文教科学委員会

2021-03-25 参議院 全89発言

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会議録情報#0
令和三年三月二十五日(木曜日)
   午後一時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     本田 顕子君     今井絵理子君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     水落 敏栄君
     世耕 弘成君     自見はなこ君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     羽生田 俊君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 房江君
    理 事
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                吉川ゆうみ君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                有村 治子君
                石井 浩郎君
                自見はなこ君
                高階恵美子君
                羽生田 俊君
                水落 敏栄君
                石川 大我君
                横沢 高徳君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                安江 伸夫君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                伊藤 孝恵君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   参考人
       千葉県南房総市
       教育委員会教育
       長
       教育再生実行会
       議有識者     三幣 貞夫君
       名古屋市教育委
       員会教育次長   藤井 昌也君
       名古屋大学名誉
       教授
       愛知工業大学教
       授        中嶋 哲彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
 の標準に関する法律の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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太田房江#1
○委員長(太田房江君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、本田顕子さん及び世耕弘成さんが委員を辞任され、その補欠として水落敏栄さん及び自見はなこさんが選任されました。
    ─────────────
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太田房江#2
○委員長(太田房江君) 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見をお伺いいたします。
 御出席いただいております参考人は、千葉県南房総市教育委員会教育長・教育再生実行会議有識者三幣貞夫さん、名古屋市教育委員会教育次長藤井昌也さん及び名古屋大学名誉教授・愛知工業大学教授中嶋哲彦さんでございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶をさせていただきます。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、三幣参考人、藤井参考人、中嶋参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただきまして、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず三幣参考人からお願いいたします。三幣参考人。
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三幣貞夫#3
○参考人(三幣貞夫君) 御紹介いただきました千葉県南房総市の教育長の三幣貞夫でございます。
 私ども南房総市は、千葉県の最南端に位置しております。平成十八年三月に七町村が合併して、ちょうど十五年になります。千葉県五十四市町村中、市民の平均所得は五十四位であります。所得は低いわけですけど、暮らしやすさはトップクラスだと、こういうような自負を持っております。財政的にも厳しいところがあるわけですけど、最南端は最先端という強い思いを持っていろんな教育施策に取り組んでおります。
 その一つが、情報の一元化、対応の一貫化ということで、保育所、幼稚園、小中学校、あるいは要対協、全て教育委員会の所管にしております。これが、ゼロ歳から十五歳までの一貫保育、教育ということで、八年目になっております。
 また、子供たちの教育環境を整えるということで、学校再編を進めております。十八年度、小学校が十六校、中学校は七校ありましたが、現在は小学校が六校、中学校が五校ということになっております。現在、中学校を更に一校再編するということで会議を進めております。
 ただ、私ども、これだけやっておりましてもどうしても越えられない壁が、一学級の子供たち、生徒の数ですね、四十人という壁が、これはどうしても私どもでは対応できないということで、資料の方を用意しましたが、今回、学級編制の標準を引き下げるということが国会で議論され、法制化されようとしている、大変喜んでおります。喜んでおる一人だと思っております。
 そこに書いてありますように、ちょうど一年前、休校中だったわけですけど、休校中にまず感じたのは、マスクがないということですね。アルコール類が手に入らない。そして、休校明けが視野に入ってきたときに更にそれが切迫してきたものになってきている。学校を始めたときに子供たちにマスクがないんではないか、マスクが入らない我が国に対する不安ですね、自分の住んでいる国がマスクも手に入らないのかというような不安がありました。
 いざ休校が明けまして学校が始まりまして、教員の皆さんには、子供たちの表情をよく見ること、声を掛けることということをお願いしました。度々学校、教室を回ってきましたけど、だんだん不安になってきたわけですね。これはこのままでは、子供たちの表情を見なさい、あるいは声を掛けなさいということを言っていますけど、これではとても無理なクラスがある、やはり三十人を超えるクラスはこれほど人数が多いんだということはそのとき痛切に感じた次第です。
