清水孝太郎の発言 (資源エネルギーに関する調査会)

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○参考人(清水孝太郎君) 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの清水でございます。
 レアメタルのお話に関しましては縄田先生が既にお話しなさっていらっしゃいますので、私からは、今、私、ちょうど国際希土類工業協会と、ブリュッセルが本拠地でございますけれども、そちらのちょっとメンバーでありますのと、あと、ISO、国際標準機構でございますが、そちらの委員をサーキュラーエコノミーとレアアースの二つに関して行っているものでございますから、本日のお題にも沿う形で、どちらかというとちょっとレアメタルをケーススタディーにしてという形にはなりますが、そちらの経験などを主に御紹介できればと思っております。
 お手元の資料のちょっと三ページ目と四ページ目になりますが、本日御紹介する資源、たくさん資源にはいろいろ種類ございますけれども、特に金属資源、材料資源ですね、こちらをケーススタディーに御紹介申し上げます。
 五ページ目は既に縄田先生お話しされていらっしゃいますので、この辺は飛ばさせていただきまして、六ページ目、七ページ目も縄田先生の方からお話ございましたとおり、様々な用途にレアメタル、本当に少量しか使われないんですけれども、こういうものがなければ最後の部品ができずに製品として完成しないと。よく俗に産業のビタミンという言い方もされますけれども、量はないんですけれども、そういうものがないと困るというところで御紹介しております。
 よくレアメタル、レアアースというふうに言う言葉がございます。レアメタルというのは実は和製英語でございまして、ただ、その和製英語も、最近使っているうちにだんだん外国の方も使うようになってきたんですけれども、レア、珍しいと、希少であるという意味の言葉でございますが、地球上の存在比で見ますと、八ページ目でございますが、こちらのとおり、大変いずれも少ない量しかないんです。
 ただ、レアアースというものに関しましては、縄田先生も御指摘のとおり、レアと名前は付いてはいるんですけれども、実は科学的に見るとそこまでレアではないと。ここの緑色の文字が、九ページ目の緑色の文字がレアアースと言われている元素の存在比でございますけれども、実はこれよりもっと希少性の高いものがたくさんあると。実はさほど変わらない、亜鉛とかコバルトとか、実はそんなに希少性は変わらないというようなものもございまして、名前で引きずられてしまうことが多いのですが、実は地球上にたくさんあると。
 ただ、なぜレアアースがレアであるかと申し上げますと、実は副産物で放射性廃棄物というものが出ます。トリウムというものです。有名なところではウランとトリウムと二種類ございますけれども、トリウムというのは原子力発電には直接は使われませんが、そういう放射性の物質があるので、その処理がなかなか大変ということで採掘が難しいと、そういう元素でございます。
 十ページ目は、こちらも、日本は資源の大半を海外からの輸入に依存しているということで、御覧のとおりでございます。
 十一ページ目がクリティカリティー評価と。日本語で申し上げますと、クリティカリー、これは要するに資源の重要度と置き換えていただいてもよろしいかと思います。ただいま日本のほかにもヨーロッパ、欧州ですね、欧州連合、米国でも同様の形でこのような評価を行うようになっておりまして、縦軸に供給リスク、いわゆるカントリーリスクとか、どのぐらい供給リスクが高いかというものを取りまして、横軸に産業の重要度、脆弱性という言い方もいたします。もし途絶えた場合には日本経済にどのぐらいダメージがあるのかと。
 当然、その二軸を取った場合、右上に来るものが大変重要度の高い、日本経済にとってインパクトも大きく大事なものであるということになるんですが、このような評価は、日米欧、こうした三地域で盛んに今行われておりまして、日本では、今最新のものが十二ページ目にございますけれども、左側が有賀二〇一五と、この十一ページ目にあるもののリバイス版でございます。右側にあるものが、これはちょっと手前みそで恐縮ですが、弊社で評価をいたしました結果でございまして、右側にあるもの、例えば、ここでは元素記号で書いておりますけれども、W、タングステンでございますとか、Ge、ゲルマニウムとか、Pt、白金ですね、自動車の触媒であったり、自動車産業の切削加工には必要不可欠なタングステンであったり、半導体には不可欠なゲルマニウムと、あっ、光ファイバーですね、そういうものが並んでまいります。
