資源エネルギーに関する調査会

2021-05-12 参議院 全83発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和三年五月十二日(水曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     上月 良祐君     自見はなこ君
     清水 真人君     宮島 喜文君
     森屋  宏君     高野光二郎君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君     藤木 眞也君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     高野光二郎君     清水 真人君
     市田 忠義君     井上 哲士君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         宮沢 洋一君
    理 事
                滝波 宏文君
                三浦  靖君
                宮崎 雅夫君
                青木  愛君
                河野 義博君
                梅村  聡君
                田村 まみ君
                山添  拓君
    委 員
                阿達 雅志君
                清水 真人君
                自見はなこ君
                高階恵美子君
                高橋はるみ君
                藤木 眞也君
                宮島 喜文君
                岸 真紀子君
                塩村あやか君
                森屋  隆君
                竹内 真二君
                新妻 秀規君
                音喜多 駿君
                舟山 康江君
                井上 哲士君
   副大臣
       経済産業副大臣  江島  潔君
       環境副大臣    笹川 博義君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        亀澤 宏徳君
   政府参考人
       経済産業省大臣
       官房審議官    安居  徹君
       経済産業省産業
       技術環境局長   山下 隆一君
       資源エネルギー
       庁長官      保坂  伸君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        南   亮君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       気象庁大気海洋
       部長       大林 正典君
       環境省地球環境
       局長       小野  洋君
       環境省総合環境
       政策統括官    和田 篤也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○原子力等エネルギー・資源に関する調査
 (「資源エネルギーの安定供給」のうち、資源
 の安定供給等)
    ─────────────
この発言だけを見る →
宮沢洋一#1
○会長(宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、上月良祐君、森屋宏君、岩本剛人君及び市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として宮島喜文君、自見はなこ君、藤木眞也君及び井上哲士君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
宮沢洋一#2
○会長(宮沢洋一君) 原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題といたします。
 本日は、「資源エネルギーの安定供給」のうち、「資源の安定供給等」について政府から説明を聴取し、質疑を行った後、委員間の意見交換を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、経済産業省から二十分程度、環境省から十分程度それぞれ説明を聴取し、一時間三十分程度質疑を行った後、一時間程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、初めに経済産業省から説明を聴取いたします。江島経済産業副大臣。
この発言だけを見る →
江島潔#3
○副大臣(江島潔君) それでは、お許しをいただきましたので、着座のまま説明させていただきます。
 それでは、調査会に御指示をいただきました項目に沿って説明をさせていただきます。まずは、レアメタルを始めとする鉱物資源をめぐる国際情勢についてでございます。
 まず、二ページを御覧ください。
 鉱物資源は、銅、鉛、亜鉛などのベースメタルや、コバルト、ニッケル、リチウム、レアアース等のレアメタルなど多くの種類が存在し、特性や市場規模、用途も様々でございます。特にレアメタルは、半導体などの高機能材や製品の小型化、軽量化に用いられ、今後普及が加速する電動車、IoT等の先端技術産業に必要不可欠な資源でございます。
 続きまして、三ページを御覧ください。
 産業を支える上で重要な鉱物資源ですが、安定的な供給確保に向けては様々な課題が存在します。特に、レアメタルは、地政学的なリスクが高い地域に埋蔵が偏っているケースが多くあります。資料に主なレアメタルの産出国をお示ししておりますが、上位三か国だけで世界の産出の九割を超える鉱種も存在をしております。
 四ページでございます。
 これは例でありますが、蓄電池などに用いられるコバルトであります。これは世界の産出量の約七割がコンゴ民主共和国に偏在しておりまして、政情の悪化あるいは紛争による供給への影響が懸念をされております。
 このような課題に加えまして、次の五ページでございます。
 鉱山開発を取り巻く環境も悪化をしております。資源国のインフラ整備状況、環境規制、地域住民との関係などは、鉱山の開発コストに影響を与えております。近年のプロジェクトでは、鉱石に含まれる金属成分の減少あるいは鉱床の深部化、奥地化が進むことによりまして、年々開発コストが上昇しております。
 続いて、六ページでございます。
 鉱物資源の価格の動向は不安定となっております。ベースメタルと呼ばれる市場が比較的大きな銅や亜鉛でも、各国の景気動向の影響等によって価格が大きく変動いたします。特に近年では、米中貿易摩擦、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた価格変動が生じております。
 続いて、レアアースについての説明であります。七ページを御覧ください。
 レアアースはレアメタルの一部ですが、多くの優れた特性を持って、カーボンニュートラルを実現する上で不可欠な素材であります。例えば、ネオジムあるいはジスプロシウム、これらは、電動化の鍵である高性能モーターの磁力性能又は耐熱性能の向上に欠かせないものです。