 また、当時、職員には、子供たちを帰した後、校舎内の消毒、これも毎日お願いしました。その中で、また次の日、子供たちの状況を見る、こういうことの繰り返しだったわけで、非常にこのときほど教室の狭さ、あるいは子供たちの多さを感じたことはありませんでした。
 当時、教師の役割というのは、カウンセラーの仕事がプラスされて、なおかつスクールソーシャルワーカーの役割がプラスされる、こういうことも感じました。休校明けに虐待の通告が非常に多くなりました。やっぱりこれは家庭の状況とか子供たちの状況を反映していると思ったわけですけど、これも一義的にはやはり教職員の目と手に懸かってくる、そういうような状況でありました。
 やはりコロナが改めて見直すきっかけになったわけですけど、やっぱり一学級の子供たちの数を少なくすることは喫緊の課題である、そんな思いを持ちました。
 資料の二枚目を御覧いただきたいと思います。これは、私どもの方の建築士の方が図面化したものです。一番左が三十六名のクラスです。次、真ん中が三十名です。一番右が二十五名になります。御覧いただくとこれでお分かりいただけるかと思いますが、やはり三十六、あるいは三十、二十五になったときに、もう感覚的に教室の広さが違ってくるということですね。
 私どもは、八掛ける八で六十四平米の教室を用意しています。これでも若干少なくて、一番新しい教室は十掛ける八で非常に大きな教室を使っておりますけど、この教室になりますと、コロナのときにも非常に効果的に教室が使えた状況になっておりまして、今回は一学級の子供たちの数を減らすということですけど、教室の広さも併せて考えていく必要があるのかな、そんな思いを持っております。
 三枚目を御覧いただきたいと思います。学級の少人数化に向かって皆さん方に御議論いただいているわけですけど、三十五人学級ということになってきております。これ自体は大変有り難いことでありまして、是非実現していただきたいと思っておりますが、私の思いとすると、三十五人ではなくて是非三十人未満を実現していただければと思います。私の思いとすると、今回の改正はあくまでも通過点であって、これでゴールではないというような、願いに近いものを持っております。是非、今回法案として成立させていただいて、その後は、更に三十人未満を是非皆さん方のお力で実現していただければと思っております。
 そこの学級の機能というのは、認知能力ですね、数値化できる、点数化できる学力だけではなくて、非認知能力を育てていかなくてはいけないのも学級の大きな役割になっております。非認知能力を育てていくためには、やはりどれだけ一人一人の表情を見て、一人一人と言葉を交わすか、これが大前提になってくると思いますので、三十五人ではなくて、その後を私ども願っているということを是非お気持ちの中に留めていただければ大変有り難いと思っております。
 四枚目になります。現在、通常学級の三十五人学級が話題になっておりますけど、私どもとすると、この後、特別支援学級、現在八名ですけど、これも非常に多い状況です。これについても、皆さん方、是非御検討いただければと思います。
 インクルーシブ教育で、非常に通常の学級に、あるいは通常の学校に来る子供たち多くなってきていまして、特別支援学級に籍を置く子供が増えておりますので、かつては八人ということはあり得なかったんですけど、私どもの市でも八人ぎりぎりというような学校が出てきておりますので、是非これもお考えいただければと思います。
 あわせて、その下ですが、現在幼稚園の定数は三十五人ですけど、私どもの市の方は市独自の運用で三十人以下にしておりますけど、あとは支援員の配置等でカバーしておりますけど、是非これもお考えいただければと思っております。
 五枚目になります。これは、構成員、組織員の力を最大限発揮できる規模はということで資料を用意しました。
 プロ野球とか甲子園の野球大会、いろんなものが全て二十人以下になっております。プロのリーダーで、プロに近いような選手でも二十人以下であるという、そういう中で、小中学校だけなぜ一人の教員で三十五人なのかなという、そういう素朴な思いであります。
 下の方に書いてありますけど、国の審議会も原則として二十名以内として、これを上回る必要があっても三十人を超えないこととするというものがあります。これは、三十人以上については、協議、議論ではなく、伝達が趣旨になってしまう、そういうようなものではないかということを勝手に考えておりますけど、私どもの教育界に課せられる課題の一つが一斉伝達型授業からの転換ということですけど、今回の三十五人を実現していただいた後、是非三十人未満を更に目指していただいて、今申し上げましたようなことが可能になるような状況をつくっていただければと思います。
 以上です。ありがとうございます。
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太田房江#4
○委員長(太田房江君) ありがとうございました。
 次に、藤井参考人からお願いいたします。藤井参考人。
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藤井昌也#5
○参考人(藤井昌也君) 名古屋市教育委員会教育次長の藤井昌也と申します。
 私からは、名古屋市の教育施策及び学校現場から見る少人数学級という観点で意見等をさせていただきます。資料を用意しておりますが、このA4の横の資料を追っていっていただければ私がしゃべっていることでのストーリーになっていきますので、よろしくお願いします。
 では、早速本題に入ります。
 本市としては、引き続き、国の動向を注視するとともに、必要な人員や教室数等について調べてまいります。これは、本市の九月定例会で少人数学級の拡大について教育長が議場で述べた答弁でございます。名古屋市だけでなく、どの自治体においても国の方針が早く決まるといいなと思っていたものの、国段階で確定していない時点ではこれが精いっぱいの答弁だったと思っています。
 名古屋市会はその約十日後に、全国統一的な制度として少人数学級を推進するよう強く要望するという意見書を全会一致で採択をしました。その約三か月後、小学校、令和七年度までに全学年三十五人学級にという長年の念願がかなう朗報が飛び込んでまいりました。
 名古屋の学校現場からもいろいろ歓迎する声、期待する声等が上がっています。
 小学校の校長です。課題があり学校で大人が手を差し伸べる必要がある子供も多くいる中、悩みのある子のサインを見逃すリスクも減らせる。学習効率が上がることはもとより、子供一人一人を温かく見守ることができ、楽しい学校づくりにつながる。
 中学校の校長です。中学校では、三十五人学級になると、本務教員の数が増え、子供たちと関わる時間が増える。空間的なゆとりが心理的なゆとりにつながる。ICTを活用した授業や個別最適化された学びも進めやすい。様々な利点があると思う。期待をしたいといったような声が上がっています。
