木村哲之の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(木村哲之君) ただいま御紹介にあずかりました公益社団法人全国老人福祉施設協議会で副会長をしております木村と申します。
 全国老施協は、特別養護老人ホームを始めとする一万一千の高齢者の介護福祉施設、事業所の会員から成る業界団体でございます。
 私は、昨年から新型コロナウイルス感染症対策を担当しておりましたので、この場にこうしていさせていただきます。
 参議院厚生労働委員会の委員の皆様方には日頃から高齢者介護の発展のために様々な御意見を頂戴しておりまして、この場をお借りしまして御礼を申し上げます。また、本日は、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
 高齢者介護施設の入所者は、要介護度も高く、感染症に対する抵抗力が低いため、一たび新型コロナウイルスに感染いたしますと非常に重症化しやすく、また最悪お亡くなりになることも、そういう危険性も非常に高くございます。
 このような中で、現場職員は、日々の介護業務において細心の予防措置を講じているだけでなく、施設に感染を持ち込まないようにプライベートの行動までも制限をして、本当に献身的な努力を続けております。我が国の新型コロナの感染者や死亡者数が諸外国に比べて比較的低く抑えることができているのは、このような介護施設における感染の発生を最小限に食いとどめる努力が大いに寄与しているものと自負しております。
 こうした状況を踏まえて、本日は時間も限られておりますので、ポイントを三つに絞ってお話をさせていただきたいと思います。
 一つ目は、退院基準を満たした方の受入れについてでございます。
 これは、昨年末に事務連絡が発出され現場に周知されたもので、さらに、この二月には、それを促すための退所前連携加算が算定可能であることが示されました。この加算は他施設の入所者の場合に限ったものでございますけれども、病床の逼迫を抑えるためにも退院基準を満たした方を適切に介護施設や一般の医療機関等に移さなければなりません。しかしながら、介護施設の中にもその受入れに関して消極的なところがあり、検査で陰性であることを求める声もあります。
 一つ、茨城県での事例をお話しさせていただきます。今年になって発生した介護施設における大規模なクラスターにおいて、近隣の施設数か所が退院患者さんの受入れに名のりを上げたのですが、患者様の御家族様がほかの施設への入所を拒まれたということがございます。退院、元の施設に戻るのであればいいんですけれども、ほかの施設に行って、そのほかの施設で一例目になりたくないというのが御家族様のお気持ちだったというふうに聞いております。既に感染性は低いのでほかの方にうつすことはありませんよと申し上げても、それはなかなか聞いてもらえなかったということはございました。
 検査体制が拡充されてきた一方で、検査で陰性であるということがイコール治ったという、検査のみをよりどころとする意識が強くなってしまいまして、退院基準を満たせば仮に陽性であってもほとんど感染性はない、つまり人にうつすことはないという認識が非常に薄いことに要因があるのかなというふうに考えております。その点について、介護施設はもとより、一般の市民の皆様に向けても、より丁寧な科学的根拠に基づいた退院基準についてのアナウンスが必要ではないかなというふうに考えております。
 続いて、ポイントの二つ目として、病床逼迫時の入所継続の件でございます。
 現在、大阪、兵庫を中心とする近畿圏や、これからまさにこの首都圏、感染者の拡大に伴い多くの自治体で新型コロナ病床が逼迫している状況にあると承知しております。このような状況下で介護施設内で感染者が発生した場合、一定の条件の下で医療機関へ入院をさせずに介護施設内でそのまま入所を続ける、継続するような自治体からの指示を受けることがあるものとされております。
 このことについては、国で定められたルールであり、介護施設としても対応しなければならないと考えておりますが、実際上は、感染者に対する治療設備も専門的な知識もない中で、ほかの入所者への感染拡大の危険性も非常に大きく、大変不安に感じているのが実情でございます。
 このため、施設内の感染者の入院については最大限の御配慮をお願いしたいとともに、仮に入所継続となった場合には、感染症に関する専門知識を有する看護師等の派遣など、入所継続措置の前提となる諸要件を遵守お願いしたいと思います。
 また、この度、新型コロナ患者となった介護施設の入所者に対して、老健、老人保健施設や介護医療院の併設保険医療機関等の医師や特養の配置医師が診療をした場合、一部診療報酬が算定できるようになり、また、その自己負担分を交付金の対象とする特例について対象の拡大が認められたと聞いております。
 一方で、既に医療機関には新型コロナ病床を設けた場合の補助金制度が設けられているとも聞いております。しかしながら、入院による治療ができずに介護施設内で療養をした場合においては、現在、その介護施設側に対してはそれに準じた措置がないことから、介護施設側の負担や努力に対しても何らかの経済的な支援措置を御検討いただけると有り難いと思っております。
 最後に、ワクチンについてでございます。
 どのようなワクチンであってもその効果には副反応が付き物でございますので、接種する御本人の意思が重要であり、同調圧力や強制によるものでなく、御本人の希望を尊重することが大前提であると考えております。
 御本人が接種を受けるかどうかを適切に判断するに当たり、効果と副反応に関する情報を踏まえることが何よりも大切かというふうに思っております。そのことに関する正確な情報の提供をいただくようお願い申し上げます。そして、その上で、高齢者介護施設従事者については入所者と同時に接種を受けることが可能とされていることから、接種を希望する従事者についてはその希望に応えて同時接種が実現できるよう、特段の御配慮をお願いしたいと思っております。
 私の方からは以上でございます。ありがとうございます。

発言情報

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発言者: 木村哲之

speaker_id: 17324

日付: 2021-05-06

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会