厚生労働委員会

2021-05-06 参議院 全133発言

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会議録情報#0
令和三年五月六日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     音喜多 駿君     東   徹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 克巳君
    理 事
                石田 昌宏君
                自見はなこ君
                石橋 通宏君
                矢倉 克夫君
                足立 信也君
    委 員
                衛藤 晟一君
                こやり隆史君
                島村  大君
                そのだ修光君
                羽生田 俊君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
               三原じゅん子君
                打越さく良君
                川田 龍平君
                田島麻衣子君
                福島みずほ君
                塩田 博昭君
                山本 博司君
                東   徹君
                梅村  聡君
                田村 まみ君
                倉林 明子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   参考人
       公益社団法人全
       国老人福祉施設
       協議会副会長   木村 哲之君
       国立研究開発法
       人国立国際医療
       研究センター国
       際感染症センタ
       ー国際感染症対
       策室医長     忽那 賢志君
       一般社団法人つ
       くろい東京ファ
       ンド代表理事   稲葉  剛君
       港区みなと保健
       所長       松本 加代君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (新型コロナウイルス感染症対策に関する件)
    ─────────────
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小川克巳#1
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、音喜多駿君が委員を辞任され、その補欠として東徹君が選任されました。
    ─────────────
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小川克巳#2
○委員長(小川克巳君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、新型コロナウイルス感染症対策に関する件を議題といたします。
 本日は、本件の調査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、公益社団法人全国老人福祉施設協議会副会長木村哲之君、国立研究開発法人国立国際医療研究センター国際感染症センター国際感染症対策室医長忽那賢志君、一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事稲葉剛君及び港区みなと保健所長松本加代君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、木村参考人、忽那参考人、稲葉参考人、松本参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、一時間四十分程度質疑を行います。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず木村参考人からお願いいたします。木村参考人。
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木村哲之#3
○参考人(木村哲之君) ただいま御紹介にあずかりました公益社団法人全国老人福祉施設協議会で副会長をしております木村と申します。
 全国老施協は、特別養護老人ホームを始めとする一万一千の高齢者の介護福祉施設、事業所の会員から成る業界団体でございます。
 私は、昨年から新型コロナウイルス感染症対策を担当しておりましたので、この場にこうしていさせていただきます。
 参議院厚生労働委員会の委員の皆様方には日頃から高齢者介護の発展のために様々な御意見を頂戴しておりまして、この場をお借りしまして御礼を申し上げます。また、本日は、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
 高齢者介護施設の入所者は、要介護度も高く、感染症に対する抵抗力が低いため、一たび新型コロナウイルスに感染いたしますと非常に重症化しやすく、また最悪お亡くなりになることも、そういう危険性も非常に高くございます。
 このような中で、現場職員は、日々の介護業務において細心の予防措置を講じているだけでなく、施設に感染を持ち込まないようにプライベートの行動までも制限をして、本当に献身的な努力を続けております。我が国の新型コロナの感染者や死亡者数が諸外国に比べて比較的低く抑えることができているのは、このような介護施設における感染の発生を最小限に食いとどめる努力が大いに寄与しているものと自負しております。
 こうした状況を踏まえて、本日は時間も限られておりますので、ポイントを三つに絞ってお話をさせていただきたいと思います。
 一つ目は、退院基準を満たした方の受入れについてでございます。
 これは、昨年末に事務連絡が発出され現場に周知されたもので、さらに、この二月には、それを促すための退所前連携加算が算定可能であることが示されました。この加算は他施設の入所者の場合に限ったものでございますけれども、病床の逼迫を抑えるためにも退院基準を満たした方を適切に介護施設や一般の医療機関等に移さなければなりません。しかしながら、介護施設の中にもその受入れに関して消極的なところがあり、検査で陰性であることを求める声もあります。
