笹川博義の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○副大臣(笹川博義君) それでは、資料に沿って環境省から御説明をさせていただきます。
まずは、気候変動対策に関する諸外国の取組状況について御説明をさせていただきます。
それでは、三ページをお開きください。
パリ協定は、二〇一五年のCOP21で採択をされました。京都議定書においては先進国のみが温室効果ガス排出の削減義務を負っていたのに対して、パリ協定においては国連加盟国が削減目標を作ることとなりました。
協定では、世界の平均気温の上昇を工業化以前に比べ二度Cより十分低く保ちつつ、一・五度Cに抑える努力を追求するとされており、それに向けて今世紀後半に世界の脱炭素を実現することを目標としております。
さらに、IPCCの特別報告書によると、一・五度Cを大きく超えないためには、二〇五〇年前後のCO2排出量が正味ゼロになることが必要とされております。
続いて、四ページを御覧ください。
これまでは二〇五〇年までに温室効果ガス排出量を八〇%削減するとしてきた長期目標について、昨年の十月、菅総理所信表明演説において、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すことを宣言いたしました。これに整合した野心的な中期目標として、四月に地球温暖化対策本部において、二〇三〇年度の二〇一三年度比四六%削減を目指し、さらに、五〇%の高みに向けて挑戦を続ける旨の表明があったところであります。
主要国の中期目標、長期目標はそれぞれ表のとおりであります。米国がパリ協定に復帰し野心的な目標を掲げるなど、世界中で気候変動対策が本格的に進む機運が高まっているというふうに考えております。
続いて、五ページを御覧ください。
各国では、掲げた目標を達成するためにそれぞれの政策を打ち出しております。米国は、気候変動対策を最重要課題の一つとしており、今後八年間で総額二兆ドルのインフラ投資を行うプランを発表。EUにおいては、二〇五〇年までに排出実質ゼロを法制化しており、また英国では、洋上風力の推進など、グリーン産業革命のための十項目プランが公表されました。
続いて、六ページを御覧ください。
四月に行われました日米首脳会談において、日米気候パートナーシップが立ち上げをすることとなりました。このパートナーシップにおいては、次の三つの柱、すなわち、気候野心とパリ協定の実施に関する協力と対話、気候・クリーンエネルギーの技術及びイノベーション、第三国、特にインド太平洋諸国における地方自治体の行動変容などの脱炭素社会への移行の加速化に関する協力などが盛り込まれており、両国が気候変動分野で世界をリードしていくとしております。
続いて、七ページを御覧ください。
四月二十二日から二十三日にかけて、約四十か国の国・地域が参加をいたしました米国主催の気候サミットが開催をされ、この会議においては、複数の首脳が二〇三〇年までの排出削減目標の更なる引上げなどを発言する中において、菅総理からも、四六%の削減、さらに、五〇%の高みの挑戦を目指す旨の発言がなされました。
続いて、八ページを御覧ください。
本年十一月には、英国においてCOP26が開催を予定されております。主な論点としては、削減目標の引上げに関する野心、二、パリ協定の実施ルール、三、資金などについての議論がなされる見込みでございます。
続いて、九ページを御覧ください。
この十一月のCOP26までの間にも、G7のサミット、国連総会、G20サミットなどが予定されており、気候変動に関しての活発な議論が行われる予定となっております。
続いて、カーボンニュートラル実現に向けた施策ということであります。十一ページを御覧ください。
先ほど御説明を申し上げたとおり、昨年十月、菅総理からの、二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会を目指すということの宣言がなされました。この中で、革新的なイノベーションやグリーン投資の更なる普及、国と地方で検討を行う新たな場の創設といった取組による経済と環境の好循環をつくり出す旨の言及がありました。
十二ページを御覧ください。
政府の検討体制として、総理を本部長とする地球温暖化対策推進本部が設置、また、個別施策や横断的事項を議論、検討するための各種会議体も設置をされました。
続いて、十三ページを御覧ください。
本年は、十一月のCOP26を始め一連の国際会議等が予定されていることを踏まえ、気候変動対策を分野横断的に議論し、グリーン社会の実現に向けた方針の検討を行うため、気候変動対策推進のための有識者会議が設置されました。三月、四月と二回開催し、気候変動対策において我が国の目指す方向性や将来ビジョンについて御議論をいただきました。
続いて、十四ページを御覧ください。国・地方脱炭素実現会議について御説明をさせていただきます。
