内閣委員会

2021-05-18 参議院 全254発言

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会議録情報#0
令和三年五月十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     三宅 伸吾君     岡田 直樹君
     伊藤  岳君     市田 忠義君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     吉良よし子君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     山田 修路君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森屋  宏君
    理 事
                酒井 庸行君
                徳茂 雅之君
                木戸口英司君
                平木 大作君
                矢田わか子君
    委 員
                大家 敏志君
                岡田 直樹君
                古賀友一郎君
                高野光二郎君
                山田 修路君
                山田 太郎君
                山谷えり子君
                和田 政宗君
                小沼  巧君
                塩村あやか君
                杉尾 秀哉君
                石川 博崇君
                柴田  巧君
                高木かおり君
                吉良よし子君
                田村 智子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     坂本 哲志君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       厚生労働副大臣  山本 博司君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  元榮太一郎君
       厚生労働大臣政
       務官       大隈 和英君
       厚生労働大臣政
       務官       こやり隆史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      難波 健太君
       内閣府子ども・
       子育て本部統括
       官        嶋田 裕光君
       文部科学省大臣
       官房審議官    蝦名 喜之君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    岩井 勝弘君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      岸本 武史君
   参考人
       NPO法人子育
       てひろば全国連
       絡協議会理事長  奥山千鶴子君
       日本大学文理学
       部教授      末冨  芳君
       株式会社大和総
       研金融調査部主
       任研究員     是枝 俊悟君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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森屋宏#1
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、三宅伸吾君及び伊藤岳君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君及び吉良よし子さんが選任をされました。
    ─────────────
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森屋宏#2
○委員長(森屋宏君) 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、まず、NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長奥山千鶴子さん、日本大学文理学部教授末冨芳さん及び株式会社大和総研金融調査部主任研究員是枝俊悟君でございます。
 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様方から本日は忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にしてまいりたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、奥山参考人、次に末冨参考人、そして是枝参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べをいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと思います。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願います。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず奥山参考人からお願いをいたします。奥山参考人。
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奥山千鶴子#3
○参考人(奥山千鶴子君) ありがとうございます。
 おはようございます。NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長の奥山と申します。この度は、このような機会で発言させていただくこと、誠にありがとうございます。
 私は、二〇〇〇年、平成十二年より、横浜市にて乳幼児を育てている親たちで商店街の空き店舗を借りて親子の交流の場を立ち上げたところからスタートしております。このような親子の交流の場の運営は研修やネットワーク化が必要だと、二〇〇七年、平成十九年に子育てひろば全国連絡協議会を創設いたしました。
 まず、私は、今回の子ども・子育て支援法並びに児童手当法の一部を改正する法律案について賛成しておりますとともに、今後は更に拡充をしていただきたいと考えております。その理由を資料に基づいて御説明いたします。
 資料をお開きください。
 まずは、新型コロナウイルス感染拡大により表出した課題を御覧ください。
 これは、地域にこれまであった課題が改めて可視化された、表出された現状であるというふうに捉えております。妊娠期・産後家庭の孤立・支援不足、二、就園前の家庭の孤立・所属感のなさ、三、気楽に相談できる体制整備の脆弱性、四、圧倒的な地域子ども・子育て支援の不足、五、信頼できる情報の把握と発信、六、困難な家庭がより困難に、格差の拡大というのが課題だと思います。
 次に、御覧ください。妊娠期から包括的子ども・子育て支援施策を構築するために四つのことを少しお話をさせていただきたいと思います。以下の一、二、三、四です。詳細についてこれから述べさせていただきたいと思います。
 そして、今後の、次のパワーポイントですが、目指すべき姿として、子供が生まれることで子育て家庭は地域コミュニティーを再確認する、再認識すると思います。特に、初めての子育て家庭や転入者の孤立を防ぐ視点が重要であること、それから、産前産後、子育て支援サービスを権利としてしっかり保障し、確実に提供できる体制整備が必要であること、地域コミュニティーや地方自治体は、地域資源を拡充し、多様な主体をネットワーク化しながら、市民協働の視点で体制づくりを展開していく必要があるというふうに思っています。そのためには思い切った財源の確保と体制整備を進めていただきたいというふうに思っています。
 それでは、先ほど御紹介いたしました四つの部分について、一つずつちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 まずは、妊娠期から地域とのつながりをつくる支援サービスの拡充、権利としての保障という部分です。
 ここに一、二、三、四というふうにございますけれども、なかなかその母子保健の分野の充実というのがこれから求められると思っています。
 親の学習機会であります両親学級も、最近の調査によると、自治体主催のもので約二割程度というふうになっております。就労家庭が増えておりますので、土日開催やネットの申込みなどが必要ではないかと思っています。
 さらに、産前産後のサポート事業の拡充ですけれども、こちらについては地域人材での実施が可能だというふうにされておりますが、取組の自治体がまだまだ少ない現状かと思います。