 一つ、茨城県での事例をお話しさせていただきます。今年になって発生した介護施設における大規模なクラスターにおいて、近隣の施設数か所が退院患者さんの受入れに名のりを上げたのですが、患者様の御家族様がほかの施設への入所を拒まれたということがございます。退院、元の施設に戻るのであればいいんですけれども、ほかの施設に行って、そのほかの施設で一例目になりたくないというのが御家族様のお気持ちだったというふうに聞いております。既に感染性は低いのでほかの方にうつすことはありませんよと申し上げても、それはなかなか聞いてもらえなかったということはございました。
 検査体制が拡充されてきた一方で、検査で陰性であるということがイコール治ったという、検査のみをよりどころとする意識が強くなってしまいまして、退院基準を満たせば仮に陽性であってもほとんど感染性はない、つまり人にうつすことはないという認識が非常に薄いことに要因があるのかなというふうに考えております。その点について、介護施設はもとより、一般の市民の皆様に向けても、より丁寧な科学的根拠に基づいた退院基準についてのアナウンスが必要ではないかなというふうに考えております。
 続いて、ポイントの二つ目として、病床逼迫時の入所継続の件でございます。
 現在、大阪、兵庫を中心とする近畿圏や、これからまさにこの首都圏、感染者の拡大に伴い多くの自治体で新型コロナ病床が逼迫している状況にあると承知しております。このような状況下で介護施設内で感染者が発生した場合、一定の条件の下で医療機関へ入院をさせずに介護施設内でそのまま入所を続ける、継続するような自治体からの指示を受けることがあるものとされております。
 このことについては、国で定められたルールであり、介護施設としても対応しなければならないと考えておりますが、実際上は、感染者に対する治療設備も専門的な知識もない中で、ほかの入所者への感染拡大の危険性も非常に大きく、大変不安に感じているのが実情でございます。
 このため、施設内の感染者の入院については最大限の御配慮をお願いしたいとともに、仮に入所継続となった場合には、感染症に関する専門知識を有する看護師等の派遣など、入所継続措置の前提となる諸要件を遵守お願いしたいと思います。
 また、この度、新型コロナ患者となった介護施設の入所者に対して、老健、老人保健施設や介護医療院の併設保険医療機関等の医師や特養の配置医師が診療をした場合、一部診療報酬が算定できるようになり、また、その自己負担分を交付金の対象とする特例について対象の拡大が認められたと聞いております。
 一方で、既に医療機関には新型コロナ病床を設けた場合の補助金制度が設けられているとも聞いております。しかしながら、入院による治療ができずに介護施設内で療養をした場合においては、現在、その介護施設側に対してはそれに準じた措置がないことから、介護施設側の負担や努力に対しても何らかの経済的な支援措置を御検討いただけると有り難いと思っております。
 最後に、ワクチンについてでございます。
 どのようなワクチンであってもその効果には副反応が付き物でございますので、接種する御本人の意思が重要であり、同調圧力や強制によるものでなく、御本人の希望を尊重することが大前提であると考えております。
 御本人が接種を受けるかどうかを適切に判断するに当たり、効果と副反応に関する情報を踏まえることが何よりも大切かというふうに思っております。そのことに関する正確な情報の提供をいただくようお願い申し上げます。そして、その上で、高齢者介護施設従事者については入所者と同時に接種を受けることが可能とされていることから、接種を希望する従事者についてはその希望に応えて同時接種が実現できるよう、特段の御配慮をお願いしたいと思っております。
 私の方からは以上でございます。ありがとうございます。
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小川克巳#4
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、忽那参考人にお願いいたします。忽那参考人。
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忽那賢志#5
○参考人(忽那賢志君) 国立国際医療研究センターの忽那と申します。
 私は、国際医療センターという病院で感染症専門医をやっておりまして、現在、医師十七年目、国際医療センターに来て十年になりますが、この十年間で特に新興感染症の対策というものに従事をしてまいりました。
 まず、その中で、最初に感染症専門医の育成の重要性についてお話をさせていただきたいと思います。
 これまで、新興感染症、例えばエボラ出血熱のような感染症に対して、日本全国に感染症指定医療機関というものが配置されてまいりました。ただ、それは、今回のような新型コロナウイルス感染症のようにすごく大規模でこれだけ患者数が発生するようなものが想定されていたものではなかったというものになります。具体的にはMERSとか、広がるとしても特定の病院で診療できる規模のものが想定されて対応が行われてきたということですが、今回のような新型コロナの流行を起こることが今後もあり得るということを考えますと、より次回、次にパンデミックが起こった場合にも次の対応ができるような準備というものを今後はしていかないといけないだろうというふうに考えております。
 しかし、日本国内の医学部における感染症の教育、そして専門家の育成というのはまだまだ不十分なところがございます。私は山口大学を卒業したんですけれども、系統立った感染症の教育を十分に受けられたかというと、当時はそうではなかったと言わざるを得ませんし、多くの大学医学部でそのような状況がありました。近年は改善されてきてはいますけれども、こうした感染症の知識ですね、基礎知識というものが医療従事者全体においてもまだまだ不足しているところは否めないかと思いますので、医学部あるいは医療従事者全体にこうした感染症の基本的な教育、感染対策、これを行っていくということが今後の課題の一つではないかというふうに考えております。
 私は感染症専門医ではありますが、まだ全国に千五百人くらいの専門資格を持った人しかいないということで、ほかの診療科に比べるとまだまだ少ない領域になります。
 今回の新型コロナウイルス感染症、もちろん感染症専門医だけが診ているわけではなくて、呼吸器内科の先生方、集中治療医の先生方、救急科の先生方などなど診ていただいていますが、診療と感染対策両方をリードするという意味においては感染症専門医が病院の中で役立つ機会というのは多いと思いますが、感染症専門医が全国的に不足しているという状況は現在あると考えておりますので、感染症専門医、そして、私の領域とは異なりますが、集中治療医ですね、集中治療医も数としては不足しておりますので、この二つの領域の専門医の育成ということも次のパンデミックの前に備えて準備をしていくべきかというふうに考えております。
 次に、病床確保の問題についてですが、病院の臨床医をしていて思っていることを述べさせていただきます。
 実際に、病院の中で働いていると、コロナの病床確保に関しては、もちろんたくさんの患者さんを診れればそれにこしたことはないんですけれども、幾つかやはり課題がございます。
