奥山千鶴子の発言 (内閣委員会)

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○参考人(奥山千鶴子君) ありがとうございます。
 おはようございます。NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長の奥山と申します。この度は、このような機会で発言させていただくこと、誠にありがとうございます。
 私は、二〇〇〇年、平成十二年より、横浜市にて乳幼児を育てている親たちで商店街の空き店舗を借りて親子の交流の場を立ち上げたところからスタートしております。このような親子の交流の場の運営は研修やネットワーク化が必要だと、二〇〇七年、平成十九年に子育てひろば全国連絡協議会を創設いたしました。
 まず、私は、今回の子ども・子育て支援法並びに児童手当法の一部を改正する法律案について賛成しておりますとともに、今後は更に拡充をしていただきたいと考えております。その理由を資料に基づいて御説明いたします。
 資料をお開きください。
 まずは、新型コロナウイルス感染拡大により表出した課題を御覧ください。
 これは、地域にこれまであった課題が改めて可視化された、表出された現状であるというふうに捉えております。妊娠期・産後家庭の孤立・支援不足、二、就園前の家庭の孤立・所属感のなさ、三、気楽に相談できる体制整備の脆弱性、四、圧倒的な地域子ども・子育て支援の不足、五、信頼できる情報の把握と発信、六、困難な家庭がより困難に、格差の拡大というのが課題だと思います。
 次に、御覧ください。妊娠期から包括的子ども・子育て支援施策を構築するために四つのことを少しお話をさせていただきたいと思います。以下の一、二、三、四です。詳細についてこれから述べさせていただきたいと思います。
 そして、今後の、次のパワーポイントですが、目指すべき姿として、子供が生まれることで子育て家庭は地域コミュニティーを再確認する、再認識すると思います。特に、初めての子育て家庭や転入者の孤立を防ぐ視点が重要であること、それから、産前産後、子育て支援サービスを権利としてしっかり保障し、確実に提供できる体制整備が必要であること、地域コミュニティーや地方自治体は、地域資源を拡充し、多様な主体をネットワーク化しながら、市民協働の視点で体制づくりを展開していく必要があるというふうに思っています。そのためには思い切った財源の確保と体制整備を進めていただきたいというふうに思っています。
 それでは、先ほど御紹介いたしました四つの部分について、一つずつちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 まずは、妊娠期から地域とのつながりをつくる支援サービスの拡充、権利としての保障という部分です。
 ここに一、二、三、四というふうにございますけれども、なかなかその母子保健の分野の充実というのがこれから求められると思っています。
 親の学習機会であります両親学級も、最近の調査によると、自治体主催のもので約二割程度というふうになっております。就労家庭が増えておりますので、土日開催やネットの申込みなどが必要ではないかと思っています。
 さらに、産前産後のサポート事業の拡充ですけれども、こちらについては地域人材での実施が可能だというふうにされておりますが、取組の自治体がまだまだ少ない現状かと思います。
 それから、産後ケア事業ですね、こちらも年々増えてはきているんですけれども、デイケア、ショートステイ、どちらも利用条件が結構限定されており、全ての方が利用できる状況にはなっていないかと思います。
 そして、産前産後家事・育児支援ヘルパー派遣、これは私どもも担わせていただいておりますけれども、非常にこちらもニーズが高いのですが、実施自治体が三割程度というふうになっていて、これからの充実が求められる分だというふうに思っております。
 次のパワーポイントが、市町村における子育て支援と母子保健の概要が書かれているものなんですけれども、ここの産後ケア、産前産後サポート事業、こちら、それから真ん中にあります子育て支援施策、ここを、この黄色い部分ですね、この辺りを私ども担わせていただいておりますけれども、この母子保健と子育て支援をつなぐ子育て世代包括支援センター、こちらの充実というのも非常に重要になってくるというふうに思っております。この辺の体制整備が今後更に求められるというふうに思っております。
