憲法審査会

2021-05-19 参議院 全57発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和三年五月十九日(水曜日)
   午後二時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     井上 哲士君     山下 芳生君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     山田  宏君     和田 政宗君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         林  芳正君
    幹 事
                石井 準一君
                石井 正弘君
                西田 昌司君
                藤末 健三君
                那谷屋正義君
                白  眞勲君
                西田 実仁君
                松沢 成文君
                矢田わか子君
                山添  拓君
    委 員
                赤池 誠章君
                有村 治子君
                磯崎 仁彦君
                衛藤 晟一君
                岡田  広君
                片山さつき君
                古賀友一郎君
                上月 良祐君
                佐藤 正久君
                中川 雅治君
                中曽根弘文君
                古川 俊治君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                山下 雄平君
                山谷えり子君
                和田 政宗君
                石川 大我君
                打越さく良君
                江崎  孝君
                小西 洋之君
                杉尾 秀哉君
                福島みずほ君
                伊藤 孝江君
                平木 大作君
                矢倉 克夫君
                安江 伸夫君
                浅田  均君
                東   徹君
                足立 信也君
                浜野 喜史君
                吉良よし子君
                山下 芳生君
                渡辺 喜美君
   衆議院議員
       発議者      逢沢 一郎君
       発議者      中谷  元君
       発議者      船田  元君
       発議者      北側 一雄君
       発議者      馬場 伸幸君
       発議者      井上 一徳君
       修正案提出者   奥野総一郎君
       修正案提出者   山花 郁夫君
   事務局側
       憲法審査会事務
       局長       岡崎 慎吾君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改
 正する法律案(衆議院提出)
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
 本法制に関する調査
 (日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸
 課題について)
    ─────────────
この発言だけを見る →
林芳正#1
○会長(林芳正君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。
 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者衆議院議員逢沢一郎君から趣旨説明を聴取いたします。逢沢一郎君。
この発言だけを見る →
逢沢一郎#2
○衆議院議員(逢沢一郎君) 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を説明を申し上げます。
 ただいま議題となりました日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表をいたしまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。
 日本国憲法の改正手続に関する法律、いわゆる国民投票法は、平成十九年に制定され、平成二十六年に、選挙権年齢等の引下げなど、制定時に残されたいわゆる三つの宿題に対応するための法改正が行われましたが、その後、平成二十八年に、公職選挙法の数度にわたる改正により、投票環境向上のための法整備がなされております。
 本法律案は、このような既に実施されている投票環境向上のための公職選挙法改正と同様の規定の整備を、国民投票法について行うものでございます。
 次に、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、投票人名簿の内容確認手段について、個人情報保護の観点から、従来の縦覧制度を廃止し、公職選挙法と同様に、閲覧できる場合を明確化、限定した閲覧制度を設けることといたしております。