 実際にレアアースの供給や価格に多大な影響を与えた二〇一〇年のいわゆるレアアースショックについて御紹介をいたします。八ページを御覧ください。
 二〇一〇年に中国が輸出枠を大幅に削減したことによりまして、中国からの輸出が一時停滞し、レアアース価格が高騰いたしました。当時の我が国のレアアース中国依存度は九割を超えており、非常に深刻な問題となりました。
 経産省としては、まず一番として、中国以外の国における供給源の確保、二番目には、リサイクルや省資源、代替材料開発に関する技術開発、そして三番目には、中国政府の輸出規制に対するWTO提訴、このような対策を講じたところであります。現在では、レアアースの中国依存度を六割程度まで低減をさせております。
 続いて、九ページでございます。
 これは、レアアースのうち、ネオジムとジスプロシウムの価格の推移のグラフでございます。二〇一一年がレアアースショックの影響を受けた後の価格高騰時期であります。高騰前と比較して十倍以上の価格で取引されました。その後、価格は落ち着きましたが、二〇二一年に入りまして、中国国内の需要増加に伴って、再び上昇傾向にあります。
 続いて、十ページでございます。
 これは、我が国のレアアース需要であります。二〇一〇年以降、代替・使用量削減技術の開発支援等の対策によりまして一度減少しましたが、近年は再び増加傾向でございます。
 以上がレアメタルを始めとする鉱物資源をめぐる国際情勢の説明となります。
 続きましては、気候変動対策と鉱物資源についての説明でございます。十二ページを御覧ください。
 二〇五〇年カーボンニュートラルに向けまして、特に再生可能エネルギーや電動自動車に不可欠な蓄電池、モーター用の鉱物資源の需要が増加をしていきます。
 続いて、十三ページ、十四ページを御覧ください。
 再生可能エネルギーの発電システムの部品には多くの鉱物資源が使われております。例えば、風力発電の場合には発電機モーター、それから送電用電線等にも銅やレアアースを使用しております。
 続いて、十五、十六ページでございます。
 電動車の製造にもワイヤーハーネス、バッテリー、駆動モーターといった部品で、銅、リチウム、ニッケル、コバルト、レアアースが使用されているところです。
 続いて、十七ページでございます。
 風力発電と電動車のいずれにも必要なモーターでありますが、これはレアアースを使った高性能磁石が用いられております。レアメタルの安定供給確保、これが今後の国内製造の鍵となってまいります。このため、政府としては、中国以外の供給源の確保、それから省資源、代替材料の開発を加速化するなどして対策を進めているところです。
 以上が気候変動対策と鉱物資源についての説明でございます。
 続きましては、鉱物資源に関する日本の安全保障について説明を申し上げます。十九ページを御覧ください。
 経済産業省は、二〇二〇年三月に策定をいたしました新国際資源戦略に基づきまして、上流・中流権益確保、備蓄制度の整備、運用、国際協力体制の強化、リサイクル等を推進しております。
 二十ページを御覧ください。
 こちらには、鉱物資源関連施策の全体像でございます。上流、中流、下流の各工程における支援策について御紹介を申し上げます。
 続いて、二十一ページを御覧ください。
 まず、上流工程であります。鉱山開発そのもののリスク、それから資源の偏在といった課題がございます。そこで、二〇二〇年にJOGMEC法を改正をいたしまして、上流、中流の開発案件に対するリスクマネー供給機能を強化をいたしました。
 続きまして、資源外交を通じた資源国との関係強化の取組について紹介を申し上げます。二十二ページを御覧ください。
 まず、多くの資源国が存在する南米地域でありますが、これは、首脳それから閣僚レベルで資源外交を展開をしております。ハイレベルの関係強化に努めているところです。
 続いて、二十三ページでございます。
 アジア地域におきましては、資源ナショナリズムの高まりを受けた鉱業に関する規制を受けまして、官民を通じた働きかけを実施をしているところです。
 続いて、二十四ページでございます。中東アフリカ地域における資源外交を紹介をしております。
 昨年の十二月には、ホウ素、それからクロムなど、多様な鉱種の資源国であるトルコと協力をいたしまして、トルコ鉱業投資セミナーを開催をいたしました。私自身、両国の関係強化に向けて発信を行ったところであります。また、資源のフロンティアと呼ばれるアフリカ地域におきましても、アフリカ最大規模の鉱業大会への参加、官民経済フォーラムの実施等を通じて関係強化を図っているところです。
 続いて、二十五ページ以降を御紹介申し上げます。これは、海洋鉱物資源開発についての紹介でございます。
 我が国の領海、排他的経済水域の海底には、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、レアアース泥など海洋鉱物資源が確認をされております。経産省は、海洋基本計画に基づいて、資源量の把握、生産技術の開発等を推進をしているところです。この具体的な取組につきましては、二十六から二十八ページを御参照いただければと思います。
 続いて、三十ページを御覧ください。今度は中流工程について説明を申し上げます。
 中流工程におきましては、使用済製品に含まれるレアメタルの有効活用、これが課題となります。現在、小型家電リサイクル法を通じたレアメタル等の回収、リサイクルに取り組んでおります。
 三十一ページを御覧ください。
 こちらは小型家電からの資源回収実績でありますが、回収拡大に向けて、自治体への支援、小売店との連携、消費者への普及啓発、これらを推進をしております。回収された小型家電からレアメタル等を効率的に選別、分離するための技術開発も実施をしているところです。
 続きまして、下流工程でございます。三十二ページを御覧ください。
 直近でも、新型コロナ禍によりまして、重要物資のサプライチェーン途絶リスクというものが顕在化をいたしました。予期せぬ危機に対してこうしたリスクを解消するため、レアアースの使用を極力減らすこと、若しくは使用しない技術を開発することによってサプライチェーンの強靱化に取り組んでいるところです。
 さらに、緊急時の対策について、三十三ページを御覧ください。
 我が国は、一九八三年から、短期的な供給障害に備えたレアメタル備蓄というものを実施をしてきております。昨年は、世界的な人、物の移動制限が長期化した場合に備えて、供給途絶リスクの高い鉱種につきまして備蓄を増強したところであります。
 続きまして、三十四ページ、国際協力についてでございます。
 既に説明申し上げましたとおり、政府としては、鉱物資源の安定的かつ効率的な調達に向けて、供給国である資源国との二国間の協力を行ってきました。一方で、今後は、需要国と供給国が参加をする多国間の枠組み、これも活用しまして、公正な取引の推進の観点も含めて、緊急時にも協力して対応できるような包括的な資源外交を展開をしてまいりたいと思います。
 最後に、カーボンニュートラルや新型コロナウイルス感染症を踏まえたエネルギー政策について説明を申し上げます。三十六ページを御覧ください。
 こちらは、二〇一八年七月に閣議決定した第五次エネルギー基本計画の概要でございます。これに基づいて策定いたしましたのがエネルギーミックス、三十七ページとなります。
 このエネルギーミックスは将来のエネルギー需給構造の見通しでありまして、あるべき姿を示すものであります。3EプラスS、すなわち安全性の確保を大前提として、安定供給、経済効率性及び環境適合の政策目標をバランスよく同時に達成する姿として示してございます。
 続いて、三十八ページを御覧ください。そのエネルギーミックスの進捗状況でございます。
