山添拓の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
調査テーマである「資源の安定供給等」に関して意見を述べます。
気候変動対策は、地球上における人類の生存が懸かった問題であり、資源エネルギー政策を検討する前提というべきです。地球の平均気温が産業革命前と比べて一・二度上昇し、集中豪雨や熱波、森林火災など、世界各地で既に目に見える深刻な事態が生じています。
IPCC、国連気候変動に関する政府間パネルが二〇一八年に発表した特別報告書は、産業革命前に比べ二度上昇した場合、洪水や永久凍土の融解などのリスクが一・五度上昇の場合よりもはるかに高まると指摘し、早ければ二〇三〇年にも一・五度以上の上昇となることを警告しました。一・五度上昇は地球にとって臨界点であり、それを超えると温暖化を加速させる現象が連鎖し、暴走を始める可能性も指摘されています。二〇三〇年が、その先の未来への分岐点と言っても過言ではありません。
特別報告書は、一・五度上昇を抑制するには、二〇三〇年までに世界全体で温室効果ガスの排出量を二〇一〇年比で四五%削減し、五〇年までに実質ゼロにする必要があるとしています。今般菅政権が掲げた二〇一三年度比四六%減は、一〇年比換算では四二%減であり、整合しません。EUや米国を始め先進国で五〇%以上の削減が当たり前のときに、世界第五位の排出国が四六%減では、世界の脱炭素のリーダーシップを取っていくとは言えません。
日本の温室効果ガス排出量の四割を電力部門が占めており、排出量が最も多い石炭火力の全廃が緊急の課題です。ところが、政府は、国内外で石炭火力を温存し推進する政策を改めようとせず、新規の建設まで進めています。CO2を出さないゼロエミッション火力をうたいますが、実現の保証はありません。二〇三〇年は目前です。石炭火力に固執するのはやめ、フェーズアウト計画を直ちに策定し、海外の石炭火力発電への支援を停止すべきです。
同時に、脱炭素電源として原発への依存を強めようとする動きも看過できません。東京電力の柏崎刈羽原発で、IDの不正利用に続き、テロ対策設備の機能喪失が発覚し、運転禁止命令が出されるに至りました。原発再稼働を進める他の電力会社においても、運転差止めや設置許可取消しを命ずる司法判断が相次いでおり、原発依存は前提を欠きます。
福島原発事故から十年、安全神話の下で過酷事故を引き起こし、想定外と責任を否定してきた政治の下、新増設やリプレースはもちろん、老朽原発を延命してまで再稼働を強行することは断じて許されません。脱炭素は原発ゼロで十分に実現できます。再生可能エネルギーの抜本的な導入拡大が必要です。
本調査会では、カーボンニュートラルは進むべき方向ではあるが、コストを意識することが必要だという意見も述べられました。しかし、明日香壽川参考人が指摘したように、世界の現状として、原子力や石炭は圧倒的に高く、太陽光や風力はその半分ないし三分の一の値段になっており、しかも低コスト化が加速する局面です。松下和夫参考人は、地域の資源、人材、技術を生かすことが重要だと指摘しました。石炭火力や原発といった大規模集中型の電源と比べて、太陽光や風力など小規模分散型の電源は雇用をつくる力も強く、地域循環共生圏につながります。コロナ危機を経たグリーンリカバリーは、地域分散と地産地消のエネルギー開発で進めるべきです。
カーボンニュートラルは、原発ゼロと省エネ推進、再エネの飛躍的普及で実現すべきであり、それが政治の役割です。野党は既に、原発ゼロ基本法案とその実施法である再エネ推進法案を国会に提出しています。委員の皆さんの賛同を求めます。
最後に、国連の持続可能な開発目標、SDGsは、地球の限界を超えないということと同時に、貧困や格差の解消を柱としています。気候変動対策や鉱物資源開発と貧困や格差の是正をセットで進める。そのためには、社会の利益より企業のもうけ、利潤追求を優先する新自由主義的な在り方を変え、企業には社会的責任を果たさせることが不可欠であることを強調して、意見とします。