三幣貞夫の発言 (文教科学委員会)
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○参考人(三幣貞夫君) 御紹介いただきました千葉県南房総市の教育長の三幣貞夫でございます。
私ども南房総市は、千葉県の最南端に位置しております。平成十八年三月に七町村が合併して、ちょうど十五年になります。千葉県五十四市町村中、市民の平均所得は五十四位であります。所得は低いわけですけど、暮らしやすさはトップクラスだと、こういうような自負を持っております。財政的にも厳しいところがあるわけですけど、最南端は最先端という強い思いを持っていろんな教育施策に取り組んでおります。
その一つが、情報の一元化、対応の一貫化ということで、保育所、幼稚園、小中学校、あるいは要対協、全て教育委員会の所管にしております。これが、ゼロ歳から十五歳までの一貫保育、教育ということで、八年目になっております。
また、子供たちの教育環境を整えるということで、学校再編を進めております。十八年度、小学校が十六校、中学校は七校ありましたが、現在は小学校が六校、中学校が五校ということになっております。現在、中学校を更に一校再編するということで会議を進めております。
ただ、私ども、これだけやっておりましてもどうしても越えられない壁が、一学級の子供たち、生徒の数ですね、四十人という壁が、これはどうしても私どもでは対応できないということで、資料の方を用意しましたが、今回、学級編制の標準を引き下げるということが国会で議論され、法制化されようとしている、大変喜んでおります。喜んでおる一人だと思っております。
そこに書いてありますように、ちょうど一年前、休校中だったわけですけど、休校中にまず感じたのは、マスクがないということですね。アルコール類が手に入らない。そして、休校明けが視野に入ってきたときに更にそれが切迫してきたものになってきている。学校を始めたときに子供たちにマスクがないんではないか、マスクが入らない我が国に対する不安ですね、自分の住んでいる国がマスクも手に入らないのかというような不安がありました。
いざ休校が明けまして学校が始まりまして、教員の皆さんには、子供たちの表情をよく見ること、声を掛けることということをお願いしました。度々学校、教室を回ってきましたけど、だんだん不安になってきたわけですね。これはこのままでは、子供たちの表情を見なさい、あるいは声を掛けなさいということを言っていますけど、これではとても無理なクラスがある、やはり三十人を超えるクラスはこれほど人数が多いんだということはそのとき痛切に感じた次第です。
また、当時、職員には、子供たちを帰した後、校舎内の消毒、これも毎日お願いしました。その中で、また次の日、子供たちの状況を見る、こういうことの繰り返しだったわけで、非常にこのときほど教室の狭さ、あるいは子供たちの多さを感じたことはありませんでした。
当時、教師の役割というのは、カウンセラーの仕事がプラスされて、なおかつスクールソーシャルワーカーの役割がプラスされる、こういうことも感じました。休校明けに虐待の通告が非常に多くなりました。やっぱりこれは家庭の状況とか子供たちの状況を反映していると思ったわけですけど、これも一義的にはやはり教職員の目と手に懸かってくる、そういうような状況でありました。
やはりコロナが改めて見直すきっかけになったわけですけど、やっぱり一学級の子供たちの数を少なくすることは喫緊の課題である、そんな思いを持ちました。
資料の二枚目を御覧いただきたいと思います。これは、私どもの方の建築士の方が図面化したものです。一番左が三十六名のクラスです。次、真ん中が三十名です。一番右が二十五名になります。御覧いただくとこれでお分かりいただけるかと思いますが、やはり三十六、あるいは三十、二十五になったときに、もう感覚的に教室の広さが違ってくるということですね。
私どもは、八掛ける八で六十四平米の教室を用意しています。これでも若干少なくて、一番新しい教室は十掛ける八で非常に大きな教室を使っておりますけど、この教室になりますと、コロナのときにも非常に効果的に教室が使えた状況になっておりまして、今回は一学級の子供たちの数を減らすということですけど、教室の広さも併せて考えていく必要があるのかな、そんな思いを持っております。
三枚目を御覧いただきたいと思います。学級の少人数化に向かって皆さん方に御議論いただいているわけですけど、三十五人学級ということになってきております。これ自体は大変有り難いことでありまして、是非実現していただきたいと思っておりますが、私の思いとすると、三十五人ではなくて是非三十人未満を実現していただければと思います。私の思いとすると、今回の改正はあくまでも通過点であって、これでゴールではないというような、願いに近いものを持っております。是非、今回法案として成立させていただいて、その後は、更に三十人未満を是非皆さん方のお力で実現していただければと思っております。
そこの学級の機能というのは、認知能力ですね、数値化できる、点数化できる学力だけではなくて、非認知能力を育てていかなくてはいけないのも学級の大きな役割になっております。非認知能力を育てていくためには、やはりどれだけ一人一人の表情を見て、一人一人と言葉を交わすか、これが大前提になってくると思いますので、三十五人ではなくて、その後を私ども願っているということを是非お気持ちの中に留めていただければ大変有り難いと思っております。
四枚目になります。現在、通常学級の三十五人学級が話題になっておりますけど、私どもとすると、この後、特別支援学級、現在八名ですけど、これも非常に多い状況です。これについても、皆さん方、是非御検討いただければと思います。
インクルーシブ教育で、非常に通常の学級に、あるいは通常の学校に来る子供たち多くなってきていまして、特別支援学級に籍を置く子供が増えておりますので、かつては八人ということはあり得なかったんですけど、私どもの市でも八人ぎりぎりというような学校が出てきておりますので、是非これもお考えいただければと思います。
あわせて、その下ですが、現在幼稚園の定数は三十五人ですけど、私どもの市の方は市独自の運用で三十人以下にしておりますけど、あとは支援員の配置等でカバーしておりますけど、是非これもお考えいただければと思っております。
五枚目になります。これは、構成員、組織員の力を最大限発揮できる規模はということで資料を用意しました。
プロ野球とか甲子園の野球大会、いろんなものが全て二十人以下になっております。プロのリーダーで、プロに近いような選手でも二十人以下であるという、そういう中で、小中学校だけなぜ一人の教員で三十五人なのかなという、そういう素朴な思いであります。
下の方に書いてありますけど、国の審議会も原則として二十名以内として、これを上回る必要があっても三十人を超えないこととするというものがあります。これは、三十人以上については、協議、議論ではなく、伝達が趣旨になってしまう、そういうようなものではないかということを勝手に考えておりますけど、私どもの教育界に課せられる課題の一つが一斉伝達型授業からの転換ということですけど、今回の三十五人を実現していただいた後、是非三十人未満を更に目指していただいて、今申し上げましたようなことが可能になるような状況をつくっていただければと思います。
以上です。ありがとうございます。