 第二に、公職選挙法においては在外選挙人名簿への登録について出国時申請の制度が創設されましたけれども、この制度を利用した者が、出国の時期によっては、国民投票の在外投票人名簿に自動的に反映されないケースが出てまいりますので、その谷間を埋めるような規定を整備をいたしております。
 第三に、投票日の当日、市町村内のいずれの投票区に属する投票人も投票することができる共通投票所を設けることができる制度を創設をいたしております。
 第四に、期日前投票事由に天災や悪天候の場合を追加するとともに、期日前投票所の開始時刻の繰上げ及び終了時刻の繰下げを、それぞれ二時間の範囲でできることといたしております。
 第五に、洋上投票制度の対象を、便宜置籍船等の船員及び実習生に拡大しております。
 第六に、繰延べ投票の期日の告示について、少なくとも五日前に行うとされていたものを、少なくとも二日前としております。
 第七に、投票所に入ることができる子供の範囲を、幼児から、児童、生徒その他十八歳未満の者に拡大をいたしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して三か月を経過した、経過した日から施行することといたしております。
 以上が、本法律案の趣旨及び概要でございます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。
この発言だけを見る →
林芳正#3
○会長(林芳正君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員奥野総一郎君から説明を聴取いたします。奥野総一郎君。
この発言だけを見る →
奥野総一郎#4
○衆議院議員(奥野総一郎君) 本法案の衆議院における修正部分につきまして御説明申し上げます。
 本修正は、原案に法施行後三年を目途とした検討条項を加えるもので、その検討対象は次のとおりであります。
 まず一つは、天災等の場合において迅速かつ安全な開票を行うための開票立会人の選任に係る規定の整備など、投票人の投票に係る環境を整備するための事項であります。
 もう一つは、国民投票運動等のための広告放送やインターネット有料広告の制限、国民投票運動等の資金に係る規制、国民投票に関するインターネット等の適正な利用の確保のための方策など、国民投票の公平及び公正を確保するための事項であります。
 これらの事項について検討を加え、その結果に基づいて、法制上の措置を含む必要な措置を講ずるものとしております。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
この発言だけを見る →
林芳正#5
○会長(林芳正君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 発議者及び修正案提出者の皆様は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
この発言だけを見る →
林芳正#6
○会長(林芳正君) 次に、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
 本日は、日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸課題について意見交換を行います。
 まず、各会派から意見表明を行った後、委員間の意見交換を行います。
 全体の所要は一時間五十分を目途といたします。
 発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。
 また、御発言は着席のままで結構でございます。
 なお、委員間の意見交換において発言を希望される方は、各会派からの意見表明の間にあらかじめ氏名標をお立てください。
 それでは、まず各会派一名ずつ、各五分以内で御意見を順次お述べいただきたいと存じます。
 石井準一君。
この発言だけを見る →
石井準一#7
○石井準一君 先月二十八日、三年二か月ぶりに、参議院憲法審査会において憲法に対する考え方についての意見交換が行われました。まずもって、歴代の参議院憲法審査会長、与野党筆頭幹事らの思いが形になったものであると感じた次第であります。開催に御理解をいただきました関係者全てに感謝を申し上げたいと思います。
 あわせて、憲法は国民のものであるからこそ、国民の皆様に憲法についての案を示す役割を持った国会、参議院憲法審査会では、憲法、そしてそれに関係する課題について、それぞれが持つ意見を率直に開陳をし、じっくりと議論を深め、その議論を通じて国民の皆様方に広く理解を得る努力を続けていかなければならないと強く感じた次第であります。先月二十八日の参議院憲法審査会では、まさにそのような意見交換が行われたものと考えております。改めまして、与野党筆頭理事の役目を預かる自分といたしましては、引き続き、しっかりと国民の目線に合った憲法審査会を動かす努力を行っていかなければならないと感じております。
 今回、憲法改正国民投票法案が衆議院から送付をされてまいりました。そもそも憲法審査会は、憲法そのものについての議論はもちろんではありますが、手続についての議論を行い結論を得ること、これも大きな役目となっております。今回の法案についても、しっかりと参議院らしい議論をしていかなければなりません。
 そこで、今回衆議院から送付されてきたこの国民投票法案ですが、商業施設等への共通投票所の設置や洋上投票の対象の拡大など投開票手続に関する改正であり、平成二十八年に全会一致で成立をし改正をされた公職選挙法に規定されたものと同様の内容とするものであります。また、今国会中に採決すべきという回答が半数以上になっている世論調査の結果もあります。したがって、それらをしっかりと踏まえた審議がなされるべきだと考えております。
 一方、国民投票法については、テレビやラジオなどの広報規制、さらにはネット広報規制等、投開票手続の議論とは別に議論すべき課題があります。この点について、衆議院における審議を経て、附則に改正法施行後三年をめどに検討を加え、必要な法制上の措置を講じると盛り込まれたところであります。