 二〇一三年度と比較して、二〇一九年度には、エネルギー起源のCO2、電力コストが減少しております。あわせて、エネルギー自給率は七%から一二%に改善をしております。取組は着実に進捗しておりますが、まだまだ道は半ばということでございます。このエネルギー基本計画に関しましては、昨年の十月から見直しに向けた議論を経産省の審議会で行っております。
 三十九ページを御覧ください。
 菅総理は、昨年十月に二〇五〇年カーボンニュートラルを表明をいたしまして、先月二十二日に、二〇三〇年度における我が国の温室効果ガスの排出を二〇一三年度比で四六%削減を目指し、さらに、五〇%の高みに向けて挑戦をしていく、このように表明をされました。総理からは、目標の達成に向けた施策を具体化すべく検討を加速する、このような指示があったところでございます。
 新たな二〇三〇年目標を踏まえまして、エネルギー政策全体について集中的に議論を深め、結論を出してまいります。
 続いて、四十ページを御覧ください。二〇三〇年に向けたエネルギー政策の検討状況でございます。
 この中で、例えば省エネにつきましては、二〇三〇年の省エネ量の見通しを、従来の五千三十万キロリットルから五千八百万キロリットル程度の深掘りを見込み、更なる深掘りを検討すること、それから再エネにつきましては、導入拡大に向け、環境アセスの要件見直しなどの政策強化の結果、二千九百億キロワットアワー程度を見込んで更なる政策対応によりどの程度の導入拡大が見込めるか、また原子力につきましては、国民の信頼回復に努め、安全最優先の再稼働を進めること、また火力につきましては、安定供給確保を大前提に電源構成の比率を引き下げていくこと、このような論点について検討を重ねております。
 続いて、四十一ページでございます。二〇五〇年カーボンニュートラルの転換へのイメージでございます。
 カーボンニュートラルに向けましては、温室効果ガス排出の八割以上を占めるエネルギー分野が特に重要となります。電力部門では、非化石電源の拡大、産業、民生、運輸部門においては、電化、水素化を通じた脱炭素化を進める必要があります。
 また、コロナ禍によるエネルギー需要の影響については、四十二ページに、現時点で可能な範囲でお示しをしているところでございます。
 続きまして、電力部門を中心とした具体的な課題や取組について説明を申し上げます。四十三ページを御覧ください。
 二〇一八年の北海道胆振東部地震、また、二〇一九年の台風十五号などの災害では大規模な停電が発生をいたしました。このため、発電所の停止等に備えた予備力の確保や電力融通円滑化のための系統形成の検討、電力会社などの関係者間の事前の備え、発電・送電設備の自然災害への耐性確保など、激甚化、頻発化する自然災害に対して、エネルギーの安定供給に向けた最大限の準備を進めてまいりたいと思います。
 続いて、四十五ページを御覧ください。
 今年の一月、断続的な寒波による電力需要増加、そして、在庫減少によるLNG火力の稼働抑制などによって、電力需給逼迫とそれに伴う市場価格高騰が発生をいたしました。
 これを受けて、四十六ページでございます。
 需給や市場における予防的、緊急的な対策はもちろん、安定供給とカーボンニュートラルの両立に向けた供給力の確保や新規投資を促進するための措置を講じるべく取り組んでまいります。
 続いて、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた課題や取組について説明を申し上げます。四十七ページを御覧ください。
 FIT制度の導入以降、再エネ導入は着実に進展をしておりますが、国民負担、系統制約、立地条件などの課題もあります。このような課題の克服に向けて、産業の競争力、インフラの構築、地域共生、この三つの面から取り組みまして、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて再エネの最大限の導入を進めてまいります。
 続いて、四十九ページ、御覧ください。こちらは原子力についてでございます。
 二〇五〇年カーボンニュートラル実現のためにはあらゆる選択肢を追求していく必要がありまして、確立された脱炭素電源である原子力につきましても、中長期的な方針を示すということが必要でございます。
 原子力利用に当たっては、国民からの信頼回復に努めていくことがまず必要不可欠でありまして、安全最優先での再稼働、更なる安全性向上の不断の追求、バックエンド問題の解決など様々な課題に取り組んでまいります。
 続いて、五十ページを御覧ください。水素とアンモニアについてでございます。
 水素は、発電、産業、運輸など幅広い分野の脱炭素化に資する鍵であります。アンモニアは、新たに燃料として、火力発電、船舶等への利用に向けた取組が進んでおります。本格的な普及に向けて、安定的かつ安価に大量供給できるインフラの整備、発電所における大規模利用の実現といった課題の解決に一体的に取り組んでまいります。
 以上に加えまして、五十一ページを御覧いただけますでしょうか。
 こちらは、二酸化炭素を回収、再利用するカーボンリサイクル、この新しい技術の開発、社会実装にも引き続き取り組んでまいります。
 最後になりますが、五十二ページを御覧ください。
 カーボンニュートラルに向けた政策を進める上で、成長に資するカーボンプライシングにつきましては、産業の競争力強化、イノベーション、投資促進につながる形があり得るのか、産業政策を所管する立場から検討してまいります。
 成長に資する制度設計の在り方について、結論ありきではなくて、炭素税、排出量取引制度、国境調整措置やクレジット取引など、環境省とも連携をして検討を進めてまいりたいと思います。
 以上が経産省からの説明でございます。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#4
○会長(宮沢洋一君) 次に、環境省から説明を聴取いたします。笹川環境副大臣。
この発言だけを見る →
笹川博義#5
○副大臣(笹川博義君) それでは、資料に沿って環境省から御説明をさせていただきます。
 まずは、気候変動対策に関する諸外国の取組状況について御説明をさせていただきます。
 それでは、三ページをお開きください。
 パリ協定は、二〇一五年のCOP21で採択をされました。京都議定書においては先進国のみが温室効果ガス排出の削減義務を負っていたのに対して、パリ協定においては国連加盟国が削減目標を作ることとなりました。
 協定では、世界の平均気温の上昇を工業化以前に比べ二度Cより十分低く保ちつつ、一・五度Cに抑える努力を追求するとされており、それに向けて今世紀後半に世界の脱炭素を実現することを目標としております。
 さらに、IPCCの特別報告書によると、一・五度Cを大きく超えないためには、二〇五〇年前後のCO2排出量が正味ゼロになることが必要とされております。
 続いて、四ページを御覧ください。
 これまでは二〇五〇年までに温室効果ガス排出量を八〇%削減するとしてきた長期目標について、昨年の十月、菅総理所信表明演説において、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すことを宣言いたしました。これに整合した野心的な中期目標として、四月に地球温暖化対策本部において、二〇三〇年度の二〇一三年度比四六%削減を目指し、さらに、五〇%の高みに向けて挑戦を続ける旨の表明があったところであります。
 主要国の中期目標、長期目標はそれぞれ表のとおりであります。米国がパリ協定に復帰し野心的な目標を掲げるなど、世界中で気候変動対策が本格的に進む機運が高まっているというふうに考えております。
 続いて、五ページを御覧ください。