 実は、名古屋では、平成二十九年度、より効果的な少人数学級の在り方についての研究を行ってまいりました。結果を述べますと、生活面では、三十人規模学級の児童の方が学級に居心地の良さや落ち着きを感じやすい傾向がうかがわれた。学習面では、学級の人数と学力との関係には明確な相関は見られなかった。三十人規模学級から四十人規模学級に急激に変化した小学校三年生においては、私語が多く落ち着かない状況も見られたということでした。
 研究の概要と具体的な調査方法などについては、今度は、縦の資料がありますので、またこれを御覧いただければと思っております。
 さて、名古屋市の現状を申し上げますと、現時点で小学校一、二年生は三十人学級を実施しています。中学校では一年生において三十五人学級を実施しております。今回、名古屋市としては、既に小一、小二で国の上限を下回る学級定員で行っていることがあり、三年生からの学級定員四十人との差を少しでも少なくするため、令和三年度は一年前倒しで三年生において三十五人学級を実施することとしました。国の実施年より一年ずつ早めて進めていく考えです。
 市町村の実情は、学級が増えることで、必要な教員数の増加だけでなく、様々必要な施設設備、備品の購入などの影響があります。それがまずやらなくてはいけない当面の課題です。
 細かな話にはなりますが、どんな対応が必要であるのか、四点のカテゴリーに分けて話をします。
 まず一つ目は、教員増とそれに伴う対応です。
 今回、名古屋は先行して行うに当たって、六十七学級がプラスとなる試算をしています。既に採用は終わってしまっているので、増えた学級を担任する教員は常勤講師となります。国からの加配を目いっぱい使うのではなく、市独自で約五十人を負担をします。市単費で人件費約四億一千万円費やします。
 これだけではありません。教員の指導用タブレット、校務用のパソコン、旅費の配当も追加となります。また、学級が増えることで、学級数に応じて配分している学校予算、それから本市では三年生の外国語活動に年三十時間の外国語活動アシスタントを市独自で配置しておりますのでその増学級分、それから学校薬剤師の学級割分の追加と、いろいろ必要となってきます。
 二つ目として、次に教室不足への対応です。
 令和三年度分は何とか余裕教室や特別教室を転用し今年度予算で対応、既に改修も終了しています。問題は来年度分です。来年四月から供用開始となるように、令和三年度の予算で対応が必要です。現時点の試算では、仮設校舎三十教室分を約一億二千万円の予算を確保しております。
 三つ目として、管理費面、学級増への対応です。
 大変細かいことになりますが、学級が増えると、先生のための机や椅子に加え、教卓子、授業で使う大型提示装置に子供たちのタブレットの保管庫、無線LANの工事、給食用の食缶や配膳台、子供が着る白衣に至るまで新しく必要となってきます。
 そして最後に、管理費面、教員増への対応として、新規採用者のための健康診断の費用や職員室内の机、椅子、ロッカーに加え、指導者用教科書など、今申し上げたものを全部合わせると、名古屋では総額六億一千万円ほどの新たな予算が必要となります。これは市町村での負担となるわけです。これだけの諸費用が掛かるということを是非御認識いただき、国からの予算措置の検討も是非していただければと強く要望したいと思います。
 最後に、名古屋市が抱える問題や行っている教育施策から、二つの視点で少人数学級の必要性及び要望をさせていただきます。
 一つ目は、本市教育振興基本計画に画一的な一斉授業からの転換を進める授業改善を掲げて、全ての児童生徒に対し、一人一人の進度や能力、関心に応じた個別最適化された学びを提供するための授業改善を推進しております。
 子供たち自身で問いを持ち、主体的に探求をし、ICT機器も活用しながら、また学年を超えた異学年の子供との交流もしながら、お互いに対話や教え合い、議論をしながら、多様な考え方に触れ、批判的な思考力やコミュニケーション能力なども身に付ける、そんな取組を市全体を挙げて進めているところです。
 大きな事業としてナゴヤ・スクール・イノベーション事業を立ち上げ、小学校でのモデル実践校を指定し、プロジェクト型学習を進めるために、個別化、協同化による学びを進めています。また、選抜された教員による海外研修、市内全教員対象希望者制の学習会も実施をしています。
 それらに加え、今年度からは、マッチングプロジェクトと名付け、幼稚園、小学校、中学校、高等学校において、本年度の予算は一プロジェクト二千万円、来年度は四千万円を配当し、学校の困り事を解決をする、教職員のもやもやを少しでも解消し楽にする、学校外の力、民間企業や研究機関、大学などのノウハウ、プログラム、スキルなどを借りることで名古屋市の目指す個別最適化された学びの先進事例に取り組み、二年後の事業終了後にはそのノウハウや取組方法などを名古屋プランとしてまとめ、市内全校園への還元を図っていきたいと考えているところです。
 小学校でのモデル実践校の校長はこう話しています。子供主体のプロジェクト学習において、子供一人一人の自己選択や自己決定を大切にした授業を行おうとすると、個々の多様な学びをサポートするのに四十人ではとても手が回りません。個別最適化された授業改善を進めるには、学級規模の縮小は不可欠と感じています。
 さきに中教審がまとめた「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して」にも、個別最適の学び、協働的な学びが大きな柱として掲げられ、二〇二〇年代を通じて実現すべき姿として挙げられています。学校現場で本当にそれを実現させるためにも、少人数学級を何人規模が理想的なのかも十分に議論をしていただいて、それから、前倒しも含め、より迅速、早急に行っていただけたらと思っております。
 二つ目は、河村市長名で出されているナゴヤ子ども応援大綱に書かれている、子供を一人も死なせないという視点から話をします。
 報道で御存じのこととは思いますが、先頃、女子中学生が自ら尊い命を絶つという事案が発生しました。本市は、専門性を備えた職員のチーム、子ども応援委員会を十一の拠点中学校に配置し、他の中学校には一校に常勤のスクールカウンセラーを配置をしております。また、ハイパーQUといった標準化された心理テストを小学四年生から中学校三年生まで全員年二回実施をし、心の状態や学級集団における居心地や学習意欲などを調べ、一人一人のケアに当たっております。加えて、年三回以上、専門家監修のパンフレットで、自殺予防教育として児童生徒に、困難やストレスへの対処法やつらいときや苦しいときには助けを求めてもよいということを学ぶ教育を実施をしているところです。しかしながら、悲しくて残念な事案はなくなっていないのが現状です。
 私が教育委員会に九年間在籍して強く心に感じていることは、常日頃、常日頃の声掛けなどの取組がとても重要だということです。さきに紹介した本市の研究でも、生活面で人数が少ない方が学級に居心地の良さや落ち着きを感じやすい傾向がありました。学級の人数が少なくなれば、より細やかに、そして丁寧に子供に接することができる時間や心のゆとりも生まれてくると思います。常日頃の取組を現実的に可能にするためにも、常態化した環境整備が必要です。その一つが少人数学級の実現であると強く感じています。
