有馬純の発言 (資源エネルギーに関する調査会)

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○参考人(有馬純君) 先ほどドイツの事例でお示しをしましたように、やはりドイツにとって鉄鋼産業って極めて重要な産業であって、であるがこそ、産業用電力料金についていろんな減免措置を講じているわけですね。EUワイドで見ても、欧州排出量取引制度の中では、鉄鋼部門については貿易にさらされた部門ということで、相当部分の無償配賦というものを受けています。これは、実質上炭素税の減免と、免除と同じようなことをやっているということであります。
 やはり日本が、日本の鉄鋼産業というものが滅びてしまったときに、じゃ、それでどこが得をするかといえば、中国の鉄鋼産業がその分のシェアを獲得するというだけに終わるということになって、これは典型的なカーボンリーケージということになってしまいます。ですから、鉄鋼産業がやっぱり脱炭素化、低炭素化していくための、例えば電炉化であるとか、あるいは水素還元製鉄であるとか、松下先生がおっしゃったことというのは当然やっていかなければいけないんだけれども、脱炭素化を進めていく上でのやっぱりコストアップというものに鉄鋼産業をそのままさらしてしまうと恐らく駄目になってしまうということなので、これはやはり何らかのコストアップを防ぐ措置をとらないといけないということだと思います。
 これは政治的には極めて難しい話ではありますけれども、ドイツで何が起きているかというと、家庭部門が産業部門を高コストから守るためにその分高いコストを負担しているということになっております。これは、日本で同じことを提案したら必ずや反発を受けると思いますけれども、カーボンニュートラルを進めるということは、じゃ、その日本の産業を守るためにどうやって産業部門と家庭部門の負担を、負担の分担を考えるかという、今まで余り議論したくなかったことを議論しなければならない時期が来るということだと思います。
 そういったことも含めて、やはり国民理解というものを深めていかないと、カーボンニュートラルというのはなかなか実現できないということかと思いますし、日本にとって大事な製造業基盤というものを日本に残すことができない。やはり、日本に製造業基盤を残すのが必要だというのは、それがいろいろな技術の源泉になるからであります。製造業がなくなってしまったら、そういった技術革新の種もなくなってしまうということになります。
 その意味で、私は、日本の鉄鋼産業というのはやはり引き続き日本にとどまってもらいたいし、彼らがイノベーションを行いやすいような環境整備をやってもらいたいというふうに考えております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 有馬純

speaker_id: 19275

日付: 2021-04-21

院: 参議院

会議名: 資源エネルギーに関する調査会