 各国では、掲げた目標を達成するためにそれぞれの政策を打ち出しております。米国は、気候変動対策を最重要課題の一つとしており、今後八年間で総額二兆ドルのインフラ投資を行うプランを発表。EUにおいては、二〇五〇年までに排出実質ゼロを法制化しており、また英国では、洋上風力の推進など、グリーン産業革命のための十項目プランが公表されました。
 続いて、六ページを御覧ください。
 四月に行われました日米首脳会談において、日米気候パートナーシップが立ち上げをすることとなりました。このパートナーシップにおいては、次の三つの柱、すなわち、気候野心とパリ協定の実施に関する協力と対話、気候・クリーンエネルギーの技術及びイノベーション、第三国、特にインド太平洋諸国における地方自治体の行動変容などの脱炭素社会への移行の加速化に関する協力などが盛り込まれており、両国が気候変動分野で世界をリードしていくとしております。
 続いて、七ページを御覧ください。
 四月二十二日から二十三日にかけて、約四十か国の国・地域が参加をいたしました米国主催の気候サミットが開催をされ、この会議においては、複数の首脳が二〇三〇年までの排出削減目標の更なる引上げなどを発言する中において、菅総理からも、四六%の削減、さらに、五〇%の高みの挑戦を目指す旨の発言がなされました。
 続いて、八ページを御覧ください。
 本年十一月には、英国においてCOP26が開催を予定されております。主な論点としては、削減目標の引上げに関する野心、二、パリ協定の実施ルール、三、資金などについての議論がなされる見込みでございます。
 続いて、九ページを御覧ください。
 この十一月のCOP26までの間にも、G7のサミット、国連総会、G20サミットなどが予定されており、気候変動に関しての活発な議論が行われる予定となっております。
 続いて、カーボンニュートラル実現に向けた施策ということであります。十一ページを御覧ください。
 先ほど御説明を申し上げたとおり、昨年十月、菅総理からの、二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会を目指すということの宣言がなされました。この中で、革新的なイノベーションやグリーン投資の更なる普及、国と地方で検討を行う新たな場の創設といった取組による経済と環境の好循環をつくり出す旨の言及がありました。
 十二ページを御覧ください。
 政府の検討体制として、総理を本部長とする地球温暖化対策推進本部が設置、また、個別施策や横断的事項を議論、検討するための各種会議体も設置をされました。
 続いて、十三ページを御覧ください。
 本年は、十一月のCOP26を始め一連の国際会議等が予定されていることを踏まえ、気候変動対策を分野横断的に議論し、グリーン社会の実現に向けた方針の検討を行うため、気候変動対策推進のための有識者会議が設置されました。三月、四月と二回開催し、気候変動対策において我が国の目指す方向性や将来ビジョンについて御議論をいただきました。
 続いて、十四ページを御覧ください。国・地方脱炭素実現会議について御説明をさせていただきます。
 二〇五〇年までのカーボンニュートラルを実現するためには地域の取組と国民のライフスタイルに密接に関わる分野での対策が重要であることから、国民、生活者目線での実現に向けたロードマップと、実現のための具体的な方策を議論するために設置をされました。これまで二回の開催に加え、各方面からの四回のヒアリングを行いました。
 現在議論いただいております地域脱炭素ロードマップ骨子案では、イノベーションを待たず適用可能な最新技術をフル活用し、足下からできることを直ちに実行するとの観点から、二〇二五年までの五年間を政策を総動員する集中期間として位置付け、議論を進めているところでございます。
 十五ページを御覧ください。
 このため、少なくとも百か所の脱炭素先行地域で二〇二五年までに脱炭素実現の道筋を付け、二〇三〇年度までにこれらの地域で脱炭素を達成し、これをドミノ倒しのように全国、そして世界に脱炭素を広げていくこととしております。
 地域やライフスタイル、そしてルールといった三つのイノベーションを実施することにより、脱炭素で強靱な活力ある地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。
 続いて、十六ページを御覧ください。
 こうした議論の背景には、既に地方自治体レベルでは、二〇五〇年までに二酸化炭素排出実質ゼロの表明が、本年五月六日時点で三百八十の自治体が超えました。人口規模にすると約一億一千万人になっております。
 環境省では、こうした自治体で具体的な取組が進むことが重要であると考えており、現在参議院で御審議いただいております地球温暖化対策推進法改正案に位置付けた地域の再エネ導入を促進する制度や、令和二年度補正予算及び令和三年度当初予算におけるゼロカーボンシティ再エネ強化支援パッケージにより支援をしてまいります。
 続いて、十七ページを御覧ください。
 このグラフは、我が国の温室効果ガス排出量の推移と、中期目標、長期目標を示したものでございます。直近の二〇一九年度の排出量は千二百十二億トンであり、二〇一三年度比一四%の減でございます。十二・一二億トン、失礼しました。
 新たに掲げた二〇三〇年度に二〇一三年度比四六%減や五〇%の高みへの挑戦、そして二〇五〇年の排出実質ゼロに向けて、現在、地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、パリ協定に基づく長期戦略、この三つの計画等の見直しを行っているところでございます。
 続いて、十八ページを御覧ください。
 目標達成のための地球温暖化対策計画の見直しについては、中央環境審議会、産業構造審議会の合同の会合において関係省庁や若者の団体などへのヒアリングを行いつつ、産業界、学識経験者等の有識者による御審議をいただいているところでございます。
 続いて、十九ページを御覧ください。次に、カーボンプライシングについて御説明をさせていただきます。
 カーボンプライシングとは、炭素への価格付けを通じて脱炭素に向けた行動変容を促し、CO2削減への努力が報われるようにするための仕組みであります。代表的な類型として、炭素税や国内排出取引、クレジット取引、国際機関による取組やインターナルカーボンプライシング、欧米で検討が進められている炭素国境調整措置などがあり、幅広く検討をしているところでございます。
 今国会の総理の施政方針演説でも、成長につながるカーボンプライシングにも取り組んでまいりますとの表明があり、経済産業省とも連携をして、成長に資する制度の設計し得るかという観点からの検討を進めてまいります。
 二十ページを御覧ください。
 最後に、再エネ促進に資するアセス迅速化という点について、風力発電所の環境アセスメントの迅速化を御紹介させていただきます。
 風力発電については、騒音やバードストライクなどの環境影響の懸念もあり、適切な環境アセスメントが必要ですが、時間が掛かることが再エネ促進の課題とされておりました。このため、自治体と並行した審査等を行い国による審査期間を短縮するとともに、地域の自然的状況、社会的状況を収録した環境アセスメントデータベースを整備するなど、事業者により調査期間の短縮にも取り組んでいるところであります。
 このほか、現在参議院で御議論いただいております地球温暖化対策推進法改正案には、地域における円滑な合意形成を図り、地域に貢献する再エネ導入を促進する制度を盛り込んだところでございます。