 それから、産後ケア事業ですね、こちらも年々増えてはきているんですけれども、デイケア、ショートステイ、どちらも利用条件が結構限定されており、全ての方が利用できる状況にはなっていないかと思います。
 そして、産前産後家事・育児支援ヘルパー派遣、これは私どもも担わせていただいておりますけれども、非常にこちらもニーズが高いのですが、実施自治体が三割程度というふうになっていて、これからの充実が求められる分だというふうに思っております。
 次のパワーポイントが、市町村における子育て支援と母子保健の概要が書かれているものなんですけれども、ここの産後ケア、産前産後サポート事業、こちら、それから真ん中にあります子育て支援施策、ここを、この黄色い部分ですね、この辺りを私ども担わせていただいておりますけれども、この母子保健と子育て支援をつなぐ子育て世代包括支援センター、こちらの充実というのも非常に重要になってくるというふうに思っております。この辺の体制整備が今後更に求められるというふうに思っております。
 次のページですけれども、今回、この子育て、前のページですけれども、先ほどの御説明した、子育て世代包括支援センターというものを紹介をさせていただきましたが、今回の市町村子ども・子育て支援事業計画に定める任意的記載事項の追加によって、子育て世代包括支援センターに関わる利用者支援事業等の拡充や、各事業間の連携の推進に関する事項が追記になったことというのは、そういう意味で非常に重要な点だというふうに捉えております。
 次に、パワーポイント、子ども・子育て支援の機能と支援の整理を御覧ください。
 二〇一五年よりスタートしました子ども・子育て支援法に基づく事業推進は、三歳以上のお子さんに対する幼児教育、保育の無償化などにより、親の就労の有無に関わらない幼児教育、保育の保障につながったというふうに思っておりますが、三歳未満児に関しては、いまだ親の就労の有無による支援サービスの差が大きいと感じております。
 全ての子育て家庭に対する支援の対個人給付においては、今回改正となる児童手当も入っておりますけれども、この中で限られた財源をどういうふうに配分するか、現物支給、現金給付のバランスを考えた場合にどちらを手厚く配分すべきかと考えた場合には、先進諸国の国においてもやはり現金給付より現物給付の方が充実しているというふうに考えております。
 また、経済的に厳しい困難家庭においては、子供たちが質の高い幼児教育を受け、安心して子育てができるよう配分がなされるべきというふうに考えております。特に、私は立場から、今後は三歳未満児に対する現物支給の充実がまずは大事であり、全体として包括支援の充実が大事であるというふうに考えております。
 したがいまして、特例給付の対象者で高額な年収の者を支給対象外として保育等の現物支援の拡充に活用することについては理解をするものです。もちろん、これで十分ではないことはこの資料の中でも明らかなものであり、更なる子ども・子育て支援の予算の確保が求められるというふうに考えております。
 次に、就学前児童が活用している幼児教育、保育の利用者割合を御覧ください。
 最新の情報のデータになっております。保育園に通っていらっしゃる方、幼稚園に通っていらっしゃる方、こども園に通っていらっしゃる方、この黄色い部分がいわゆる推定未就園児ということで、私ども地域子育て支援が主に対象としている層なんですが、ここもまだかなり多いわけです。育休を取得されている方も含めて、この部分についての支援というのが、今回ちょっと御紹介させていただきます多機能型子育て支援という形で拡充を求めるものでございます。
 それでは、次を御覧ください。
 就園前の家庭の居場所、支援サービスの包括的支援ということです。一、二、三ということで、三つほど御説明をさせていただきます。
 おめくりいただきまして、まずは子育て支援拠点の整備ということです。
 この多機能型子育て支援拠点ということなんですが、まず、子育て支援拠点というのは、子育て支援センターとか、子育てひろばとか子育てサロンというふうに呼ばれることも多いんですけれども、全国に七千五百か所以上で開催されておりまして、保育所、認定こども園、公的施設、児童館、いろんなところで併設されるなどして実施をされているというものです。親子が相互の交流を行う場を提供し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行う事業という内容になっております。この写真は、私どもが運営しておりますどろっぷサテライトの写真です。
 そして次のページ、どのような機能があるのかと、多機能型子育て支援拠点ですけれども、まずは親子の交流の場に来ていただくことで、この通い慣れた場所で相談も受けられる、それから一時預かり等の場所も併設されているというところもあります。それから、ファミリー・サポート・センター事業ですとか訪問型の支援、こういったところが、拠点に来たついでに登録ができるとかサービスにアクセスできるというのは非常に重要だと思っています。また、赤ちゃん訪問などでつながった人たちが拠点に一緒に来ていただける、そういうことで、いろんな方とのつながりの中で多機能的な支援を繰り広げられるという利点があるというふうに思っております。
 次に、支援効果なんですけれども、私どもが厚生労働省の調査研究でさせていただいたところなんですが、利用者に対しての支援効果については、拠点だけを利用されている方、複数のサービスを利用されている方で支援効果を見たところ、やはり多機能的な取組を活用して複数のサービスを利用している併用者の方が相対的に高い支援効果が見出されたという結果となっております。
 次に、(2)一時預かり事業の拡充と利用の権利保障についてです。
 ここが私は本当に拡充していただきたいと思っている部分なんですね。これは少子化社会対策大綱の目標として、令和元年度の目標というのが千百三十四万人というのが出ていますけれども、実態としましては五百二十一万人分ということで、これは幼稚園、保育園、認定こども園に行かれていない方を想定をしますと、本当に年に二日ぐらいしか、まあ百万人という数で言えばですね、この程度しかないわけですよね。本当に突発的なこともありますし、願わくは、本当に週に一回三時間でも、定期で、就労に限らず保育にアクセスできるということが子供たちの健やかな成長にも必要ではないかなというふうに思っているところです。
 そして次に、ファミリー・サポート・センター事業です。
 これは地域の人材による地域住民の支え合い活動なんですけれども、今回、厚生労働省の方も、このファミリー・サポート・センター事業が拠点等と連携した場合の加算でありますとか、それから、一事業者だけではなくて支所をセッティングすることができるということで、やはり地域の担い手を掘り起こすということが非常に重要になってまいりますので、多様な担い手にそのコーディネート機能をお任せいただくことで地域の人材発掘につながるというふうに捉えております。これは小学校の六年生まで対応できる事業ですので、本当に地域における実家機能を果たしていく重要なものだというふうに思っております。拡充を求めたいと思います。
 次に、三番ですが、気軽に相談できる体制整備と支援のコーディネート強化ということで、やはり相談支援というのは非常に重要になってきます。
 特に、子育て世代包括支援センターのケアマネジメント力をアップしていくということと、母子保健と子育て支援の連携をしっかりと取っていくということが求められていると思います。自治体によっては、やはり母子保健と子育て支援、保育の間にかなり縦割り的な要素があって連携がなかなか進まないという課題があると思います。これを今回の法制度でも連携よく進めることで支援の幅を広げていただければというふうに思っております。
 利用者支援事業につきましては、次のページに詳細がございます。グラフも見ていただければと思うんですけれども、まだいわゆる総合型である基本型は八百五か所にすぎません。そして、母子保健型も千三百三十ということで、全ての自治体が設置しているわけではないということになります。
 子育て世代包括支援センターの現状というところを見ていただきますと、今申し上げたとおり、母子保健型と基本型の連携というのが非常に重要だと思うんですが、まだ取組の自治体が二割程度というふうになっておりますので、この辺りの推進というのも考えていただければと思っております。
 そして四番目が、利用者主体の情報提供の部分です。
 コロナ禍で一部ICT活用が進んだ面もありますが、一部にすぎないというふうにも感じております。相談支援をしっかり行うためには、対象者がいつどの程度来ていたのか、相談内容はどういう内容だったのか、しっかりデータを示す必要があります。そのためには、施設利用者の入退館システム、相談支援のための記録支援アプリの開発など、それからまた、両親教室やピアサポートなど当事者向けのプログラムはウエブで申込みができるようになるなど、やはりもう少しICT活用の促進が求められるというふうに感じております。
 以降の取組につきましては、認定NPO法人びーのびーのの実践報告になっておりますので、お目通しいただければ幸いです。特に、産前産後ヘルパー派遣事業は月間百五十件以上、ファミリー・サポート・センター事業は月千件を超えるコーディネートを実施しています。それでもニーズに追い付いていないというふうに感じております。
