小谷哲男の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

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○参考人(小谷哲男君) 御質問ありがとうございます。
 尖閣有事、それから台湾有事というものは、かなり現実的な感覚を持って議論するべき時期に来ているということは間違いないと思いますし、アメリカの軍の司令官の発言、あるいは最近の日米2プラス2でも台湾に言及したということは、それも日米の当局者の間でそういう認識が広まっているということであろうと思います。
 まず、尖閣に中国が上陸してくる可能性、私はこれはかなり低いと思っております。中国の現状は、もう毎日のように尖閣周辺に海警の存在を示すことであたかも管轄権を行使しているように国内外に見せる、それで今のところは十分なんだろうというふうに思います。
 尖閣が危なくなる可能性が高いのは、台湾有事が起こった際、それに同時に尖閣に攻めてくるということは十分考えられると思います。あるいは、何らかの形で台湾が中国に統一されてしまった後に、やはり尖閣に圧力が強まるということがあろうかと思います。
 それはなぜかといいますと、中国の尖閣に対する主張は、これを台湾の一部として主張しているからです。仮に台湾が中国の領土になってしまえば、尖閣諸島が失われた領土として残ってしまいますので、しかも、台湾を持っていれば軍事作戦も非常にやりやすくなってきます。ですから、台湾の問題というのは尖閣の安全に非常に関係してくると思います。
 では、台湾はどれくらい危ないのか。
 確かに、六年以内にあるのではないかという見方が強まっています。来年、北京の冬季オリンピックがあります。そして、その先には、習近平国家主席が三期目を目指すという状況になってきます。この間は、恐らく中国は国内問題に集中しなければいけないので、周辺諸国との大規模な武力紛争というのは避けたいであろうと考えられますが、習近平国家主席が三期目をしっかりと固めて、そして、二〇二七年の人民解放軍建軍百年というものを見越したときに何らかの動きを示す可能性がやはり懸念されております。
 ただ、私は、それでもまだ二〇二七年は、台湾を武力で統一するというのは中国にとって余りにもコストが高過ぎるというふうに考えます。これが二〇三五年、四〇年となると、また話は変わってきますけれども。
 私が一番あり得るシナリオというのは、太平島という話もございましたが、台湾が実効支配している南シナ海の東沙諸島、ここが一番危ないのではないかと考えています。
 最近、人民解放軍が台湾の南西部で、特に海軍、空軍の活動を活発化しておりますが、そのすぐ先にあるのが東沙諸島です。東沙諸島は、軍のプレゼンスはありません。また、民間人は住んでおりません。一部台湾のコーストガードのプレゼンスがあるだけなので、非常に取りやすい。しかも、民間人がいないということで、ここを攻めても米軍が介入しない可能性がある。しかし、ここを攻めれば、習主席は台湾を統一するつもりがあるのだというその決意を国内外に示すことができます。
 ですので、この東沙諸島をめぐる危機というのが数年内にあってもおかしくはありませんが、その際、国際社会はそれにどのように対処するのか、果たしてアメリカはそれに対抗するのか、その辺りを含めて頭の体操をしておく必要があろうかと思います。

発言情報

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発言者: 小谷哲男

speaker_id: 2668

日付: 2021-04-14

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会