 広告規制等をめぐる課題自体、できるだけ自由にという国民投票法の基本理念と国民投票の公平公正とのバランスをどう取っていくのかという問題もあります。この附則により、今回の投開票手続改正の議論の後に腰を据えた議論がなされることが期待をされていると考えております。
 同時に、憲法審査会では、国民の皆様方の声を踏まえ、憲法そのものについての議論もしっかりとしていくべきであります。
 今年も、マスコミ各社で憲法に関する世論調査が行われました。NHKでは、憲法改正に向けた議論を進めるべきと答えた人は五四%、進める必要はないが二七%、朝日では、今の憲法を変える必要があるが四五%、変える必要はないが四四%、毎日では、憲法改正に賛成四八%、反対三一%、読売では、憲法を改正する方がよいが五六%、改正しない方がよいが四〇%となっております。
 日本憲法の抱える諸課題という観点で申し上げれば、施行後七十四年という歳月の中で大きく変化をしてきた社会や人々の考え方に日本国憲法が対応できているのか、国会、とりわけ憲法審査会でしっかりと議論しろというのが国民の皆様方の声であると受け止めております。
 我が党といたしましては、自衛隊の明記、緊急事態対応、合区解消・地方公共団体、教育の充実の四項目について、国民の皆様方に問うふさわしいテーマであると考えているところであります。
 我が会派以外からも幾つかの議論すべきテーマ、課題が寄せられていると承知をしております。我が会派も含め、各会派から寄せられたテーマ、課題を踏まえ、参議院らしく全会派そろって粛々と憲法審査会での議論を進めていくことが国民の期待に応えるべきだと申し上げさせていただき、私の発言を終わります。
この発言だけを見る →
林芳正#8
○会長(林芳正君) 那谷屋正義君。
この発言だけを見る →
那谷屋正義#9
○那谷屋正義君 立憲民主・社民の那谷屋正義です。会派を代表し、一言意見表明を述べさせていただきます。
 私たちは、憲法が時の為政者、権力の暴走から国民の権利、人権、平和主義を守る役割を持つ立憲主義の理念に基づき、それを深化させる観点から未来志向の憲法議論を真摯に行っていくことを綱領でうたっています。したがって、本審査会では、国会法にあるように、憲法に限らず関連法も含め、国民にとって真に必要な改定を積極的に議論、検討してまいりたいと考えております。
 さきの審査会で小西議員から指摘のあった、既に施行されている集団的自衛権の一部の行使を容認した閣議決定及び安全保障法制のように、論理的整合性、法的安定性に欠ける恣意的、便宜的な憲法解釈の変更は絶対に認められません。
 参議院憲法審査会は、これまでも静かな環境の中で、各会派が円満な状況の下で冷静かつ慎重な議論が行われてきたと認識しております。憲法改正を党利党略の政争の具とせず、憲法及び関連法に対する国民一人一人の興味、関心を促し、国民の期待に応えるよう、これからも各会派の皆さんの真摯な議論が何よりも大切であると考えます。
 次に、衆議院から送付されてまいりました憲法改正手続に関する国民投票法改正案に対して申し上げます。
 与党などが提出された原案は、平成二十八年の改正公選法による投票環境の向上を図るための措置に倣った七項目の法整備を行うものですが、そもそも国民投票法を公選法と同一の扱いとすることの問題点もありますが、法の目的にある投票環境の向上を図るには、七項目が合致するかという疑問を否定できません。衆議院の審議でも、それが不十分のままであります。
 そして、従来から申し上げているとおり、スポットCMの扇情的な影響力やインターネット広告も含め、CMに投じる資金の多寡が投票結果に与える影響等を踏まえると、CMや運動資金などについて一定の規制が設けられなければ、公正公平な国民投票の実施は期待できません。
 また、今日のコロナ禍において、自宅療養等を余儀なくされている方々の投票権の保障も解決されていません。こうした課題が山積しているのを承知しながら法を成立させることは、立法府の怠慢とのそしりを免れません。
 立憲民主党は、積み残している課題等について具体的な検討を開始し、一定の結論を得る必要があると考え、修正案を提出いたしました。
 この修正案は、国は、この法律の施行後三年を目途に、追加の二項目を始めとする投票人の投票に係る環境を整備するための事項及び国民投票運動等のための広告放送やインターネット有料広告の制限、運動資金規制、インターネットの適正利用の確保を図るための方策その他の国民投票の公平及び公正を確保するための事項について検討を加え、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとしています。
 これに対し、各党で見解に大きな隔たりがあることがあからさまとなりました。それにもかかわらず、この修正案についての質疑が衆議院では全く行われずに採決がされたことは遺憾であり、国民の不信を招いています。本院では、まず原案と修正案で指摘された項目等について徹底した議論が行われるべきであると考えます。
 今後、参議院としての本審査会に求められるものは、本審査会の議論を国民に正しく理解をしていただくためにより工夫した審議が必要ではないでしょうか。そして、法案の質疑はもとより、参考人招致等、慎重に審議を進めることは言うまでもありません。また、さきに述べたように、改めて憲法改正の必要性の有無や、議論の内容も、改憲内容のみならず、既に施行されている法律の違憲性の有無等の審査にも目を向けるべきであることを申し上げ、意見表明といたします。
この発言だけを見る →
林芳正#10
○会長(林芳正君) 矢倉克夫君。
この発言だけを見る →
矢倉克夫#11
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。
 日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸課題について、会派を代表し、意見を申し上げます。
 まず、憲法改正について、日本国憲法がうたう国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義という三つの原理は、人類普遍の理念であり、これからも堅持されなければなりません。原理は単なる原則と違い、例外を許さないものと理解をいたしております。
