小此木八郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(小此木八郎君) 三浦議員から五問の御質問をいただきました。順次お答え申し上げます。
 まず、法第三条の意義や個人情報の管理等について御質問をいただきました。
 第一章総則の第三条には、この法律の規定による措置を実施するに当たっては、個人情報の保護に十分に配慮しつつ、必要最小限度のものとなるようにしなければならないとする、本法案全体に通じる基本的な考え方を規定しております。
 すなわち、本法案の運用は、法の目的である重要施設等の機能を阻害する行為を防止するために真に必要な範囲で行い、国民の日常生活や事業者の経済活動に与える影響を最小限にとどめるという政府の方針を明らかにしています。
 この方針に沿って、例えば、土地等の利用状況の調査に当たっては、内閣府に新設する予定の部局による公簿の収集を中心とし、土地等の利用者にとって負担となる報告徴収は限定的に行います。
 また、本法案に基づく調査や利用規制の対象となる区域の設定に当たっても、その指定に伴う社会経済活動への影響を勘案し、安全保障の観点から適切な対応が求められる区域、範囲に限定します。
 そして、調査の過程で取り扱う不動産登記簿等の個人情報については、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の関係法令にのっとり、その保護、管理に万全を期してまいります。
 次に、本法案における金融機関等の責務について御質問をいただきました。
 本法案は、重要施設の周辺等の土地等の利用実態を調査し、重要施設等の機能を阻害する行為が認められる場合に、その土地等の利用者に対し、当該行為の中止の勧告、命令を行うこと等を定めるものであります。
 本法案に基づく調査等の対象となる土地等の取得、取引には、資金提供の形で金融機関等が関わるケースも想定されますが、本法案は、そうした立場にある金融機関等に特段の責務や対応を求めるものではありません。
 一般論として申し上げれば、金融機関等は土地等に係る融資の可否を判断するため、その資金使途を確認しているものと承知しています。しかしながら、本法案は、金融機関等に新たな責務や対応を求めるものではありません。仮に、融資の対象となった土地等が、融資判断の際に確認した使途とは異なり、機能阻害行為のために利用されたことが明らかになったとしても、そのことについて本法案との関係で金融機関の対応が問題になることはありません。
 次に、経済的社会的観点に係る規定の意義と運用について御質問をいただきました。
 本法案は、安全保障と自由な経済活動の両立を図ることを大前提としています。このため、注視区域又は特別注視区域の指定は、指定に伴う社会経済活動への影響を安全保障上の要請に基づく合理的かつやむを得ない範囲に限定する必要があると考えます。閣議決定する基本方針において、そうした考えを明らかにするため、御指摘のあった法第四条第二項第二号に規定する経済的社会的観点から留意すべき事項を示すこととしたところであります。
 その具体的な内容は基本方針で定める予定ですが、現時点では、例えば、重要施設の周辺に密集市街地が形成されている場合、その区域における社会経済活動への影響、施設機能の阻害行為の兆候等の把握が困難であるかどうかといった重要施設の周辺の実情、重要施設自体の形状や周辺区域における地形、周辺区域における地形、国有地の所在状況などを考慮し、区域指定の要否、区分、範囲を判断するという考え方を明らかにすることを想定しています。
 この経済的社会的観点から留意すべき事項を踏まえて評価した結果として、土地等の取引に関する事前届出が必要となる特別注視区域の指定では、法定するその要件に該当する区域であっても、注視区域として指定することがあり得るものと考えています。
 いずれにせよ、具体的な区域の指定については、法施行後に、個々の重要施設の周辺や離島ごとに法律の要件や基本方針の内容に照らして評価し、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、必要最小限の原則を踏まえ、適切に判断してまいります。
 次に、罰則規定の内容、合理性等について御質問をいただきました。
 本法案に基づく罰則としては、第一に、重要施設等の機能を阻害する土地等の利用の中止命令を受けてなおこれに応じなかったときには、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すること、第二に、土地等の取引の契約に先立つ届出、すなわち事前届出を行わなかったとき又は虚偽の内容を届け出たときには、六か月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処すること、第三に、土地等の利用に関する報告等の求めに応じなかったとき又は虚偽の報告を行ったときには、三十万円以下の罰金に処することを定めています。
 これらは、いずれも本法案に基づく措置の実効性を担保し、法目的を達成するために必要な措置です。そして、それらの内容は、類似する他法令の前例を踏まえ、慎重に検討を行った上で決定しており、過度な水準になってはいないと考えています。
 最後に、本法案の措置に、その周知広報及び運用の透明性確保に向けた取組について御質問いただきました。
 本法案において、土地等の利用者が政府の措置に対し罰則に担保される形で求められる対応は、第一に、機能阻害行為としての土地等の利用に対する中止の命令への対応、第二に、特別注視区域における土地等の取引に係る事前届出、第三に、土地等の利用に関する報告等の求めに対する対応です。
 まず、法施行までに、それらの措置の趣旨、考え方、対応の手続等について、広く国民や事業者の皆様はもとより、地方公共団体、不動産業関係団体等に対しても周知広報を徹底してまいります。
 その上で、区域内で平穏な日常生活を送る住民の方々、あるいは通常の経済活動を行う事業者の方々も対象となり得る特別注視区域における事前届出については、行政関係の手続に不慣れな方であっても円滑に事前届出を行っていただけるよう、届出書類の簡素化、記載マニュアルの作成、内閣府における相談体制の整備などに向けた検討を進めてまいります。
 また、不動産取引を仲介する事業者の方々に御協力をいただき、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明として、対象となる土地等の買手に対し、事前届出の手続について説明していただくことも検討してまいります。
 加えて、本法案に基づく措置の実施状況について、政府としてしっかり説明責任を果たしていくことは極めて重要であると考えます。このため、本法案の運用の透明性を確保する観点から、毎年、本法案に基づく措置の実施状況の概要を取りまとめ、国会を含め、広く国民の皆様に対して公表することとし、その旨を閣議決定する基本方針において明らかにする方向で検討してまいります。
 以上でございます。(拍手)
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発言情報

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発言者: 小此木八郎

speaker_id: 23042

日付: 2021-06-04

院: 参議院

会議名: 本会議