 最後にですが、先日の教育新聞で、衆議院文教科学委員会で三十五人学級の効果検証の議論が行われたと読みました。効果を判断するものとして、数値的なエビデンスの考え方が声高に叫ばれています。数値でのエビデンスは何とか目に見える形で少しでも知ろうとか分析しようとする努力であり、必要ないとは申しませんが、それのみを追求して、それのみで判断してしまうことは非常に危険であると感じています。大臣もおっしゃってみえたように、テストの点数を上げるだけではない、様々な観点から総合的に分析をして判断をしていくべきと思います。
 私たち教育関係者は、人の心を育み、目には見えないところでの成長に携わっています。全ての子供たちの幸せを追い求めるため、一人一人の子供を決して誰も取り残さない、その子なりの、その子に合った充実した学校生活をプロデュースするという考えの下、少人数学級の推進を再度強くお願いをして、私の意見陳述とします。
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太田房江#6
○委員長(太田房江君) ありがとうございました。
 次に、中嶋参考人からお願いいたします。中嶋参考人。
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中嶋哲彦#7
○参考人(中嶋哲彦君) 中嶋哲彦と申します。よろしくお願いします。
 今日は、発言の機会を与えてくださいましてありがとうございます。
 資料として、A3の紙とそれからパンフレットを用意しました。パンフレットの方を詳しく申し上げていく時間はありませんので、A4の紙に従いながら、沿ってお話をさせていただきたいと思います。
 冒頭、私のちょっとした経歴とか専門を書きましたけれども、上の三行はどうでもよくて、次のところです。二〇〇〇年の十月から八年間、犬山市の教育委員を務めていました。
 犬山市の教育委員会は、当時、少人数学級を独自プランで実施しておりまして、予算を独自に、市独自で予算を組んで実施を始めたものです。これは、何というか、なかなか国の改善が進まない中で市町村教委として取組ができるということで、それならばということで市長とお話をして、何億円かのお金を付けていただいて実施することができました。ただ、そのときの私たちの考えは、永遠にこれを続けようとは思っていませんでした。犬山市の取組を先例としながら、そこでの成果を受けて国が国の教員配置基準を改善してくれること、それを求めるということを当時からもはっきりと文科省にもお伝えしていました。そういうことをしたということが一つです。
 それから、二〇一八年から三年間、去年の三月までですが、名古屋大学の附属の校長も務めておりました。ちょうど最後はコロナにぶつかって大変だったんですけれども、その経験もありまして、要するに、地方教育行政の経験と、それから学校経営の経験ということをいろいろ踏まえて今日は発言をしたいと、一々これはこうですという言い方はしませんけれども、踏まえて発言したいと思っています。
 去年の七月に、このパンフレットに関わるんですけれども、是非少人数学級を実現してほしいということで、当初、チェンジオルグを使って署名活動を七月に始めました。十二人の教育研究者と一緒に、この一番最後に出てきますけれども、始めました。始めてみると、いや、自分たちはネット署名は不得意だけれども、紙を用意してくれれば幾らでも集めますという市民がいっぱい現れてきたんですね。じゃ、用紙を用意するから、どうぞダウンロードして作ってください、集まったら私の研究室宛てに送ってくれということで始めたところ、とんでもないことになりまして、最終的には二十五万筆が、どんどんどんどん自分の身長より高くなっていくんですね。中には、小さな封筒に一枚だけ入っている署名もありました。でも、お手紙が書いてあって、自分はたくさんの人から署名を集めることはできないけれども、これは私の本当の気持ちだから何とか生かしてほしいというふうなことですね。
 だから、何か大きな組織が動いたというよりは、本当に一人一人が動いてくださって署名を集めて、それが二十五万も集まったと。しかも三か月間です。しかもコロナ禍ですよね、人が集まれない状況です。結局チェンジオルグは二万五千しか集められなかったんですが、ほとんどのことは勝手連的に、勝手に集めてくださったのがそんなに集まったということはとっても重要なことで、どれほど多くの人たちが望んでいるかということを表していると思っています。
 それから、論文二つ書きましたので、これ実は今日用意できれば持ってきたかったんですけれども、まだ、多分今日辺り出ると思います。御参考にしていただければと思います。
 一の真ん中のところに、四十年ぶりの改善ですね、これについては大変私は評価しています。ただし、不十分だと思っています。
 最初に、この括弧一のところに書いてあるのはこの署名の趣旨ですね、こういう署名の趣旨を行いましたということを書きました。やはりコロナの下で、このままではいけないということを書いたものです。ただ、それが多くの人たちの共感を生んだんだろうなと思います。
 それから、二ページの方を見てください。政府やそれから地方自治体の関係者の方々も大変御尽力をなさってくださったというふうに思っています。大変深く感謝しています。
 しかし、やはり不十分だったというふうに思います。文科省もかつては、それから今回も三十人以下の学級を目指すというふうに動いていらっしゃったと思うんです。それに期待していました。ただ、残念ながら三十五人にとどまった。しかも中学校だけであった。
 それから、先ほども御発言がありましたけれども、特別支援学校とか養護学級については何ら手が着いていない。これもやはり何とかしてほしいなという、これは私たちの希望として持っています。
 それから、高等学校も全然手が着いていません。高等学校いいかというと、そんなことはありません。上の学年になれば人数が多くなっていいんだというようなことをおっしゃる方もいます。大学は百人以上で授業やっているじゃないかというふうにおっしゃいます。でも、それは違います。それは全然違います。大学は、授業の内容や、それから目的に応じてクラスサイズが違います。それから、一斉授業の講義は大きい人数ですることもありますけれども、ゼミはそんな四十人どころじゃありません。十数人です。大学院になれば数人です。個別の対応もいっぱいやっています。
 その意味では、学問的な学習が深まれば深まるほど人数は小さくなっていかざるを得ないんです。だから、高等学校は今まででいいということにはなりません。だから、そこもやはりお考えいただかなくちゃいけないことだったと思います。その意味では、とても良かったことだけれども、やはり不十分だった。
 それから、加配定数を今回基礎定数に振り替えるということも予算案の方では出ているということを見ておりまして、これではやっぱり学校を支える教職員の数が、やっぱりボリュームが増えないんですね。