 終わりに当たりましては、集中豪雨、森林火災、大雪など、世界各地で異常気象が発生する中、脱炭素化は待ったなしの課題であり、同時に、気候変動への対応は、我が国経済を力強く成長させる原動力になります。菅総理が掲げた野心的な目標達成に向けてあらゆる主体の取組を加速させるべく環境省として全力で取り組み、経済と環境の好循環を生み出すとともに国際社会の脱炭素化の流れをリードしてまいりたいと考えております。
 以上であります。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#6
○会長(宮沢洋一君) 以上で政府からの説明聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようにお願いいたします。
 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 宮崎雅夫君。
この発言だけを見る →
宮崎雅夫#7
○宮崎雅夫君 自由民主党の宮崎雅夫でございます。
 まず、資源エネルギー庁の保坂長官にお伺いをしたいと思います。
 先ほど両副大臣からも御説明がございましたけれども、先月二十二日に菅総理が、二〇三〇年に向けて、温室効果ガスの削減目標について、野心的な目標ということで四六%削減するという目標を表明をされたわけでございます。その後、気象サミットでもこの新たな削減目標を表明をされて、我が国の気象変動分野への積極的なこの取組に対してバイデン・アメリカ大統領などからも歓迎をされたというふうに承知をしております。
 こういう状況の中で、エネルギー基本計画の見直しに向けた検討が昨年十月から進められるというふうに承知をしておりますけれども、関係者も大変注目をしておるところでございます。今回の見直しでも、江島副大臣からも御説明の中でございましたけれども、今取り組んでおられるいわゆる3EプラスS、これの同時実現を目指すことということが非常に重要なことだというふうに私は考えております。
 また、総理も、この二〇三〇年の目標については、この達成は決して容易なものではないというふうにも述べられておりまして、この達成に向けて、省エネの対策、それからエネルギー転換も含めて、これ全ての分野で、部門において取組を推進をしていくことが必要なわけでございます。
 これまでも政府としても、昨年末のグリーン成長戦略、この策定でありましたり、成長戦略の柱としても取組が進められてきているわけでございます。NEDOでも、十年間に二兆円の基金を造成をして、目標達成に挑戦することをコミットした企業に対して、技術開発から実証、社会実装まで一気通貫でこれ支援をすることになったわけでございますけれども、新たな目標も掲げられて、更なる支援策ということも必要になってくるというふうに考えます。
 そこで、エネルギー基本計画の見直しに向けた現在の検討状況、それから目標実現に向けた支援策についてのお考えについてまずお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
保坂伸#8
○政府参考人(保坂伸君) エネルギー基本計画でございますけれども、昨年の十月から、総合資源エネルギー調査会におきまして見直しに向けた議論を行っているところでございます。これまでに十一回審議会を開催をいたしまして、菅総理が表明された二〇五〇年カーボンニュートラルや、新たな二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標に向けました課題や対応の方向性について議論を深めているところでございます。
 二〇五〇年カーボンニュートラルや二〇三〇年度の新たな削減目標を目指す中にありましても、委員御指摘のように、3EプラスSのバランスを取り続けていくことが重要だと考えております。脱炭素化と安価なエネルギーの安定供給の両立に向けまして、今後もエネルギー政策全体について集中的に議論を深め、結論を出していく所存でございますが、まだ議論中でございます。
 また、新たな二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標につきましては、これまでの目標を七割以上引き上げるものでございまして、決して容易なものではございません。徹底した省エネ、再エネの最大限の導入、確立した脱炭素電源である原子力の活用、非効率石炭火力のフェードアウトなどを着実に進めていく所存でございます。
 御指摘の支援策につきましては、二兆円の基金につきましては、これ、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現のために設けられたものでございまして、二〇三〇年度の新たな目標を踏まえまして、技術、社会面での制約やコストにも配慮をしながら、産業の国際競争力の維持強化と両立できるよう、必要となる投資を促す刺激策を含めまして検討を加速していきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
宮崎雅夫#9
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。どちらも今検討中ということでございますけれども、しっかり検討していただければというふうに思います。
 同じく、次の質問についても保坂長官にお伺いをしたいというふうに思います。
 今のエネルギー基本計画でも、再エネについては主力電源化を目指すというふうにされておりますし、先ほどの江島副大臣からの再エネの御説明の中でも、これ最大限導入を図っていくと、私ももちろんそういうことが必要ではないかと思いますけれども、御説明でもありましたけれども、やはりいろんな進めるには課題もあるということでございます。本調査会で、参考人の方でもいろんな御意見があったわけでございますけれども、系統整備を含めたコストのやはり問題であったり、出力の変動の問題というものもございます。
 私も全国を回っておりますと、例えば太陽光発電、どこの農山村にもやはりあるということでございますけれども、昔は優良農地だったんじゃないかなとか、山の斜面、こんなところにもあるんだなとか、そういうふうに思ったこともございます。やはり、適地の確保の問題であったり地元との調整ということも非常に大切なことになってくると思います。
 再エネについても、カーボンニュートラルと、これは非常に大事なことでもありますけれども、この一面だけということではなくて、いろんな側面を見ながら総合的にやはり進めていかないといけないんじゃないかなと思います。
 例えば、太陽光発電を拡大をしていくという中で優良な農地が潰れるというようなことであれば、食料安全保障の観点からは非常に大きな当然懸念がある。まあそういうことは起きないと思いますけれども、そういうこともあるわけでございますし、再エネ、それから先端産業でこれは欠かすことのできないレアメタル、レアアース、これ御説明ございましたけれども、資源の偏在性も高い、地政学的リスクが高い。こういうところに偏っているということになってきますと、安定供給は非常に重要な課題で、今取り組んでいただいているわけですけれども、これが、再エネの推進が、資源にやはり乏しい我が国にとっては新たなリスクの増大にならないように留意をしていかないといけないということも視点の一つではないかなというふうに思います。
 そこで、いろんな課題がございますけれども、再エネの主力電源化に向けた取組の促進について、お考えを改めてお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →
保坂伸#10
○政府参考人(保坂伸君) 再エネでございますけれども、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けた鍵でございまして、最大限導入していくということは基本方針でございます。
