川本裕子の発言 (議院運営委員会)
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○参考人(川本裕子君) 川本裕子でございます。
本日は、このような機会を与えていただきまして、大変にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
国家公務員制度は、我が国の行政の円滑な運営を確保するための重要な基盤であります。また、国家公務員法は、国民に対し公務の民主的かつ能率的な運営を保障することを基本理念としております。
人事院は、この基本理念の下、国民全体の奉仕者である国家公務員の人事行政の公正を確保するため、また労働基本権制約の代償機能を果たすため中立第三者機関として設置されており、その構成員の人事官には強い責任感と高い倫理観が求められると認識しています。
私は、企業経営への助言の仕事からキャリアをスタートし、大学院で金融機関経営や企業統治全般についての研究及び実務者教育、職員研修などに従事してまいりました。その傍ら、二十以上の企業及び国際組織の社外取締役、監査役、理事などの立場から、経営・人事戦略などの監督、助言にも携わってきました。また、平成二十六年から五年間、国家公安委員会委員として警察行政の管理の任に当たりました。私が人事官に就任した際には、このような経験を生かしてお役に立ちたいと考えております。
昨今、内外の情勢変化は激しく、行政を取り巻く環境も複雑高度化しています。その中で、公務や公務員が国民に対して果たすべき役割の重要性は一層増しております。一方で、国家公務員は、公務の遂行に当たり、規律を厳正に保ち、国民全体の奉仕者として信頼を得ていくことが何よりも重要と考えます。
組織の基本は人です。一人一人の公務員が高い意欲を持ち、その能力を十分に発揮することによって初めて組織として重要な役割を果たしていくことができます。いかにすれば活力にあふれ、国民から信頼され、魅力ある行政組織を実現できるか。人事院は、国家公務員の採用から退職に至るまでの人事管理全般の諸課題に取り組んでおり、行政組織運営の要として重責を担っていると認識しています。
人事官を命ぜられた場合に私が取り組みたい課題について、三点申し上げたく思います。
第一は、行政組織の経営管理力を高めることにより、個々の公務員が意欲を持って全力で仕事に取り組める環境を実現することです。私の経験からも、公務は仕事として大変やりがいもあり、魅力もある一方で、長時間労働など不合理な慣行も残存している部分があります。幹部職員を始めとして、働き方を考え、組織を活性化させる経営管理力を磨いていくことが日本の行政組織にとって重要課題です。
第二は、時代環境に適応できる能力の確保です。地政学的に複雑さを増す国際環境、デジタル技術による産業の激変、感染症、自然災害やセキュリティーへの脅威など、環境変化のスピードと規模は想像を超えるものがあります。人口減少と高齢化に向かう我が国で、公務員にはこうした変化の情報を常に幅広く鋭敏に収集、分析し、政治に対し正しい政策の選択肢を提言していく高い能力が求められます。このためには、民間の資源や能力を最大限に活用する必要もあります。採用や任用方針を含め、組織運営や人事管理の在り方を不断に見直していく覚悟と実行力が求められます。
第三は、国際性と開放性です。常に世界の動向に目を向け、日本国民に世界最高の行政サービスを届ける強い気持ちを持つことが大事だと思います。そのために、人材の多様性を重視し、新しい考え方を取り込む柔軟性と積極性が必要です。こうした行動原理が定着していけば、諸外国と比べ大幅に遅れていて喫緊の課題である女性の活躍についても改善が図られると思っております。
仮に人事官に任命されたときには、人事院会議の構成員としての自覚と責任感を持ち、これまでの私の知識や経験を生かし、全力を尽くす所存です。そして、国民の代表である国会での御議論を始め様々な御意見に真摯に耳を傾け、先任のお二人の人事官と協力しながら重責を果たしてまいりたいと思います。
以上、簡単でございますが、私の所信を述べさせていただきました。
本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございました。