池島大策の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(池島大策君) 御質問ありがとうございます。
ここがまさに今議論されていながら、なかなかその定着した、定まった見解がなかなか見出しにくいところです。
それはなぜかと申しますと、一般的に、その氷結していない海、海というのは、航行の自由とかですね、自由に利用して、漁業の自由とか、そういうことに代表されるように、使い勝手がいい、使えるからそういう法が必要だという認識が世界的に高まりを見せるわけですね。
ところが、北極海、一般的には、凍った海、国連海洋法条約、UNCLOSの中では二百三十四条、二三四ですね、二百三十四条という規定があるんですが、ここに氷結区域、氷結ですね、氷が結ぶ、氷結区域という規定が一条だけあるんですね。これは、先生御案内のとおり、七〇年代、特にUNCLOSを作っているときに、カナダ、ロシア、アメリカといったあの沿岸の国が、特に自分たちの北極の状況を反映させようとして作った文言なんですね。これ以外のほかのものも一般的には適用できるんですけれども、氷結区域についてはその沿岸国がかなりの部分影響力を持ち得るという内容の規定になっています。環境保護の分野とか、それから汚染についての責任とかそういうものを、国内法令を沿岸国が策定することが、権限を有するというような内容のものだったんですが。
そういう形で、先ほど私がそれを紹介したのは、結局、国際法としてのレベルのものと北極評議会その他国際機関等が作るガイドラインとかそういった勧告というものもあるけれども、沿岸国の法令というのをやっぱり無視できない。ましてや、その北極航路、それは、先ほど私も申し上げましたが、ロシアまたカナダも、こういった法令を遵守せざるを得ないと。そこを通っていくわけですね。地図にも出ましたけど、真ん中を通るというのはまだそれほど一般的なことではなくて、やっぱり一番多いのは日本であればロシアの沿岸ですね。これはすなわち、ロシアの領海又はEEZ、排他的経済水域を通航するということになります。すなわち、そこの権限の及ぶ海域を航行せざるを得ない。当然、エスコートその他の、いろんな形のインフラの利益、恩恵にあずかると。ですから、そういうことが実はあるんだというところです。
ですから、これの整備を、やっぱり北極海全体で比較的バランスが取れた形で秩序をこれからどうやってつくっていくかというのが課題であり、そういうことがないと安定した航路の運営というものはできないんですね。そのためには、じゃ、どこから領海を測る、基線と言いますけれども、基点を取ってその基線をつくり、そこから領海の幅とかEEZの幅、それから大陸棚、そういうことをまとめるのに実はまだ不安定な議論というのは続いている部分があります。
ですから、これ今後、まだ議論が本格化していくのを待たざるを得ないというのが私は現状かなというふうに認識しております。
ありがとうございました。