向き合って、国家として御遺族に最大限の配慮をすべきです。それすらできずに国はエネルギー政策を語る資格はないと思います。政治家が答えを出さなければいけないと思います。幾度聞いても答えてもらえずに、父親は一生どうなるか分からない不安のまま過ごしていかなければいけないんでしょうか。そんな残酷なことを我が国はするのでしょうか。大熊町長も、汐凪ちゃんの土地の上に建てるのはやめてほしいと言っています。
国の政治的な責任とは、災害時に全力を挙げて行方不明の国民を捜し、御家族の下に届けてさしあげることです。国民一人一人の命を最優先にすることです。原発事故のせいでたった一人おうちの近くに置き去りにされた小さな女の子のお体の上に中間貯蔵施設を建てることが国のすることではありません。しないと明言することが国民の信頼を得る施政者だと思います。
小泉大臣、自民党の青年局長の時代から誰よりも多く福島県に入ってくださっている小泉大臣だからこそ、この質問をいたします。御遺体が見付かるまではコンクリートの建屋をこの上に建てることはしないとお約束していただけませんか。