 ここの原点からの距離をクリティカリー強度として、三平方の定理から距離は出ますけれども、それを棒グラフにしたものが十三ページ目でございます。
 順番に並べますと、実はアルミニウムが大変いろんなところに使われておりますので、一見カントリーリスクは余りないというようなちょっと印象も受けるんですが、ただ、実は、自動車であったり、いろんな様々な日用用品にも使われておりますので、重要度は大変高いというものでございます。
 こちらを並べて見ていくと、アルミニウム、Alがアルミニウムですね、Ptがプラチナ、白金、Tiはチタンというもので、飛行機の材料などに使われるものですが、並べていくとクリティカリー強度の高いものが見えてくるんですけれども、ただ、今までのクリティカリー強度では見ていないものがございまして、最近盛んに言われているのは安全保障の観点であります。
 特に、米国の地質調査所では、名指しをするとあれなんですけれども、中国ですとかロシアといった国々から依存する資源の割合を二五%まで下げようと、そういう具体的な目標を掲げてやっておりまして、日本でも防衛白書には、中国、ロシア、北朝鮮、イランといった国々については脅威であるというちょっと表記もございましたので、それでちょっと色分けをしたらどうなるのかというのが十三ページ目の絵でございます。グラフでございます。
 赤色のものが脅威国、今申し上げました四か国からの調達が二五%以上、逆に青色のものは、次のページでも申し上げますが、いわゆる安全な国と、通商上の問題も大変リスクの少ないという国でございますが、アルミニウムは、実はロシアでございますとか、そういった国々からの依存も大きく割合がございまして、実は高いと。Mgというのはマグネシウム、これは中国依存でございますし、Wと書いているのはタングステン、これも中国依存、Fと書いてあるのはフッ素、蛍石でございます。リチウムイオン二次電池の一部の材料でございますとか、身近なところですと御家庭にあるフライパンのテフロン加工の材料とか、ああいうものにも使われます。Vと書いてあるのはバナジウム、これも触媒でございますとか、そういうものにも使われます。Pdと書いてあるのは自動車の排ガス触媒、いずれも少量でございますが、なくなると環境規制を満たさないので、そもそももう自動車が売れなくなってしまうとか、そういう少量ながらも重要性の高い資源でございます。
 続きまして、十四ページ目でございますが、今申し上げたような分類で、二重丸、丸、三角、バツとざっくり分類したものがございますけれども、ここで御注意いただきたいものがバツの付いているものでございます。脅威国からの輸入が大変割合が多くて安全国からの輸入も少ないと、つまり脅威国以外に頼る先がない資源ということでございます。
 こちらで特徴的なのが、縄田先生も再三御指摘していただいておりますけれども、いずれも中国に依存しているというのが大変特徴的であります。代表的なものがレアアース、希土類とも呼ばれます。あと、タングステン、蛍石、フッ素の原料ですね。アンチモン、これは樹脂が燃えないようにするための難燃助剤として使われるものもございます。あとは自動車の排ガス触媒に使われるパラジウム、これはロシアですね。こうしたものが大変クリティカル、重要度が高いという資源になっております。
 逆に、二重丸のもの、これは関係国と連携しながら今後も安定的に供給確保できるんじゃないかという資源もありますが、これは比較的ベースメタルなどに多くございまして、ベースメタルというのは銅とかそういう資源でございますけれども、そういうものに多くなっております。
 十五、十六、十七が、我が国が輸入している先の国を資源別に並べたものでございます。
 十五ページ目が相手国の輸入シェア、赤色で塗っているものが防衛白書で脅威国とされているものでございまして、多くの資源で中国に依存しているというのが、特にレアメタルでございますが、多いということがこれからお分かりいただけるかと思います。逆に、青色のものは安全国と言っているものでございますけれども、こちらは特定の幾つかの限られた資源に限られるというものがお分かりいただけるかと思います。
 では、輸入の依存度が高ければ、じゃ、違う国に振り替えればよいのではないかと、そういうお考えもあろうかと思います。
