小此木八郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(小此木八郎君) 柴田議員から九問の御質問をいただきました。順次お答え申し上げます。
 まず、日本維新の会の提出法案と本法案の比較等について御質問いただきました。
 日本維新の会が、平成二十八年以降、累次にわたり安全保障上重要な土地等の取引規制に関する法案を提出されていることは承知しております。
 日本維新の会の法案は、今般の法案に先立ち、安全保障の観点から土地等を管理する法的枠組みを導入しようとするものであり、このことは私として大変意欲的な取組であると認識しております。
 その内容は、防衛施設等の周辺や国境離島に所在する土地等の取引を規制するものとなっており、防衛関係施設等の重要施設や国境離島等の機能を阻害する土地等の利用を規制する本法案とは措置の内容が異なります。
 このため、両者の実効性について一概に比較することは困難でありますが、本法案では、安全保障の観点からリスクのある土地等の利用状況を調査した上で、機能阻害行為としての土地等の利用に対し中止等の勧告、命令を行います。さらに、特にリスクが高い特別注視区域内の土地等の取引を随時に把握するための事前届出を義務付けること等の措置を講ずることとしており、全体として十分な実効性が確保されているものと考えます。
 次に、土地等の取引規制について御質問をいただきました。
 土地等の取引に関する事前審査及び規制について、昨年開催した国土利用の実態把握等に関する有識者会議での提言では、あらかじめ規制の基準や要件を明確に定めることが困難であり、慎重に検討すべきとされたところであります。
 この提言を踏まえ、本法案では、土地等の取引の事前審査及び規制を行ういわゆる取引規制は導入しないこととし、重要施設等の機能を阻害する土地等の利用が判明した場合、その利用の中止等の勧告、命令を行う利用規制の枠組みを採用することといたしました。
 また、特別注視区域では、取引の事前届出を通じて土地等の所有状況を逐次把握し、利用状況に関する追加的な調査を行うとともに、必要に応じて国がその土地等の買取りに努める措置も設けております。これらの措置を的確かつ機動的に実施することによって、安全保障上のリスクとなる重要施設等の機能を阻害する行為の防止に万全を期してまいります。
 次に、本法案に基づく調査の在り方について御質問をいただきました。
 まず、御指摘の立入調査については、有識者会議の提言において、対象となる者の負担が大きいことから、調査の手法としては、現地・現況調査や公簿の収集等までの対応とすることが適当とされたことを踏まえ、本法案では導入しないことといたしました。
 一方、本法案に基づく調査では、不動産登記簿や住民基本台帳等の公簿収集、現地・現況調査に加えて、土地等の利用者等からの報告徴収を行うこととしております。
 また、防衛関係施設等の重要施設を所管する関係省庁や当該施設を管理する事業者等から、機能阻害行為の兆候等に係る情報提供を受けることも想定しているところであります。
 このように、多様な方法を通じて具体的な実態把握を行った上で、適時適切に利用規制を実施することによって重要施設等に対する機能阻害行為の防止に努めてまいります。
 なお、本法案の附則第二条には、五年後の見直しに係る規定を置いております。その過程では、本法案の執行状況や安全保障をめぐる内外情勢などを勘案しつつ、御指摘の点を含め、更なる政策対応の在り方について検討してまいります。
 次に、国による収用、使用について御質問をいただきました。
 御指摘のあった強制力がある収用等の措置については、有識者会議の提言において、今般の制度的枠組みの実施状況、有効性等を見極めた上で、安全保障をめぐる国際情勢、諸外国の取組等も踏まえ、慎重に検討していくべきとされました。
 このため、本法案では、そうした強制力のある収用は導入しないこととし、重要施設等の機能を阻害する土地等の利用に対し中止等の命令等を行う利用規制の枠組みを採用したところであります。
 政府としては、土地等の利用状況の調査と利用規制を柱とする本法案によって、安全保障上のリスクとなる重要施設等の機能阻害行為の防止に努めてまいります。その上で、附則第二条に基づく五年後の見直しの中で、御指摘の措置の要否を含め、更なる政策対応の在り方について検討してまいります。
 次に、法施行前の取引への対応について御質問いただきました。
 本法案に基づく調査及び利用規制は、法施行前に取引が行われた土地等を含め、重要施設等の周辺又は国境離島等の対象区域に含まれる全ての土地等が対象となります。
 本法案の第二十三条に規定する国による土地等の買取り等は、国の努力義務であり、国からの申出に対する諾否は土地所有者等の判断に委ねられます。
 御指摘のあった立入調査や強制力のある収用は、先ほどお答えしたとおり本法案では導入しておりませんが、附則第二条に基づく見直しの過程では、それらの要否を含め、検討してまいります。
 次に、本法案とWTO・GATSの関係について御質問をいただきました。
 重要施設等の機能を阻害する行為については、その主体が外国人、外国法人であるか、又は日本人、日本法人であるかにかかわらず、適切に対処することが必要であります。このため、本法案は、調査や利用規制の対象を外国人、外国法人の利用者に限定しない内外無差別の枠組みとしております。
 その結果、WTOのGATS第十七条が規定する内国民待遇義務に整合的な制度となっており、御指摘の同第十四条の二の規定する安全保障のための例外を援用する必要はございません。
 次に、区域指定に係る地方公共団体との意見交換について御質問をいただきました。
 我が国の安全保障のための措置は、国が責任を持って判断し、実施することが必要です。
 このため、注視区域等の指定については、政府として、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、指定の要否、範囲等について慎重かつ適切に判断、決定することとしており、法律上、関係する地方公共団体との意見交換の手続については規定しておりません。
 一方、本法案に基づく措置を実施するに当たり、地域住民に身近な地方公共団体の理解、協力を得ていくことは重要であります。このため、区域指定を行う前に、十分な時間的余裕を持って、関係する地方公共団体としっかり意見交換を行っていく考えであります。
 次に、区域指定について御質問をいただきました。
 注視区域又は特別注視区域の指定に当たっては、指定に伴う区域の社会経済活動への影響を安全保障上の要請に基づく合理的かつやむを得ない範囲に限定する必要があると考えております。
 実際の区域指定については、法施行後に、個々の重要施設の周辺や離島ごとに法律の要件や基本方針の内容に照らして評価いたします。そして、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、重要施設等の機能阻害行為を防止するという法目的の確実な達成を前提として、それぞれの指定の要否、区分等について慎重かつ適切に判断してまいります。
 最後に、五年経過時の見直しの規定について御質問をいただきました。
 本法案附則第二条では、新法である本法案に基づく土地等の利用状況の調査や、利用規制としての勧告、命令、特別注視区域における事前届出等について、それぞれの実施状況、効果、社会経済活動への影響等を検証するために要する期間を考慮して、法律施行後五年経過時に見直しを行うこととしております。
 政府として、本法案に不備があるとは考えておりませんが、一般論として、法案検討時に前提としていた状況が大きく変わった場合には、この見直し規定の期間にかかわらず、必要な見直しをすることはあり得ると考えております。(拍手)
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発言情報

speech_id: 120415254X02820210604_015

発言者: 小此木八郎

speaker_id: 23042

日付: 2021-06-04

院: 参議院

会議名: 本会議