山崎光悦の発言 (文教科学委員会)

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○参考人(山崎光悦君) 金沢大学長の山崎光悦でございます。
 本日は、国立大学法人法の一部を改正する法律案の御審議に当たり意見陳述の機会を頂戴し、誠にありがとうございます。太田房江委員長を始め、参議院文教科学委員会の委員の皆様に心より感謝を申し上げます。
 金沢大学は、各地域に設置されている国立大学と同様、戦前のナンバースクールでございました第四高等学校を中核として、当時の医学専門学校、高等師範学校、そして高等工業高校等が母体となって昭和二十四年に設置をされた、現在では収容定員約一万名、一万余名の中規模の総合大学でございます。戦後の復興からの立ち上がり、そして高度経済成長期を経て八学部二十五学科・課程を擁する大学へと発展してまいりました。
 地域の中核都市に立地する本学は、医師を始めとする医療人や教員養成、そして法曹や地方自治体、国、出先機関が必要とする地域の中核人材養成と国家レベルで必要とされる理工系を中心とする技術者養成を担ってまいりました。
 また、その間、国の支援を頂戴しながら、平成元年から約三十年間を掛けて現在の角間キャンパスへの二期にわたる総合移転事業を完工し、平成十七年度からスタートさせた病院、キャンパスの再開発計画もほぼ完成させることができております。
 国立大学法人移管後の金沢大学の教育、研究に関する歩みについて簡潔に述べさせていただきます。
 平成二十年に、社会のニーズを即応的に取り入れ、より戦略的に教育研究活動を展開するため、それまでの学部学科制から、三学域十六学類から成る学域学類制の教育システムへと、また同時に、三研究科十四学系から成る教員組織へと教教分離の組織改編を行いました。
 私は、学長に就任をして既に八年目を迎えておりますが、グローバル人材育成のための教育改革と研究力強化、そしてそれらを支える徹底した国際化を目標に掲げ、具体の改革プランをYAMAZAKIプランとして公表し、教職員とその共有に心を砕きながら日々の大学運営に当たっております。
 教育改革では、文部科学省が進めるスーパーグローバル大学創成支援事業の採択を受け、グローバル人材育成を進めると同時に、教育における金沢大学グローバルスタンダード、KUGSを定め、共通教育科目群の刷新、国際基幹教育院の設置と専任教員の配置など、共通教育改革を進めてまいりました。
 また、教育システム改革では、国際化や地域創生のための人材育成機能を充実させるとともに、理工系におけるフロンティア工学、生命、海洋資源における人材育成の開始など、三学域十七学類への再編を経て、本年四月から、四つ目の学域、文理融合型教育を実施するための融合学域をスタートさせ、知識集約型社会を担う人材養成を開始をいたしました。その第一番目の先導学類では、アントレプレナーシップ教育をその中核に据え、社会の変革を先導するイノベーター養成を開始しております。
 また、数理、データサイエンスを武器に、観光ビジネスによって地方創生を促す人材養成の開始も計画をしております。昨今のコロナ禍において地方国立大学の役割が再認識されていることを重く受け止め、真に地方が必要とする地方創生人材を育成する決意を新たにしているところでございます。
 さらに、大学院教育の高度化では、他大学の大学院との共同専攻の設置などを通した融合科学の学びの提供に腐心しているところでございます。
 一方、研究力強化では、先鋭分野の強化と分野融合研究を推し進めており、新学術創成研究機構の設立を手始めに、学内異分野融合により、ナノ生命科学分野において、世界トップレベルの研究拠点プログラム、WPIに地方大学として初めての採択を受け、ここ三年半で七十名を超える研究者集団となるナノ生命科学研究所を拠点化しております。
 トップダウン型とボトムアップ型の研究グループ形成を戦略的に推進し、金沢大学の強い研究分野を更に強くして研究所や研究センター化を進めることで、中規模大学ながら、特定の研究分野を次々に重点的に支援して、世界レベルの研究拠点化を目指しているところであります。
 こうした改革と同時並行して、研究に専念できるリサーチプロフェッサー制の導入や若手教員の積極的な登用、教員評価と処遇への反映など、教職員の処遇、待遇改善にも力を注いでまいりました。
 これらの改革を遅滞なくスピード感を持って実施できている背景には、学部学科制を廃して金沢大学が推進してきた教育組織、研究組織の大くくり化による柔軟な組織改編と、これと時を同じくして実施されてきた、学長のリーダーシップの下で戦略的に大学運営できるガバナンス体制構築のための平成二十六年度の制度改正が力強い後押しになったというふうに理解をしております。
 学長として、教職員や学生など大学構成員との対話を重視しながら、金沢大学の教育研究所のプレゼンスを上げる改革や取組を加速させ、重要な方向付けをしてまいりました。また、これら改革の取組の成果については、ステークホルダーに説明をし、理解をいただくということを常々その努力を重ねてきております。
 さきの制度改正によって、学長のリーダーシップの下で様々な改革を推し進めることができるようになってきた一方で、国立大学法人が自律的な運営を実現するためには、監事や学長選考会議、これからの新しい名前は監察会議となるそうでございますが、それに学長への一定の牽制機能を持たせるということは十分理解できるところでございます。
 今回の改正法案は、イノベーションを創出する知の拠点としての国立大学の役割を踏まえ、各大学が進むべき道を自ら模索し、それを実現するための自由度を高めるとともに、多様なステークホルダーから信頼されるガバナンスを構築することで真に自律的な存在となるための要素が多く盛り込まれているものと考えてございます。各国立大学法人がそれぞれ独自のビジョンとミッションを掲げ、国家の共有財としてのプレゼンス向上に努めることで、我が国の発展に寄与することが求められているというふうに理解をしております。
 以上、本法案について私の考えるところを申し述べさせていただきました。
 諸先生方におかれましては、引き続き御支援、御指導を賜りますようお願いを申し上げて、本法案への意見陳述とさせていただきます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 山崎光悦

speaker_id: 7289

日付: 2021-05-11

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会