 十六ページ目が、日本は輸入はしてはいないんですけれども生産はしていると、場合によっては日本が新しい購買先になり得る国を入れております。これを御覧いただくと、それでもやっぱり赤色の中国に依存している元素というのが依然として多い、特にレアメタルについては多いというものがお分かりいただけるかと思います。
 じゃ、生産が偏っていてほかの国に替えることが難しいのであれば新しい鉱床を開発すればよいのではないかと。まさにJOGMECさん、資源エネルギー庁さんが日本の権益を海外で獲得するためのお取り組みされているところでございますが、その鉱床の埋蔵量の分布を見たものが十七ページ目でございます。
 これで、一部、緑色のもの、つまり安全国でも脅威国でもないという国が大分ちょっと増えてはきてはいるんですが、ただ、それでも幾つかの元素は依然として赤い色のものに集中しておりまして、これは何かしら抜本的な対策を取らない限りは、常に安全保障上のリスクを抱え続けるということになってまいります。
 いずれの元素も大変ちょっと中国との関わりが深い資源であるということを申し上げたんですが、十八ページ目にちょっと漫画を描いております。
 縄田先生も先ほど御紹介されたところですのであえて詳しく申し上げませんけれども、中国はこのトウ小平の頃から、中国語で言うとこれ韻を踏んでいるんですけれども、中東には石油があるけれども中国にはレアアースがあるということで、寡占を、独占を進めて中国の強みを出していく産業構造に変えていこうと、そういう政策を長年打ってきたわけでございます。
 残念ながら、実質的なレアアースの輸出禁輸と、尖閣諸島の問題に起因する実質的なレアアースの禁輸という問題もございましたけれども、それも中国のそうした一連の戦略、政策方針の延長線上にあったものということがここから分かるかなと思います。
 先ほど縄田先生からWTOのお話がございました。レアアースのそういう自由貿易をゆがめるような中国の行いに関しては、WTOの中で提訴されて改善をされたところでございますが、ちょうどその裁定が出た後ぐらいに、今度は中国からISO、国際標準機構です、こちらの中でレアアースに関する国際ルールを作っていこうという提案が出されまして、今ちょうど幹事国と議長は、議長国は中国なんですけれども、こういう市場ルールの中で新たに中国の影響力を高めていこうと思われるような行為を新たに打ち出してきているところでございます。
 十九ページ目が、今申し上げました国際標準化等を含めた動きでございます。
 ISOの動き、本当にいろんな、資源の話もあれば、今これから申し上げるような循環経済の話、あとは環境規制の話、いろんなものが交ざっておりまして、一見妖怪のぬえのような形で、何が正体なのか分からないようなところがございます。
 大きくまとめますと、これは私の経験でございますが、一つは輸出管理の強化の観点、あとサプライチェーン再構築の観点、このサプライチェーン再構築というのは、自分の経済圏内で雇用を増やしたりとか技術力を高めて競争力を高めたりとか、ちょっと輸出管理強化とは違う視点での意味合いになります。あともう一つは国際標準化、この三つの観点が、このまさに資源を取り巻く環境では、特に金属資源の分野でございますけれども、大事なポイントになってくるのかなと思っております。
 中国、日本、欧州、米国、オーストラリア、カナダと、十九ページ目にはこの六か国を提示をしておりますが、この鉱物資源の分野ではこの六か国が大変鍵になる存在かと見ておりまして、従来は、日本と中国、古き良き時代は日中レアアース交流会議と、まだ中国が経済的に発展しておらず日本に輸出をしたいと、そういうときにはこういうものをやっていたんですが、今はそういうものも途絶えまして、逆に欧州でございますとか米国、今、日米欧クリティカルマテリアル三極会合と、そういう政府間の議論をする場もございますけれども、そうした点が大変重視をされているというところでございます。
 二十ページ以降は、これはちょっとまた視点を変えたことを御紹介申し上げたいと思うんですが、資源の安定供給(利用)に向けてという観点でございます。
 本日お集まりの先生方は、資源の安定供給、そうした点に大変心を砕かれていらっしゃるかと思うのですが、今回のコロナ騒ぎ、あとそれから循環経済、より少ない資源で豊かな生活を送ろうと、そういう考え方も出てきておりますけれども、今までの延長線上では、必要となる資源の種類でございますとか資源の量というのが今までどおりにはいかないと。逆に言えば、今後はちょっと違った傾向で資源の需要、そうしたものが生まれてきますので、そうしたものを注目しなければいけないという意味で、ちょっとこちら、サーキュラーエコノミー、日本語では循環経済と呼ばれておりますけれども、そちらの動きを御紹介したいと思います。