 公明党は、この三原理を有する現憲法を、我が国の民主主義を進展させ、戦後日本の平和と安定、経済発展に大きく寄与、日本の礎を築いたすばらしい憲法であると評価をいたします。憲法改正議論に当たり、この日本国憲法を改正することそれ自体を目的とすべきではありません。
 他方、このすばらしい憲法をより良くするための改正に向けた議論はあってしかるべきです。新たに憲法に盛り込むにふさわしい価値を見出せるのであれば、あるいは現行の規定のままでは不都合が生じており憲法改正でしか解決できない課題が明らかになっているのであれば、憲法の基本原理をあくまで維持しながら、新たな条文、新たな理念、価値を加えるべきと考えます。いわゆる加憲です。
 加憲において大事なことは、何が加えるべき新たな憲法価値か、決めるのは国民であり、そのために憲法に関する充実した国民的議論が欠かせないということであります。これまで、憲法に関する国民的議論はどの程度存在をしていたでしょうか。従来の憲法議論というと、政治家や専門家による交わることのない意見の言い合い、時に政争の具と言ってもいいような姿といった印象が拭えないということは否定できないところであります。個性あふれる強い考えがぶつかればぶつかるほど、国民は憲法を遠く感じてしまっていたのかもしれません。
 憲法に関する真摯な国民的議論は、一人一人が憲法を自分のものとして捉え直すきっかけとなります。それが、これまで当たり前と思っていた憲法の様々な価値、特に三原理を真に国民のものとすることにつながる、憲法を守るためにも議論が必要である、私はそのように思います。加憲論にはその国民的議論を導く力がある、そう確信をいたします。
 以上の認識の下、憲法改正国民投票法改正案について申し上げます。
 この法案は、投票環境の向上に関するものであり、国民が憲法議論をするために必要な手続法です。憲法改正に関わる以上一切認めないでは、国民の議論する権利を奪い、国民から憲法を遠ざける結果となります。改正の内容は、平成二十八年の公職選挙法改正で措置済みのものと同様です。憲法改正国民投票の投開票に関する部分については、公職選挙法並びでもよいと考えます。本院においても速やかに結論に至ることを御期待いたし、議論にしっかり参画してまいりたいと思います。
 この場をお借りいたしまして、加憲の議論の対象となり得る項目について、幾つか個人の見解も含めて申し上げたいというふうに思います。
 まず、デジタル社会への対応です。AIや情報通信技術の発展、発達などによるデジタル化の進展は、社会全体に大きな利益をもたらしています。しかし、個人に関するデータの収集やその利活用の方法によってはプライバシー等の人権が侵害され得ることに加え、AIを使った心理的プロファイリング等は個人の主体的な生き方に影響を与え、個人の尊厳を脅かすおそれがあるとも指摘されております。
 デジタル社会の到来に際し、個人情報の保護と適切な利活用の適切なバランスや、プロファイリングによる個人の意思形成過程のゆがみなどについて、憲法上の対応が必要かという観点からの議論が必要であると考えます。
 また、現在進行中の地球温暖化は、平均気温の上昇のみならず、大雨、干ばつなどの気候の変化をもたらしております。その影響は将来、より深刻になると予測されます。良好な環境の下で健康で豊かに暮らすことは、今を生きる我々だけでなく将来を生きる全世代にとっても重要な価値であり、将来世代に良好な環境を残すことは将来世代の基本的人権を保障することにもなります。
 このような観点から、地球環境の保全を明記することも検討に値すると考えます。もっとも、地球環境の保全を明記するといっても、これを国民の権利又は責務どちらで構成するか、その他など、議論することは多くあります。
 このほか、国会議員のオンライン出席の可否に関する出席概念など、検討すべきテーマはこのほかにも多くあります。国民のための憲法論議が政局から離れて深められることを期待し、私の意見表明を終わります。
この発言だけを見る →
林芳正#12
○会長(林芳正君) 松沢成文君。
この発言だけを見る →
松沢成文#13
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文です。
 この度、提案された国民投票法改正案の本来の趣旨は、投票の利便性を向上させるために平成二十八年に改正された公職選挙法の七項目と整合を取るためのものです。そこには全く異論はありません。しかし、問題は、衆議院の審査会の最終段階で立憲民主党から提案され修正案に加えられた検討条項にあります。
 日本維新の会は、衆議院において国民投票法の原案に賛成し、立憲民主党提出の修正案には断固反対しました。この修正案は、施行後三年をめどにCM規制や外国人寄附規制などについての検討を求めるものですが、今後の検討、審議に禍根を残すと言わざるを得ません。憲法改正反対派に憲法本体の議論に入ることを拒む大義を与え、加えて、憲法改正に向けた国会の発議権が制限されるという事態を招きかねないからであります。
 現に衆議院の審査会の最終質疑においても、修正部分の解釈について、自民党、公明党、日本維新の会の委員と立憲民主党委員の間では全く異なる見解が示されております。
 三党の委員は、今後の審議の在り方について、CM規制の問題など国民投票法の次なる議論を進めていくことと併せ、憲法本体の議論を粛々と進めていくと力強く語っております。私たちも全く同感であります。
 これに対して立憲民主党の委員は、CM規制など今の国民投票法で不公正な部分がある以上、これを三年以内に改めるまでは憲法本体の審議や改正の発議はできないという認識であります。とんでもない身勝手な解釈であり、憲法審査会の目的を否定する暴挙であると言わざるを得ません。
 共同提案者の中で、法案に対する解釈がこのように真っ向から対立する荷崩れ法案を平気で提出してくる衆議院憲法審査会に対して、強く抗議いたします。