 次のページですけれども、今回、この子育て、前のページですけれども、先ほどの御説明した、子育て世代包括支援センターというものを紹介をさせていただきましたが、今回の市町村子ども・子育て支援事業計画に定める任意的記載事項の追加によって、子育て世代包括支援センターに関わる利用者支援事業等の拡充や、各事業間の連携の推進に関する事項が追記になったことというのは、そういう意味で非常に重要な点だというふうに捉えております。
 次に、パワーポイント、子ども・子育て支援の機能と支援の整理を御覧ください。
 二〇一五年よりスタートしました子ども・子育て支援法に基づく事業推進は、三歳以上のお子さんに対する幼児教育、保育の無償化などにより、親の就労の有無に関わらない幼児教育、保育の保障につながったというふうに思っておりますが、三歳未満児に関しては、いまだ親の就労の有無による支援サービスの差が大きいと感じております。
 全ての子育て家庭に対する支援の対個人給付においては、今回改正となる児童手当も入っておりますけれども、この中で限られた財源をどういうふうに配分するか、現物支給、現金給付のバランスを考えた場合にどちらを手厚く配分すべきかと考えた場合には、先進諸国の国においてもやはり現金給付より現物給付の方が充実しているというふうに考えております。
 また、経済的に厳しい困難家庭においては、子供たちが質の高い幼児教育を受け、安心して子育てができるよう配分がなされるべきというふうに考えております。特に、私は立場から、今後は三歳未満児に対する現物支給の充実がまずは大事であり、全体として包括支援の充実が大事であるというふうに考えております。
 したがいまして、特例給付の対象者で高額な年収の者を支給対象外として保育等の現物支援の拡充に活用することについては理解をするものです。もちろん、これで十分ではないことはこの資料の中でも明らかなものであり、更なる子ども・子育て支援の予算の確保が求められるというふうに考えております。
 次に、就学前児童が活用している幼児教育、保育の利用者割合を御覧ください。
 最新の情報のデータになっております。保育園に通っていらっしゃる方、幼稚園に通っていらっしゃる方、こども園に通っていらっしゃる方、この黄色い部分がいわゆる推定未就園児ということで、私ども地域子育て支援が主に対象としている層なんですが、ここもまだかなり多いわけです。育休を取得されている方も含めて、この部分についての支援というのが、今回ちょっと御紹介させていただきます多機能型子育て支援という形で拡充を求めるものでございます。
 それでは、次を御覧ください。
 就園前の家庭の居場所、支援サービスの包括的支援ということです。一、二、三ということで、三つほど御説明をさせていただきます。
 おめくりいただきまして、まずは子育て支援拠点の整備ということです。
 この多機能型子育て支援拠点ということなんですが、まず、子育て支援拠点というのは、子育て支援センターとか、子育てひろばとか子育てサロンというふうに呼ばれることも多いんですけれども、全国に七千五百か所以上で開催されておりまして、保育所、認定こども園、公的施設、児童館、いろんなところで併設されるなどして実施をされているというものです。親子が相互の交流を行う場を提供し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行う事業という内容になっております。この写真は、私どもが運営しておりますどろっぷサテライトの写真です。
 そして次のページ、どのような機能があるのかと、多機能型子育て支援拠点ですけれども、まずは親子の交流の場に来ていただくことで、この通い慣れた場所で相談も受けられる、それから一時預かり等の場所も併設されているというところもあります。それから、ファミリー・サポート・センター事業ですとか訪問型の支援、こういったところが、拠点に来たついでに登録ができるとかサービスにアクセスできるというのは非常に重要だと思っています。また、赤ちゃん訪問などでつながった人たちが拠点に一緒に来ていただける、そういうことで、いろんな方とのつながりの中で多機能的な支援を繰り広げられるという利点があるというふうに思っております。
 次に、支援効果なんですけれども、私どもが厚生労働省の調査研究でさせていただいたところなんですが、利用者に対しての支援効果については、拠点だけを利用されている方、複数のサービスを利用されている方で支援効果を見たところ、やはり多機能的な取組を活用して複数のサービスを利用している併用者の方が相対的に高い支援効果が見出されたという結果となっております。
 次に、(2)一時預かり事業の拡充と利用の権利保障についてです。
