石井正弘の発言 (憲法審査会)

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○石井正弘君 自由民主党の石井正弘です。
 本日、本審査会においてようやく憲法論議が行われるに至りました。開催に当たって御尽力いただきました関係各位に対しまして、まずもって敬意を表する次第であります。
 まず、憲法改正について申し上げます。
 我が国は、施行後七十四年が経過する日本国憲法の下で、今日の自由で民主的な社会を築いてまいりました。しかし、内外の社会環境や価値観が大きく変化する中、一度も改正を経ていない現行憲法には、内容的に現代社会にそぐわない部分が生じていることも事実ではないでしょうか。
 この点、我が党は、四項目、すなわち、一、自衛隊の明記、二、緊急事態対応、三、合区解消、及び四、教育の充実を取り上げて党内論議を行い、本審査会での議論のためのたたき台として、条文イメージ、たたき台素案の形で世に示しております。
 この四項目のうち、まず、我が参議院の在り方に関わる最重要課題である合区解消について触れます。
 参議院の発足当時とは異なり、近年では人口減少と一極集中が進行し、極度の人口偏在が生じました。その一方で、最高裁は、国会議員の定数配分について、より厳格な人口比例を求めています。その結果、地方選出議員の減少、参議院議員選挙での合区などの重大な問題が生じております。
 私の知事時代の経験からいたしましても、参議院においては、政治的、社会的に重要な意義を持つ都道府県の住民の意思を集約的に反映させることが重要と思います。
 投票率を低下させるなど、国政への参加意欲をそぐ合区の解消はまさに喫緊の課題であり、投票価値の平等と地域の民意の適切な反映との調和という観点から、憲法上の対応をしていくことは必須であります。
 次に、他の項目についてです。
 自衛隊の明記につきましては、北朝鮮のミサイル発射や中国の海洋進出など、我が国を取り巻く安全保障環境が緊迫の度合いを増す中、法治主義、立憲主義の観点から、国防の要たる自衛隊の違憲論の解消は必要不可欠と言えます。
 緊急事態対応につきましては、近年、自然災害が多発している我が国ですが、今後三十年以内に七割程度という高確率での発生が想定される南海トラフ地震や首都直下型地震などの災害緊急事態に際し、迅速に対処する必要が高まってきております。
 教育の充実については、近時、格差の拡大が指摘される中、教育が重要なテーマとなっており、我が党では教育や子育て政策に一体的に取り組むこども庁設置の検討も始めていますが、家庭の経済事情にかかわらず、より高い教育を受けられる環境の整備は、将来世代の未来を切り開く上で欠かせません。
 以上の四項目は、まさに今、国民に問うにふさわしいテーマです。
 もちろん、本審査会における議論のテーマはこの四項目に限られません。若干の私見を述べさせていただきますと、今般のコロナ禍や今後発生し得る未知の感染症の蔓延などの緊急事態への対応、さらにはデジタル化の進展への対応は、憲法についても新たな問題を提起していると思います。緊急事態対応への感染症の位置付けをどう考えるのか。
 また、憲法第五十六条は議院の定足数について三分の一以上の出席と定めています。しかし、感染が急速に広がってくる中で必要な立法を行っていくためには、本会議に出席する議員の数を極力少なくすることも検討が必要かと思います。デジタル社会形成の進展の中で、国会についてもオンラインによる審議や採決の可能性について議論していくことが必要ではないでしょうか。
 これら新たな課題についても速やかに憲法審査会において議論を進めるべきであると考えますが、これ以外にも各会派からテーマを積極的に御提案いただき、国民のため、全会派そろって議論してまいりたいと存じます。
 次に、現在衆議院で審査中の憲法改正国民投票法案、いわゆる七項目案について申し上げます。
 七項目案は、商業施設等への共通投票所の設置や洋上投票の対象の拡大など、平成二十八年に当該部分について全会一致で成立したと言える公職選挙法改正と同様の内容を国民投票法に反映させるものです。投開票手続に関する内容ですので、本院に送付され本審査会に付託された暁には、速やかに審議を行った上で採決に付すべきです。この点、今月の世論調査では、今国会中に採決すべきとの回答が半数以上を占めている調査もあり、国民の支持も得られていると考えます。
 なお、野党から主張されているCM規制等につきましては、七項目案とは異なり、国民投票運動は自由にという国民投票法の基本理念と国民投票の公正、公平性とのバランスに十分留意をしながら慎重に検討すべきテーマでありますので、七項目案の採決の後、腰を据えて議論を重ねるべきと考えます。
 最後に、本審査会の運営について申し上げます。
 憲法は国民のものです。憲法について国民の皆さんに御自身のお考えを深めていただくことは大変重要です。そのためにも、本審査会を毎週定例日に開催をし、真摯な議論を国民の皆さんにお示しすべきであると訴えて、私の発言を終わります。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 石井正弘

speaker_id: 10095

日付: 2021-04-28

院: 参議院

会議名: 憲法審査会