川村百合の発言 (法務委員会)

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○参考人(川村百合君) ありがとうございます。
 今おっしゃったように、原則逆送対象事件であろうがなかろうが、少年の要保護性を十分に調査する必要があるというふうに私も考えておりますが、現実には、二〇〇〇年の少年法改正以降、私たち弁護士の目から見ると、必ずしも十分ではない、十分な調査がなされてきていないというふうに言わざるを得ない実態があると思います。それは、二〇〇〇年改正前から、調査官、家裁の調査官をされておられた方たちも、そのことは残念ながらということでお認めになっている発言も聞いておりますので、まあ間違いない評価だろうというふうに思っています。
 やはり、現実には、犯情、犯罪自体の直接の動機とか犯行態様とかその結果ということで逆送するかしないかということが基本的に決められてしまった場合に、特段の事情があるかどうかということをその少年の根深い生育歴や資質上の問題などに遡っての調査ということはされなくなってきているように思います。例えば、本当にその生育歴を調査するのであれば、昔であれば三世代、親の世代、おじいちゃん、おばあちゃんの世代まで調査しろというふうに言われていたというふうに聞いているんですけれども、最近はそのようなことはされている調査票は見なくなってきています。
 それから、例えば、調査官が少年に面会する回数も、昔だったら四回、五回と面会していたものが、二回、三回ぐらいでもう特段の事情なしということで逆送の決定を、逆送の意見を書くというようなものも見られています。また、例えば、家庭訪問をして実際にその家に行ってみて、少年の気持ちになってみて少年を理解しようとするんだというふうに私は二〇〇〇年より前から調査官をしている方にお聞きしましたけれども、そのようなことも最近されていないように見えます。
 また、学校関係者や児童相談所に係属していた歴がある少年もいますから、そういう少年について、関係機関に行って実際に会って話を聞くというようなこともされず、書面での照会、回答というようなことにとどまってしまう表層的な調査しかされないような傾向はあるように見えます。そして、その実際に調査したものを、調査官は手控えとしては持っていても、私たちに開示される調査票の中にきちんと情報が盛り込まれていない、とても内容の薄い調査票になっているものが散見されます。
 それは、もう最高裁当局の指導として簡にして要を得た調査票を書けということで、原則逆送対象事件についてはその生育歴などを長々と書くなというような指導がされているようにも聞いておりますので、そういう意味で、二〇〇〇年改正前と後とでは、調査の実態も、またそこから出てくる成果物としての調査票にも変化が出てきていると思います。

発言情報

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発言者: 川村百合

speaker_id: 27616

日付: 2021-05-06

院: 参議院

会議名: 法務委員会