 それは、一つはやはり経営の問題がありまして、コロナの患者さんをたくさん受ければ受けるほど通常の診療が行えなくなるということもありますし、最近は少なくなりましたけれども、やはりコロナの患者さんを診ている病院というところにほかの疾患の患者さんが来たがらなくなるというような問題が特に一年前の今頃はありましたので、そういう意味で非常に経営的な問題があるということと、あとは、感染症指定医療機関以外の病院では、そういうまあ風評被害と言うとあれですけれども、コロナを診ている病院にはなかなか患者さんが来ない、来ていただけないという問題があって、なかなかその受入れが進まなかったというところがあるかと思います。ただ、この辺りは、最近はコロナを診ている病院というのも一般的になってきたかと思いますので、解決が少しずつ進んでいるところかと思います。
 あとは、コロナの患者さんを診るスタッフの数ですね。病床だけ増やしても、スタッフの確保というのがなかなかうまくいかないことがあります。それは特に看護師さんの数であったりとかですね。
 当院も、今、元々は結核の病床として使っていた四十床を主に使っていますけれども、そこに患者さんが全員入ると、これまでそこの病棟にいた看護師さんの数では足りないんですね。これはなぜかといいますと、やはり、個人防護具を一人一人患者さんに来て着脱して診療する、そういうことをしていると通常のやはりスタッフの数では足りないので、同じ患者数であってもコロナの患者さんとそうでない患者さんを診るのに必要なスタッフの数というのは異なるということで、やはりスタッフの確保が問題になりますし、長期間やはりコロナの患者さんの診療をしていると非常にストレスがたまってきますし、中にはやはりその精神的なストレスにかなり悩まされている人も出てきますので、長期間やはりずっと同じ病棟で働くということもだんだんと困難になってくるというようなところがあります。
 そうした中で、コロナの患者さんを診療する医療従事者を増やすためにどうすればいいのかということなんですけれども、一つは、医師に関しましては、現状、感染症専門医、呼吸器内科医、集中治療医などの数は限られておりますので、一方で、この一年間でコロナに関して分かってきたことがかなりたくさんございます。
 基本的には均一の病態、つまり同じ感染症で同じような経過をたどって悪くなっていくということが分かっていますので、絶対に感染症専門医でないと診れない、呼吸器内科医でないと診れないということでもなく、専門家のサポートの下で診療することは十分可能かと思いますので、今後はあるいは内科、外科の先生も診療に関わっていただくことでより多くの患者さんを診療できるようになるのかなというふうに考えておりますので、特に現在、医療従事者のワクチン接種が進んでおります。そうすると、我々も感染のリスクがだんだんと下がってきておりますので、そうした中で、今後、他の診療科の先生方に関わっていただくということも大事なのかなというふうに考えております。
 もう一つは、ほかの、これまでコロナを診ていなかった病院にも診療に参加をしていただくということも今後は広げていくべきかと考えております。これも、やはり感染のリスクということで診療をなかなかしにくかった医療機関も、ワクチン接種によってやはり感染のリスクが減ってきたということがあります。
 問題としては、やはり感染症の専門家が不在の中でコロナの診療をするというところに課題がございましたので、そうした医療機関には、例えば自治体から専門家の派遣をして感染対策の指導、例えばゾーニングであるとか個人防護具の着脱ですとかそういったことを指導する、そういう体制があるとほかの病院でもコロナの患者さんを診療しやすくなるのかなというふうに思っておりますし、診療が、急性期の患者さんが診療できないまでも、回復した方、いまだ当院も、コロナから良くなったけれどもリハビリを続けないといけないと、そういう方で、最近はスムーズになってきましたけれども、転院がうまくいかないような事例があります。そうした病院に受け入れていただけるように、もう少しこれがスムーズになると、急性期を診る医療機関としても有り難いなというふうに思っております。
 次に、自宅療養者のケアについてですが、現在、関西では自宅療養者が非常に増えており、重症化している方も中にはいらっしゃいます。こうした本来入院が必要な中で入院できないような患者さん、高齢者や特に基礎疾患のある方が増えてきております。こうした方々に、十分な医療は提供できないまでも、例えば薬剤ですね、コロナの中等症以上の方、酸素投与が必要な方には例えばレムデシビルという点滴の薬があります、そしてデキサメタゾンというステロイドの薬がありますが、これらは有効性が科学的根拠をもって示されている薬剤になりますが、こうした薬剤を自宅療養者、あるいはホテル待機の方であっても投与できるような枠組みが必要ではないかと考えております。特に、在宅の診療をされている先生方や開業医の先生方の御協力をいただいて、そうした自宅療養の患者さんにも重症化リスクの高いような方、あるいは重症化してきて入院ができないような方にケアができるような仕組みが、特に入院が、医療機関が逼迫して自宅療養者が増えている時期には必要ではないかというふうに思っております。
 最後に、ワクチン接種についてですが、現在、高齢者を中心にワクチン接種が進んでいると思いますが、高齢者、そして今後基礎疾患のある方にワクチン接種が進むことで、今後入院が必要になるような重症者が恐らく確実に減ってくるだろうと考えております。ですので、高齢者が六月、七月ぐらいに完了するとすれば、それ以降、重症者の患者さん、かなり減ってくると考えておりますので、既に現在計画されているとは思いますが、ワクチン接種については引き続き高齢者、基礎疾患のある方から接種を進めていただければ、医療機関としても今後大変助かるというふうに考えております。
 私からは以上になります。貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
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小川克巳#6
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、稲葉参考人にお願いいたします。稲葉参考人。
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稲葉剛#7
○参考人(稲葉剛君) 一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事の稲葉剛と申します。本日は、貴重な機会を与えていただき、ありがとうございます。
 私からは、コロナ禍における生活困窮者支援活動の現場からの報告と、そこから見えてきた公的支援の課題についてお話ししたいと思います。