 最後になりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、出産したばかりの子育て家庭はより厳しい状況に置かれています。里帰りもできず、呼び寄せもできない。この状況を若い世代が見て、家族を持とうと思うでしょうか。この国の将来を考えたときに、これまでと同じようなスピードでは間に合わないと感じております。困窮家庭、所得の低い家庭や何らかの困難を生じている家庭、さらには、どのような家庭においてもそのような困難はいつでも生じる可能性があることを前提に、全ての家庭を包括する支援体制を至急構築する必要があると考えております。
 したがいまして、子ども・子育て支援のための財源確保は喫緊の課題であり、待ったなしだと思っています。人生のスタートの時期、ここに対して諸外国は一番力を入れているところだと思いますので、我が国においても与野党を超えての知恵の結集をお願いして、私の意見陳述を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
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森屋宏#4
○委員長(森屋宏君) ありがとうございました。
 次に、末冨参考人にお願いいたします。末冨参考人。
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末冨芳#5
○参考人(末冨芳君) 皆さん、おはようございます。日本大学の末冨でございます。
 本日は、全ての子供を大切にする子供・家族対策、子供の貧困対策について意見を申し述べさせていただきます。
 私は元々、教育学、特に教育行財政を専門としておりますが、二〇一四年より内閣府の子供の貧困対策に関する有識者会議委員も務める中で、子供政策全般への専門的知見も深めてまいりました。また、参議院の文教科学調査室の客員研究員でございますので、このように参議院での参考人の機会を与えていただきましたこと、大変感慨深うございます。
 また、ヤフーオーサーとして記事も執筆しておりまして、相当数の国会議員や官僚の皆様にも児童手当の特例給付廃止に関する記事は御参照していただいていると仄聞しております。このテーマにつきましては、夏までに光文社新書より本を上梓する予定でございますので、いましばらくお待ちください。
 なお、本日は、この件はごく一部の内容にすぎず、前半では子供・家族対策、後半で子供の貧困対策についてお話をさせていただくことにいたします。
 資料は駆け足で説明してまいりますので、御確認なさりたいことは御質問いただけますと幸甚に存じます。
 それでは、スライドの二番に参ります。
 なぜ全ての子供を大切にすると銘打ったのかと申しますと、それは、日本の子供、家族への支援が低所得層に限定され過ぎており、所得にかかわらず困難を抱える子供や保護者たちに開かれづらいという課題があるためです。私が理事を務めております子どもの貧困対策センター、公益財団法人あすのばの貧困の当事者の若者たちは、貧困とは貧と困で成り立っており、困り事を抱える全ての子供、若者に貧困対策が開かれてほしいという願いを持っております。
 スライドの三番に参ります。
 言い換えれば、全ての子供を大切にする普遍主義、ユニバーサルアプローチが大事だということであり、その根底には、子供の権利を大切にし、実現をしていく日本への進化が急がれるという現状がございます。児童の権利条約には、所得により支援に違いを生じさせてよいとはどこにも書いてありません。むしろ、子供の権利が奪われている子供を一人もいないようにすることが児童の権利条約批准国である我が国におきましても当然重要なことであるはずです。
 スライドの五に飛びます。
 それでは、スライドの五以降は、本次の改正について意見を申し述べてまいります。
 まず、ゼロから二歳への保育ニーズの対応において、事業者拠出金の引上げと保育機会を拡充することは大変重要です。ただし、それのみでは出生数増への効果に限界があることも既に国内研究では判明をしております。また、子育て関係機関の連携協力の推進も、先ほど奥山参考人がおっしゃられましたように、特に重要だと思われます。
 じゃ、それでは、スライドの六に参りたいと思います。
 事業主の助成制度につきましては良い制度であろうと存じますが、効果は限定的かと存じます。子育てする女性の賃金、昇進、雇用機会差別という意味での本来の子育て罰、チャイルドペナルティーの改善のためには、女性を冷たく差別する悪質事業者を減らすことの方が重要だからです。国土交通省におきます自動車事業者のネガティブ情報の公開、検索システムのように、子育て罰企業の公開、検索ができれば、速やかな改善が可能になると判断いたします。
 スライドの七に参ります。
 児童手当の特例給付廃止につきましては、この場におられる議員の皆様で、これはすばらしい政策だ、是非実現すべきだとおっしゃられる方は誰もおられないのだと信じております。排除される子供と親への説明責任、不公平性、恐怖喚起など、多くの課題がございます。
 スライドの八に参ります。
 今次改正の問題点であります、特に子供の生まれ年や世帯間の不公平性の回避のためには、まず、児童手当の特例給付廃止は三歳入園時からの、幼児教育無償化フル適用世代以降の順次導入とし、高所得層も利用可能な支援制度を拡大していくことが重要です。
 例えば、日本学生支援機構の二種奨学金の所得制限撤廃は今すぐにでも可能でありましょうし、教育の無償化については虐待等の被害者の若者にも適用することもできるはずです。
 スライドの九に参ります。
 児童手当の廃止につきましては、財務省での議論で、夫婦合算年収九百十万円あるいはそれを下回る中所得層まで将来的には廃止の対象となるのではないかという恐怖喚起を子育て世帯、そして子供を持つことを考えている若者世代にも引き起こした可能性がある点で少子化対策と矛盾します。特に、該当する世帯は人口集住地域である都市部に集中しており、今後の出生可能性がある若い世代に対しての恐怖喚起という点で政策効果に大きな疑問を感じております。
 山田昌弘中央大学教授の指摘されるとおり、日本の若者は思慮深いリスク回避的な行為者であり、奨学金返済や、自分が、パートナーが奨学金返済をしなければならなかったり、子供に将来大学進学がさせたりできないんじゃないかというふうに、家計が苦しくなるようなら、そもそも結婚も出産も選択いたしません。個人の利益だけを考えれば、結婚しない、子供を持たないことが合理的選択になっている日本の政治、社会構造が非婚化、無子化を引き起こしています。
 それでは、スライドの十一に進みながら、このような日本のありようをどのように改善すればよいのか考えてまいりましょう。
 スライドの十一に参ります。
 そもそも我が国の少子化対策の限界は十年以上にわたって専門の研究者から指摘されてきました。増税忌避社会の中で、企業は女性親にも男性親にも賃金、昇進、雇用機会の不利を課し、与野党合意なき政策の迷走の中で、子供が忌避される日本社会を改善できないまま現在に至っています。子供や親に優しく温かい日本への進化がまだできていません。
 なお、山田昌弘教授もメンバーであります財務省財務総合研究所の分析は政府内における少子化対策検証としては現時点で最も的確なものであると私自身は判断しておりますが、官邸、内閣府、あるいは財務省内での横串を刺す能力が十分であれば本次改正のような法案には至らなかったのではないかとも判断いたします。
 こども庁等の議論もにぎやかに報道されておりますが、これを機会に、先進国最少、最弱の官僚、公務員機構を拡充し、適切な政策サイクルを実現いただけると、子供、家族のための政策がすぐに実現されていくはずです。
 スライドの十二に参ります。
 本次改正の混乱は、日本の少子化対策がブレークスルー、進化の前段階に到達したためでもあるというふうに見ることもできます。ここから、更なる支援の切下げなのか、それとも子育て支援が一層充実する優しい日本になっていくのか、固唾をのんで見守っているのが子育て世代や子供を持ちたい若い世代の現状であろうと判断いたします。
 スライドの十三番に参ります。
 後ほど是枝参考人の方から詳しくお話があるのではないかと思いますが、年収八百万円以上の現役世代では、そもそも受益が負担を下回り、その中でも子供を産み育て、日本の現在にも未来にも貢献しています。この層をないがしろにすることは日本の未来を閉ざすことでもあります。
 次のスライドに参ります。
 では、このような子育て世代を冷遇する日本をどのように変えることができるのでしょうか。私が本日示します答えは、少子化対策を子供・家族対策に進化させることです。出生率、出生数の回復を目的とする少子化対策は、私のような子育てする女性にとっては産めよ増やせよ政策であり、長年耳がたこになるほど聞かされており、正直うんざりしている面もございます。また、政府や企業の上から目線、男性目線なのではという批判があることは皆様も御承知のことかと思います。
 それに対し、日本の家族政策の専門家でおられる落合恵美子京都大学教授、衆議院与党参考人の秋田喜代美東大教授も共通して指摘しておられるのは、子供と親、家族の幸せを当事者目線で実現することが、結果として子供たちがこの社会にたくさん生まれてきてくれる近道だということです。
 スライドの十五に参ります。