 一方で、審議会の中でも、再エネの最大限の導入に当たりましては、一つ目、FIT賦課金による年間二兆円を超える国民負担の抑制、二つ目に、再エネポテンシャルの大きい地域と首都圏等の大需要地を結ぶ送電線の整備、三点目に、平地が限られているといった、委員も御指摘もございましたけれども、立地制約もある中での地域と共生した形での適地の確保といった様々な課題があるということも審議会の中で指摘をされていることも事実でございます。
 こうした課題を克服すべく、コスト低減の取組の強化やマスタープランの策定等を通じた送電網整備、地域と共生可能な形での適地の確保など、あらゆる施策を総動員していく考えでございます。加えて、現在の太陽光パネル等が輸入に依存している実態も踏まえますと、今後の導入拡大政策を産業政策と両立して進めていく必要があると考えております。
 こうした中で、洋上風力につきましては、昨年十二月の官民協議会におきまして、二〇四〇年までに三千万から四千五百万キロワットの案件を形成するという導入目標を盛り込んだ洋上風力産業ビジョンを策定したところでございます。これを呼び水としつつ、予算や税制による設備投資支援や産業界の国内調達、コスト低減目標の設定、国内外企業のマッチング促進等を通じて、強靱な国内サプライチェーンを形成していく考えでございます。
 太陽光につきましては、我が国が他国に先んじて開発を進めてまいりましたペロブスカイト等の次世代型太陽電池の実用化を加速し、既存の太陽電池では設置が困難な壁などの新たな市場の開拓、獲得を目指しているところでございます。具体的には、第三次補正予算で措置したグリーンイノベーション基金も活用いたしまして、製品化も見据えた企業の取組を支援してまいります。
 このような取組を通じまして、新たな産業の創出や我が国企業の競争力強化を進め、国内企業の力を生かした経済と環境の好循環を実現してまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
宮崎雅夫#11
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 最後に、時間も限られておりますけれども……
この発言だけを見る →
宮沢洋一#12
○会長(宮沢洋一君) 宮崎さん、時間がもう、おまとめください。
この発言だけを見る →
宮崎雅夫#13
○宮崎雅夫君 はい、来ておりますようでございますので、環境省の笹川副大臣にお伺いをしたいというふうに思っておりましたけれども、ちょっとお願いだけということでまとめさせていただきたいと思います。
 江島副大臣、笹川副大臣の御説明の中でも、それぞれが連携をして取り組んでいくというお話もございました。カーボンプライシングのお話もございましたし、また再エネの推進でも、両省だけではなくて関係省庁の連携ということが非常に大切になってきております。
 まさしく環境省が旗振り役というようなことでございますので、是非、笹川副大臣におかれましては、関係省庁との連携ということを、これまでもやってきていただいておりますけれどもお願いをしたいというふうに思いますし、また、カーボンニュートラルの取組というのは、産業構造とか社会全体、この大転換が必要なものでもございますので、国民の皆さんの理解ということがもう欠かせないことだろうと思いまして、非常に地道なものでもございますけれども、是非副大臣のリーダーシップでもって、これについても積極的に取り組んでいただければと思います。
 済みません、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#14
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。
 森屋隆君。
この発言だけを見る →
森屋隆#15
○森屋隆君 立憲・社民共同会派の森屋隆でございます。発言の機会をいただきましてありがとうございます。
 まずは、笹川環境副大臣に二点お伺いをしたいと思います。
 菅総理が、昨年十月の所信表明演説で、二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会を実現を目指すと宣言しました。また、先月の気候変動サミットで、日本は温室効果ガスの削減目標を二〇一三年度比でこれまでの二六%削減から四六%の削減を目指すとし、さらに、五〇%の高みに向けて挑戦を続けていく決意を表明されました。
 宣言については、積極的な政府の姿勢の表明として評価するものですが、実現するには様々な困難があるとの指摘があります。
 その要因としては、この間の参考人質疑では、再生エネルギーの太陽光パネル、メガソーラーの大規模設置場所が既にない、また、洋上風力においても安定的な風力が望めないなどが挙げられています。現在、日本の発電電力を占める割合は八割が火力ですが、だからといって、原子力に依存するという方向には行けないだろうと思います。目標は掲げたけれども、実現に向けた裏付けは乏しく不透明だと思います。CO2実質ゼロの実現は、国民の理解がなくては到底なし得ないと考えます。
 そこで、質問をさせていただきます。
 現在、CO2ゼロ宣言の自治体が三百八十四あると承知しています。住民の理解を得るために自治体としても大変な御苦労をされていますが、国は、この現状をどのように捉え、進めていこうとしているのですか。
 二点目は、カーボンニュートラルの実現に向けて、地球温暖化対策の推進に関する法律の改正案では条文に国民を位置付けるなどしていますが、政府は、どのような国民の理解や協力、言い換えればある程度の負担となりますが、こうしたことをどのように進めようとしているのか、教えてください。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →
笹川博義#16
○副大臣(笹川博義君) 御質問ありがとうございました。
 今、自治体において、この国の方向性含めて大変御理解をいただいてそれぞれ宣言をしていただいた。人口規模でいうと一億一千万人を超したということでありますので。ただ、それは、各基礎自治体も含めて更に理解が広がるように、我々としても取組についての御説明を丁寧にしていかなければならないというふうに思っております。
 委員からも御指摘がございましたけど、例えばこの再エネにつきまして、それぞれの技術革新も進めていかなきゃならない。それで、もう一つ大事なことは、やっぱり地域の合意形成が大事でありますので、そういったところでは、やはり地域の合意なくして再エネを進めると、再エネに対する信頼を崩すことにもなります。先ほど経産省さんからも御説明ありましたけど、新しい技術も革新が進んでおりますので、太陽光パネルについても、そういった技術の活用をしながら、さらにまた、太陽光の可能性を広げていくことも、これも大事だというふうに思っております。
 また、御指摘の中ではありませんでしたけど、例えば地熱、これについても開発のリスクもございます。そういったものをどう短縮させていくのか。さらに、ポテンシャルあります。そういったものをどうまた活用していくのか。このことについてもやっぱり地域の御理解がなければなかなか進まないということもございますので、大事なことは、やっぱり自治体の皆さん方の理解と同時に、また地域住民が理解できるように我々自身が人材育成も含めてきちんとした丁寧な説明をしていきたいというふうに考えております。