 このように法的安定性を大きく損なう法案提出など、常識的にあり得ません。このままでは必ず審査会の運営方法をめぐって混乱し、再び機能不全に陥るのは火を見るよりも明らかです。
 そこで、私たち日本維新の会として二つの提案をしたいと思います。
 まず第一に、こうした状況を打破するために、法案の修正案を提出したいと考えています。
 立憲民主党からの修正部分は、現在の国会が将来の国会に対し施行後三年という具体的期限を設けて検討を求める内容になっており、その間は憲法改正に向けた国会の発議権が制限されるとの誤解を招きかねません。そうした観点から、私たちは、修正部分に第二項を追加し、前項の規定は、憲法審査会が、同項の措置が講ぜられるまでの間に日本国憲法改正原案の審議や発議を妨げないとする修正案を提出する用意をしています。
 第二の提案は、憲法審査会規程第七条にある小委員会を設置し、国民投票法改正に向けての審議を委任することです。
 参議院では、議院運営委員会や行政監視委員会で小委員会が適宜有効に運営されている例があり、この小委員会制度を活用すべきです。
 これによって、CM規制などの国民投票法関係の審議と憲法審査会本体による憲法改正に向けての審議が分業的に同時進行するというメリットが期待できます。さらに、毎週定例日の開催や、閉会中審査の活用も含めて積極的な審議を進めていくべきです。これこそが、憲法審査会における審議を活性化し、国民の期待に応える有効な方策であります。
 憲法改正議論を促進したい会派の皆様には、この二つの提案に是非とも御理解と御賛同をお願いいたします。
 私たち日本維新の会は、憲法改正すべきテーマとして、教育の無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置を提起し、改正条文も公表しています。
 各政党の皆様におかれましても、速やかに改正すべき条項を当審議会に提起いただき、積極的に審議を進め、改正案を発議し、国民投票によって主権者である国民の皆様の信を仰いでいきましょう。
 以上です。
この発言だけを見る →
林芳正#14
○会長(林芳正君) 浜野喜史君。
この発言だけを見る →
浜野喜史#15
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。会派を代表して意見表明をいたします。
 まず、憲法改正国民投票法案の審議についてです。
 衆議院において五月六日に採決が行われましたが、その際、修正案について質疑が行われなかったことを不自然と言わざるを得ません。参議院においては、当然のこととして、修正案提出者も出席の上で、修正部分も含めた審議が行われるべきであると考えます。
 次に、今後の憲法審査会の進め方についてです。
 四月二十八日に我が会派の矢田わか子幹事から提起がありましたように、審査会は、立法府に属する国会議員が、国民が持つ様々な意見を背景に、考え方や主張を相互に出し合い、議論を深めていく場であります。定期的に会議を開催し、現行憲法に関する様々な論点について意見交換や、外部の有識者からのヒアリングなどを通じて議論を深めていくとともに、国民に判断材料等を供していくことが大切と考えます。
 私たち国民民主党も、現行憲法の基本原理を堅持した上で、そのアップデートが必要であるという問題意識の下、デジタル時代の人権保障など人権についての規定の見直し、住民自治の基本原則を明記するなど地方自治の発展、強化、自衛権の統制、内閣による衆議院解散権の制限など統治の在り方の再構築、緊急事態条項の検討のほかの基礎的事項などについて議論すべきであるという憲法改正に向けた論点整理を昨年十二月に発表いたしました。
 今後、この論点整理について御紹介させていただくこともあろうかと思いますが、前回の審査会において足立信也議員から発言があったように、国会においては、国の最高法規である憲法に関わる議論を不断に行うべきと考えます。
 これからの本審査会における議論の充実をお願いし、私の意見表明とさせていただきます。
この発言だけを見る →
林芳正#16
○会長(林芳正君) 山下芳生君。
この発言だけを見る →
山下芳生#17
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 まず、憲法審査会の運営について意見を述べます。
 そもそも憲法審査会は、改憲原案を発議し、審査する機関です。しかし、世論調査で政権に期待するテーマは何かと問われて、改憲と答える人は数%にすぎません。日本共産党は、国民世論が改憲を求めていない中、憲法審査会を動かす必要はないし、動かすべきでないと考えます。
 次に、憲法改正国民投票法について幾つか意見を述べます。
 現行の国民投票法は、第一次安倍政権時代の二〇〇七年、改憲に執念を燃やす安倍首相の思惑に沿って作られたものであり、CM規制や最低投票率など根本的な問題が残されたままの欠陥法となっています。そのため、参議院では、同法の採決に当たり十八項目に上る附帯決議を付しました。二〇一四年、同法改定の際もこの欠陥を残したままだったため、二十項目の附帯決議が付されています。
 しかし、こうした国民投票法の根本問題はこれまで十分に議論されてきませんでした。本院附帯決議が指摘した欠陥を放置したまま、公職選挙法との横並びとして七項目だけ議論しようというのは、最高法規である憲法の改正手続を軽んじるものであり、認められません。
 今回の国民投票法改定案も、安倍氏の改憲への執念から提出されたものにほかなりません。第二次安倍政権時代の二〇一七年五月三日、安倍首相は改憲派の集会に送ったビデオメッセージで、九条改憲を含む改憲項目を提示し、二〇二〇年を憲法改正の年にすると宣言しました。安倍氏の号令の下、自民党は、二〇一八年三月、改憲四項目をまとめます。この改憲四項目を憲法審査会で議論するための呼び水として提出されたのが、公選法横並びの国民投票法改定案でした。
 一方で、自民党は、国民の改憲機運を盛り上げるとして、党を挙げて世論をあおりました。しかし、安倍政権が改憲を叫べば叫ぶほど、安倍改憲に反対する国民世論は拡大します。二〇一九年の参議院選挙では、安倍首相自ら改憲を正面に掲げた選挙戦にしたにもかかわらず、与党など改憲勢力の議席が参議院の三分の二を割る結果となり、安倍氏が掲げた二〇二〇年改憲は阻止されました。安倍氏自身が首相辞任表明の記者会見で、国民的世論が盛り上がらなかったのは事実だと述べたように、安倍改憲が破綻したことは明らかであります。
