那谷屋正義の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○那谷屋正義君 立憲民主・社民の那谷屋正義です。会派を代表し、一言意見表明を述べさせていただきます。
 私たちは、憲法が時の為政者、権力の暴走から国民の権利、人権、平和主義を守る役割を持つ立憲主義の理念に基づき、それを深化させる観点から未来志向の憲法議論を真摯に行っていくことを綱領でうたっています。したがって、本審査会では、国会法にあるように、憲法に限らず関連法も含め、国民にとって真に必要な改定を積極的に議論、検討してまいりたいと考えております。
 さきの審査会で小西議員から指摘のあった、既に施行されている集団的自衛権の一部の行使を容認した閣議決定及び安全保障法制のように、論理的整合性、法的安定性に欠ける恣意的、便宜的な憲法解釈の変更は絶対に認められません。
 参議院憲法審査会は、これまでも静かな環境の中で、各会派が円満な状況の下で冷静かつ慎重な議論が行われてきたと認識しております。憲法改正を党利党略の政争の具とせず、憲法及び関連法に対する国民一人一人の興味、関心を促し、国民の期待に応えるよう、これからも各会派の皆さんの真摯な議論が何よりも大切であると考えます。
 次に、衆議院から送付されてまいりました憲法改正手続に関する国民投票法改正案に対して申し上げます。
 与党などが提出された原案は、平成二十八年の改正公選法による投票環境の向上を図るための措置に倣った七項目の法整備を行うものですが、そもそも国民投票法を公選法と同一の扱いとすることの問題点もありますが、法の目的にある投票環境の向上を図るには、七項目が合致するかという疑問を否定できません。衆議院の審議でも、それが不十分のままであります。
 そして、従来から申し上げているとおり、スポットCMの扇情的な影響力やインターネット広告も含め、CMに投じる資金の多寡が投票結果に与える影響等を踏まえると、CMや運動資金などについて一定の規制が設けられなければ、公正公平な国民投票の実施は期待できません。
 また、今日のコロナ禍において、自宅療養等を余儀なくされている方々の投票権の保障も解決されていません。こうした課題が山積しているのを承知しながら法を成立させることは、立法府の怠慢とのそしりを免れません。
 立憲民主党は、積み残している課題等について具体的な検討を開始し、一定の結論を得る必要があると考え、修正案を提出いたしました。
 この修正案は、国は、この法律の施行後三年を目途に、追加の二項目を始めとする投票人の投票に係る環境を整備するための事項及び国民投票運動等のための広告放送やインターネット有料広告の制限、運動資金規制、インターネットの適正利用の確保を図るための方策その他の国民投票の公平及び公正を確保するための事項について検討を加え、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとしています。
 これに対し、各党で見解に大きな隔たりがあることがあからさまとなりました。それにもかかわらず、この修正案についての質疑が衆議院では全く行われずに採決がされたことは遺憾であり、国民の不信を招いています。本院では、まず原案と修正案で指摘された項目等について徹底した議論が行われるべきであると考えます。
 今後、参議院としての本審査会に求められるものは、本審査会の議論を国民に正しく理解をしていただくためにより工夫した審議が必要ではないでしょうか。そして、法案の質疑はもとより、参考人招致等、慎重に審議を進めることは言うまでもありません。また、さきに述べたように、改めて憲法改正の必要性の有無や、議論の内容も、改憲内容のみならず、既に施行されている法律の違憲性の有無等の審査にも目を向けるべきであることを申し上げ、意見表明といたします。

発言情報

speech_id: 120414183X00220210519_009

発言者: 那谷屋正義

speaker_id: 27698

日付: 2021-05-19

院: 参議院

会議名: 憲法審査会