 だから、クラスのサイズは小さくなるかもしれないけれども、学校を支える先生たちの数は変わらないんです、変わらないか減るぐらいなんです。これじゃ困るんですよ。校長をやった経験からすると、とてもできないです、やっぱり。学級担任がいて、それにプラスアルファいるだけじゃ学校は動かないんです。いざとなって、例えば生徒が、いじめがあったとか、それから家庭で何かあったといったら、それはもう教員飛んでいきます。夜中でも動いています。そのときのサポートする人たちっていなくなっちゃうんです。だから、ぎりぎりでは学校って動かないということですね。そこは是非お考えいただく必要があるんじゃないかなと思っています。
 では、なぜ少人数学級が必要なのかということを、二番のところです。
 よくいろいろ議論あるのは、学力を向上させるためという議論があるんですけれども、私は、それだけで議論するのは適切ではないと思っています。要するに、クラスサイズというのはどういう教育目的でどのような教育方法で行うかということを考えるべきなんですね。だから、じゃ、学力を向上させるためなんだというんだったら、それで、それでいいならそのようなやり方はあるはずです。
 だけど、私たちの日本の学校というのはそういうものなんでしょうかということなんです。それだけを目指していいのかと。それは、ここに書いたんですが、豊かな学び、それから豊かな学校生活、これを目指すと。下の方に、括弧三のところにありますが、子供のウエルビーイングと言いましたが、子供が、子供って、高校生に子供と言っちゃ悪いかもしれませんが、子供や若者が日々の生活を楽しめる、自分はこの社会から大事にされている、それから、自分もほかの子供たち、ほかの仲間のために何かできる、それが実感できる、例えば勉強を教えてあげることができるとか何か協力することができると、そういうことが人間を育てているんだと思います。だから、そういう人間を育てる場所としてのクラスサイズはどういうふうにあるべきかと考えるべきなんです。
 ところが、この間の政策評価は学力の向上だけで考えているんです。そんな簡単なことじゃないです。そんなことのために学校は、教師たちは活動しているわけじゃないんですね。子供がやっぱり幸せだと思わなければ、将来、しっかり働いて税金払ってこの国を支えようという人にはなれないです。自分がどれだけ我々のこの今の社会から大事にされたかということを実感できるということが大事だと思います。
 私、フィンランドも何回か行っていて、高校生とも話をしますが、彼らはそういうふうに言います。将来高い税金払うんでしょうけどどうと聞くと、僕たちは大事にされてきました、だからこの後の人たちにもそれをすることが大事なんだというふうに口そろえて言います。そういうことをやっぱり大事にして考えると、やはり学級サイズとか子供に対するお金の使い方というのはそれなりの考え方があるんじゃないのかなというふうに思います。
 私、犬山で教育委員をしているときに、犬山では、今、ちょっと戻っちゃうんですが、二枚目の真ん中よりちょっと下のところにクラスメートと学び合い、育て合いと書きましたが、クラスメートに教えてあげられる子供を育てましょうということを言いました。だけど、現場からはこういう声も上がってきました。クラスメートに教えてと言える子供をつくりたいんだと、それが本当の協働の社会でしょうと。だから、教えてくださいとか、自分のために何かしてくれという声が上げられる人をつくるんだと。
 そのためにはクラス経営ですね、クラスを運営していくということがとっても大事で、そのためには教員の一人当たりのクラスサイズというのはそれなりにやっぱり小さくあるべきです。グループをつくるから大きいサイズでいいということになりません。例えば、クラスを六つの班に分けるとしたら、一人一人を見ながら、かつグループも見ていないといけないんです。その意味では、やっぱり教員の仕事考えると三十人以下じゃないととてもできないことだなと思います。
 もう時間が来てしまいました。三ページのところを御覧ください。課題と書きました。
 私は、先生方に、是非この際、私まだ不十分なところがあると思っていますので、この委員会では附帯決議を是非お願いしたいと思っています。それ下に、一番最後に付けました。加配定数を引き続き確保すること。それから、いわゆる定員崩しをしないように設置者に、任命権者に求めてほしいということ。それから、可及的速やかに、ここには特別支援学校とか高校のこと書きませんでしたけれども、これはこの法案がこれだったものですから限定してやっちゃったんですけれども、ほかのところにも及ばす、及ぶように文科省において検討を進めてほしいということを国会の意思として示していただくことで、文科省さんが動きやすいようにしていただきたいと思っています。
 以上です。
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太田房江#8
○委員長(太田房江君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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赤池誠章#9
○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章でございます。自民党を代表いたしまして、参考人の皆様方に質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、三幣参考人に質問をさせていただきます。
 三幣参考人の方からは、昨年のコロナ禍における学校再開ということで、一斉休校から再開ということで、その辺の不安、そして現場での御苦労を聞かせていただきました。改めて、大変なときに現場を預かる教育長としての御労苦に対しまして、敬意を表したいというふうに思います。
 そのような中で、それもあり、またそれ以前からもこの少人数学級の重要性ということで我々自民党にも来ていただいて直接お話を聞かせていただき、また官邸での教育再生実行会議でも御意見を開陳していただいているということを聞いているところであります。
 そのような中で、今、南房総市の現状の中で、小学校でいえば五分の一が、まだまだ大きいということですね。小中それぞれ五年間を掛けて三十五人学級をしていくとなると、具体的にどういう課題が、南房総市の場合、五年間計画的に、教員の増、様々なことが考えられると思うんですが、その辺、五年間、この本法律を通して五年間で三十五人学級、その辺で具体的にどういうところをこれから取り組まなければいけない課題として認識なさっているかをまずお聞かせ願いたいと存じます。
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三幣貞夫#10
○参考人(三幣貞夫君) 私ども、有り難いことに、当面は三十五人学級への対応というのは喫緊のものではないということで、といいますのは、千葉県独自で小学校二年生、小学校三年生、中学校一年生が三十五人学級ですので、したがいまして、私ども、対応についてはもう少し時間があるということで、この点については有り難く思っていますけど、一日も早くというのが正直なところであります。お答えになったかどうか分かりませんけど、そういう状況であります。