二〇五〇年までのカーボンニュートラルを実現するためには地域の取組と国民のライフスタイルに密接に関わる分野での対策が重要であることから、国民、生活者目線での実現に向けたロードマップと、実現のための具体的な方策を議論するために設置をされました。これまで二回の開催に加え、各方面からの四回のヒアリングを行いました。
現在議論いただいております地域脱炭素ロードマップ骨子案では、イノベーションを待たず適用可能な最新技術をフル活用し、足下からできることを直ちに実行するとの観点から、二〇二五年までの五年間を政策を総動員する集中期間として位置付け、議論を進めているところでございます。
十五ページを御覧ください。
このため、少なくとも百か所の脱炭素先行地域で二〇二五年までに脱炭素実現の道筋を付け、二〇三〇年度までにこれらの地域で脱炭素を達成し、これをドミノ倒しのように全国、そして世界に脱炭素を広げていくこととしております。
地域やライフスタイル、そしてルールといった三つのイノベーションを実施することにより、脱炭素で強靱な活力ある地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。
続いて、十六ページを御覧ください。
こうした議論の背景には、既に地方自治体レベルでは、二〇五〇年までに二酸化炭素排出実質ゼロの表明が、本年五月六日時点で三百八十の自治体が超えました。人口規模にすると約一億一千万人になっております。
環境省では、こうした自治体で具体的な取組が進むことが重要であると考えており、現在参議院で御審議いただいております地球温暖化対策推進法改正案に位置付けた地域の再エネ導入を促進する制度や、令和二年度補正予算及び令和三年度当初予算におけるゼロカーボンシティ再エネ強化支援パッケージにより支援をしてまいります。
続いて、十七ページを御覧ください。
このグラフは、我が国の温室効果ガス排出量の推移と、中期目標、長期目標を示したものでございます。直近の二〇一九年度の排出量は千二百十二億トンであり、二〇一三年度比一四%の減でございます。十二・一二億トン、失礼しました。
新たに掲げた二〇三〇年度に二〇一三年度比四六%減や五〇%の高みへの挑戦、そして二〇五〇年の排出実質ゼロに向けて、現在、地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、パリ協定に基づく長期戦略、この三つの計画等の見直しを行っているところでございます。
続いて、十八ページを御覧ください。
目標達成のための地球温暖化対策計画の見直しについては、中央環境審議会、産業構造審議会の合同の会合において関係省庁や若者の団体などへのヒアリングを行いつつ、産業界、学識経験者等の有識者による御審議をいただいているところでございます。
続いて、十九ページを御覧ください。次に、カーボンプライシングについて御説明をさせていただきます。
カーボンプライシングとは、炭素への価格付けを通じて脱炭素に向けた行動変容を促し、CO2削減への努力が報われるようにするための仕組みであります。代表的な類型として、炭素税や国内排出取引、クレジット取引、国際機関による取組やインターナルカーボンプライシング、欧米で検討が進められている炭素国境調整措置などがあり、幅広く検討をしているところでございます。
今国会の総理の施政方針演説でも、成長につながるカーボンプライシングにも取り組んでまいりますとの表明があり、経済産業省とも連携をして、成長に資する制度の設計し得るかという観点からの検討を進めてまいります。
二十ページを御覧ください。
最後に、再エネ促進に資するアセス迅速化という点について、風力発電所の環境アセスメントの迅速化を御紹介させていただきます。
風力発電については、騒音やバードストライクなどの環境影響の懸念もあり、適切な環境アセスメントが必要ですが、時間が掛かることが再エネ促進の課題とされておりました。このため、自治体と並行した審査等を行い国による審査期間を短縮するとともに、地域の自然的状況、社会的状況を収録した環境アセスメントデータベースを整備するなど、事業者により調査期間の短縮にも取り組んでいるところであります。
このほか、現在参議院で御議論いただいております地球温暖化対策推進法改正案には、地域における円滑な合意形成を図り、地域に貢献する再エネ導入を促進する制度を盛り込んだところでございます。
終わりに当たりましては、集中豪雨、森林火災、大雪など、世界各地で異常気象が発生する中、脱炭素化は待ったなしの課題であり、同時に、気候変動への対応は、我が国経済を力強く成長させる原動力になります。菅総理が掲げた野心的な目標達成に向けてあらゆる主体の取組を加速させるべく環境省として全力で取り組み、経済と環境の好循環を生み出すとともに国際社会の脱炭素化の流れをリードしてまいりたいと考えております。
以上であります。