吉田宣弘の発言 (外務委員会)
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○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
それで、佐藤幸治先生の教科書を読み進めると、過去に、著しく、かつ、直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足る相当な理由がある者に対する旅券不発行規定、これは旅券法の十三条一項七号に関連して、裁判が行われたようでございます。最高裁判所は、公共の福祉のために合理的な制限を定めたものとして、本規定については合憲としたようでございます。これは昭和三十三年の九月十日の判決でございます。
ただ、このような規定は包括的で明確性を欠くとして違憲と考える学説も有力であって、佐藤幸治先生も、判例の言うように合憲だとしても、恣意的に運用されることのないような注意が必要で、旅券法十四条の定める理由付記も、そのような観点から理解されなければならないと述べておられました。時間がないので内容は省きますけれども、昭和六十年にも最高裁判決がありまして、佐藤幸治先生が述べられておられたような趣旨の判決であるというふうに理解をしております。
では、何ゆえに裁判になって争われているかといいますと、私の理解では、一時的な海外旅行でも憲法の保障下にあるということが、解釈ですけれども、認められているからだと思っております。
憲法は明文で外国に移住する自由を保障しておりますが、これは憲法二十二条二項の規定でございます。ここに言う移住には、一般的な旅行も含まれると解されているようでございます。先ほど述べた昭和三十三年の判決にそのような判旨があるようでございます。
とすれば、すなわち、この旅券というものは、海外旅行の自由という憲法上の権利に関する法律でございますから、旅券法においては、法文の在り方としてできるだけ明確であることが求められると思います。また、行政の恣意的な運用は抑制されなければならないと考えます。
このような観点から、まず、旅券の失効に係る例外規定、今般の改正でございますけれども、の整備において、外務大臣又は領事官がやむを得ない事情があると認めるときという文言について、私は、法文として明白か、若しくはまた、恣意的運用が制約されるかについてお聞きしておきたいと思っております。
すなわち、法文の明確性の観点からは、やむを得ない事情とはどのような事情をいうのか、また、行政の恣意的運用の抑制の観点から、認めるときとはどのようにして認めるのかについて、確認をしておきたいと思います。