 にもかかわらず、菅首相は、五月三日、改憲派の集会に送ったメッセージで、自民党改憲四項目を示しながら、憲法改正に関する議論を進める最初の一歩として、まずは国民投票法改正案の成立を目指すと発言しました。安倍氏と全く同じやり方で、安倍改憲に固執しています。
 同じ集会で自民党の下村博文政調会長は、コロナを、ピンチをチャンスにと発言し、コロナ危機に乗じて安倍改憲を推進する姿勢をあらわにしました。余りにも国民世論と懸け離れた態度であり、不謹慎な姿勢と言わざるを得ません。
 今、国民は改憲議論など求めていません。各地方紙の社説には、政治が最優先で取り組まなくてはならないのは国民投票法改正ではなく、感染防止対策ではないか、中国新聞、コロナ対応の失策を隠すために改憲議論を利用している、神奈川新聞、まず全力を挙げてコロナ対策に取り組むべき、憲法改正議論は、優先して取り組むべき課題ではない、沖縄タイムスなどの声が広がっています。
 不要不急の改憲議論にかまけることなく、目の前の命を守り、暮らしを支えるために日々議論し、必要な対策を打つことこそ国権の最高機関たる国会の使命であることを強調し、意見表明とします。
この発言だけを見る →
林芳正#18
○会長(林芳正君) 渡辺喜美君。
この発言だけを見る →
渡辺喜美#19
○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美であります。
 世の中には、建前のルールと本音のルールというのが存在するんですね。ノーマティブルールとプラグマティックルールとも言います。
 憲法四十三条には、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と書いてあります。伝統的な見解では、これは命令委任の禁止であると。国会議員というのは誰の代理人でもない、選挙区の代理人でもない、業界団体の代理人でもない、全国民を代表する国民代表制というのが伝統的見解であります。
 一方、現実はどうなっているかというと、これは選挙も議会も政党が仕切っていると。議員というのは政党の党議拘束に従う存在になっているというわけであります。総理大臣も多数派が選びますし、選挙運動の実際は政党や政党支部が行っているわけですね。
 こうした建前と本音のギャップというのが余りにも甚だしくなり過ぎると決していいことはないと考えております。政党というのは、日本では憲法にも国会法にも出てこない、公職選挙法と政治資金規正法にのみ出てくる存在なのであります。つまり、日本では、政党中心主義を導入をするときに、全国民の代表である議員と政党の党議拘束に従う議員との矛盾相克、そういった議論を回避して、政党法を作らずに政党中心主義を導入をしてしまった、その政治のゆがみというものがこの三十数年間の日本の政治を象徴しているものであります。
 今回、国民投票法制が整備されようとしているのは大変結構なことであります。日本の選挙制度はかなり統制型の制度なんですね。御案内のように、選挙が始まりますと、街宣車をまず警察に持っていって測るんですね。これ、何センチオーバーしていますとか言われると、もうこれやり直しですよ。そういったことから始まって、非常に統制色の強い選挙法でありますが、憲法改正の国民投票においてはできるだけ必要最小限の規制にとどめるべきではないかと私は考えるのであります。
 衆議院の審査会で、山尾志桜里委員が大変興味深い例を出しておられました。ケンブリッジ・アナリティカのケースなんですね。あれは、御案内のとおり、違法に入手した有権者の個人データを使って投票行動の判断に介入をしていったデータゲート事件とも言われるもので、ケンブリッジ・アナリティカ自身は一八年に消滅をしております。
 しかし、こうしたものが合法的に行われ、かつアルゴリズムを駆使してマイクロマーケティングと言われる手法でもって働きかけることが一体どこまで規制できるのか、そういった議論はこの審査会において大いにやっていくべきことと考えます。
 もう既にサブリミナルについては禁止されておりますが、こうした大衆をセグメントしてそれぞれのグループに最適なサイコグラフィックスを行っていく手法がどこまで認められるのか、規制できるのか、そういう議論も是非やっていただきたいと思います。
 以上です。
この発言だけを見る →
林芳正#20
○会長(林芳正君) 以上で各会派の意見表明は終了いたしました。
 次に、委員間の意見交換を行います。
 一回の発言時間は各三分以内でお述べいただきたいと存じます。
 なお、発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。
 藤末健三君。
この発言だけを見る →
藤末健三#21
○藤末健三君 自由民主党・国民の声の藤末健三です。
 先ほど趣旨説明を聴取した国民投票法改正案につきましては、公職選挙法で既に施行されている投票環境の向上に関する措置であり、本院におきましても議論を速やかに深めて結論を出すべきだと考えます。
 さて、本日は、私が副座長を務めますWithコロナ・Afterコロナ新たな国家ビジョンを考える議員連盟の憲法改正分科会で昨年八月に取りまとめました提言、コロナ禍を踏まえた国民目線の災害緊急事態条項について御説明申し上げたいと思います。
 お手元に資料をお配りさせていただいていますが、この提言は、憲法に災害緊急事態の章を新設しようとするものです。
 具体的には、災害緊急事態として、大地震など異常かつ大規模な災害だけではなく、感染症の大規模な蔓延も明記した上で、国や自治体に国民の生命、身体、財産を守るための万全かつ迅速な措置を行う義務を課すとともに、国会機能維持のために議員任期延長や国会が機能しない場合に備える緊急政令及び緊急財政支出の規定を設けるものです。
 なお、この災害緊急事態に外国からの武力攻撃などの有事は含まれないことを強調させていただきたいと思います。
