逸見真の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

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○参考人(逸見真君) 御質問ありがとうございます。
 先ほど、暫時減少しているというお話をさせていただきました。今ちょうど底を打ったということで、この数字はこれから大きく下がることはないように感じます。要するに、高年齢の船員が大分退職してしまったということもあります。そして、新しい船員が毎年毎年入ってくるという前提からしますと、そんなに数としては、急に増えることはありませんが、減ることはないだろうという感じがいたします。
 かつての五万何千人という規模まで、じゃ、戻るかといったら、多分これはないでしょうということになると思います。実際の日本の海運、先ほどの二千四百十一隻というお話させていただきましたが、ほとんどが外国人船員で動いているという現実があります。むしろ、それは日本だけではなくて、欧米を含めました先進国は皆同じような海運環境にあるということが指摘できるかと思います。
 外国人、フィリピンそれからインドですね、現在は東欧の船員さんたちが外国人のメーンのところに来ておりますけれども、日本の海運会社も、かつてはフィリピン一辺倒ということもありましたけれども、現在は、インド、今お話しした東欧とかいろいろな国の国籍の船員を乗せるということにして、ある意味リスクをそこら辺でヘッジしているということがあるかと思います。
 それから、教育に関しましては、日本の大手の会社はフィリピンに大学をつくりまして、そこで現地教育をして、自分たちのフリート又は系列会社のフリートに乗せるということもやっております。日本人船員だけで固めるということではなくて、要するに外国人と一緒に船を動かすという前提で今の海運会社は船を動かしている、経営をしているということが言えるかと思います。
 やりがいとか、今お話しいただきました、大変重要なことです。外国人船員、簡単に言ってしまいますと、彼らは食べるための糧を欲しい、まあこんなことを言っては失礼な言い方なんですが、途上国の船員さんは、なかなか貧しい生活をして祖国から出てきている船員さんが多くて、まず第一に考えることは、稼いで家族を養いたいということかと思います。もちろん日本の船員もそうではありますが、ただ、日本の場合には、もう成熟した社会ということもありますので、ただ単に稼ぐということではなくて、自分の人生をいかにやっぱり充実したものにしていくか、船員という仕事を通してそういうふうなことを達成したい、そういうふうなところに重きが置いてくるかと思います。ですから、そういう前提として、船会社はもちろんですけれども、国もそういうふうな形で施策を考えていく必要があるのではないかなというふうに思います。
 一方で、先生がおっしゃいましたように、このいわゆる乗船ですね、今は八か月、四か月、八か月乗船して四か月下船するというのが一般的なんですが、中にはもう六か月乗船で三か月休みという、ある意味、乗船期間をできるだけ短くするというふうな考え方も出てきています。そうすると、昔、一昔前、我々の時代と違って、今の船員さんたちは、乗船環境も少し変わってきているなということが言えると思うんですが、ただ、資料にもありますとおり、離家庭性、要するに、家庭を離れて仕事をしなければいけないとか、家族から長期間離れて仕事をしなければいけないというのは、十か月が六か月になっても変わらないわけですから、そこら辺のところをやっぱりいかに本人たちが自覚しなければいけないかということですね。特に若い船員はそこら辺をしっかり自覚して自分のキャリアを積んでいってもらわなければいけないということも一つ言えるかと思います。そういうことも含めまして、私も先ほどちょっとお話をさせていただいたんですが、外国に行く商船の船員としての自覚をそこら辺で教えていっているということになります。
 それから、今先生がおっしゃいましたとおり、お父様が湾岸戦争のとき、特に戦地に行かれて非常に御苦労されていたというお話もお聞きしました。要するに、安全保障ということもこの外航船員の世界には必ず絡んでくるんですね。今ちょっと台湾のお話が出ていますが、日本とヨーロッパ、中東、ここを結ぶ航路はこの台湾のすぐそばを通っております。もしも万が一のことがあった場合に必ず影響を受けるんですね。
 ただ、じゃ、そこで、ああ、もう有事が起きたから行くのやめようとか、そういうことには話は絶対にならない。そういうときに、危ないところに行けということは言えないです、もう今この時代、人権とかいろんな話がありますから。ただ、そこを何とかケアして、要するに、海上輸送を途絶えさせないためにどうしたらいいかということは、国もそうですし、教育機関もそうですし、海運会社もそうですし、みんなで検討しなければいけないと、そういうことが私はひしひしと必要ではないかと思っている次第です。
 以上です。

発言情報

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発言者: 逸見真

speaker_id: 22817

日付: 2021-05-12

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会