 子供・家族対策に進化をするということは、本次改正のような切下げ型の政策ではなく、子供給付の総合パッケージ化を実現することでもあります。児童手当、年少扶養控除と教育の無償化を組み合わせつつ、全ての子供を大切にする方向で、必要な財源を与野党で合意形成しながら実現することが必要であり、そうできると私は信じています。政府の取組だけでなく、企業の変容、子ども・子育てに優しい日本の大人への意識、行動変容も必要でしょう。
 スライドの十六に参ります。
 これは、左側が中高所得層の声、右側が低所得層の声になります。所得にかかわらず、日本での子育てはつらく厳しいものになっております。私が本日この場に参っておりますのは、国会の場で声を上げることができない子供や親たちの声を届けるためでもあります。支援が受けられないので離婚を考えている、もやしや雑炊しか食べられない、この声を放置して、子供や親に優しく温かい日本、出生数や出生率が改善する日本になるのでしょうか。
 スライドの十七に参ります。
 私の友人の前田晃平さんという三十代のお父さんからの御著作も是非紹介させてください。日本のパパは先進国で突出して育児も家事もできていません。先進国で一番の制度が日本にあるにもかかわらずです。日本政府は私たち現役世代に対する投資をひたすらけちってきましたと当事者のお父さん自身が嘆いておられます。子育て自己責任論をなくし、支え合い、子育て投資をし、成長する日本への改善策も示しております。
 女性にとりましても、出産前後から子育て期は心身共に本当につらい時期であり、必要なのはお金の支援だけではありません。特に、リーダー層の日本の男性方には意識や行動を変容いただき、男女の子育て当事者、子育てや結婚を考える若者の政策決定参画や、政府DXを通じた迅速な当事者ニーズの把握や政策改善が政策の精度を上げるための必須の条件であると考えます。
 スライドの十八に進みます。
 子供・家族政策について必要な財源の例はこちらにまとめました。重要なのは、二〇一二年、教育の無償化実現の基盤となった税と社会保障の一体改革と同様に、子供・家族対策に必要な財源について与野党合意をいただくことです。それこそが、与野党にかかわらず、日本の未来そのものである子供に責任を負う国会議員の果たすべきお務めなのではないでしょうか。
 それでは、ここからは子供の貧困対策について申し述べます。スライドの二十にお進みください。
 平成三十一年、子どもの貧困対策法改正におきましては、参議院の内閣委員会でも非常に有益な議論と可決をいただき、大変ありがとうございました。改めてお礼を申し上げます。
 一方で、改善課題もございます。スライドの二十一に参ります。
 教育の支援につきましてはかなり前進いたしましたが、入学時、進学時の支援の切れ目の改善については引き続き取り組む必要がございます。
 スライドの二十二番に参ります。
 教育の前に、衣食住、ライフライン支援、また保護者の孤立や就労上の子育て罰の早急な改善も必要です。
 スライドの二十三に進みます。
 こちらの方は、子供の乳幼児期から成人期までの切れ目のない支援を図式化したものになります。奥山参考人が先ほどおっしゃられましたように、多機能型の支援が乳幼児期から子供が育ち社会で活躍するまで伴走し、プッシュをしながらですね、プッシュ型の支援につなげながら進められることが望ましいというふうに考えます。それが優しく温かい日本社会への転換を支える政策にもなります。
 スライドの二十四に参ります。
 我が国における子供の貧困対策として今すぐ実現すべきことをリスト化いたしました。児童扶養手当の二人親困窮世帯適用、児童手当の低所得世帯の高校生への延長は急がれます。そして、先ほども申し上げましたが、教育の支援では、受験時の切れ目の支援を、既に国は動き始めておりますが、自治体でも拡充いただきますよう、こちらにいらっしゃいます与野党の議員の皆様にもどうぞよろしくお願い申し上げます。何度も申し上げますが、困窮世帯の親、特に女性親への就労支援や賃金差別も改善が必要です。
 次のスライドに参ります。
 衣食住、電気、ガス、水道や、医療に事欠く子供たちが日本には一、二割程度おります。このような子供たちがゼロになれば、我が国の貧困対策は一定のゴールを実現できたことになります。そのためには、二十六ページに参りますが、一人親、二人親も包摂する子供の貧困対策が必要になります。世帯類型にとらわれない支援が必要です。
 スライドの二十七に進ませていただきます。
 近年の分析で明らかになっているのが、貧困層の中でも特に厳しいディーププア層と呼ばれる人々の存在です。簡単に計算しますと、我が国に十五万世帯のディーププア層が存在します。これらの世帯は必ずしも生活保護を受けられているわけではなく、どのような生活実態であり、どのような支援が必要なのか、解明と政策の充実が最も急がれる人々になります。
 スライドの二十八に参ります。
 子供・家族対策と同様に、当事者の声や参画を大切にした意思決定が必要となります。
 スライドの二十九番に参ります。
 なぜそのようなことを申し上げるかと申しますと、大人だけでは子供たちの実態は十分に酌み取れないということでございます。
 それでは、最後のスライド、三十に参らせていただきたいと思います。
 最後に申し上げたいのは、子供、若者や親の当事者参画とともに、政府DXの推進は、子供、保護者のニーズ把握やプッシュ型支援などの迅速な支援を支えます。子育てサポートのオンライン化も可能になるでしょう。ただし、国、地方共にデータサイエンティストは余りに不足しており、中央政府内ですら横串が刺さっていません。原因は予算と人員の不足にあります。子供の貧困対策の担当もこのコロナの中で一名減員になっており、大変体制が心配されるところでございます。新省庁の議論はとても重要なことですので、是非、与野党挙げて、子供・家族対策とそれに必要な予算額、公務員数の確保をいただくこともお急ぎください。
 最後に、これらの子供たち、それから親たち、家族の対策のために必要な予算と人員の確保を改めて強くお願いし、意見陳述を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
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森屋宏#6
○委員長(森屋宏君) ありがとうございました。
 次に、是枝参考人にお願いいたします。是枝参考人。
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是枝俊悟#7
○参考人(是枝俊悟君) よろしくお願いいたします。是枝俊悟と申します。
 スライドの一ページ目にお示しのとおり、大和総研にて証券税制を中心とした金融制度や税財政の調査分析を行っているほか、女性や男性の働き方や子育てへの関わり方についてもライフワークとして研究しており、情報発信を行わせていただいております。今年より、東京都男女平等参画審議会の委員も務めさせていただいております。
 私自身、長男の誕生の際に約二か月、長女の誕生の際に約一か月の育児休業を取得させていただき、妻とともに共働きで子育てを実践中でございます。長男が四歳、長女が二歳で、妻もフルタイムで働いている状況で、今この場に立たせていただいているのも、保育所が整備され、保育所の先生方が私たちの子供を見ていただいているおかげであります。そういった点から、本日意見を述べさせていただきます。
 本日述べさせていただく意見は、所属する機関を代表するものではなく、一研究者及び一当事者の意見とさせていただければと存じます。
 それでは、二ページに意見概要をお示ししております。
 まず、概要を述べさせていただきますと、増税など追加的な安定財源の確保が難しい中で、子ども・子育て予算に係る支援について、予算について、より重点化すべきところに組み替えていくべきではないかと思っております。
 過去十年ほどにおいて、先生方の努力のおかげで子ども・子育て支援の予算は大きく拡充されました。これに加えて、労働環境の改善も相まって、出産後も継続して働く女性というものの数は大きく増加したところでございます。これによって、子育て世帯の世帯収入は増加傾向にありまして、高所得の共働き世帯の数も増えてきたというところです。
 幼児教育無償化による保育料の軽減については、特に共働きで世帯収入の高い世帯ほど相対的に大きいものとなりました。他方で、なおも待機児童というものは存在し、雇用が不安定な方ほど保育園に入りづらいという状況にあり、保育園に入れないから、なお雇用が不安定になるという悪循環も残っているところでございます。
 こうした背景を踏まえますと、待機児童解消に向けた財源の確保のために、企業にも一定の御負担をお願いする中で、高所得の世帯に現在の児童手当や特例給付の一部を譲っていただくようにお願いすべきではないかと存じます。ただし、その際の所得制限の線引きについては、現行の主たる生計の維持者という考え方ではなく、世帯合計の所得で行うことが適当ではないかと思っております。
 それでは、三ページを御覧ください。三ページは、日本の家族関係支出の推移と、国際比較をしたものでございます。
 二〇一〇年頃においては日本の家族関係支出は対GDP比で一・二%ほどでありまして、OECD諸国の中でかなり最下位に近い水準でございました。しかしながら、近年の育児休業給付の拡充や取得者の増加、また二回の消費税率引上げ実施とともに保育の受皿拡大や幼児教育無償化が行われたことがありまして、足下、二〇二〇年度は、私どもの推計ではございますが、GDP比一・九%弱と推計されるところで、OECD平均の、二〇一七年の数字にはなりますが、二・一%程度にかなり近い水準になってきたというところでございます。