 大地震や大規模な感染症など、災害緊急事態に適正に対応するためには、スピーディーな法令の制定や財政支出が不可欠です。しかし、例えば、災害対策のための補正予算の国会での成立までの日数を見ると、新型コロナ禍の令和二年度補正予算は約三十日、東日本大震災時の平成二十三年度補正予算は約百十日、阪神・淡路大震災時の平成六年及び平成七年度の補正予算は約四十日もの国会審議を要しました。
 そこで、提言では、災害緊急事態において、地方自治体における首長の専決処分のように、国会審議を待たずに政府が行動規制や財政出動を行えるよう、緊急政令及び緊急財政支出の規定を設けました。これにより、対応の遅れが批判された給付金の支給なども迅速に行えるようになります。もちろん、これらが濫用されないよう、法律制定や予算議決を待ついとまがない場合だけに限定し、事後速やかに国会承認を求めなければならないとしております。
 世界を見ますと、一九九〇年以降約三十年間に制定された百四か国の憲法全てに緊急事態条項が明記されています。我が国においても、新型コロナ禍の今こそ災害緊急事態条項について議論すべきです。
 本審査会での活発な議論を期待しつつ、私の発言を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
林芳正#22
○会長(林芳正君) 杉尾秀哉君。
この発言だけを見る →
杉尾秀哉#23
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾秀哉です。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず冒頭に、国民投票法の改正案について、私どもの修正案を自民党が全面的に受け入れ、衆院段階で合意が成立したことは一定の評価ができます。しかし、その一方で、国民投票法成立時から指摘されている問題点が積み残されたままで、依然、欠陥法案であることに変わりありません。
 修正案の附則第四条には、公平公正を確保するために必要な事項が書かれており、これは、テレビCM規制などの必要な法改正が行われなければ国民投票の公平公正が確保されないことを自民党も認めた証左だと、このように理解できます。
 そもそも、テレビCMをめぐっては、国民投票法制定時に民放連が自主規制を表明し、それを前提に法規制が見送られた経緯があります。ところが、その後、民放連が量的規制は困難と手のひら返しをしたことから、立法当時の前提が崩れました。この間、大阪都構想の住民投票で、資金力のある団体がCMを大量に流す問題が提起されたのは皆さん御承知のとおりです。さらに、テレビとネットの広告費の逆転に見られるネット媒体の影響力の増大、また、イギリスのEU離脱国民投票や、昨年のアメリカ大統領選挙などで提起されたネットによるフェイクニュースや流言飛語とターゲティング広告など、法制定時には考えられなかった問題が山積しております。
 外国資本を含めて、投票を金で買うと言われるような運動の資金量に国民投票の動向が左右されるようなことがあってはならず、七項目の改正案の不備や、憲法が保障する言論、表現の自由との兼ね合いも含めて、これらの諸課題を慎重かつ十分に時間を掛けて検討しなければならないことは言うまでもありません。
 与党の中からは、このコロナ禍に乗じて、ピンチをチャンスにとか、コロナは憲法改正の実験台などという発言が相次いでおりまして、こうした火事場泥棒的で不謹慎極まりない発言に対しては、満腔の怒りを込めて抗議いたします。
 また、それと同時に、今回の法改正で憲法論議を加速させる条件が整ったかのごとき議論は、余りに早計かつ筋違いで、憲法軽視も甚だしいことを付言させていただきます。
 こうした論点をクリアすることなく改憲論議を前に進めることは不可能で、何より国民投票の公平公正さが疑われれば、投票結果そのものの正当性が疑われます。静ひつな環境でまずは立憲修正案の附則等を徹底的に審議し、公平公正な投票、国民投票の土台づくりに専念するように訴えて、私の意見といたします。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
林芳正#24
○会長(林芳正君) 平木大作君。
この発言だけを見る →
平木大作#25
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 私からは三点申し述べたいと思います。
 まず第一に、憲法に関して我々がまず問うべきは、憲法尊重義務を課された国会議員として、我々は基本的人権を守るための立法に誠実に取り組むことができているのかどうかという点であります。
 例えば、日本が児童の権利条約を批准したのは二十七年前の一九九四年でありますが、子供の権利を保障する総合的な法律としての子供基本法ともいうべき法律は、いまだ立法されておりません。
 また、情報技術の進歩が私たちの暮らしを一変させてしまう第四次産業革命のただ中にあって、法規制が時代から取り残されていないか、新たな人権侵害を引き起こしていないかも重要な論点であります。プライバシーや個人情報の適切な保護の在り方について議論を加速させる必要があります。
 家族の在り方をめぐって近年相次いで提起される違憲訴訟は、人々の価値観が多様化し、社会が大きく変化する中、国会が時代の価値観に合った立法に取り組んでいるのかを問う国民の声であります。とりわけ、本年三月、同性婚を認めていない民法などの規定は違憲で差別に当たるとした札幌地裁の判決を我々は重く受け止める必要があります。
 第二に、日本国憲法の内包する安全保障と恒久平和主義を考える上で、人間の安全保障という観点からの検討は一考に値します。
 この考え方は、端的に言えば、紛争を始めとする国際社会の諸課題を、従来の国家を守るという視点ではなく、一人一人の人間を守るという視点から捉え直すものであります。一九九四年に登場した比較的新しい概念でありますが、四半世紀を超える中で学問領域として成熟しつつあるのと同時に、国連を中心とした国際社会の中でも規範的な概念として定着しつつあります。近年では、日本国憲法前文との共通点が指摘されるようにもなってまいりました。言わば、国際社会が日本の平和主義に追い付いてきたとも言えると思います。