 五月の三日と五日に私たちが開催したゴールデンウイーク大人食堂には、二日間で約六百六十人もの方々が来られました。コロナ以前、こうした食料支援の現場に来られる方のほとんどが中高年の単身男性でしたが、今では十代、二十代の若者、女性、お子さん連れ、外国籍の方など、世代や国籍、性別を問わず様々な方が支援を求めて集まるようになっています。私はこれまで二十七年間、生活困窮者支援の活動を続けてきましたが、これほどまでに多く多様な方々が困窮しているという状況は、バブル崩壊後、リーマン・ショックを含め、過去に見たことがありません。
 この一年間、民間で生活困窮者支援に関わる私たちは、貧困の現場では緊急事態が発生している、社会の底が抜けていると言い続けてきました。しかし、各地の炊き出しに集まる人の数は増え続け、日々最悪の事態を更新し続けています。
 首都圏の四十団体以上のネットワーク、新型コロナ災害緊急アクションでは、メールフォームによる相談窓口を開設し、この一年間に六百件以上の相談に対応するとともに、所持金が数十円しかない、今晩から野宿をせざるを得ないといった緊急性の高い相談にはスタッフが現場まで駆け付けて支援をするというアウトリーチ型の支援活動を続けてきました。今年に入り、コロナ禍の長期化に伴い、経済的困窮だけではなく精神的にも疲弊し切っている方々からの相談が増える傾向にあり、死ぬことを考えていると話す二十代、三十代の若者からのSOSが急増しています。
 私は、昨年春以降、貧困の急速な拡大に対応するためには、最後のセーフティーネットである生活保護を徹底的に活用すると同時に、その手前の支援策も大幅に拡充する必要があると訴えてきました。しかし、政府は、昨年に一度十万円の特別定額給付金を支給しただけで、社会福祉協議会の特例貸付けを拡充するということで急場を乗り切ろうとしました。コロナの長期化を踏まえ、特例貸付けは今年二月に二百万円まで増額されたため、現在、貸付けの二つのメニューの総額は八千四百億円を超え、申請件数は二百九万件を超えています。その結果、現場では何が起こったのでしょうか。
 関西社協コミュニティワーカー協会が全国の社協職員千百八十四人を対象に実施したアンケートには、次のような社協職員の声が寄せられています。貸付け以外の支援施策がいまだ打ち出されないことが相談現場で苦しい、延長まで借り切った人や年齢的に就労につながらない人たちにどう支援していいのか悩む、また、そもそも仕事が少ない、苦しい状況の人に借金をさせている、これが福祉なのか疑問に思う、金銭面での支援が必要なのであれば貸付けではなく給付という形で検討してもらいたい、今のままでは生活ができず貧困によって亡くなる方が増えそうで心配です、コロナの影響がこれだけ長期化することを国のリーダーや識者も含めて誰も知り得なかったのかという疑問がある。コロナ禍における政府の最大の貧困対策が給付ではなく貸付けであったということについて、現場の職員が最も矛盾を感じているのです。また、丁寧な相談支援ができないジレンマを全体の七六%の社協職員が抱えており、生活保護につなげようにも福祉事務所の窓口で拒否されるので今後の支援に悩んでいるという声もありました。
 社協の貸付けについては借受人と世帯主が住民税非課税世帯であれば償還を免除するという方針が示されていますが、この収入基準は厳し過ぎるので緩和すべきだと考えます。また、家賃の負担を少なくするために家族と同居して家計は別にしているという若者らが償還免除の対象から外されてしまう危険性もあると考えます。
 私の知り合いの社協職員は、貸付けの利用者はほかのカードローン、クレジット、リボ払い等も満額まで借りている人が少なくない、社協の貸付けを実際にほかの債務の返済に充てている人も多いと思われる、自殺者が多かった時代は多重債務による生活苦が主な理由だったが、その再来がもう目前まで来ているという感覚があると危機感を語っています。ほかの先進国と違い、現金の給付ではなく貸付けで対応しようとした弊害は余りに大きいと言わざるを得ません。
 最後のセーフティーネットである生活保護は昨年の秋以降申請者数が増え続けていますが、今年一月の申請者数は前年同月比で七・二%増と微増にとどまっています。民間の食料支援に集まる人がコロナ以前と比べて倍増しているのと対照的です。
 生活困窮者が増えているにもかかわらず生活保護利用が進まない背景には、三つの要因があると私は考えています。
 一つ目は、広報の不足です。厚生労働省は、昨年十二月より公式サイトにおいて生活保護の申請は国民の権利ですという広報を始めましたが、ネットでの広報には限界があります。一部の政治家が主導した過去のバッシングによって浸透してしまった生活保護に関するマイナスイメージを払拭するためには、テレビのコマーシャルや駅の広告など、様々なツールを活用した広報を行う必要があります。マイナンバーカード並みの予算を投入して広報を展開してほしいと望みます。
 二つ目は、各地の福祉事務所による水際作戦です。今年二月、生活に困窮して住まいを失った二十代の女性が横浜市神奈川区に相談に行ったところ、生活保護に関する様々な虚偽の説明をされ、追い返されてしまうという事案が発生しました。神奈川区は後日謝罪をしましたが、同様の水際作戦は各地で頻発しています。新型コロナ災害緊急アクションには、若いから生活保護はないと言われた、もっと仕事を真剣に探してはと言われ断られた、住民登録がないから駄目と言われた等、違法な追い返しをされたという相談が相次いでいます。こうした生活保護の窓口における水際作戦をなくすためには、生活保護のオンライン申請を導入すること、各自治体の窓口で相談者が手に取れる場所に申請書を置くことを求めます。
 三つ目には、制度上のハードルがあります。最大のハードルである扶養照会については、今年の四月以降、申請者の意向が一定程度尊重される運用に変わりましたが、まだ現場では徹底されていません。更に一歩進め、申請者の同意がなければ親族に連絡をしてはならないということを明記した通知を厚生労働省から出してほしいと願っています。
 また、車の保有や申請時の預貯金額などの資産要件も大幅に緩和し、生活保護の利用者数を政策的に増やしていくことが求められています。二〇一三年以降引き下げられてきた生活扶助基準も元に戻す必要があります。生活保護の手前においてもう一度一律の給付金を支給する、住居確保給付金の支給期間を撤廃して普遍的な家賃補助制度へと改変するなどの現金給付を思い切って拡充すると同時に、生活保護そのものも使いやすくしていくという両面作戦を行わなければ、現下の貧困拡大には対応できません。
 また、難民申請中で仮放免の方も含めて、制度から排除されてしまっている外国籍の方々の医療や住まい、生活を保障する支援策を行わなければ命の問題に直結すると大変危惧をしています。
 自助も共助も限界だ、今こそ公助の出番だと私たちは一年間叫び続けてきました。しかし、生活困窮者支援の現場では、依然として公助の姿は見えません。政府は一体どこにあるのでしょうか。この国に政府が存在しているということが貧困の現場からは見えないのです。
 今この瞬間、家を追い出されて路上生活へと追いやられていく若者たちがいます。今この瞬間、おなかをすかせている子供がいます。その子供のために炊き出しに並ぶ親御さんがいます。そして、今、命を絶つことを考えている大勢の人たちがいます。その人たちに向けて、日本には政府がある、人々の命と暮らしを守る政府があるんだということを行動で示してください。貧困に苦しむ人々の声を聞く政治があるということを今すぐ行動で示してください。