 国民負担率がOECD平均に満たず、財政赤字が非常に大きい、財政が非常に薄氷の上を歩み続けている我が国において、安定的な財源の確保なしにこれ以上家族関係支出の総額を大きく増やすというのは難しい現状にあるかと思っております。
 四ページ、御覧いただけますでしょうか。四ページは、保育所の定員数と育児休業取得者の推移について見せたものでございます。
 二〇一〇年から二〇二〇年にかけて保育所定員数は二百十六万人から二百九十七万人に八十一万人、枠が増加いたしました。六歳未満の児童の人口に対する割合としては、三四%から五三%に一九ポイント上昇したところでございます。
 これにあわせて、二〇〇九年から二〇一九年にかけて女性の育児休業取得率が大幅に上昇したところでございます。女性の育児休業取得率といいますと、一般的に用いられている調査では、在籍者、職場の在籍者に対する女性の育児休業取得者の割合で八割から九割と報道されているのが一般的かと存じますが、出生数、子供が生まれた数に対する育児休業給付金を受給した女性の割合というもので測りますと、これは二〇〇九年時点で一七%の水準で、足下、二〇一九年にようやく四一%まで上がってきたというところです。現在、男性の育休が政策課題としてされているところですが、女性の育休取得率も実はまだ四割ほどしかないというのが現状でございます。
 育児休業を経ることができれば、出産の直前まで職場にとどまり、産休、育休という過程を経ることができれば、平均して百五十万円ほどの育児休業給付金を受け取ることができるのですが、職場にとどまることができない、自分の希望の場合もあるのかもしれませんが、何らかの事情によって一度仕事を離れてしまうということとなりますと、その後、仮にすぐに保育所を利用して職場復帰する、再就職するようなことがありましても、これだけの額の支援がいただけないということになっているところでございます。
 現在は四一%の方が育児休業取得してそのまま職場に戻ってくるということができるようになっておりまして、少しずつですが、妊娠、出産する女性が産前産後休業、育児休業を取得し、保育所を利用しながら職場に復帰するということが一般的な社会ができつつあるというのが現状でございます。
 そうした中で、子育て世帯の世帯年収がどのように変化したかというのが五ページのスライドでございます。五ページのスライドでは、三十代の子育て世帯、夫が三十代で夫婦と子から成る世帯の世帯年収の分布の変化を示してございます。
 出産を経ても正規雇用のまま就業継続できるという女性が大きく増えたため、特に三十代、未就学児の持つ共働きの子育ての世帯で世帯収入が大きく増加しているところでございます。特に二〇〇七年から二〇一七年にかけて、世帯年収が一千万円以上を得る三十代の子育て世帯の割合は六・九%から九・九%に三ポイント上昇しているというところでございます。夫婦とも年収五百万円ずつを得れば世帯年収は一千万円になる、こうした働き方は十年ほど前であればなかなか実現が難しかったのですが、今着実に増えてきているというところでございます。
 六ページは、幼児教育無償化による保育料の負担軽減についてでございます。
 従来、認可保育所や子ども・子育て支援新制度に基づく幼稚園の保育料につきましては、高所得世帯ほど高いという応能負担の原則、そしてまた、保育時間が長いほどより高くなると、幼稚園より保育園の方が保育料が高いという応益負担、応能負担、応益負担の原則で設計されていたものでございます。こちらにつきまして、二〇一九年十月より三歳以上は一律に無償化されることとなりますので、従来と比べた家計の負担の軽減額は特に共働きで世帯年収の高い世帯で大きくなったというところがございます。
 七ページは、待機児童数の推移でございます。
 待機児童数は近年減少傾向にありますが、二〇二〇年度の年初においてもなお一万人以上存在するところでございます。自治体による保育所利用者の選考においては、求職中の者よりも現に就業している方が優先されることとなりますので、雇用が不安定な世帯ほど保育所を利用しにくく、保育所を利用しにくいからこそより雇用が不安定になるという悪循環に陥りやすい状況にございます。
 保育所という現物給付、育児休業給付という現金給付というのがあり、主に雇用の安定した高所得の共働き世帯に偏ってきた面があるのではないかと私は考えております。OECD諸国に比べてまだ少し少ない水準ではありますが、それほど遜色のない水準まで総額が拡大してきた中、財源を配分する際には、今まで支援が行き届いていなかった世帯に重点化していくという視点が大事ではないかと思っております。こうした中、待機児童解消に向けて追加の財源が必要となる中で、企業にも一定の負担をお願いしていることを踏まえれば、高所得の子育て世帯に少し既存の給付を譲っていただけないかというふうに思っております。
 次のページが、共働き世帯と片働き世帯の税、社会保険料の負担について述べたものでございます。
 日本の税制は個人単位の課税になっておりまして、個人単位の収入で累進税率を適用するものでございます。このため、同じ世帯収入であれば共働き世帯の方が税負担が少なくなるという、共働きに優しい制度設計になっております。よく配偶者控除や第三号被保険者があるから日本は専業主婦世帯を優遇しているのではないかと言われるところなんですが、同じ世帯年収であれば共働き世帯の方が税負担が少ない、むしろ専業主婦世帯の方に厳しい税制、社会保障制度であると言えることができるかと思います。
 児童手当の所得制限につきましても、主たる生計の維持者の所得で行うため、共働き世帯の方がより世帯収入が高くとも満額の児童手当を受給できるという構図にございます。
 例えば、資料でお示ししている表では、同じ小学校の子供一人で世帯年収一千万円の世帯で、夫のみが年収一千万円を得る世帯と夫婦とも年収五百万円ずつを得る世帯の税負担の比較したものですが、こちらは片働き世帯より共働き世帯の方が年五十一万円税負担が少ないということになっております。加えて、児童手当においても所得制限の対象となるか否かにより年六万円の差が生じることとなりますので、手取り収入では合計で五十七万円の差にもなっているというところでございます。
 こうした中、待機児童解消に向けた財源の確保のために現在の児童手当や特例給付を見直すということであれば、その際の所得制限の線引きは、主たる生計の維持者の所得で行うのではなく、世帯合計の所得で行うことが適当ではないかと思っております。
 夫婦共働きで小さい子供がいると、毎日の生活が本当に大変だと思います。私自身、妻とともに四歳と二歳の子供を育てる中で、仕事を何とか早く終えて家事、育児を必死で回す、そんな生活をやっております。目が回りそうな毎日の中でこれだけ必死に頑張っているのに、何で頑張ったら児童手当を削られるのかという声も友人などからたくさんいただいているんですけれども、でも、一歩立ち止まって考えていただけないでしょうか。
 私たちは、保育所や育児休業給付などの支援をいただいたおかげで今共働きを実現できているということでございます。そして、夫婦とも正規雇用で働き続けている世帯というのは全世帯のうちかなりの上位所得層でございます。先ほど末冨先生からの御発言にありましたが、年収八百万円以上の現役子育て世帯で受益より負担が大きいということはある種当然なのではないかと思っております。平均よりも世帯収入がある世帯において受益の方が大きいとしたら、一体その負担は誰がしなければならないというところでしょうか。
 私自身も世帯年収で見れば高所得層に分類されるとは思いますが、少子化対策を充実させていくためには、こうした人たちが自分の子供だけではなく社会全体の子供を育てるためにもう少し負担を受け入れていく必要があるのではないかと思っております。
 以上で私の説明を終わらせていただきます。
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森屋宏#8
○委員長(森屋宏君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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徳茂雅之#9
○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之でございます。
 本日は、三名の参考人の皆様には、緊急事態宣言下にもかかわらず、本院の参考人質疑に御出席いただき大変ありがとうございます。
 また、先ほど三名の参考人の皆様からは、大変示唆に富む有意義な意見陳述を頂戴しました。是非これから国政に向けて、国政の中でもしっかりと受け止めて生かしてまいりたいというふうに思います。
 それでは、早速質問に移らせていただきます。
 まず、三名の参考人にお伺いするんですが、いわゆる出生数がここなかなか少子化対策をしているにもかかわらず戻ってこないということでございます。一昨年は出生数が八十六万五千人ということで、前年より五万人以上減少。令和二年でありますけれども、人口動態統計速報で、やはり前年より二万五千人減ってきていますと。さらに、昨年は妊娠届数も四万人減少してきています。これは大きな影響としては、当然、昨年は新型コロナ感染症が拡大してきたということで、いろんな面で、出産を控える、そういう行動もあったのかなというふうに思いますけれども、その結果、恐らく今年も大幅に出生数が減少するものと想定されています。