 第三に、当憲法審査会の開催を定例化し、議論を活発化させるべきと申し上げたいと思います。
 その趣旨は、国民の憲法に対する理解を深めることのみならず、国政に参画する各政党、政治家の考えをよりよく知り、政治に対する理解を促進する上でも極めて有意義だからであります。
 憲法についての意見表明からは、日常的な政策の議論や法案に対する賛否からは見えづらい各政党、政治家の価値観が前面に出てきます。政策をパッチワークで並べたマニフェストに辟易としている国民にとって、各政党が根っこに持つ価値観が幹となる将来ビジョンへ連なり、枝となる個々の法案の判断へとつながる様子を見せることは、国民にとって政治を身近なものとし、信頼を醸成するものと考えます。
 最後に、改正国民投票法案は、憲法制定権者である国民の権利行使の観点からも速やかに成立させるべきであると申し上げて、私の意見表明を終わります。
この発言だけを見る →
林芳正#26
○会長(林芳正君) 浅田均君。
この発言だけを見る →
浅田均#27
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 憲法改正は国民投票によって決められますので、国民レベルでの議論が必要です。しかしながら、国民及びその代表者である政治家が、憲法の内容について基礎的な知識もなく議論するのであれば、意味あるものとは言えません。
 そこで、今回は、現行憲法の成立の過程と内容との関連について、何点か確認していきたいと思っております。
 まず、憲法九条一項は、一九二八年のパリ不戦条約と文言、内容共にほぼ同じであり、一九四五年に調印、発効した国連憲章とも平仄が合っています。同様の文言は、世界各国の憲法にも記述されています。
 マッカーサー・ノートには、自衛戦争を否定することが案としてありました。しかし、自衛戦争の否定が非現実的であると考えたGHQ民政局次長チャールズ・ケーディス大佐がこれを削除し、新たに「武力による威嚇又は武力の行使」を加えました。ケーディス大佐は、いわゆる芦田修正も、自衛権を認めるものであり、当然であるとして、第二項への追加を了解いたしました。この芦田修正の登場で日本に自衛の軍備を整える可能性が出てきたので、第六十六条第二項「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」という文言が追加されました。
 当時の占領軍側にとって、この第一項は自衛権行使を否定するものではありませんでした。南原繁貴族院議員、日本社会党の鈴木義男衆議院議員、日本共産党の野坂参三衆議院議員などが、自衛権は認め、侵略戦争の放棄とすべきではないかといった意見に対し、正当防衛、国家の防衛権による戦争を認めることは戦争を誘発する有害な考えだとして自衛権の放棄を当然としたのは、当時の吉田茂首相でした。
 また、第九十八条、憲法の最高性と条約及び国際法規の遵守の第二項、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」という文言が、芦田小委員長と鈴木義男委員などの努力により成文化されたということも明らかになってきました。
 彼らが国際法、国連憲章をどれだけ理解していたのか、知りたいものだと思っております。
 本日の発言は以上でございます。
この発言だけを見る →
林芳正#28
○会長(林芳正君) 吉良よし子君。
この発言だけを見る →
吉良よし子#29
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 今回の国民投票法改正案は、安倍、菅改憲とセットになっています。
 実際、菅首相は、五月三日の憲法記念日に、国民投票法改正案の成立は憲法改正への議論を進める最初の一歩と位置付けました。さらには、衆議院での憲法審査会においても自民党議員から、国民投票法案の採決は一つの通過点、憲法論議を更に粛々と活発に進めていくなどの発言が相次いでいることを見ても、国民投票法改正案の成立と改憲議論を進めることがセットになっていることは明らかです。改憲と地続きの国民投票法改正案を参議院で審議、採決することは許されません。
 また、菅首相は、五月三日のビデオメッセージで、新型コロナウイルスの対応を受け、緊急事態への備えに対する関心が高まっているとし、憲法に緊急事態条項を盛り込む必要性についても言及しています。
 しかし、コロナ禍における緊急事態宣言と、憲法に緊急事態条項を盛り込むことは全く違います。憲法に緊急事態条項を設けることは、内閣が緊急事態と定めれば、無制限に憲法のない状態をつくり出せるということです。コロナ禍における緊急事態宣言が新型コロナ特措法に基づくものであり、人権侵害の暴走を止める歯止めとして現行憲法が機能していることと比較すれば、憲法停止の状態をつくる緊急事態条項は全く別物であることは明らかです。何より、感染拡大が止まらないのは憲法のせいではありません。
 緊急事態宣言について、政府は十四日朝になって当初の方針を覆し、急遽、北海道、岡山県、広島県に緊急事態宣言を適用。政府と専門家との意思疎通が十分にできていないことが明らかになりました。
 ワクチン接種についても、接種予約システムは穴だらけ。期限ばかりを自治体に押し付ける政府の姿勢が各地で混乱を生み出しています。
 休業要請については、十分な補償がない上、休業を要請する業種と休業を要請しない業種の違いについて、政府による科学的な根拠、説明は一切ありません。説明責任すら果たせずに右往左往し迷走する政府の失政を棚に上げ、コロナ感染拡大を国民そして憲法のせいにするなんて言語道断です。
 新型コロナウイルスの対応というのなら、ワクチンを安定供給し、自治体の接種体制整備を国が全面的に支援すること、そして、大規模検査の実施と医療拡充、国民への生活保障が必要であり、今こそ憲法を生かした政治へと転換すべきであると申し上げ、発言といたします。
この発言だけを見る →
← 戻る