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赤池誠章#11
○赤池誠章君 既に千葉県の取組の中で実質なっているということで認識をさせていただきましたが、そのような中で、教育効果の話でございます。
 引き続き三幣参考人にお聞かせ願いたいんですが、認知能力、それから非認知能力、そして人と人を感化する教育という御指摘をいただいたんですが、今回、我々も、少人数学級実現するに当たって、文部科学省はもちろんなんですが、財務当局と相当やり取りをさせていただく中で、やはり財政状況の中でどのような国民の皆様方からいただいた税金を配分をしていくかと、そういう議論をする中で、教育効果の話というのが結構議論になりました。
 具体的に、認知能力のみならず非認知能力、この辺が重要性だと思うんですが、南房総市の場合、その辺の教育効果、取り組まれてみた少人数学級への教育効果を改めて教えていただきたいと思います。
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三幣貞夫#12
○参考人(三幣貞夫君) 私どもは、少人数とは限らなく、市独自のテストを小学校二年生から中学校三年生までやっております。どの学年がどんなふうに推移していくかということを把握しておりますけど、極めて難しいのは条件がいろいろあるということですね。
 一つは、子供たちのその集団の状況がどうかということです。これは学力の、狭い意味での数値化できる学力の面もあります。数値化できないような子供たちの状況もクラスごとにあります。もう一点、なかなかデータ化できない理由のもう一つが、教師の指導力がやはり違うということですね。
 ですから、一概に、人数が三十人だったらこういう効果が出るとか、四十人だったらこういうマイナス面が出てくるとか、そういうようなデータはなかなか得にくいというのが私どもの教育の実態だと思っております。
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赤池誠章#13
○赤池誠章君 今回の少人数学級、義務標準法の法律の中に、先ほどお話ししたように、文部科学省のみならず財務当局との議論の中で調査研究をしっかりやっていくと、こういう項目もございます。
 そういう面では三幣参考人の御指摘はそのとおりでありますので、とはいえ、また他の参考人にも是非聞きたいところであるんですが、これ、なかなかこの数値化できないという、これはもうよく分かる反面、議論をする中でここをもっと明らかに何とかできないのかという、こういう思いもございます。
 そういう面では、先ほど御指摘いただいた先生方の指導力、これ、やっぱり経験や、様々な先生方も多様な存在だということと、それから、南房総市、私も行かせていただいておりますが、地域の教育力、それから、コロナ禍でも御指摘いただいたそれぞれの持っている家庭の力というのも、これ全て多様な状況ではないかなというふうに思っております。
 ここを総合的に考えて、どうこの少人数学級と結び付けて調査研究をやっていったらいいか、現場を預かる教育長、三幣参考人としての御意見がありましたら是非お伺いをさせていただきたいと思います。
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三幣貞夫#14
○参考人(三幣貞夫君) 私、実は小学校、中学校、高校の校長を経験しております。幼稚園長もやっております。
 したがいまして、授業の中身でいいますと、高校が一番授業しやすいのかなという、自分が直接やったわけではないですけど、見ていてそう思います。といいますのは、生徒の状況がかなり均質化されているわけですね。入学者選抜がありますので、そのクラスを構成する生徒の学力の状況は大体同じレベルだという、そういうのがありますので、小中学校でもそういうような状況をつくればいろいろ比較はできると思いますけど、現在、私どもの公立学校ではこれは無理な話なので、そういうデータを集めるというのはこれは不可能だと思っております。
 ただ、小中高校に通じて言えるのは、先ほど私が冒頭で申し上げましたように、どれだけ生徒、子供たちと教師が関われるかというのは、もうこれは人数が少ない方が多く取れますので、これはもうデータ取るとかそういう問題以前だと思っております。
 以上です。
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赤池誠章#15
○赤池誠章君 三幣参考人、ありがとうございます。
 大変貴重な御意見として、高校は確かにそのとおりだなと。やっぱり義務教育、ましてやまた幼児教育となると、なかなかこの辺は簡単ではないという、そのとおりだなというふうに思っております。
 その中で、文部科学省、それぞれ義務教育の中でも、習熟度別の様々な取組、工夫というのも取り組んで各教育委員会に促していると思うんですが、義務教育段階における習熟度別のクラス編制始め、また、クラス編制でなくても授業の中での取組というのは南房総市の場合はいかがでしょうか。
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三幣貞夫#16
○参考人(三幣貞夫君) かつては習熟度をかなり多く取り入れた時期もありますけど、やはり全て一つのクラスを習熟度に分けてやっていくということは、人間形成あるいは人間関係をつくっていく面で果たしてどうなのかというような疑問もありまして、今はそれほど多くなってきておりません。いろんな、学力の高い子、中くらいの子を含めて少人数、小さく更に分けてやっていくような指導が私どもの市とすれば多くなってきております。
 いずれにしましても、点数だけ取れればいいのではなくて、点数も含めて総合的に人間形成していくのが私どもの仕事だと思っておりますので、そのような取組をしております。
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赤池誠章#17
○赤池誠章君 三幣参考人に最後にもう一つ、一問聞かせていただきたいのは、今回、コロナ禍ということもあり、我々、四千六百億円以上の国費を投入して、一人一台情報端末、また学校内外、家庭も含めて情報環境、ネットワーク整備ということで国費を付けさせていただき、また、それぞれ地域でも精力的なお取組の中でなされていると思うんですが、先ほどの地域、家庭の教育力と先生方の指導力の違いの中で、今回、GIGAスクール構想が少人数学級と相まってどのような効果を現場に与えるか、この一点、最後にお聞かせ願いたいと思います。
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三幣貞夫#18
○参考人(三幣貞夫君) 今月末に、今の状況ですと、全ての学校にタブレット、小学校一年生から中学生まで配りました。使えるような状況に今なっております。ただ、今、基本的な構えをつくっておるところですけど、基本的には、小学校一年生から三年生までは自宅に持って帰らせない、小学校一年生から三年生まではデジタルではなくてアナログの体験をさせようというものを基本にしております。