 ここが私は本当に拡充していただきたいと思っている部分なんですね。これは少子化社会対策大綱の目標として、令和元年度の目標というのが千百三十四万人というのが出ていますけれども、実態としましては五百二十一万人分ということで、これは幼稚園、保育園、認定こども園に行かれていない方を想定をしますと、本当に年に二日ぐらいしか、まあ百万人という数で言えばですね、この程度しかないわけですよね。本当に突発的なこともありますし、願わくは、本当に週に一回三時間でも、定期で、就労に限らず保育にアクセスできるということが子供たちの健やかな成長にも必要ではないかなというふうに思っているところです。
 そして次に、ファミリー・サポート・センター事業です。
 これは地域の人材による地域住民の支え合い活動なんですけれども、今回、厚生労働省の方も、このファミリー・サポート・センター事業が拠点等と連携した場合の加算でありますとか、それから、一事業者だけではなくて支所をセッティングすることができるということで、やはり地域の担い手を掘り起こすということが非常に重要になってまいりますので、多様な担い手にそのコーディネート機能をお任せいただくことで地域の人材発掘につながるというふうに捉えております。これは小学校の六年生まで対応できる事業ですので、本当に地域における実家機能を果たしていく重要なものだというふうに思っております。拡充を求めたいと思います。
 次に、三番ですが、気軽に相談できる体制整備と支援のコーディネート強化ということで、やはり相談支援というのは非常に重要になってきます。
 特に、子育て世代包括支援センターのケアマネジメント力をアップしていくということと、母子保健と子育て支援の連携をしっかりと取っていくということが求められていると思います。自治体によっては、やはり母子保健と子育て支援、保育の間にかなり縦割り的な要素があって連携がなかなか進まないという課題があると思います。これを今回の法制度でも連携よく進めることで支援の幅を広げていただければというふうに思っております。
 利用者支援事業につきましては、次のページに詳細がございます。グラフも見ていただければと思うんですけれども、まだいわゆる総合型である基本型は八百五か所にすぎません。そして、母子保健型も千三百三十ということで、全ての自治体が設置しているわけではないということになります。
 子育て世代包括支援センターの現状というところを見ていただきますと、今申し上げたとおり、母子保健型と基本型の連携というのが非常に重要だと思うんですが、まだ取組の自治体が二割程度というふうになっておりますので、この辺りの推進というのも考えていただければと思っております。
 そして四番目が、利用者主体の情報提供の部分です。
 コロナ禍で一部ICT活用が進んだ面もありますが、一部にすぎないというふうにも感じております。相談支援をしっかり行うためには、対象者がいつどの程度来ていたのか、相談内容はどういう内容だったのか、しっかりデータを示す必要があります。そのためには、施設利用者の入退館システム、相談支援のための記録支援アプリの開発など、それからまた、両親教室やピアサポートなど当事者向けのプログラムはウエブで申込みができるようになるなど、やはりもう少しICT活用の促進が求められるというふうに感じております。
 以降の取組につきましては、認定NPO法人びーのびーのの実践報告になっておりますので、お目通しいただければ幸いです。特に、産前産後ヘルパー派遣事業は月間百五十件以上、ファミリー・サポート・センター事業は月千件を超えるコーディネートを実施しています。それでもニーズに追い付いていないというふうに感じております。
 最後になりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、出産したばかりの子育て家庭はより厳しい状況に置かれています。里帰りもできず、呼び寄せもできない。この状況を若い世代が見て、家族を持とうと思うでしょうか。この国の将来を考えたときに、これまでと同じようなスピードでは間に合わないと感じております。困窮家庭、所得の低い家庭や何らかの困難を生じている家庭、さらには、どのような家庭においてもそのような困難はいつでも生じる可能性があることを前提に、全ての家庭を包括する支援体制を至急構築する必要があると考えております。
 したがいまして、子ども・子育て支援のための財源確保は喫緊の課題であり、待ったなしだと思っています。人生のスタートの時期、ここに対して諸外国は一番力を入れているところだと思いますので、我が国においても与野党を超えての知恵の結集をお願いして、私の意見陳述を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 奥山千鶴子

speaker_id: 17135

日付: 2021-05-18

院: 参議院

会議名: 内閣委員会