 先ほど申し上げましたとおり、今後、新型コロナ感染症に対しては、ワクチン等によってある程度それがコントロールできるようになれば、このコロナの影響がある意味解消して出生数が戻ってくるとも考えられますけれども、また一方で、新たな生活様式の定着でありますとか、あるいは出産、あるいは子育てに向けたある意味国民の意識の変化、こういったところ、あるいはライフスタイルの変化等でそれが戻ってこないということもあり得るのかということで、三名の参考人の皆様に、アフターコロナにおけます、ある意味出産、育児に対する国民の意識がどういうふうに変わっていこうとするのか、それぞれお考えがあれば御意見をいただきたいというふうに思います。
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奥山千鶴子#10
○参考人(奥山千鶴子君) 御質問ありがとうございます。
 今まさに私たちも非常に心配な状況だというふうに私自身も認識しております。ですから、まさに今、子供と、それから家族、子育て家庭に対してしっかりと国、政府が応援しているんだというメッセージを出すチャンスではないかと思います。それは、メッセージだけではなくて、具体的な施策というものを講じていく必要があるというふうに思っております。
 例えば、先ほども表出した課題でも述べさせていただいたのですけれども、このコロナ禍で里帰り出産ができなくなりました。私たちの地域でも、一昨年との比較でいえば、五割が里帰りされていた方が四割になり、それから親の呼び寄せもできなくなったというところで、夫婦だけでやり切ったという方たちが結構増えてきております。
 ですから、そういった親族間の手伝いがあるという前提としたものではなくて、しっかりと社会がそこを応援していくんだという施策を通じたメッセージを今だからこそしっかりと打ち出す必要があるのではないかというふうに考えております。
 以上です。
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末冨芳#11
○参考人(末冨芳君) まず、出生数につきましては、我が国の場合、統計学的に婚姻数の影響を受けることが分かっております。すなわち、一番最初にするべきなのは婚姻と出産を促進するための支援策でございます。
 具体的には、婚姻に際して自治体によっては一時金支給をするところも出てまいりました。日本の場合、住宅に係る費用が大きゅうございますので、新居に入居できる一時金等の支援は大変有効であると思います。同時に、出産健診費用の完全無償化というものも有効な手だてとなると考えられます。
 差し当たり以上です。ありがとうございます。
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是枝俊悟#12
○参考人(是枝俊悟君) 出生数がなかなか戻ってこないというところでございますが、第二子以降の出産の可否を決めている大きな要因としては、父親がどれだけ育児に関わっているかということに大きな関係があるという研究が出ております。
 新型コロナウイルスの感染は非常に厳しいものをもたらしましたが、一方で、在宅勤務やテレワーク、時差出勤などが大きく普及した契機になったということでもあるかと思います。私のまだ実感値にすぎませんが、保育園に送り迎えする父親も大きく増えたように感じておりまして、夫婦で一緒となって子育てをするということ、環境整備につながるとしたら、これは出生率回復の契機にもなり得るというところだと思っております。
 以上です。
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徳茂雅之#13
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 最後、是枝参考人から、むしろこの新型コロナによるある意味巣ごもりというんですか、在宅率の上昇がむしろ少子化に対して有効であるというのは、かなり示唆に富むような御意見だなというふうに拝聴いたしました。
 ある意味政府を挙げて新型コロナ対策に全力を尽くしている、まさに国難を乗り切るために全力を尽くしているわけでありますけれども、そのアフターコロナの時期に静かなる国難とも言える少子化が置き去りにならないようにしっかり取り組んでまいりたいというふうに思いました。
 それでは続いて、先ほど、最初に奥山参考人からと思いますが、現金支給と現物支給の在り方について少し御意見ございました。
 国民負担率の国際比較を見ますと、日本は欧米諸国と比べるとアメリカを除けば恐らく低め、ある意味国民の負担というのは低く出ているんだろうというふうに思っております。ある意味しっかりとした給付をするためには財源をどこから取ってくるかという観点が一つあろうかと思います。
 昨年末示された全世代型社会保障改革の方針の中でも、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直しということで、ある意味少子化対策にかじを切ったというふうにも捉えられるわけであります。
 その中で、引き続き、待機児童の解消に向けて十四万人分の保育の受皿を確保する、まさに現物支給をしっかり取り組んでいこうという方針が出されているわけでありますけれども、結婚、妊娠、出産、子育てというある意味ライフステージの中で、それぞれ、ある意味現金がいいのか、あるいは現物がいいのかということについて何かお考えがあれば、また三名の御参考人の皆様から御所見をいただきたいと思います。
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奥山千鶴子#14
○参考人(奥山千鶴子君) 御質問ありがとうございます。
 先ほども申し上げたのですが、限られた今財源の中でまずはしっかりと充実させなければいけないということについては、現物支給の方をまずしっかり対応していくということだと思います。
 子ども・子育て支援法ができたときに、やはり幼児教育、保育のところについてはしっかり充実をさせていくということで、かなり財源を投入し、拡充してきたというふうに思っております。その中で、私は、地域子育て支援の立場から、まだ幼稚園、保育園、認定こども園に行っていない御家庭についても、次のステージではしっかりと現物給付を提供してほしいという思いでこの間御意見をさせていただきました。
 今回もまだ、母子保健分野のこと、それから就労ではない子育て家庭の子供の保育保障、こういったものにも切り込んでいかなければいけないというふうに思っておりますので、まずは、現物支給のところの充実ということをまずは充実していただきたいというふうに考えております。
 以上です。
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末冨芳#15
○参考人(末冨芳君) 現金給付か現物給付かにつきましては、まず所得層によってそのニーズが異なるということを申し上げておきたいと思います。当然のことながら、女性の就業促進のためには現物給付であるゼロから二歳の保育の保障は重要でございますが、低所得層におきましては、その前に、衣食住を支える現金給付自体が先進国と比較して大きく不足してございます。であればこそ、現金給付の拡充を優先していただきたいのが低所得層に対してです。
 一方で、中高所得層につきましては、今次法案の肝でもありますゼロから二歳への保育機会の拡充というものは急がれます。ですので、中高所得層、比較的生活が安定しております層につきましては、当然、現物給付の優先度が高められるというふうに考えております。
 財源の問題につきましては、私もスライドの十五ページ等に書いておりますが、幅広く子育てをしない世代も含めての負担というものを考えない限り、この問題は、現金給付か現物給付かという子育て世帯において本来二者択一になるべきでないものを二者択一にしてしまうという課題を発生させてしまっております。幅広い財源の議論こそ是非政治の場で活発に行われるべきであろうと考えます。
 以上です。
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是枝俊悟#16
○参考人(是枝俊悟君) 現物給付、保育所や一時預かり事業などの現物給付はなるべく幅広くユニバーサルに提供する一方で、現金給付につきましては、家庭全体への支援ということになりますので、所得などによってめり張りを付けて行うといったようなことがよいのではないかと思います。
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徳茂雅之#17
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 末冨参考人から択一ではないということで、やはり現金か現物かというのは、どこに給付をするのか、もちろん財源の問題もありますけれども、給付する対象に合わせて、しかも、先ほど申し上げた、ある意味いろんなステージに合わせて対応していく、考えていくことが必要じゃないかというふうに思いました。ありがとうございます。