 私からの報告とお願いは以上とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
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小川克巳#8
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、松本参考人にお願いいたします。松本参考人。
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松本加代#9
○参考人(松本加代君) 私は、港区みなと保健所長の松本加代と申します。このような貴重な発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 保健所は、地域の健康危機管理対応のほか、母子保健、精神保健、医療連携など幅広い業務を行い、地域の公衆衛生行政を担っています。どれも住民の生活に不可欠なものであり、この平時の業務を守りつつ、新型コロナウイルス流行への対応を長期に続けているのが現状です。
 しかし、新型コロナウイルスの対応の混乱の中で、従来のサービスを中止や延期せざるを得ないことが各地で起きました。例えば乳幼児健診、エイズ検査などが中止になったりもしました。もちろん、これは苦渋の決断です。止めざるを得なかったわけです。
 それはなぜかといいますと、混乱の中で既に限界にぶつかっていたからです。ここまでの新型コロナウイルスへの対応業務を支えてきたのは、夜間や休日においても自分や家族との時間を削って業務に当たった職員の使命感や意識の高さです。全国の保健所関係者、そしてそれを支えてくださっている医療関係者、住民の皆様の協力によるものです。しかし、このような中で、自ら体調不良となり職場から離れざるを得ない人、復帰できずにいる人たちがいるのも事実です。個々の使命感への依存や非常時のような緊張を長期に続けていくのはもう無理です。
 感染症を広げない、命を落としたり健康を害する人が一人でも減るよう、そして混乱を最小限にして経済や社会の機能を維持するために保健所が貢献する四つの課題について話させていただきます。
 初めに、感染症医療体制のオペレーションの確立と責任の明確化です。
 通常、一般の病気における入院患者の調整は、患者を実際に診察している医師らによる病診及び病病連携の仕組みの中で行います。しかし、新型コロナでは、直接患者に会っていない保健所が間に入り、患者や都道府県等の調整担当、医療機関に連絡をする構造となっています。御本人と医療機関、時には救急隊を挟み、伝言ゲームのようなこともあり、大変時間が掛かります。特に、夜間と土日はそこの調整が現場の大きな負担となっています。
 入院が必要な方や急変した方への対応の遅れは命に関わる問題になります。感染症医療体制の整備は、病床数の確保だけではなく、病院や宿泊への搬送車の手配を含めた全体のオペレーションが機能するよう、具体的な整備を急いでいただけますようお願いいたします。また、その体制は、今後、他の感染症が出現したときにも活用できるものであってほしいと思います。
 二つ目に、これも至急でございますが、先ほど木村参考人からも述べられて重なる部分もございますが、介護、福祉の現場への感染症予防支援をお願いいたします。これは病床確保や医療逼迫の問題に大きく影響いたします。
 港区では、高齢者施設で感染者が把握されたら、迅速に調査や訪問指導、オンライン会議を開いて、これ以上感染症を広げないような介入をしています。しかし、この中で困難と感じることは、マスクや手洗いが困難な認知症の方の感染予防や入退院調整がとても大変なことです。
 PCR検査への補助金などで現在検査そのものはとても受けやすくなっていますが、それだけでは感染予防になりません。介護・福祉現場での環境整備など、感染予防への支援は不可欠です。医療には慰労金なども含め予算対応を進めていただいておりますが、介護、福祉の分野においても支援を進めることで、その結果、医療に掛かる負荷を減らすことが可能ですので、保健所の立場からも支援をお願いしたいと思います。
 三つ目は、ワクチン接種体制の支援についてです。
 イギリスやイスラエルのように短期間でより多くの人にワクチン接種を進めることは、この感染症との闘いを大きく変えます。医療従事者と高齢者のワクチン確保の見通しが立ったと聞いています。今後、ワクチンを最大限のスピードで接種が進められるよう、従来のやり方にとらわれず柔軟な現場対応ができるよう、是非国としての支援をお願いいたします。
 また、ワクチン接種記録の入力や予約管理などで運用上のミスを防ぐためにも、安定した行政手続基盤の整備を期待しています。
 また、今後はワクチン接種記録やPCR検査の結果をスマートフォン等で提示できるデジタル証明が社会活動、また留学、旅行、ビジネスなど国境を越えて活動をする人たちには重要になってきます。これを自治体単独で実現するのはとても難しいことです。
 また、自治体ごとにばらつきがあるのでは国際的な信頼が得られません。マイナンバー制度の情報提供ネットワークシステムを活用し、国として情報の管理化、一元化、国際標準化を急ぎ進めていただけますようお願いいたします。そうした情報提供体制や安全管理体制が整うことが国民の信頼につながり、ワクチン接種希望者が増え、接種率の向上につながると思います。
 第四に、オリンピック、パラリンピックなど国際的なイベントへの対応と短期滞在外国者への医療費負担についてです。
 開催が迫っているオリンピック、パラリンピックについて、アスリートとその関係者、大会運営に関わる人たちが来日します。アスリートの方々は厳しい感染対策を含めた体調管理をされていますが、それ以外の関係者の中にはそこまで厳密な管理をされていない人もいます。日本国内で新型コロナウイルスに暴露、感染する人もいるかもしれません。
 現在、都内では感染者が増加傾向にありますので、保健所で住民の支援を行いながら対応、追加の対応をすることはとても難しい状況です。国を挙げてこのイベントを安全に遂行するために、イベント関係者専用の対応スキームや施設をつくっていただき、住民の医療に負荷が掛からないようにお願いいたします。
 また、短期滞在外国人が受診した場合、日本人とは異なる支払の問題が生じます。これは、全額自己負担だからです。未収金などが発生しないよう、来日する外国人には旅行保険など医療費がカバーされる保険加入を義務付けてください。これは、他の国では既に導入されている仕組みです。
 また、新型コロナウイルス感染症では、勧告入院した場合の医療費は個人負担がありません。健康保険を利用して自己負担分を公費でカバーされています。しかし、保険証をお持ちでない外国人は、加入している保険会社が支払可能でも全額公費で処理されています。つまり、外国人が滞在しているホテルのある自治体や国が一〇〇%負担をしているという状況です。これは、法律などを変えなくても運用で対応できるとのことですので、保険会社への支払で処理できるよう、早急に通知の発出などの対応をお願いいたします。
