江藤洋一の発言 (情報監視審査会)
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○参考人(江藤洋一君) 御質問ありがとうございました。
まず、その質問にお答えする前に、先ほど申し上げましたツワネ原則でどうなっているかということを申し上げます。ツワネ原則におきましては情報をした市民の方を処罰してはならないと、こういう原則を確立しております。ただ、これは各国の実定法になっておりませんで、あくまで法原則ということでございますので、そういう理念があるということをまず一つ御理解いただきたいと思います。
さて、その上で特定秘密保護法ではどうなっているかというと、一番重いのが秘密漏えい罪ですが、これにつき、教唆犯、幇助犯というものがあるんですが、これがいわゆる独立犯と言われるものになっております。独立犯って何かというと、本体の人が犯罪が成立した場合に、教唆犯や従犯、いや、その幇助が成立するのではなくて、本犯が成立しなくてもこの教唆と従犯が犯罪として成立してしまうという、こういう立て付けになっているわけでございます。これが非常に危険なものだということを私ども常々に申し上げておるところでございます。
そしてまた、更に大事なことなんですが、そういう犯罪行為があると捜査機関が認知したならば、捜索、差押え、逮捕、勾留ができてしまうということなんです。よく言われることでございますが、警察の捜索、差押えを受けた後というのはまるで強盗に入られたようだと、こういうふうに言われることはございます。それはもう、生活の安寧なんというものはもう全く侵されてしまう。
で、さらに、ここから、まだもう一つ問題がございます。じゃ、そうして実際にそれが裁判になるかというと、ならないんです。捜索、差押えをして、逮捕、勾留されて、それだけで終わるという例が圧倒的に多い。ちょっと例えは悪いですけど、戦前の治安維持法違反の場合には、捜索、差押え、逮捕、勾留されたうちの僅か一割しか起訴されなかったという、こういう統計が残っております。これが、今この秘密保護法で行われたらどうなりますでしょうか。逮捕、勾留、捜索、差押えを行うけれども、何ら表へ出てこないまま終わってしまう事件が山のように出てきたと仮定するならば、それは取材というものが萎縮してしまうということが懸念されるということでございます。
以上でございます。