高良鉄美の発言 (法務委員会)

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○高良鉄美君 まさに、この五つの性格、これが家庭裁判所の向かうべき道と、あるいは姿というものを理念にしたものというふうに言われています。
 家裁は、戦後、憲法の理念に基づいた、あるいはのっとった形でできた新しい裁判所なんですよ。これまでの裁判所とは違う独立性を持って、地裁とは別にやりましょうということが独立性なんですね。
 そして、民主的性格というのは、これは本当に国民に寄り添う、そして国民のための裁判所であるという考えから来ています。
 科学的性格というのは、これは精神的な、心療内科とかそういった形、あるいは心理学のそういった力を借りて少年事件を解決していきましょう、家庭の事件を解決していきましょうということですね。
 局長言われたように、教育的性格というのは非常に大きな問題ですね、大きな要素だと思います。これ憲法二十六条の問題です。教育を受ける権利、教育にアクセスする権利の問題です。そこが要素として入っているということ。
 そして、社会的性格というと、これは家裁が幾ら頑張っても、それだけでは少年の健全育成あるいは更生には十分ではないということがあります。それは、やはりそのほかの養護施設あるいは児童相談所、そういった社会全体のいろんな制度の中で進めていかなければならないと。それは、児童福祉の問題、憲法二十五条の福祉の問題なんですよ。この二十五、二十六というのがこの新しい裁判所の中に入ってきているということで、対応を考えていただきたいと思います、常に持っておられると思いますけれども。是非そこでしっかりとベースをつくっていただきたいと思います。
 九〇年代に少年による重大事件が相次いだことを背景に、二〇〇〇年代になって、少年法は四回にわたって大きな見直しが行われました。事件が起きるたびに、少年を甘やかすな、厳罰化をという意見が相次ぎ、それに異を唱えにくい状況もあったと思います。
 今回の改正の審議に当たり、改めて清永聡さんの「家庭裁判所物語」を読ませていただきました。その最後に、二〇一三年に最高裁家庭局長に就任して、その翌年に五十五歳で亡くなられた岡健太郎さんの言葉が紹介されていました。
 少年審判を行う現場は、多少法律が改正されても、少年の立ち直りと健全な育成を忘れてはいない、もしも教育的機能が少年審判から全て失われたならば、家庭裁判所が存在する意味はない、家庭裁判所の人々は打たれ強くしたたかだと断言したとあります。世論が厳しくても、審判に検察官が立ち会おうとも、幹部が理念を否定し迅速化を求めようとしても、目の前に非行を繰り返す少年がいればできる限り力を尽くそうと思うのは当然であると、守るべきヒューマニズムが根底に流れている以上、教育や福祉の役割が失われることは決してないと強調されています。家庭裁判所、家庭調査官の役割はますます重要になろうと思います。
 今回の法改正は、この少年法の理念に反するものと私は言わざるを得ないと思っています。政府、最高裁は、今後の反対の声を十分に耳を傾けて、将来の見直しについて考慮していただきたいと思います。やはり、その根本にある裁判所というものが、戦前の、あるいは裁判所、現在でも、なるべくだったら裁判所に関わりたくないという国民が多いんですけれども、裁判所がやっぱり国民とともに歩む裁判所になる、民主的な裁判所になるということは当然のことだと思いますし、こういう努力をされていると思います。そういった面で、多くの反対の声というのも、今日もう現実に上がっているわけですね、法改正について。この将来を見詰めて考慮していただきたいというのは、もう本当に切にそう思っております。
 そういうことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
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発言情報

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発言者: 高良鉄美

speaker_id: 17859

日付: 2021-05-20

院: 参議院

会議名: 法務委員会