池島大策の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(池島大策君) 御質問ありがとうございました、三浦先生。
まさに、そこが私も今日の意見陳述の中で一番言いたかったことの一つであります。それが北極政策、国内の課題の中の筆頭に挙げたところなんですね。
北極で、我々研究者とか科学者、外交官、そういう者が何らかの形で関わって、北極評議会への関わりとか北極航路の在り方、それから観測事業についていろいろ言うのはいいんですが、それが実際に、じゃ、いわゆる一般国民にどう届いているのか、彼らにとってそれが何の利益になるのかということについて、やはり深い理解とそれに基づく支持がなければ、いわゆるタックスペイヤーとしての国民の本当のサポートは得られない。そこは、我々と、それからいわゆる北極評議会にいる八か国、中でも五の沿岸国は、まさに自ら、先ほどから申し上げているように、地域に根差した、直結しているわけですね。ただ、デンマークのように、グリーンランドが自国領だから、グリーンランドの場合と、そのデンマーク自身は少し離れたところで本国があるわけですけれども、そういう中にあって自国のその生活に直結したものだということが感じられないと、なかなか難しいということだと思います。
ですから、先生今紹介されたような「南極物語」とか「タロ・ジロ物語」のほかに「南極料理人」とか、そういうのがあると非常に身近に感じるような、南極の生活というものが我々の中にも親しみを持って感じられるところが南極についてはあるんですね。それは国家事業としてやはり観測事業をやってきたと。私も文科省の南極地域観測統合推進本部の委員をさせていただいて、外部評価委員等もさせていただいてきたので、そういうものを毎年年二回ぐらい観測隊を派遣をするときに、その評価その他で非常に如実に感じるところです。
まだ北極についてはそういう事業が成り立っていないと。ようやく、先ほどから出ているGRENE、ArCS、ArCSⅡまで来たと。これをいかにして事業の本格化を図り、それを南極に比するような形で、比較し得るような形に持っていけるかということが大事です。
じゃ、具体的にどうしたらいいのかというところが非常に難しいです。なぜならば、やっぱり大方の人にとって寒いということもありますけれども、あそこを通らなくても南の方から安全なところを回って航路を開発して輸送する方がはるかにいろんなメリットがあるんじゃないかと。三分の一、日数や費用をカットできるという議論もあるんですが、海賊はいないかもしれないと、ソマリアの近くとか、それからマラッカ海峡の辺り。でも、その寒さに耐え得るだけのインフラその他、それから仕様、訓練と、そういうものをやるコストというのはまだこれからなんですね。ましてや、砕氷船その他、それからいろんな役務をですね。
結局、ロシアの沿岸を通る、圧倒的にロシアに依存するという形をどう考えるかということですね。ロシアと友好関係を築けばいいということで皆さんが納得して日ロ関係が発展することがもちろん大事なんですが、それは、ある種の裏側では、じゃ、ほかの、先ほど言ったトライアングルの中で、日本はなかなか外交としても非常に機敏な、そしてちゃんとした、しっかりした軸のある形の外交を迫られることになるわけです。そういうものを国民に少しずつ共有して植え付けていってという形が教育の中でも必要なのかなという感じがしております。
以上になります。ありがとうございました。