 最後に、オリンピック、パラリンピック開催期間中、海外からの入国者や国内から集まる人たち、つまり住民以外の短期滞在者への医療については、国や東京都が独自に臨時の施設や医療者を確保するなど御準備をお願いします。保健所には現在、管轄内の住民サービス以外の対応をする余裕はございません。
 私からは四つのお願いを申し上げさせていただきました。
 以上になります。ありがとうございました。
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小川克巳#10
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名し、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られるよう、答弁を含めた時間が質疑者一人当たり五分以内となるように御協力をお願いいたします。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 自見はなこ君。
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自見はなこ#11
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 今日は連休明けというか中日でございますけれども、それぞれの先生方、関係者の皆様におかれましては、この連休間変わりなくコロナ対応に当たっていただいているんだろうと思います。改めて、この一年余にわたります皆様の働きに心からの感謝と敬意を表したいと思います。
 時間限られておりますので、皆様それぞれに質問したいのですが、一巡目では質問が行き渡らない可能性もあることをお許しいただけたらと思います。
 まず、木村副会長にお尋ねをしたいと思います。
 今、現場のお話を聞いて、家族が転院を希望されないという、本当にこれ現場ではこういうことあるんだろうなというふうに思いましたが、やはり現在、現状といたしましては、施設で例えばクラスターなどが出た場合は、恐らくはその施設の中にいていただいて、そこに感染症なりの専門の知識を持った方が入っていただいて、そこを実質病棟化して管理しているというのが現状じゃないかと思うんですが、昨年来から、厚労省の老健局においては、そういったことにも事前に、事前から対応できるようにということで様々な補助金も含めて御提案をしていると思います。それが具体的に、現場では例えば事前から専門の感染症の先生方や看護師さんたちに入っていただいてそういった対策をするようなスキームとか、自治体との連携とか、具体的にどうなっているのかという現状を教えていただけたらと思います。
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木村哲之#12
○参考人(木村哲之君) 自見先生、ありがとうございます。
 御質問にありました今現状のそのクラスター、それから病床逼迫時の入所継続ですね、そういったところの対策については、これは各都道府県ごとによって若干違いはあるかなと思います。
 私は茨城県なんですが、茨城県は、医師会が中心になって、老健協、それから老施協、こういったところが新型コロナウイルス地域医療・介護連携推進会議というのを発足いたしまして、この年明けから、毎週、オンライン会議などでそういった病床の逼迫状況ですね、それから感染状況、それから退院患者の受入れについての意向など、施設ごとに違いますので、そういったものの情報共有、そういったものをしています。
 あと、様々、昨年度、補正予算等で本当に介護施設に対しても補助いただきました。その中で、陰圧装置であるとかそういったものを購入することもできましたし、掛かり増し経費などで必要とされたものについては対応させていただきました。本当にありがとうございました。
 ただ、やはり施設の規模、それから施設の形態、建物の造りも含めてそれぞれもう違いまして、個室だけの特養なのか、あるいは従来型と言われる多床室を持つ特養なのか、食事三回あります、日に三回食事がありますけれども、食事の仕方についても本当に大人数で食堂で食べる施設なのか、個室ユニット型のような十人程度で食べるものなのか、施設の形態によっても随分違ってきます。
 ですから、本当にその個別の対応というのはなかなか十分ではないと思っていますし、またそういった専門職等の配置、またあるいは連携、日頃からのそういったものについてはなかなか地域差もありますので、ちょっと難しい状況にあるかなというふうには感じております。
 以上です。
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自見はなこ#13
○自見はなこ君 ありがとうございます。
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小川克巳#14
○委員長(小川克巳君) 自見はなこ君。
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自見はなこ#15
○自見はなこ君 失礼いたしました。はい。
 ありがとうございました。
 時間、四十五分までということで、一旦ここで終了させていただきますが、現場で、例えば茨城県ですと大変な良い連携の下で話が進んでいるということを聞けて良かったと思いますし、また、協会全体の、協議会全体のお立場としては、それが四十七都道府県すべからく行われるように是非見ていただきたいとも思っておりますので、これからもよろしくお願いします。
 これで終わります。
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小川克巳#16
○委員長(小川克巳君) 石橋通宏君。
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石橋通宏#17
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。
 今日は、四名の参考人の皆さん、本当に連休明けのお忙しい時期にありがとうございます。大変貴重な御発言、御提言をいただいたと思います。感謝申し上げたいと思います。
 冒頭、二問だけ質問させていただきます。
 まず最初に、稲葉参考人にお伺いいたします。
 先ほど冒頭お話しいただきました五月三日の大人食堂、私も現場へ行かせていただいて、状況を見させていただきました。本当にあれだけ多くの皆さんが支援を求めて相談にも来られていたと、ある意味本当に衝撃を受けました。本当に日頃からの御尽力に敬意を表したいと思いますが、今日お話にもありましたけれども、実は、稲葉さんが書かれた「コロナ禍の東京を駆ける」という書籍も読ませていただきました。改めて昨年来の現場の状況をまざまざと見せ付けて、見せ付けられた思いがしますが。