 続いて、特に個人消費ですかね、カーボンニュートラルを達成するためにおいて、やっぱり個人の消費の中におけるCO2の削減、これも大切な観点でございますので、その中にあって、国民生活の中で、例えば住宅ですとか自動車含めての公共施設の在り方だとか、そういうものを含めてやはり理解をしてもらうことが個人生活の変革にもつながるわけでありますので。
 一番身近な例でいうと、例えばレジ袋の件、これは最初導入するときに大変いろんな御指摘もございました。厳しい御指摘もございました。しかし現状では、やはりレジ袋についても七割方の削減に成功することができたと。これはひとえに国民の皆さん方の御理解があったたまものだというふうに思っておりますので、そういう意味においては、国民の御理解がいかに大事かということの実例かというふうに思っております。
この発言だけを見る →
森屋隆#17
○森屋隆君 ありがとうございます。
 次に、やはり二点、江島経済産業副大臣に二点お伺いしたいと思います。
 COP26では、カーボンプライシングについて何らかの合意に至る可能性があると思うのですが、今後、国境炭素税について日本がどのような準備を始めているのか教えてください。また、国境炭素税の仕組みが、WTO、国際貿易機構協定などとの整合性についてどのように考えていますか。
 二点目は、カーボンニュートラルの実現には、更なる再エネ開発、水素利用、CO2吸着、閉じ込め、そして蓄電池開発が不可欠だと思います。二兆円の脱炭素基金では諸外国に比べて乏しいと思われます。そういった中で、現在、この地熱発電の研究開発について、状況を教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#18
○会長(宮沢洋一君) それでは、まず経産省山下産業技術環境局長お願いして、その後、補足があれば副大臣からお願いします。
この発言だけを見る →
山下隆一#19
○政府参考人(山下隆一君) まず、国境調整措置についてでございますけれども、国内の気候変動対策を進めていく際に、他国の気候変動対策との強度の差異に起因する競争上の不公平、これを防止することでカーボンリーケージが生ずることを防止するためのものでございます。
 現在、その基本的な考え方について、有識者から成る研究会で御議論いただいているところなんですけれども、そういった中で、国境調整措置は、その導入自体が目的であるべきではないけれども、国内の成長に資するカーボンプライシングの検討と並行しながら、制度設計に必要となる製品の炭素排出量の評価手法などの国際的なルールの策定を日本が主導すべきだということが示されてございます。
 WTOルールとの関係では、外国の産品に対して国内の同種の産品よりも不利ではない待遇を与えるという原則との関係が一つの論点となり得るところでございます。国境調整措置がWTOルールに整合的であるかについて、これ先例はないんですけれども、税額の計算方法などにおいて輸入品に不利な扱いがなされていないかなど、制度をどう設計するかによるものだというふうに承知をしてございます。
 引き続き、公平な競争条件を確保し、カーボンリーケージを防止する観点から、立場を同じくする国々とも連携しながら対応することとしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
南亮#20
○政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。
 再生可能エネルギーは二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けた鍵でございまして、最大限導入していくということが基本方針であります。そうした中で、地熱発電は、天候に左右されず、安定的に発電可能なベースロード電源として大変重要なものだと考えております。
 ただ他方、地熱発電には、目に見えない地下資源を利用するものであるということから、開発リスクが高く、掘削などの開発コストが高いということ、次に、国内の地熱資源の八割が賦存する国立・国定公園における関係法令の規制などがあること、こうした課題が存在しているというふうに認識しているところでございます。
 こうした課題を解決するため、経済産業省としましては、御質問の研究開発でございますが、地下構造を把握するための探査技術、それから掘削コスト低減に向けた高能率、長寿命なドリルなどの研究開発、こうしたことを進めてきておりますが、これらに加えまして、本年度からは、国立・国定公園の外からでも公園内の地下を開発し得る斜め掘りの技術の研究開発、こうしたことを取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
江島潔#21
○副大臣(江島潔君) 付け加えまして、私から一言申し述べさせていただきます。
 森屋委員が大変にこの地熱発電に関して強い関心を持っていただいていると、心強い限りでございます。
 日本は、基本的にはこの地熱、潜在的な地熱発電大国のはずでありますが、残念ながらまだいろんな障壁があるということでありまして、例えばアイスランドなんかは、同じ火山国であってももう非常に大きな割合、六割ぐらいたしか発電量のうち地熱で賄っているというような、そういう国もあるわけであります。日本もその可能性があるんですが、なかなか守られている。これ、どこに守られているかと。結構環境省に守られていますので、是非この辺は、今後この地熱発電の開発をどうするか、どうやったらできるかということを、その環境省が守っている部分と含めてうまく整合性が取れるようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 今ちょっと説明がありましたその斜め掘りというのは、言ってみれば外から突っ込むような、若干ちょっとこそくな手段だなという気もしておりますので、是非もっと正々堂々とその地熱発電を使いながら、かつちゃんと環境省が守るべきところも守れるような、そういう王道を進められればと思っております。
この発言だけを見る →
森屋隆#22
○森屋隆君 気象庁にも質問あったんですけれども、時間ですから終わります。ありがとうございました。
この発言だけを見る →
宮沢洋一#23
○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。
 河野義博君。
この発言だけを見る →
河野義博#24
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 二〇五〇年カーボンニュートラル、菅政権の看板政策であります。国の形を変えるいい機会だと思っておりまして、そのために自給率をしっかり上げていく、そういった過程を通じて様々な技術に投資をしていくということだろうと思います。
 二〇五〇年がどういう世界かというのは誰も予想できませんし、前回のエネルギー基本計画を立てる際にも、何が起こっているか分かりませんから、しっかりありとあらゆるテクノロジーに投資していくんだ、その方向性は間違っていないんだと思います。
 一方で、見えている案件、やれば必ず結果ができるというところには重点的に投資をしていくべきでありまして、その観点からいいますと、この三十年、やれば確実に温暖化の原因を減らせるということでいえば、やはり大規模な浮体式の洋上風力発電だろうというふうに私は考えております。
 現在、長崎県の五島沖で、海洋再エネ法を使った第一号案件となりますけれども、これは本当に環境省が長年サポートしてくださり、そして経産省、国交省もしっかりと法律を作り、支援をしてきたわけでありますけれども、恐らく世界で第一号の商業運転になるだろうと思っておりましたが、諸般の事情で、ちょっと時間の関係からそれは言いませんけれども、アジアで一号案件となる浮体式の大規模な商業ベースの洋上風力発電所になるんだろうというふうに思います。