 それから、待機児童の解消のためにいろいろ取り組んできている結果、先ほど是枝参考人の資料にもあったかと思いますけれども、かなり都市部以外では待機児童が解消されてきたのではないかなと。これは、ある意味これまでの間、例えば待機児童解消加速化プランでありますとか、昨年までありました子育て安心プラン、そして今年度から始まっています新子育て安心プランということで、いろんな面で、政府あるいは自治体の取組含めて、あるいは関係者の取組が実を結んできたんだろうというふうに思います。
 今回も更に十四万人の待機児童の受皿を拡大を目指していくということでありますが、こういった量の拡大を最後どこまでやっていくのかと。これから量の拡大とともに、例えば幼児教育の内容の充実でありますとか保育士の育成でありますとか、質の拡大をどのように、質の充実をどのように取り組んでいくのかということをこれ組み合わせてやっていくべきではないかというふうに思いますが、現状どのようにお考えか、これも三名の参考人にお伺いしたいと思います。
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奥山千鶴子#18
○参考人(奥山千鶴子君) ありがとうございます。
 そうですね、待機児童の数もその勢いが少し緩和されてきたようなデータなども示されているというふうに思います。多分、駅近い保育所のニーズが高かったり、少し駅から離れているところについては空きがあったり、ちょっとバランスなどもあるのかなというふうに思います。
 一方で、やはり多分、地域の保護者の方については、保育園の質ということについては非常に関心が高いと思います。我が子のためにやはり質の高い幼児教育、保育を受けたいということがありますので、今、その保育士の確保というのも大事ではありますけれども、新型コロナ感染の関係で昨年の研修機会というのが、保育士の研修機会、キャリアアップ研修の機会がなかなか得られなかったというふうに聞いておりますので、そういった研修の受講の機会の拡充ですとか、それから、やはり現場では国の基準よりも保育士の数を多くして対応しているというふうには思うんですけれども、その努力ということをしっかりと予算等にも反映させていくなど、質の向上についてしっかりと拡充していく、充実させていく必要があるというふうに考えております。
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末冨芳#19
○参考人(末冨芳君) 量の拡大と質の保証の両立策ということですけれども、まず量的な拡大を支えるためには保育士の確保が重要であろうと思われます。
 幼児教育の無償化のときに、私も子供が保育園児でしたが、ママ友同士の声で聞かれたのは、保育士さんの待遇改善を先にお願いしたいということでございます。本当に日々献身的に働いていただいております。ただ、その際に、一律というのも何かおかしいと。今、保育士が確保できないので、自治体によってはかなりの優遇策は設けておられますけれども、できれば働き続けてキャリアアップをすることが待遇改善につながる職場であってほしいと思っております。
 私自身は今中央教育審議会で教育の質の向上にも関わっておりますが、教員と保育士は同じような課題を抱えております。すなわち、研修を積んだ者がより高い待遇を得られるような仕組みですね、評価やあるいは待遇改善の仕組みというものを官民の枠を超えてつくっていただくということが重要かと思います。
 例えば、イギリスではいっとき、標準俸給表というものを公立あるいは民営かかわらず、こうしたスキルを持つ人はこの程度の待遇ですよという標準的な給料を示して、待遇改善を目指されていたことがあるんですよね。日本の場合にも、例えば、そうした目安を作ることで、どの設置形態にもかかわらず、より良い支援が可能になると思われます。
 あわせて、十五ページに少し書かせていただきましたけれども、義務教育段階では、現在、学校と保護者、地域の連携によるコミュニティ・スクールという仕組みをつくっております。これにより、地域と学校で子供を支え合うという意味では大変大きな進歩が起きた地域もございます。
 就学前教育につきましても、保護者、園と自治体などの協働を行う就学前のコミュニティ・スクールといったような、みんなが子供を一緒に考えて、どう良くしようかというような場をつくっていくことも重要かと存じます。
 以上です。
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是枝俊悟#20
○参考人(是枝俊悟君) 保育の量の拡大、質の充実、どちらも重要だとは思っております。
 ただ、特に待機児童の残っている都心部で、特にゼロ歳、一歳につきましては、利用者一人当たりの公費負担額が物すごく大きいという実情もございます。ゼロ歳、一歳につきましては、育児休業給付をより多くの方に支給する、育児休業給付又は保育所の利用のいずれかの利用で、どちらかで世帯をしっかり支えていくという発想も必要なのではないかなと思っております。
 以上です。
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徳茂雅之#21
○徳茂雅之君 時間が参りましたので、これで質問を終わります。
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塩村あやか#22
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村でございます。
 参考人の皆様、本日はお忙しい中、そして緊急事態宣言の中、本当にありがとうございます。
 参考人の皆さんの話を参考にしながら、少し質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
 私は、子育て応援パッケージという政策を提案をさせていただいております。それは、基本的に保育費を含めた教育費の負担を減らしていくということと、中学校などの給食の無償化とか、産後ケア、ネウボラ、必要なサービスを用意して、親の所得が関係なく、必要な人が必要なときに使えるというものです。
 これは、親の所得関係なく使えるということは普遍主義で、非常に私は重要であるというふうに考えています。サービスですので必要な人しか使えませんし、子供に支援で差が付くというのは私は決してよくないというふうに考えています。これは奥山参考人の考え方と多分似ているんだろうなというふうに思います。
 今回の法改正なんですが、これはサービスではなくて児童手当ということで、まさにお金の部分が一番クローズアップされている法案だというふうに思うんですが、考え方は私同じで、基本的に支援をする子供と支援をしない子供をつくらないということが大事だというふうに考えています。
 そして、それ以前に、日本の家族関係支出なんですが、OECD諸国の中でも低いと。先ほど是枝参考人の方から、二〇二〇年度辺りだと、この辺りとか少し上がるのではないかという図が示されましたが、やっぱりそれを見てみても、コロンビアとかスロバキアとかチリとかリトアニアを抜かしたにすぎないということで、私は実はまだまだではないかなというふうに思っているところです。ですから、まずはしっかりと国が予算を取ってきて予算を増やしていくということが、少子化は国難という今、一番重要ではないかなというふうに私は考えているところです。
 そこで、各委員に本法案についてお伺いをしたいというふうに思っています。
 今は平時ではなくて、少子化は国難の時代です。同じ子育て世代の中から予算を付け回して、新たな予算を取るのではなくて、付け回して今回保育所の対応しているわけなんですが、私は、どちらかと、新たな予算で対応することと、皆さんにお伺いしたいのは、新たな予算で対応することと、どちらが本当に少子化対策になるのかと。平時ではなくて、今本当に国難というふうに言われている中で、予算の付け回し、限られた予算の中でというと、それで確かに納得をしてしまいがちなんですが、今だからこそしっかりと政治が頑張って新しい予算を取ってくると、これが大事ではないかなというふうに思っているんですが、どちらが少子化対策に本当になっていくのか、私たち政治が頑張らなくてはいけないのか、御意見があれば教えてください。
 結論から先に教えていただけると幸いです。
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奥山千鶴子#23
○参考人(奥山千鶴子君) 今現状ではその新たな予算が確保できていないということなのかなというふうに理解しております。
 もちろん、私自身もこれまで、現物給付にしろ現金給付にしろ、子供の分野にしっかりと投入されるということを求めてまいりました。ただ、今、今回、この現状の中において、そのバランスにおいてどうしたらいいのかという議論だというふうに思っています。
 そういう中で、やはり高額所得者のところにつきましては、今日の内閣府の資料でも金融資産が非常に大きいということも示されておりましたし、本当にもうそこのところは難しいところではありますけれども、現状ではこのような選択だったというふうに理解しております。
 ただ、何か検討規定という形で、今後も更なる検討を加えていくというふうに検討規定が入っているということですので、是非とも引き続き検討をしていただければというふうに思っております。
 以上です。