 今日もお話ありました。いまだになぜ水際作戦があれだけ自治体で展開をされているのか。なぜ貧困ビジネス、住居、皆さん住居ファーストということで住まいが大事だという取組をされておりますが、これでもコロナ禍にあっても現場でいわゆる無低への誘導があからさまに行われていると。一体なぜこういうことが起こるのか、自治体間で大きな格差もあると理解をしておりますが、どうすれば解決ができるのか、もし我々に対して御提言があればお聞かせをいただければと思います。
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稲葉剛#18
○参考人(稲葉剛君) ありがとうございます。
 水際作戦の問題については、横浜市の水際作戦が起こって、横浜市でも市議会で議論が行われております。そんな中で、横浜市においては、厚生労働省は生活保護のケースワーカーの基準数、標準数を一人のケースワーカーが八十世帯を持つという計算をしているわけですけれども、それに照らし合わせてみると、横浜市全体では五十六人職員が不足しているという指摘が国からの監査で指摘があったというような報告が市議会の中でも語られていました。
 多くの自治体において、特に大都市部においては一人のケースワーカーが百世帯、百二十世帯を持っていると。そうすると、受付を担当する職員もケースワーカーに気兼ねをして、なるべくその人たちの仕事を増やさないようにという意識で対応してしまうので、追い返しを起こしてしまうというようなことがあるのではないかと思っています。
 このためには、やはりきちんとその正職員を、福祉事務所の正規職員を増やしていくことが必要だと思っています。厚労省は非正規を増やすための補助金は出していますけれども、非正規だとその人自身がまたワーキングプアになってしまうという問題もありますので、正規職員をきちんと増やしていくことが必要だと思っております。
 もう一つの問題につきましては、貧困ビジネスの規制については、厚生労働省の方でも無料低額宿泊所に対する規制と補助をセットにあったような政策を行っておりまして、徐々に改善されてきてはおりますけれども、例えば個室化ということについても、昨年度から改善が始まっておりますけど、三年間猶予をされているわけですね。その間にコロナの問題が起こってしまったということで、依然として相部屋の施設に入れられてしまうという問題が出てきております。
 根本的には、この問題というのは、やはり福祉行政と住宅行政がきちんと連動していない、国でいうと厚生労働省と国土交通省が連動していないという問題もあるというふうに考えています。一部の都道府県においてはコロナの影響で住まいを失った方に公営住宅を提供するというような施策も行われていますけれども、まだまだ規模が少ないということで、公営住宅の活用とか住宅セーフティーネット制度の活用を生活保護とか福祉行政と連携しながら行うことによって、速やかに住宅へと移行できるような対策、体制というのがつくれるんじゃないかなというふうに考えております。
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石橋通宏#19
○石橋通宏君 もう一問お聞きしようと思いましたが、ほぼもう五分が近づいたので、もう一問すると時間超えてしまいますので、ここで一旦やめておきます。
 ありがとうございました。
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小川克巳#20
○委員長(小川克巳君) 矢倉克夫君。
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矢倉克夫#21
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。
 四人の参考人の先生方、大変貴重な御意見ありがとうございました。時間も限られておりますので、まず、私からは、忽那先生に二点お伺いして、時間の許す限りほかの先生方にまた改めてお伺いしたいと思います。
 先ほど先生おっしゃっていただいた感染症を専門にされている方の育成、非常に重要であるし、私も委員会でも何度か質問もさせていただいた件であります。私の地元の埼玉県では、大体四十病院ぐらいで六十二名の感染症専門医の方がいらっしゃるんですが、今、県の方では、特に百床から二百床の中小の病院にそういう専門家の方を派遣をして研修をする、それは最終的には病床の確保という部分と院内感染を防ぐという取組をやっているわけでありますが、これに対する評価と、国としてどういうふうにそういう支援をしていく制度の在り方など、御所見あればいただきたいというのが一点目と。
 引き続きで恐縮ですが、今回のコロナ、やはり若い人に重症化がし得る、こういう変異が至っていることについて、どのような経過があってそういうふうな形になっているのか教えていただくことと、若い人々に対して、周りの人を守るとともに自分を守るために必要な行動ということに対してのメッセージをこの場をお借りいたしていただければと思います。
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忽那賢志#22
○参考人(忽那賢志君) 御質問ありがとうございました。
 まず、感染症専門医の育成に関してですが、そうですね、おっしゃるとおり、まだ各地域で感染症専門医と呼ばれる専門の資格を持った人、そして実際に指導に当たれる人の数が各地域で不足していると考えております。
 これは、まず一つには感染症のそのトレーニングを行う施設が少ないですね。感染症の専門医になるためには、指導医のいる指導施設というところで少なくとも三年の研修を受ける必要があります。それは、内科専門医などの元々の資格の上に更にプラス三年という研修を行う必要がありますので、そうした施設が限られるということで、元々感染症専門医が少ないので当然その指導できる人も少ないわけですけれども、そういったことがあるのでなかなか広がりにくいところがあります。感染症学会では、暫定的に感染症指導医でなくとも指導施設になれるというような措置をとった時期もございますので、こうした可及的に速やかに感染症専門医の育成が必要な場合においては、そうした移行措置というんですかね、そういう期間を設けて、多少その基準を緩めて感染症専門医を育成できるような措置があってもいいのかなと思います。
 あとは、大学病院などで感染症の専門医を育てられる、感染症の講座がある大学も、まだ全ての大学病院に感染症学の講座があるわけではございませんので、これは文部科学省からも感染症専門医の育成ということで予算が下りていると伺っておりますが、そうしたことも含めて各大学、大学病院などで感染症の専門医が育ちやすいような環境をつくっていただくのがいいのかなと考えております。