 現在、最終の選定作業が進められていると聞きますけれども、やっぱり着床式の洋上風力は適地が限られておりますので、しっかりこれは進めるとともに、その先を見据えた浮体式洋上風力の実現に向けてしっかり官民挙げて応援すべきだというふうに私は思っております。
 海事産業とも非常に連携を密にしていかなければなりませんし、国内のロジスティクス、これは非常に値段が高い、海外から輸入した方が安いんじゃないかというぐらい高いという中で、やっぱり全省庁挙げて取り組まなければなりませんが、とりわけ経済産業省に果たしていただく役割というのは私は大きいんじゃないかというふうに思っておりますが、江島副大臣にお伺いをしたいと思っております。浮体式の洋上風力発電、どのように取り組んでいかれますでしょうか。
この発言だけを見る →
江島潔#25
○副大臣(江島潔君) この洋上風力でありますが、二〇五〇年のカーボンニュートラル実現の切り札であると思います。
 昨年の十二月には官民で洋上風力産業ビジョンを策定をいたしまして、この中で、二〇三〇年までに一千万キロワット、二〇四〇年までに浮体式も含んで三千万キロワットから四千五百万キロワットの案件を形成するという導入目標を設定をしたところでございます。
 しかしながら、日本は欧州と異なりまして遠浅の海域が非常に少ない、言わばすぐ海でどんと深くなってしまうという、そういうこの立地にございます。その中でこの四千五百万キロワットという高い目標を達成するためには、どうしても、深い海域でも導入余地が大きいこの浮体式の早期コスト低減を行って導入拡大を図る必要がございます。
 現実に非常に浅瀬が少ないという中で、例えば私の地元の山口県でも、浅瀬に造ろうとして、それが結果的にすぐ目の前の住民の大反対に遭って頓挫しているというような事例もございます。やはりこれは、遠方であれば、浮体式であれば全くそういう地域住民に迷惑掛けることなくこの建設が可能でありますので、浮体式の実証、商用プラントの実現というのは本当に大事ではないかと思います。
 したがいまして、この浮体式の低コスト化のために必要な技術開発、これも含めた技術開発ロードマップ、これを今年の四月に策定をいたしたところでございます。第三次補正予算で措置をされましたこの二兆円のグリーンイノベーション基金、これも活用しながら、戦略的に技術開発、実証研究に引き続き取り組んでまいりたいと思います。
この発言だけを見る →
河野義博#26
○河野義博君 浮体式を切り札と言っていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
 残り二問通告しておりますので、これは政府参考人に伺います。
 この長崎の洋上風力、浮体式の案件に先行する形で、二〇一一年から、福島復興のシンボルとしまして、また、当時は世界初となる複数基三基が浮かぶという洋上風力の実証実験がなされました。大変残念ですけれども、今年度中に実証設備は実証を終えて撤去するという方針になりました。
 六百二十億円を投じて行ったこのプロジェクトであります。当該実証実験によって得られた成果をどのように評価をしておられますでしょうか、またその成果を、この切り札ともいうべき大規模な浮体式洋上風力発電の事業開発に今後どのように生かしていくおつもりでしょうか。
この発言だけを見る →
茂木正#27
○政府参考人(茂木正君) 今委員から御指摘いただきました浮体式の洋上風力のプロジェクトでございます。
 御指摘のとおり、二メガ、五メガ、七メガと、この三つの浮体式の洋上風力の安全性、信頼性、経済性、これを明らかにする目的で、複数基としては当時世界初の本格的な実証研究として実施をいたしました。この事業は、令和二年度末までにデータを取得しまして継続しておりまして、事業全体の評価は今年度行うということにしております。
 ただ、既に浮体式特有の技術的課題については多くの知見が得られているところであります。具体的には、各種浮体、これセミサブ、それからコンパクトセミサブ、アドバンストスパーと三種類の浮体式の実証をいたしましたけれども、そこでの特性ですとか、あるいは風車と組み合わせた場合の挙動や制御方法、こういったデータを蓄積をしております。それから、浮体式の洋上風力を設置する際、あるいは運用する際の様々なマニュアルについても蓄積していまして、こういったものがノウハウとしてしっかりと整備できているというふうに考えています。
 今後、この再エネ海域利用法を着実に執行するとともに、こうした事業全体の評価を使いまして事業者が活用できるようにすることで、浮体式を含めた洋上風力発電の導入拡大に取り組んでまいりたいというふうに考えています。
この発言だけを見る →
河野義博#28
○河野義博君 やっぱりデータをしっかり開示するということが大事だろうと思います。実際の海の上で、しかも風車の高さで測った風のデータというのは日本国内では余りありません。そのデータは非常に有効なデータであって、陸上のデータとの相関を取れば、風況の確実性を高めることもできます。風車にとって一番のリスクは風です。風の読み方を、その信頼性を高めるためにも、このデータというのをしっかり活用していくべきだと思います。
 最後に、再エネ海域利用法における入札が今進んでおりまして、長崎、秋田、千葉で進んでおります。
 これ、制度ができたからこその産みの苦しみかもしれませんけれども、これ、十分な議論が経ないままに入札制度が導入をされました。入札制度というのであれば、様々な条件を整えた上で入札とするのであれば分かるんですけれども、それぞれ入札する方々が、地元との合意形成はもとより、環境アセス、地質調査、系統接続、漁業者との調整、全て事業者が、入札する側がやらなきゃならない。にもかかわらず、価格で勝負しますという制度になっておりまして、それはそれで産みの苦しみとして仕方がないかなとは思いますが、行く行くは、やはり国が、ここでできますよと、アセスも終わっている、地質調査もある程度見えている、風もこのぐらい吹きますよという中で、じゃ、入札で幾らで風車建てられますかというのが本来の入札制度だと私は思います。
 その点は御理解をいただいて、今、セントラル方式というのを進めていただいておりますが、その日本版セントラル方式の実施内容及び今後のスケジュールをお伺いして、質問を終わります。
この発言だけを見る →
茂木正#29
○政府参考人(茂木正君) 再エネ海域利用法に基づきまして、今御指摘あったとおり、既にゾーニングによる長期の占用ルール、それから漁業関係者など地元との調整の仕組みなどを用意いたしましたが、一方で、初期段階の基礎調査ですとか系統確保等のこうした取組を複数の事業者が重複して行っているということで、こうした点が非効率だという指摘は受けております。
 そこで、開発の初期段階から政府がしっかり関与をいたしまして、より迅速かつ効率的に、風況ですとか地質の調査、それから環境アセスの初期段階の調査、それから適時に系統の確保などを行うと、いわゆる日本版のセントラル方式の確立に向けまして、現在実証事業に着手しているところであります。
 具体的には、実証海域を今年、今選定する作業に入っておりまして、都道府県及び事業者に対して情報提供を今月末までということで依頼をしているところであります。また、必要な系統を国があらかじめ暫定的に確保するという仕組みについても整備を進めておりまして、こちらも六月中にも関係機関の規程等の改定を行う予定であります。
 今後とも、欧州各国の取組を参考にしながら、官民の適切な分担、こうしたことも含めて、仕組みの具体化に努めてまいりたいというふうに考えています。
この発言だけを見る →
← 戻る