 二十二ページ目は、国連環境計画、俗にUNEPと呼ばれているところでの紹介しているコンセプトでございますけれども、今まで我々人類というのは資源をたくさん消費することで利益を生み出し、国全体ではGDPの拡大というところに結び付けてきたところかと思います。
 ただ、そのままですと、どんどん資源を消費しない限りはGDPが上がらない、豊かにならないということにもなりますので、経済発展と資源消費のデカップリング、デカップリングというのは切り離すという意味の言葉になりますけれども、そういう循環経済型の社会に変えていこうという取組を進めております。
 ISOの世界でもこのサーキュラーエコノミーという国際ルールがまさに議論されているところでございまして、資源の消費量ですとか採掘量を減らしながら、一方で、民間、一企業であれば利益、国全体で見ればGDPを上げていこう、こういう取組が重視されているわけでございます。
 二十三ページ目が、じゃ、従来のビジネスと循環経済型ビジネスではどう違うんだということで、ちょっと簡単な絵を描いてみたんですけれども、従来のビジネスというのが、ある意味、一株式会社の中で利益をいかに最大化するかという観点であったのに対し、循環経済型ビジネスというのは、サプライチェーン横断的に、資本横断的に物をうまく回しながら、つまり、工場を出荷した後も効率よく使われるような仕組みをつくりながら、かつユーザーの方が、ああ、これだったらすごい使っていて楽しい、満足度が高いからお金を払っていこうと、こういう付加価値の拡大を促すものが循環経済型ビジネスというふうに言われております。
 こうしたものが普及してくると、当然のごとく資源の需要の形態というのも変わるであろうというのが本日の申し上げたい点でございます。
 二十四ページ目、二十五ページ目は、循環経済型ビジネスはどんなものなのかというちょっと絵を描いておりますので、御覧をいただければと思いますが、一番申し上げたい点は、二十五ページ目の契機となるアフターコロナという点でございます。
 今日もまさに皆様マスクをしてこういうふうに御参集しているわけでございますが、社会では確実に消費の分散化、今までレストランとか会社とか、集まって皆さん消費活動などしているケースが多かったと思うんですが、やはり確実に自宅、都会ではないところで消費というのが増えてくるかと思っております。あとは、製造業の部分も、一部限界はございますけれども、こうした分散化というものが進んでくるわけでございまして、そうなりますと、今まで必要とされていたような資源の量、種類というのが従来どおりではなくなってくる可能性があるということです。
 これに対応するのが実は循環経済型ビジネスであると考えておりまして、このように、生産、消費の分散化が進む社会にも対応できるビジネス形態に変わってくる必要があるかと思います。そうなると、必要となる資源も恐らく変わってくるのではないかという、そういうことを申し上げたいと思います。
 二十六ページ目は、こちらは、今申し上げているような社会背景、変化でございますね、そちらに対してどんな取組が必要とされるのかというところで、鍵となるのはやはりIT、IoTでございます。こうした物理的に離れているような人々、あと会社、こうしたものをつなぐことがやはり必要になってまいりますので、そこで鍵になるのがIoTでございます。
 二十七ページ目、二十八ページ目は、一つちょっと私の発表のまとめという形になりますけれども、やはり資源のない日本、安定供給が大変大事な課題でございますけれども、ただそれだけ追いかけていては、当然、製造業とかそういう産業の変化に対応ができないわけでございまして、今回、コロナ禍というのが一つのきっかけであるとは思うんですけれども、そうした産業の変化に応じて資源の調達というものも改めて考え直さなければいけないのではないかと、このように思っております。
 私からの説明は以上でございます。

発言情報

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発言者: 清水孝太郎

speaker_id: 27548

日付: 2021-02-10

院: 参議院

会議名: 資源エネルギーに関する調査会