 基本的にはツールの一つだということで、四年生、五年生、六年生であっても、全てタブレット等を通して学ばなくてはいけないということではなくて、その子の学び方に合わせて活用できるような方法を考えていきたいと思っております。
 以上です。
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赤池誠章#19
○赤池誠章君 ありがとうございました。
 続きまして、藤井参考人にお聞かせ願いたいと思います。
 資料の方でも御説明いただきました、平成二十九年度の義務教育段階各学年における効果的な少人数学級の在り方研究ということの貴重なお取組を御紹介をいただきました。生活面でのいわゆる非認知能力と言っていいんでしょうか、効果がうかがわれた反面、学習面では相関関係という形が御紹介いただきました。
 我々も文部科学省に聞くと、全国学力状況調査の中では、学力の低い子供たちには少人数学級の効果が見られるのではないか、ただ、学力がある程度付いた子供たちにはさほどの相関関係がという、こういう話も聞いているわけでありますが、名古屋市さんの場合はその辺は改めていかがだったでしょうか。
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藤井昌也#20
○参考人(藤井昌也君) 別とじのA4縦の資料をちょっと開けていただいて、七ページのところの下の四角の方でございます。
 先ほど、学力に明確な相関関係が見られなかったのでああいう言い方をしてはおりますが、下がったところもあれば、それから上がったところもあるといったようなところで、少人数学級、少人数であるがためにという、それだけの要素ではないのではないかと私は思っています。もちろんそれも大きな要素にはなりますし、それから教員の指導法、それからどうやって学びに向かわせる、その姿勢や力をやっぱり付けさせるのかといったようなところが大きな課題ではないかと思っています。
 私ども、教育振興基本計画で、学力を測るその指標は決して全国学力の国語とか算数の正答率ではなく、それぞれの子供の方が答える意識調査の中の、それぞれの教科が好きだとか、それからこういうふうな勉強がしたいとかといった、その部分を集計をしてまとめているところで、そちらの方に重点を置いているという部分もあります。
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赤池誠章#21
○赤池誠章君 中嶋参考人にお聞かせさせていただきたいと存じます。
 中嶋参考人は、経歴御紹介いただいて、まさに教育学の専門家として長年お務め、また現場も体験なさっているということなんですが、今回、先ほど御紹介しましたとおり、調査研究という、これを一つの法律の項目に入れて五年間掛けてしっかりやれと言ってくれと。これの中で、その調査研究の結果が、こう言うと財務当局がずるいところなんですが、しっかりとしたことが出てこないと、次に、今日の御指摘いただいた通過点にならないと。
 こういうときに、まず、昨今は行動心理学とか教育経済学とか、様々な若手研究者も出てくる中で、この数値化できないところを何とか数値化できるような、先生方の知見を生かせるような取組というのはなされないものなのでしょうかという質問でございます。
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中嶋哲彦#22
○参考人(中嶋哲彦君) それは難しいことだと思っています。
 というのは、数値化できないことに意義があるというふうに、そこのところ、教育学者の中の多くはそういう議論しているんですね。ですから、数値化できるところだけで物事を考えているところに間違いがあるというところです。
 それから、今の数値化の議論の中では、今の御発言の中にもありましたけれども、少人数になったということだけでは、それだけでは学力の向上効果というのはそんなにあるわけじゃないと思います。問題は、その少人数にしたことを生かしてどのような学習活動をするか、どのような指導方法を改善していくか、その取組こそ大事なんです。
 犬山でも当初はやっぱり一斉授業していたんです、先生方、当初は。だから変わらないんです。だから、そこでどういう活動をするかというところに、先生たちにゆとりを与えてあげる、研究的な実践が行えるような促進をする。これ三ページの一項目め、課題の一に書きましたので御覧ください。そういうことも現場での課題として残るし、それから、教育行政の課題としてそういった教員たちの自発的な研究活動を促進すると、そういうことを積み重ねていただくと対抗できるんじゃないかと、財務にというふうに思っています。
 以上です。
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赤池誠章#23
○赤池誠章君 ありがとうございます。
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斎藤嘉隆#24
○斎藤嘉隆君 立憲民主・社民の斎藤嘉隆です。
 お三方の参考人の皆様、今日は本当にお忙しい中お運びをいただきまして、貴重な意見を頂戴をしました。心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 それぞれに様々、いろいろ聞きたいことがあるので、順次お聞きをさせていただきたいと思います。
 三幣先生にお伺いをしたいと思います。
 教育再生実行会議のメンバーでもいらっしゃって、いろいろ議事録なんかも拝見をさせていただきました。先ほども意見の中で言われました、三十五人ではなくてやっぱり三十人などを目指して、今回はあくまで通過点であると、そういうようなお話もあって、全く共感をするところであります。この後の国会の審議の中でもそれを生かしてまいりたいというふうに思っております。
 若干視点変わるんですけど、学級編制基準の見直しはちょっとおいておいて、ちょっと先走りますが、小学校では今後、教科担任制等の導入が計画をされております。担任外定数というか、こういったものの拡充も私は今の学校現場は極めて重要ではないかと思いますが、この点に関しての御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
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三幣貞夫#25
○参考人(三幣貞夫君) 表題には専科教員の配置による教員定数の改善ということをうたってありましたけど、説明はいたしませんでした。
 いろんな場面で私が申し上げているのは、一人の教員の持つ持ちこま数ですね、持ち時間数を改善していただきたいということで、私の経験でいいますと、小中学校全てを合わせて、一週間六こまの五日間で三十こまあります。高校は平均大体十五か十六ですね。中学校になりますと二十前後、二十をちょっと超えるぐらい。小学校ですと二十六ぐらい。三十こまのうち二十六こまということは、一週間のうち空き時間が四こましかないという、これを改善しない限りは、今、斎藤先生がおっしゃったようなことは改善できないというのが私の従来からのお願いというか考え方であります。