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末冨芳#24
○参考人(末冨芳君) 私自身は、やはり子育て世代を超えた広い国民負担というものを今考えるべき時期に来ていると思われます。
 先ほどおっしゃられましたとおり、親の所得によって支援から排除される子供たちを生むこと自体が、子どもの権利条約批准国である我が国において望ましい状態かと言われると、そうではありません。親が金持ちだからといって、決して子供が十分なケアを受けられているかというと、そうではない場合もございます。
 また、家族給付に、家族関係の支出につきましては、OECDのファミリーデータベースを用いますと、やはり現金給付よりは現物給付に偏って充実をしてきたという我が国の特徴がございます。それは待機児童対策を優先していただいた結果でもございますが、現金給付は決して十分ではないということも国際的には言えると思います。
 なお、高所得層の児童手当を削っていいという発想自体が、実はグローバル化の中ではかなり危険であるということを申し上げておきたいと思います。既に我が国よりも高所得層で高学歴層の子育てカップルを積極的に移民として受け入れるアジア諸国は現れております。そうした国に我が国の貴重な納税者を流出させることは、全体最適の観点から申し上げれば、全くもって危険であるということを強く懸念しております。
 現に私の友人たちも、日本にこれ以上住んでいる理由がないのではないかということを今回の特例給付の廃止を見て言い出す者も現れており、コロナが落ち着けば急速に流出が進む、若しくはワクチンの先進国に積極的に移民をしていく子育て層を拡大させることだけはどうしても食い止めたいと思っております。
 この国が全ての子供を大切にしてほしいと申し上げておりますのは、我が国の成長を支えるためでもあるということを御理解いただければと存じます。
 以上です。
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是枝俊悟#25
○参考人(是枝俊悟君) 少子化について非常に国難だということだと思いますが、一方で、財政も非常に国難の状況にございます。こういう状況で新たな増税策等を取ることができないのであれば、現状、再分配を行うということも致し方ないのではないかなと思っております。
 先ほど、支援をする、しない子供をつくってはならないということだと思いますが、児童手当も親に対する給付ということになり、親が子供に幾らお金を使えるかというのも自由である中で、高所得世帯と低所得世帯の差を少なくするという観点からは、高所得世帯に少し譲っていただくということがあってもよいのではないかと思っております。
 一方で、親が高所得世帯だからといって必ずしも子供に十分なケアがなされない可能性があるという塩村先生の御指摘もごもっともだと思います。
 例えば、私は、末冨先生が提言されたように、日本学生支援機構の有利子貸与奨学金については所得制限を撤廃してよいのではないかというように思っております。親が高所得だからといって必ずしも親の希望する進学先でなければ支援しないよというふうに言われてしまっては、子供が十分な進学の機会が保障されないこともありますので、貸与の奨学金につきましては高所得層であったとしても利用する道を担保していただきたいと思っております。
 以上です。
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塩村あやか#26
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 私、ちょっと今回非常に強い懸念を持っていまして、一点目は、これまで、民主党政権が子ども手当を始めたときから、何かしら全ての子育て世代に給付はしていたわけなんですよね、いろいろ分けながら。それはもう普遍主義であります。今回初めて、支給しないというところを取って、選別主義を取る国になってしまったわけなんですよね。この事実は私非常に重たいと思っておりまして、先ほど末冨参考人がおっしゃっておりましたが、高所得の方たちが海外に流出をするのではないかと。既に私の友人も海外に行ってしまっております。この国で子育てをするのは決していいことではないという判断で行ってしまっているんですよね。この辺りをしっかり私たち考えていかないと、高所得の人たちについては高所得だからこそ切ってもいいとかいうそういう話ではなくて、根本的なところから私はしっかり考えていかなきゃいけないなというふうに思っております。
 ちなみになんですが、三歳から五歳までの幼児教育の無償化とか義務教育は無料とおっしゃっていましたが、小学校三年生以上の家庭は一切恩恵を受けられておりませんし、よく国会でもう一つ答弁があるのが、不妊治療とかも所得制限をなくしたと言いますが、これは今年からなので、現在全員が受けられていないというところがあるんですね。
 ですので、支援がある意味逆に偏ってきていて、その格差も開いていくというか、逆に、逆の意味で開いていくような形にもなってきますから、こっちがあるから、じゃ、今度こっち取って、こっちがあるから今度こっち取ってとやっていると、何かどんどんどんどん回しているだけになってしまいますから、やっぱり根本的に子育て支援を私は見直していかなくてはいけないなというふうに思っています。
 そこで、皆様にこの法案についてもう一点お伺いをしたいというふうに思います。
 今回、大きなメッセージを子育て世代に送ったというふうに私は思っています。それは、今お話をしたとおり、選別主義に切り替わってしまったという国になってしまったことなんですね。
 私自身も今この仕事をしておりますから、どちらかというと一千二百万円以上の方に入ってくるんですが、今、私、不妊治療中です。この法案が出て、あっと思ったんですよね。すごいいろいろ懸念していて、それで、不妊治療している中で、やっぱり駄目だったという結果で今子供がいないんですけど、この数か月でまた駄目だったということになりまして、そのときにある種ほっとした部分もあるんですね。これだけ子育て支援が行ったり来たりする中で、私自身の仕事も今は高所得だけれども安定しているわけではありませんから、この先どんなふうにこの国が子育て支援を切り替えていくのかって、非常に不安定だなというふうに、もう不安なんですね。
 そうした点から、いろんなメッセージを、今回の法案改正でこれに気付いた方はいらっしゃると思うんですが、どのようなメッセージを受け止めたかとか、受け止める人がいるかという点で懸念点があれば教えてください。
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奥山千鶴子#27
○参考人(奥山千鶴子君) そうですね、懸念点ということなんですけれども、本当に全体として見たときに、現物給付とそれから現金給付ということ、これからもっともっとこの国では充実をさせていかなければいけないということだと思うんですけれども、そのバランスの中において、それで、現物給付、特にまだまだ保育のところの質、それから量とともに拡充しなければいけない。そちらの方をまずは優先をして、そして、これからまた、これで十分だというふうに私も思っておりませんので、更なる拡充というのをしていっていただいて、そのメッセージというのを、このコロナ禍、アフターコロナを見据えてしっかりと発信していくことが必要だというふうに思っております。
 以上です。
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末冨芳#28
○参考人(末冨芳君) 私自身は、スライドの七番で心理学上の恐怖喚起という言葉を用いておりますが、選別主義への移行というのは、今後どこまで所得制限が切り下げられるか、まずは、合算千二百万円のラインにいつ切り下げられるかという恐怖感を子育て世帯及び子供を持ちたいと考えている世帯に与えているという点が一番の課題であろうと思います。
 もうこれ以上切り下げないのだと分かっている制度的安定性が見通すことができれば必ずしも恐怖メッセージではないわけですが、財務省の議論では、当初、合算九百十万円という高校無償化と同じラインで線引きをし、支援から排除するということが言われてしまい、アナウンスメント効果を生んでしまいました。すなわち、現在の子育て世帯は、恐らく第一子を産んでいても、第二子、第三子の産み控えは生じます。それとともに、そもそも結婚して子供を持つかどうかの選択を控える、コロナの中でそれが加速しているという状況になっているという点で大変危機感を覚えております。
 以上です。
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是枝俊悟#29
○参考人(是枝俊悟君) まず、全体としてやはり非常に予算も厳しい、財政も厳しい中で、重点化していくべきところに重点化していくというメッセージなのではないかと思います。
 先ほど塩村先生も、高所得の方もいつ低所得に陥るか分からないということではありますが、結果的に低所得に陥ったならば当然支援の対象になるということになりますので、その時点で高所得を稼いでいる方に一定の負担をお願いするということは決して恐怖というものではないのではないかなと思っております。
 以上です。
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