 もう一点の御質問ですが、現在の変異株ですね。これはどういう理由で若者も重症化しやすくなったのか、これはなかなか機序としては基礎の専門家でもなかなか御説明が難しいのではないかと思いますが、感染性が増すことで、そしてウイルス量が体の中で増えやすくなっていると言われておりますので、そうしたこともあってこれまで重症化していなかったような人でも重症化するようになっている、あるいは重症化するスピードが速くなっているというふうに理解をしております。
 そして、御指摘のとおり、若い方もこれはこれまでよりも重症化するリスクが高くなっておりますので、そうした方々、若い方々も含めて自分事として感染対策を受け止めていただくということが大事かと思いますし、この感染症の流行を抑えるためにはそうした若い方々も含めてワクチン接種をしていかないと長期的に収束は見込めないと思いますので、ワクチン接種をすることで感染そのものを減らすことができるということも分かってきましたので、自分も重症化するリスクもあるし、自分から周りの人に広げないためにもワクチンを打ちましょうということで、もちろん強制ではなく個人個人の判断でということにはなると思いますけれども、そうした情報を提供して、なるべく若い人も含めてワクチン接種をしていただくことが重要ではないかというふうに考えております。
 以上です。
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矢倉克夫#23
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 ほかにも、保健所の役割やオペレーションの在り方なども含めていろいろと参考になる御意見をほかの先生方からもいただきました。時間があればまた御質問させていただければと思います。
 ありがとうございます。
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小川克巳#24
○委員長(小川克巳君) 東徹君。
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東徹#25
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 まず、松本参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
 一つは、非常に感染が拡大したとき、当初は追いかけられていた濃厚接触者なんですけれども、感染が拡大したときとか非常に難しかったのではないのかなというふうに思います。そういう疫学調査、これは保健所の保健師さん以外にでもできるんではないのかなというふうに思ったりとかしておるんですが、その点について、例えば研修を受けたほかのスタッフであるとか、そういった方がやるというわけにはいかないのかどうかとかですね。
 そしてまた、先ほどオペレーションの話もありました。例えば、宿泊療養施設の確保とかそういったところの部分、また病院の確保とかそういったところもやっぱりやられてきたんだろうというふうに思うんですけれども、入院の段取りとかですね、そういったところもやられてきたと思うんですけれども、その辺のオペレーション、現場の経験からして、どういう形でやっていく、いけば今後いいのかというふうに、御自身のお考えがありましたら是非お聞かせいただければというふうに思います。
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松本加代#26
○参考人(松本加代君) まず、疫学調査についてです。
 疫学調査は、前回の第三波の流行期にも全て行っております。ただし、疫学調査の目的はその封じ込め、広げないというところなんですが、やはりやってきて、一年やってきて、同じことをやってきても流行は止まりません。そういう意味では、私たちが時間を掛けてやっている疫学調査がどういう効果を持って今の流行に影響をもたらしているかというところが実感として湧かなくなってきている、そこはとても職員としてはつらいところかなと。調査自体はあってはおりますが、そういう状況にあります。やはりそれは、忽那参考人も言われておりましたように、やはりワクチンじゃないかと。これ一年やってきて、保健所のこのような調査の先にあっても、やはりワクチンの接種の接種率の向上が日本を変えていくんじゃないかなと思っています。
 もう一つ、オペレーションの問題ですが、先ほどもお伝えしましたように、保健所が間に入ることで遅れていきます。結局、私たちは会っていない方の情報を医療機関の先生方から発生届という形で紙に書かれたもの、又はHER―SYSに入れられたものを基に、御本人と連絡を取って私たちが処遇を決めています。見えない方の処遇を決めるということに対する負担感、とても大きくなりますし、そうなると、少し広めに取って、やはり、じゃ、入院をさせておこうということになると病床の逼迫にもつながると思いますので、やはり直接入院調整に入るような、保健所を介さないような体制を取っていただければと思います。宿泊も同じです。
 以上です。
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東徹#27
○東徹君 ありがとうございます。
 あと、忽那参考人の方にもお伺いをさせていただきたいと思います。
 先ほども矢倉委員の方からもありましたが、変異株のことについてでありますが、今回のN501Yの変異株、またインド株のこともこれから、非常に恐れられておりますけれども、この点についても御自身の感じていることをお聞かせいただければと思います。
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忽那賢志#28
○参考人(忽那賢志君) 御質問ありがとうございます。
 変異株に関しては本当に脅威だと感じております。重症度が高くなる上に、更に感染性が強くなっている現在のイギリスを由来とする501Yの変異が入った変異株に関しては、関西から広がっておりますが、東京でももう現在、入院患者さんにおいては九割ぐらいがもう変異株、イギリス由来の変異株の患者さんになっておりまして、重症化するスピードも速くなっているように感じますし、基礎疾患のない方でも重症化してきています。
 ですので、今までと同じ数の方が感染するだけでも、医療機関に掛かる負担というのはかなり増えています。恐らく感染性が強くなっていますから、患者もこれまで以上に増えるということになると医療機関への負担というのがますます大きくなる、そして今、大阪、兵庫で起こっているのは実際にそういうことが起こってしまっているということかと思います。
 インドの由来の変異株に関しては、まだ分かっていないことも多いんですが、現状、それほど数が多くない現状においては、今のうちに拡大しないように濃厚接触者の対応をしっかりするということで拡大させないということが重要ではないかと思います。
 以上です。
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東徹#29
○東徹君 ありがとうございました。
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