 是非、教員の持ちこま数、持ち時間数に目を当てて議論いただければ大変有り難いと思っております。
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斎藤嘉隆#26
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 やっぱり教科担任が進んでも教員が増えなければ物理的に持ちこま数は減らないわけですので、その点しっかり受け止めさせていただいて、審議に向かいたいというふうに思います。
 藤井教育次長にもお伺いをします。
 これ、今回の三十五人学級は、実は概算要求の段階では事項要求で、正式に合意されたのは十二月の十七日だったかなと思うんですね。そこから準備をされて、先ほどの御報告だと、国に先んじて名古屋市の場合は小学校三年生を先行して少人数にするという話で、八十名の教員が必要で、五十名は独自でやると、こういう話でした。
 よく教員の確保ができたなと、それだけ大規模な都市でですね。ただでさえ今、例えば育休補充教員が穴が空いたり、もう配置をされないような状況があちらこちらであって、その中で八十名もの、まあ常勤講師が五十名という話でしたか、八十名もの教員を確保する、そんなことが可能だったんですか。どのような御苦労をされたのか。あるいは、来年度以降、また小四、小五と延ばしていくというお話もありましたけれども、先の見通し等はどのようにお持ちなんでしょうか。
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藤井昌也#27
○参考人(藤井昌也君) 今、斎藤議員さんがおっしゃっていただいた人の確保という部分は、とても大きな課題に気付いて、私どもも認識をしています。
 名古屋市の場合では、教育サポートセンターといういわゆる人材バンクみたいなところをつくってありまして、そこに様々教員免許を持った方が登録をする中で、そちらから派遣をするというようなことをやっています。
 それから、これは手弁当というかあれなんですけど、事務局の教員出身の者や、それからそれぞれの学校の校長先生方にもいろいろ声を掛けさせていただきながら、そういう候補の方がいないかといったようなところでも人を探して広げているというのが実際です。
 来年度、また同じぐらいの人数が必要となってくるというのは極めて心配、懸念をしているところで、学校現場、先ほど多くの校長の声を紹介をしましたが、心配する声としては、教員のやっぱり質というものが低下していくんじゃないかという声は上がっています。それに伴って、やっぱり研修、それから一人一人の今みえる学校の先生方の意識等も変えていく、それが私どもでいうとスクール・イノベーションといった事業でやっているところですので、そういったものと有機的に結び付けながら、教員の質を確保しながら、それから、人を集めるのは大変本当に苦労して、先行きなかなか見えないところですけれども、頑張ってちょっと広げていきたいと思っております。
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斎藤嘉隆#28
○斎藤嘉隆君 是非頑張ってください。かなり大変だとは思いますし、ただ、もう一個心配しているのは、先ほどちょっと申し上げたけれども、現場に穴が空いてしまう、必要な定数を満たすことができずにですね。このような状況があちらこちらで散見されるようになると、やっぱり教育現場が一番苦労することになりますので、そこも踏まえた上で是非お力を発揮をしていただきたいというふうに思います。
 藤井参考人と中嶋参考人に同じ質問をさせていただきたいと思います。
 私は、これ、先ほど三幣先生もおっしゃいましたが、中学校の指導の困難性というのが非常に増しているのではないかなというふうに思うんです。今回、小学校で三十五人学級が実現をしていく、私は、その後、早期にやっぱり中学校へも少人数学級を拡充していくべきだと、このように思っています。
 先ほどのウエルビーイングの話もございました。コロナの中で子供たちが非常にメンタル面で大変苦慮をするような状況が生まれてしまっていて、私、それが本当に中高生も含めて自死をする本当に悲しい事件が多く起こっている、こういったことにもつながっているような気がするんですね。
 そんな意味合いから、中学校での少人数学級の必要性とか中学校での指導の困難さとか、この辺りについてお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
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藤井昌也#29
○参考人(藤井昌也君) 今おっしゃっていただいたこと、まるっきり同感です。中学校へ広げていくということが次の段階、又は、先ほど私、いみじくも抽象的に物を言っていましたけれども、早く前倒しとか、それから人数の適切なとかと言っていましたけど、実は中学校も早くやってほしい、しかも三十人でやってほしいという気持ちは、現場の先生方からの声を聞くと本当にあります。
 先ほど、最後のところで私、子供を一人も死なせないといった観点で少し話をさせていただきました。三月九日にちょっと不幸な事案があった後、名古屋市内の、名古屋市立の小学校、中学校、特別支援学校、高等学校の校長先生方を全部実は集めまして、それから教育長、それから私、それから学校教育の関係の指導部長、その三人の者が思いを語ったりとか、それから学校に取り組まなきゃいけない課題等を強くお願いをしました。それで、何人も学校の校長先生から私のところにもメールが来て、本当に心響いたよとか、これ帰ったら熱く語るぜとかと言ってくれました。その中の一人の中学校の校長からのメールで、すごくはっとしたんですね。
 彼は私の同級生ですけれども、やっぱりこれはやらなあかん、それから気持ち伝えなあかんと言って、私どもが話したような内容を次の日の朝の打合せでやっぱり熱く語ったそうです。その後なんです。一人の教員が校長先生のところに来て、もう顔面蒼白。何かというと、コロナの関係での、先ほど三幣先生もおっしゃっていますけど、消毒とか、それから今でさえリスクをしょった子供がいて、これ以上ほかの子たちも含めて何ができるんですか、どこに時間があるんですかということをある女性の教員が言いに来たそうです。
 私、その校長に話ししたのは、まず、そんなことが言えるその職場、学校経営が上手にできているよねという話をしながらも、その言葉はまさしく悲痛な各学校の先生方の声だと思っているので、先ほども申しましたが、中学校で学級定員を少なくするということで、より多くの子たちに手を丁寧に掛けられるといったところでやっていくべき、これも早急に検討をしていくべきではないかというふうに思っております。
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